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沈没漂流編
第22話 4日目②おっさんは自分自身と向き合う
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「えー? あたし死んじゃったんすか」
ようやく落ち着いた俺が美岬を解放して、向かい合わせに座った状態でさっき見た夢の内容を話した時の美岬の反応がこれだった。
「……本当に美岬を死なせてしまったと思ったから……あのショックは、ちょっと言葉では説明しきれないな。とにかく、夢で良かった。あれが本当になってたら正直立ち直れなかった」
「へ、へぇー、そっすかぁ。へへっ」
夢の中とはいえ、自分が溺れ死んだという話なのに美岬は何やら嬉しそうにはにかんでいる。
「……なんでそんなに嬉しそうなんだ?」
「いや、だって、あたしが死ぬことでそこまでガクさんがショックを受けて苦しんじゃうほどに、あたしってガクさんに大事に思われてるんだなぁって思ったらちょっと嬉しくって」
「ああ、そういうことな。でも、それは確かにその通りだな。俺にとって美岬がどれだけ特別で大切な存在になってたか、つくづく思い知らされたよ」
「おぅふっ!? 素直っすか! ナチュラルにさらっと言われるとどう受け止めたらいいのか困るっすよ!?」
「そのまんまだよ。美岬が死んだと思った瞬間、本当に身体の一部が引きちぎられたような錯覚を感じるぐらい辛くて、本気で死にたいと思ったし、美岬が生きているって実感した時は本当に嬉しくて、二度と離したくないって思ったんだ」
みるみるうちに美岬の顔が真っ赤に染まる。顔を伏せて手のひらを俺に向けてくる。
「ちょ、ちょっとタンマ! タンマっす! ちょっとだけ気持ちを落ち着かさせてほしいっす!」
「…………」
美岬が姿勢を正して、すぅーはぁーと何度か深呼吸を繰り返す。
「……あの、あたしは知っての通り、こういうのに全っ然、まったくもって、これっぽっちも免疫が無いんで、きちんと認識のすり合わせをしたいんすけど……その、ガクさんはあたしのことが好きで、今あたしは告白を受けてるって認識で合ってるっすか?」
「……あ? ……えー、えっと、それはどうなんだろう?」
「ふえ!? ち、違うんすか?」
美岬が眉をへの字にして泣きそうになる。俺は慌てて自分の正直な気持ちをどうにか表現しようと努める。
「すまん。俺自身もまだ正直なところ考えの整理がちゃんとついてないもんで、美岬に対する恋愛感情とか告白とか、そこまで考えてたわけじゃなくて……ただ、自分の本音を何も考えずに口にしちまっただけなんだが、でも言われてみれば告白そのものだな、と妙に納得している自分もいて、ちょっと混乱してる。……ちょっと考えを整理する時間もらっていいか?」
「……どうぞっす」
俺にとって美岬はどんな存在なんだろう? 妹と同じ名前の高校生の少女。20歳近く年下のそれこそ娘といってもおかしくないぐらい年の離れた相手。……だが、俺の美岬に対する感情は妹に対するものとは全然違うし、おそらく親の子供に対するものとも全然違うだろう。
先生と生徒、友人同士、これも違う。関係性としては近いが、俺が美岬に対して持っている感情は師弟愛や友人との絆よりももっと強いものだ。教え子や友人がもし死んだらもちろん悲しく感じるだろうが、それでもあそこまでの身を引き裂かれるような悲しみは感じないと断言できるし、自分の命を犠牲にしてまで助けようとはしないはずだ。
俺はこうして漂流するにあたり、美岬に対してあくまで保護者として接するように、異性として意識しないように努めてきた。だから今も美岬に対して性的な衝動をさほど感じているわけではない。……俺も健康な男なのでまったく感じないとは言わないが、それでも俺が美岬に対して感じているのはそういう衝動的なものではなくて、もっと穏やかで温かい気持ちだ。この気持ちをどう定義すればいいのかは分からないが。
