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高校生編
58 道脇楓 次女ですけど、何か?
真っ赤になりながら、淳お兄様の問いかけに頷いた後。
「淳お兄様は、お姉様のことがお好きなのでは……?」
ふと、疑問に思った。もし、仮に淳お兄様が本当に私を好いて下さっているとして、淳お兄様とお姉様は両想いじゃなかったのか。私が首を傾げると、淳お兄様は苦笑した。
「それは、楓が零次くんのことが好きだと思っていたから。そう思わせておいた方が婚約を破棄しやすいかと思って」
ついた嘘だと、淳お兄様は言った。
「それは、前川様は親友ですし、好きですけど、淳お兄様に対する好きとは、違います」
「えっ!? あの好きってそういう意味だったの。でも、彼は、」
? 前川がどうかしたのだろうか? 私の疑問が顔に出ていたのか、淳お兄様は、首を横に振った後、何でもないよ、と笑った。
それにしても、私が前川のことを好きだと思われていたなんて。全く思いもよらなかった。
「じゃあ、私たちってものすごく勘違いをしてた……?」
私がそういうと、淳お兄様はそうみたいだね、と言った。何だ、全部勘違いだったのか。よかった、何て私たちは顔を見合わせて笑った。
誤解がとけた私たちは幸せに――とは、ならなかった。
事の顛末を話すとお祖父様にはため息をつかれたし、お姉様にもそうだったの、とあっさり認めてもらった。けれど、問題は、お父様だった。
道脇家の問題である、淳お兄様とお姉様の婚約はともかくとして、私と前川の婚約話はかなり話が進んでいたらしく、難色を示されたのだ。
しかし、そこで思わぬことが起きる。では、私が代わりに、と桃が自ら前川の婚約者になると言い出したのだ。あまりにも突然のことで、家族皆で桃を止めようとしたが、桃は私がなるといって聞かなかった。前川も、自身はまだ若輩者であり婚約者を持つなど、まだ早い、とかなり抵抗したのだが、桃の押しに負けて婚約を結ぶこととなった。時々ケンカもしているようだけれど、それなりに上手くやっている、らしい。
さて、肝心の私たちはというと。
「淳お兄様!」
今日は、待ちに待ったクリスマス。淳お兄様の大学の講義がお休みなので、久しぶりのお出かけだ。
淳お兄様の姿が遠くから見えたので、駆け寄る。駆け寄ると、淳お兄様は、頭を撫でてくれた。その手にためらいはない。その幸せをかみしめながら笑うと、手を差し出された。
「行こうか」
「はい!」
差し出された手をしっかりと握る。
これから先、どうなるかはわからないけれど、私は大好きな人と歩んでいく。
――道脇家次女、道脇楓。
私の物語は、始まったばかりだ。
「淳お兄様は、お姉様のことがお好きなのでは……?」
ふと、疑問に思った。もし、仮に淳お兄様が本当に私を好いて下さっているとして、淳お兄様とお姉様は両想いじゃなかったのか。私が首を傾げると、淳お兄様は苦笑した。
「それは、楓が零次くんのことが好きだと思っていたから。そう思わせておいた方が婚約を破棄しやすいかと思って」
ついた嘘だと、淳お兄様は言った。
「それは、前川様は親友ですし、好きですけど、淳お兄様に対する好きとは、違います」
「えっ!? あの好きってそういう意味だったの。でも、彼は、」
? 前川がどうかしたのだろうか? 私の疑問が顔に出ていたのか、淳お兄様は、首を横に振った後、何でもないよ、と笑った。
それにしても、私が前川のことを好きだと思われていたなんて。全く思いもよらなかった。
「じゃあ、私たちってものすごく勘違いをしてた……?」
私がそういうと、淳お兄様はそうみたいだね、と言った。何だ、全部勘違いだったのか。よかった、何て私たちは顔を見合わせて笑った。
誤解がとけた私たちは幸せに――とは、ならなかった。
事の顛末を話すとお祖父様にはため息をつかれたし、お姉様にもそうだったの、とあっさり認めてもらった。けれど、問題は、お父様だった。
道脇家の問題である、淳お兄様とお姉様の婚約はともかくとして、私と前川の婚約話はかなり話が進んでいたらしく、難色を示されたのだ。
しかし、そこで思わぬことが起きる。では、私が代わりに、と桃が自ら前川の婚約者になると言い出したのだ。あまりにも突然のことで、家族皆で桃を止めようとしたが、桃は私がなるといって聞かなかった。前川も、自身はまだ若輩者であり婚約者を持つなど、まだ早い、とかなり抵抗したのだが、桃の押しに負けて婚約を結ぶこととなった。時々ケンカもしているようだけれど、それなりに上手くやっている、らしい。
さて、肝心の私たちはというと。
「淳お兄様!」
今日は、待ちに待ったクリスマス。淳お兄様の大学の講義がお休みなので、久しぶりのお出かけだ。
淳お兄様の姿が遠くから見えたので、駆け寄る。駆け寄ると、淳お兄様は、頭を撫でてくれた。その手にためらいはない。その幸せをかみしめながら笑うと、手を差し出された。
「行こうか」
「はい!」
差し出された手をしっかりと握る。
これから先、どうなるかはわからないけれど、私は大好きな人と歩んでいく。
――道脇家次女、道脇楓。
私の物語は、始まったばかりだ。
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