俺も高校や専門学校時代は人並みに恋もしてきたし、専門学校時代は結婚を意識して半同棲していた彼女もいた。まあその後色々あって別れて恋愛そのものを避けていた時期もあり、バックパッカーズにコラムを掲載していた頃は年中一人旅ばかりしていたし、その後、両親の死をきっかけに実家の店を妹とやるようになってからはそもそも異性との出会いもなく、気づけばこの歳だから、正直なところ恋愛の経験値はかなり低い。
ただ、あの若い頃は特に大した理由もなく誰かを好きになって、好きな相手のことしか考えられなくなって、今恋をしているというのが分かりやすかった。
それに対して、今の俺の美岬に対する感情はあの頃の恋愛感情とはまったくの別物だと断言できる。俺が歳相応に円熟したということなんだろうか? 単に俺が中年になって枯れつつあるってだけかもしれないが。
とはいえ、美岬に対する感情が十代の頃のような衝動的な強い恋愛感情じゃないからといって、それは恋が冷めた相手に対するような、関心を失ったような状態とも全然違っている。そのことは夢でのこととはいえ、美岬を失った時のあの耐え難い喪失感からも疑う余地はない。昔のような分かりやすい恋愛感情ではなくても、間違いなく美岬は今の俺にとって誰よりも大切で失いたくない存在だ。
美岬と一緒にいることは苦痛じゃない。美岬との会話は楽しく、気まずい沈黙もなく、ついつい時間を忘れて話し込んでしまう。美岬自身、最初の頃は外見へのコンプレックスが強くて自信無さげでネガティブな面が目立っていたが、今はだいぶ吹っ切れたようでコロコロと表情を変えながら素直に笑うようになり正直、女性としても魅力的になったと思う。
昨日、美岬がこの漂流生活が終わってからも会ってほしいと言ってくれた時、俺は嬉しかった。それと同時に漂流生活が終わってそれぞれの日常に戻ったら今のように一緒にはいられなくなるんだな、とモヤッとするものがあった。……とそこまで考えて自分の中で合点がいった。
そうか。いつの間にか俺の中では美岬が一緒にいるのが当たり前で、これからもそうありたいと思うようになっていたんだな、と。
三日間ずっと一緒にいて、自然と親しくなってきてたから自分の気持ちの変化に気づけなかったのかもしれない。
「……えっと、とりあえず気持ちの整理がついたから言ってもいいか?」
「はいっす。あたしも覚悟決めたっす」
「こんな歳の離れたおっさんにこんなこと言われても困るかもしれないが、やっぱり俺は美岬のことが好きなんだと思う」
「…………なんでそこ曖昧なんすか?」
「いやその、説明してもピンとこないかもしれないが……十代の頃と三十代の今では人を好きになるっていう感情そのものがぜんぜん別物になってるんだよな。十代の恋はとにかく分かりやすかったんだ。誰かを好きになった瞬間から恋愛モードにカチッとスイッチが切り替わるというか。あと、好きになる理由も可愛いとかスタイルがいいとか、割りと外見的な要素が大きくてな。高校生の恋愛ってそんな感じだろ?」
「……あー、まぁ、そっすね。三十代だとそんなに違うんすか?」
「まず、外見的な要素があまり重要ではなくなるかな。もちろん好みはあるけど、それよりも一緒にいて安心できるとか、どれだけ気が合うかの方が大事になるかな。だから気の合う友だち感覚で一緒にいるうちに友情と恋の境界線が曖昧になってて、気がついたら好きになってるって感じなんだ。……今の俺がそんな感じで、いつの間にかすっかり情が移ってしまってる」
「ふぁ、そ、うだったんすね。確かにその……気づいたら好きになってるって感覚はあたしにはよく分かんないすけど、言いたいことは理解できたっす。ガクさんにとってあたしは気が合う仲のいい相手だったけど、今ではちゃんと異性として好きになってくれて、それをガクさんも自覚したってことっすよね?」
そう確認するように聞いてくる美岬は今まで見たことのない表情を浮かべていた。怒っているのか喜んでいるのか笑いだしそうなのか泣きだしそうなのか、全部ごっちゃになっているようで、それでいてそれを表に出さないようにしようとして失敗しているような。
「そうだな。改めて口に出すのが気恥ずかしいが、俺は美岬のことが好きだ。……この状況だし、これだけ歳の離れてる美岬だから、そういう恋愛対象として見ないように気を付けてたつもりだったんだけどなぁ。情けない話だが、いつの間にやら、俺にとって美岬は誰よりも大切で、失うのが怖くて、ずっと一緒にいたいと思うそんな存在になってたんだ。……こんな困らせるようなことを言って申し訳なく思っている」
「いや、その、正直な気持ちを言ってくれて嬉しかったっす。じゃあ、あたしの正直な気持ちも聞いてもらっていいっすか?」
「ああ。聞かせてくれ」
俺も何を言われても受け止める覚悟を決めるが、次の瞬間、美岬がへにゃっと満面の笑顔になる。
「えへへっ、あたしも、あたしもガクさんのこと、大好きっす! だからガクさんから告白してもらえて嬉しすぎて、もう顔がにやけないようにするので精一杯だったっす!」
「…………マジか」
「……いや、なんでそこ素で驚くんすか? そもそも、あれだけのことをしてもらって惚れない女の子がいると思うんすか? もし、ここにいるのがあたしじゃなくて別の女の子だったとしても絶対にガクさんのことを好きになってるって断言するっすよ!」
「そ、そうかなぁ?」
首を捻る俺に美岬が微妙に呆れた顔をする。
「……ガクさんって、サバイバルに関しては自信満々なのに、なぜか妙に自己評価低いっすよね? あたしから言わせてもらうと、ガクさんって気遣いがすごいし、自己犠牲の塊だし、しかもそれを意識しないでナチュラルにやっちゃってるから、イケメンオーラぱねぇっすよ。それでいて背も高くて細マッチョで、でも顔立ちは相手に威圧感を感じさせない優しげなイケメンっすから、街で普通に暮らしてたらたぶん半端じゃないモテっぷりだと思うすよ。それを本人が気づけてないのは、たぶん周りにそういう対象がいなかったってだけで」
「いやいや、それはさすがに盛りすぎだろう。…………確かに僻地の山暮らしが長いから、この10年ぐらいは妹以外の歳の近い異性とはそもそも知り合う機会すらなかったのは事実ではあるけど。でも、それ以前の若い頃だってそもそもそんなにモテてないぞ。高校時代は告白しても全部玉砕だったし、唯一付き合った専門学校時代の彼女にも結局振られてるし」
「や、だって、今のガクさんの落ち着きとか気遣いは若い頃からそうだったわけじゃなくて、妹さんと支え合って生きてきた中で少しずつ培われたものっしょ? 今のガクさんじゃなきゃあたしだって好きにはなってないと思うっすよ。
船で体調を崩してた見ず知らずのあたしを心配して声かけてくれて助けてくれた親切さとか、あたしが船から落ちた時に迷わず飛び込んで助けに来てくれた勇気とか、あたしが恥ずかしい思いとか辛い思いをしないように配慮してくれた優しさとか、そういう気遣いを自然にできる今のガクさんだからあたしは好きになっちゃったんすよ」
一生懸命に俺の魅力を力説する美岬の様子に心が温かくなるのを感じる。そして、そんな美岬への愛おしさをはっきりと自覚した。
「そうか。まあ今の俺が一般の女子受けするかどうかはさておき、今の俺を美岬が好いてくれるなら正直それだけで十分だ」
それを聞いた美岬が照れたように笑う。
「そっすね。あたしもおんなじっす。大好きなガクさんがあたしのことを好きになってくれた。それだけでめっちゃ幸せっすよ」
「じゃあその……なんだ、えーと、それじゃ……付き合って、みるか?」
そう口に出した瞬間、ハッと我に返り発言を後悔する。雰囲気に流されたとはいえ、こんなおっさんが女子高生相手になんてことを口走ってる!? お互いに好意を通じ合わせたといってもこれはアウトだろ。
慌てて発言を取り消そうとしたが、美岬に先回りされてしまった。
「もちろんオッケーっす。むしろこれで歳の差を理由に付き合わないとかなったらあたし泣くっすよ」
「…………あ、いやでも、俺の方から申し込んでおいてこんなこと言うのもなんだけど、ちゃんと考えて返事した方がいいんじゃないか? 俺と美岬の年齢差は二十ぐらい離れてて、それは決して小さくないぞ」
「あー、本土の人の感覚だとそうかもっすけど、過疎ってるうちの島だとそれぐらいの歳の差の夫婦ってけっこういるっすからあたしはそんなに気にならないっす。そもそもうちの父ちゃんと母ちゃんも二十ぐらい離れてるっすし。……もしあたしが彼氏がいないまま高校卒業して島に戻ったら、ガクさんより年上の男性と結婚させられると思うし」
「え? なにそれ離島怖い。えっと、それは美岬の親が決めた婚約者みたいな?」
「いや、そんなんじゃないっすけど、うちの父ちゃんの親友の息子さんが独身で島にいるんすけど、あたしにとって一番歳の近い独身男性がその人だし、親同士の関係を考えるとたぶんそうなるだろうなって。……だから、本当に歳の差のことは気にしないで大丈夫っす。あたしだってできることなら好きな人とお付き合いして結婚するのが理想っすし、それに、ずっと周りが大人ばかりの環境で育ってきたあたしにとって、ガクさんぐらい落ち着いた大人の男の人がドンピシャのタイプなんすよ」
なんか完全に外堀も内堀も埋められた気がする。たしかにそういう事情なら俺が美岬と付き合っても問題ない……のか?
「分かった。これからよろしくな。……といっても今は生きるか死ぬかのサバイバル真っ只中だから、この危機的な状況から脱け出さんことには恋人らしいことはできんぞ。そこの優先順位間違えると死ぬし」
「あい。そこはちゃんとあたしもわきまえてるっすよ。それにこんな何日もお風呂にも入ってない着の身着のままで不潔な状態とか女子としてありえないっすし! あたし、美人じゃないっすけどそれでも一応女の子なんで彼氏には少しでも自分を可愛く見せたいって気持ちはあるんすよ。だから今の現状は見ぬふりしてほしいっす」
「それはお互い様だ。俺も汗臭いしだいぶ無精髭伸びてきたしな。でも、一つ訂正させてもらうと美岬は普通に可愛いぞ。とりあえず二人で無事に生き残って、ちゃんと洒落た格好をしてデートするのが当面の目標だな」
「あは。あざっす。ガクさんに可愛いって思ってもらえればあたしはそれだけで満足っすよ。生きて帰る楽しみも増えたっす。でもあたしとしては、ぶらり旅日記みたいなアウトドアでのデートもしたいっす」
「それもいいな。美岬に二輪免許取ってもらって一緒にツーリングとかも行けたら楽しそうだな」
「おー、夢が広がるっすねー! 二人で各地の美味しいものを色々食べたいっすね」
──ぐうぅぅぅ
食べ物の話をした途端に美岬の腹が盛大に自己主張して思わず笑ってしまった。美岬が情けない顔をしてお腹を押さえる。
「もぉー、なんでこんな時に鳴っちゃうんすかね!」
「健康な証拠だ。ちょうどいいから食事にしよう。それから今日の予定を話し合おうか。一緒に生き残るために」
寝る前に空を覆っていた薄雲は今ではすっかり分厚い雨雲になり、いつ降りだしてもおかしくない状態だし、筏から転げ落ちるほどではないにしてもうねりは確実に大きくなってきているし、南からの生暖かい風も吹き始めている。疑う余地なく、文字通りの嵐が迫っているからそれに備えなければならない。
【作者コメント】
ちょっとメタな話をさせてもらいますとね、確かにいずれはくっ付けるつもりではあったんですけど、こんなに早くくっ付けるつもりではなかったんです。神(作者)の意向無視して勝手に告白してカップルになりおってお前らちょっとアクティブすぎるやろー。夢オチ恐いわー。
……とはいえ、これから二人を待ち受ける試練を考えるとここで二人の絆が強まっておくことは大事かなと思うわけです。まあそんな舞台裏を暴露しつつ、次回は嵐にそなえます。
ようやく落ち着いた俺が美岬を解放して、向かい合わせに座った状態でさっき見た夢の内容を話した時の美岬の反応がこれだった。
「……本当に美岬を死なせてしまったと思ったから……あのショックは、ちょっと言葉では説明しきれないな。とにかく、夢で良かった。あれが本当になってたら正直立ち直れなかった」
「へ、へぇー、そっすかぁ。へへっ」
夢の中とはいえ、自分が溺れ死んだという話なのに美岬は何やら嬉しそうにはにかんでいる。
「……なんでそんなに嬉しそうなんだ?」
「いや、だって、あたしが死ぬことでそこまでガクさんがショックを受けて苦しんじゃうほどに、あたしってガクさんに大事に思われてるんだなぁって思ったらちょっと嬉しくって」
「ああ、そういうことな。でも、それは確かにその通りだな。俺にとって美岬がどれだけ特別で大切な存在になってたか、つくづく思い知らされたよ」
「おぅふっ!? 素直っすか! ナチュラルにさらっと言われるとどう受け止めたらいいのか困るっすよ!?」
「そのまんまだよ。美岬が死んだと思った瞬間、本当に身体の一部が引きちぎられたような錯覚を感じるぐらい辛くて、本気で死にたいと思ったし、美岬が生きているって実感した時は本当に嬉しくて、二度と離したくないって思ったんだ」
みるみるうちに美岬の顔が真っ赤に染まる。顔を伏せて手のひらを俺に向けてくる。
「ちょ、ちょっとタンマ! タンマっす! ちょっとだけ気持ちを落ち着かさせてほしいっす!」
「…………」
美岬が姿勢を正して、すぅーはぁーと何度か深呼吸を繰り返す。
「……あの、あたしは知っての通り、こういうのに全っ然、まったくもって、これっぽっちも免疫が無いんで、きちんと認識のすり合わせをしたいんすけど……その、ガクさんはあたしのことが好きで、今あたしは告白を受けてるって認識で合ってるっすか?」
「……あ? ……えー、えっと、それはどうなんだろう?」
「ふえ!? ち、違うんすか?」
美岬が眉をへの字にして泣きそうになる。俺は慌てて自分の正直な気持ちをどうにか表現しようと努める。
「すまん。俺自身もまだ正直なところ考えの整理がちゃんとついてないもんで、美岬に対する恋愛感情とか告白とか、そこまで考えてたわけじゃなくて……ただ、自分の本音を何も考えずに口にしちまっただけなんだが、でも言われてみれば告白そのものだな、と妙に納得している自分もいて、ちょっと混乱してる。……ちょっと考えを整理する時間もらっていいか?」
「……どうぞっす」
俺にとって美岬はどんな存在なんだろう? 妹と同じ名前の高校生の少女。20歳近く年下のそれこそ娘といってもおかしくないぐらい年の離れた相手。……だが、俺の美岬に対する感情は妹に対するものとは全然違うし、おそらく親の子供に対するものとも全然違うだろう。
先生と生徒、友人同士、これも違う。関係性としては近いが、俺が美岬に対して持っている感情は師弟愛や友人との絆よりももっと強いものだ。教え子や友人がもし死んだらもちろん悲しく感じるだろうが、それでもあそこまでの身を引き裂かれるような悲しみは感じないと断言できるし、自分の命を犠牲にしてまで助けようとはしないはずだ。
俺はこうして漂流するにあたり、美岬に対してあくまで保護者として接するように、異性として意識しないように努めてきた。だから今も美岬に対して性的な衝動をさほど感じているわけではない。……俺も健康な男なのでまったく感じないとは言わないが、それでも俺が美岬に対して感じているのはそういう衝動的なものではなくて、もっと穏やかで温かい気持ちだ。この気持ちをどう定義すればいいのかは分からないが。
俺も高校や専門学校時代は人並みに恋もしてきたし、専門学校時代は結婚を意識して半同棲していた彼女もいた。まあその後色々あって別れて恋愛そのものを避けていた時期もあり、バックパッカーズにコラムを掲載していた頃は年中一人旅ばかりしていたし、その後、両親の死をきっかけに実家の店を妹とやるようになってからはそもそも異性との出会いもなく、気づけばこの歳だから、正直なところ恋愛の経験値はかなり低い。
ただ、あの若い頃は特に大した理由もなく誰かを好きになって、好きな相手のことしか考えられなくなって、今恋をしているというのが分かりやすかった。
それに対して、今の俺の美岬に対する感情はあの頃の恋愛感情とはまったくの別物だと断言できる。俺が歳相応に円熟したということなんだろうか? 単に俺が中年になって枯れつつあるってだけかもしれないが。
とはいえ、美岬に対する感情が十代の頃のような衝動的な強い恋愛感情じゃないからといって、それは恋が冷めた相手に対するような、関心を失ったような状態とも全然違っている。そのことは夢でのこととはいえ、美岬を失った時のあの耐え難い喪失感からも疑う余地はない。昔のような分かりやすい恋愛感情ではなくても、間違いなく美岬は今の俺にとって誰よりも大切で失いたくない存在だ。
美岬と一緒にいることは苦痛じゃない。美岬との会話は楽しく、気まずい沈黙もなく、ついつい時間を忘れて話し込んでしまう。美岬自身、最初の頃は外見へのコンプレックスが強くて自信無さげでネガティブな面が目立っていたが、今はだいぶ吹っ切れたようでコロコロと表情を変えながら素直に笑うようになり正直、女性としても魅力的になったと思う。
昨日、美岬がこの漂流生活が終わってからも会ってほしいと言ってくれた時、俺は嬉しかった。それと同時に漂流生活が終わってそれぞれの日常に戻ったら今のように一緒にはいられなくなるんだな、とモヤッとするものがあった。……とそこまで考えて自分の中で合点がいった。
そうか。いつの間にか俺の中では美岬が一緒にいるのが当たり前で、これからもそうありたいと思うようになっていたんだな、と。
三日間ずっと一緒にいて、自然と親しくなってきてたから自分の気持ちの変化に気づけなかったのかもしれない。
「……えっと、とりあえず気持ちの整理がついたから言ってもいいか?」
「はいっす。あたしも覚悟決めたっす」
「こんな歳の離れたおっさんにこんなこと言われても困るかもしれないが、やっぱり俺は美岬のことが好きなんだと思う」
「…………なんでそこ曖昧なんすか?」
「いやその、説明してもピンとこないかもしれないが……十代の頃と三十代の今では人を好きになるっていう感情そのものがぜんぜん別物になってるんだよな。十代の恋はとにかく分かりやすかったんだ。誰かを好きになった瞬間から恋愛モードにカチッとスイッチが切り替わるというか。あと、好きになる理由も可愛いとかスタイルがいいとか、割りと外見的な要素が大きくてな。高校生の恋愛ってそんな感じだろ?」
「……あー、まぁ、そっすね。三十代だとそんなに違うんすか?」
「まず、外見的な要素があまり重要ではなくなるかな。もちろん好みはあるけど、それよりも一緒にいて安心できるとか、どれだけ気が合うかの方が大事になるかな。だから気の合う友だち感覚で一緒にいるうちに友情と恋の境界線が曖昧になってて、気がついたら好きになってるって感じなんだ。……今の俺がそんな感じで、いつの間にかすっかり情が移ってしまってる」
「ふぁ、そ、うだったんすね。確かにその……気づいたら好きになってるって感覚はあたしにはよく分かんないすけど、言いたいことは理解できたっす。ガクさんにとってあたしは気が合う仲のいい相手だったけど、今ではちゃんと異性として好きになってくれて、それをガクさんも自覚したってことっすよね?」
そう確認するように聞いてくる美岬は今まで見たことのない表情を浮かべていた。怒っているのか喜んでいるのか笑いだしそうなのか泣きだしそうなのか、全部ごっちゃになっているようで、それでいてそれを表に出さないようにしようとして失敗しているような。
「そうだな。改めて口に出すのが気恥ずかしいが、俺は美岬のことが好きだ。……この状況だし、これだけ歳の離れてる美岬だから、そういう恋愛対象として見ないように気を付けてたつもりだったんだけどなぁ。情けない話だが、いつの間にやら、俺にとって美岬は誰よりも大切で、失うのが怖くて、ずっと一緒にいたいと思うそんな存在になってたんだ。……こんな困らせるようなことを言って申し訳なく思っている」
「いや、その、正直な気持ちを言ってくれて嬉しかったっす。じゃあ、あたしの正直な気持ちも聞いてもらっていいっすか?」
「ああ。聞かせてくれ」
俺も何を言われても受け止める覚悟を決めるが、次の瞬間、美岬がへにゃっと満面の笑顔になる。
「えへへっ、あたしも、あたしもガクさんのこと、大好きっす! だからガクさんから告白してもらえて嬉しすぎて、もう顔がにやけないようにするので精一杯だったっす!」
「…………マジか」
「……いや、なんでそこ素で驚くんすか? そもそも、あれだけのことをしてもらって惚れない女の子がいると思うんすか? もし、ここにいるのがあたしじゃなくて別の女の子だったとしても絶対にガクさんのことを好きになってるって断言するっすよ!」
「そ、そうかなぁ?」
首を捻る俺に美岬が微妙に呆れた顔をする。
「……ガクさんって、サバイバルに関しては自信満々なのに、なぜか妙に自己評価低いっすよね? あたしから言わせてもらうと、ガクさんって気遣いがすごいし、自己犠牲の塊だし、しかもそれを意識しないでナチュラルにやっちゃってるから、イケメンオーラぱねぇっすよ。それでいて背も高くて細マッチョで、でも顔立ちは相手に威圧感を感じさせない優しげなイケメンっすから、街で普通に暮らしてたらたぶん半端じゃないモテっぷりだと思うすよ。それを本人が気づけてないのは、たぶん周りにそういう対象がいなかったってだけで」
「いやいや、それはさすがに盛りすぎだろう。…………確かに僻地の山暮らしが長いから、この10年ぐらいは妹以外の歳の近い異性とはそもそも知り合う機会すらなかったのは事実ではあるけど。でも、それ以前の若い頃だってそもそもそんなにモテてないぞ。高校時代は告白しても全部玉砕だったし、唯一付き合った専門学校時代の彼女にも結局振られてるし」
「や、だって、今のガクさんの落ち着きとか気遣いは若い頃からそうだったわけじゃなくて、妹さんと支え合って生きてきた中で少しずつ培われたものっしょ? 今のガクさんじゃなきゃあたしだって好きにはなってないと思うっすよ。
船で体調を崩してた見ず知らずのあたしを心配して声かけてくれて助けてくれた親切さとか、あたしが船から落ちた時に迷わず飛び込んで助けに来てくれた勇気とか、あたしが恥ずかしい思いとか辛い思いをしないように配慮してくれた優しさとか、そういう気遣いを自然にできる今のガクさんだからあたしは好きになっちゃったんすよ」
一生懸命に俺の魅力を力説する美岬の様子に心が温かくなるのを感じる。そして、そんな美岬への愛おしさをはっきりと自覚した。
「そうか。まあ今の俺が一般の女子受けするかどうかはさておき、今の俺を美岬が好いてくれるなら正直それだけで十分だ」
それを聞いた美岬が照れたように笑う。
「そっすね。あたしもおんなじっす。大好きなガクさんがあたしのことを好きになってくれた。それだけでめっちゃ幸せっすよ」
「じゃあその……なんだ、えーと、それじゃ……付き合って、みるか?」
そう口に出した瞬間、ハッと我に返り発言を後悔する。雰囲気に流されたとはいえ、こんなおっさんが女子高生相手になんてことを口走ってる!? お互いに好意を通じ合わせたといってもこれはアウトだろ。
慌てて発言を取り消そうとしたが、美岬に先回りされてしまった。
「もちろんオッケーっす。むしろこれで歳の差を理由に付き合わないとかなったらあたし泣くっすよ」
「…………あ、いやでも、俺の方から申し込んでおいてこんなこと言うのもなんだけど、ちゃんと考えて返事した方がいいんじゃないか? 俺と美岬の年齢差は二十ぐらい離れてて、それは決して小さくないぞ」
「あー、本土の人の感覚だとそうかもっすけど、過疎ってるうちの島だとそれぐらいの歳の差の夫婦ってけっこういるっすからあたしはそんなに気にならないっす。そもそもうちの父ちゃんと母ちゃんも二十ぐらい離れてるっすし。……もしあたしが彼氏がいないまま高校卒業して島に戻ったら、ガクさんより年上の男性と結婚させられると思うし」
「え? なにそれ離島怖い。えっと、それは美岬の親が決めた婚約者みたいな?」
「いや、そんなんじゃないっすけど、うちの父ちゃんの親友の息子さんが独身で島にいるんすけど、あたしにとって一番歳の近い独身男性がその人だし、親同士の関係を考えるとたぶんそうなるだろうなって。……だから、本当に歳の差のことは気にしないで大丈夫っす。あたしだってできることなら好きな人とお付き合いして結婚するのが理想っすし、それに、ずっと周りが大人ばかりの環境で育ってきたあたしにとって、ガクさんぐらい落ち着いた大人の男の人がドンピシャのタイプなんすよ」
なんか完全に外堀も内堀も埋められた気がする。たしかにそういう事情なら俺が美岬と付き合っても問題ない……のか?
「分かった。これからよろしくな。……といっても今は生きるか死ぬかのサバイバル真っ只中だから、この危機的な状況から脱け出さんことには恋人らしいことはできんぞ。そこの優先順位間違えると死ぬし」
「あい。そこはちゃんとあたしもわきまえてるっすよ。それにこんな何日もお風呂にも入ってない着の身着のままで不潔な状態とか女子としてありえないっすし! あたし、美人じゃないっすけどそれでも一応女の子なんで彼氏には少しでも自分を可愛く見せたいって気持ちはあるんすよ。だから今の現状は見ぬふりしてほしいっす」
「それはお互い様だ。俺も汗臭いしだいぶ無精髭伸びてきたしな。でも、一つ訂正させてもらうと美岬は普通に可愛いぞ。とりあえず二人で無事に生き残って、ちゃんと洒落た格好をしてデートするのが当面の目標だな」
「あは。あざっす。ガクさんに可愛いって思ってもらえればあたしはそれだけで満足っすよ。生きて帰る楽しみも増えたっす。でもあたしとしては、ぶらり旅日記みたいなアウトドアでのデートもしたいっす」
「それもいいな。美岬に二輪免許取ってもらって一緒にツーリングとかも行けたら楽しそうだな」
「おー、夢が広がるっすねー! 二人で各地の美味しいものを色々食べたいっすね」
──ぐうぅぅぅ
食べ物の話をした途端に美岬の腹が盛大に自己主張して思わず笑ってしまった。美岬が情けない顔をしてお腹を押さえる。
「もぉー、なんでこんな時に鳴っちゃうんすかね!」
「健康な証拠だ。ちょうどいいから食事にしよう。それから今日の予定を話し合おうか。一緒に生き残るために」
寝る前に空を覆っていた薄雲は今ではすっかり分厚い雨雲になり、いつ降りだしてもおかしくない状態だし、筏から転げ落ちるほどではないにしてもうねりは確実に大きくなってきているし、南からの生暖かい風も吹き始めている。疑う余地なく、文字通りの嵐が迫っているからそれに備えなければならない。
【作者コメント】
ちょっとメタな話をさせてもらいますとね、確かにいずれはくっ付けるつもりではあったんですけど、こんなに早くくっ付けるつもりではなかったんです。神(作者)の意向無視して勝手に告白してカップルになりおってお前らちょっとアクティブすぎるやろー。夢オチ恐いわー。
……とはいえ、これから二人を待ち受ける試練を考えるとここで二人の絆が強まっておくことは大事かなと思うわけです。まあそんな舞台裏を暴露しつつ、次回は嵐にそなえます。
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