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第三幕 鬼と花
拾*
しおりを挟む※引き続き性描写の回になります。ご注意下さい。
「ひゃっ、あぁ、もう……やっ……ああ……あ」
丹念に、舌が乳房を舐る。舌先に翻弄されるように、牡丹は喘いだ。いや、喘がされた――といった方が、正しいだろうか。
指で弄られるよりも刺激が強く、牡丹は身悶える。ほんの舌先が乳頭に触れるだけで、どうにかなってしまいそうだった。何よりもそれが、気持ち良いと感じていることが、また。
鬼は執着するかのように執拗に愛撫を繰り返した。既に、牡丹の拘束など解いてしまい、右の乳首を舌で舐り、左は指先で転がされ。牡丹の身体が反応すれば、より愛撫は激しくなる。
「もう、やだぁ……」
どれくらい経ったか、牡丹は喘ぎながらも拒絶を示した。濡そぼった瞳からは涙が滲む。それは、快楽から出たものなのか。鬼の頭がゆらりと動いて、牡丹の顔を見やっていた。
「はあ、良い顔だなぁ」
鬼の愉悦は変わらず続いている。しかし、のそりと身体が動いたことにより、重しが身体から退いたような感覚があった。そのまま終わりを迎えるのかと思ったのだが――鬼は、牡丹の身体の下腹部に移動していただけ。牡丹は気付いて身体を引こうとするも、すでに鬼は牡丹の腰に手を回してどうやっても身体は動かない。
既に、裸体同然の状態で、牡丹の秘部は開かれる。そこに、鬼は迷いなく顔を近づけていた。
「そこは――」
そこは駄目。そう、牡丹は叫ぼうとしたがそれよりも鬼が秘部へと刺激を与える方が早かった。ぬるり――と。閉じられた花を押し開くように、鬼の舌が牡丹すら知らぬ場所を刺激した。
「あぁっ」
卑猥な水音の響きにあわせて、牡丹の口からはもう喘ぎ声しか出なかった。
乳房をいじった時よりも、もっと激しく、嫌らしく鬼の舌が動く。鬼の言葉通りであれば、遊んでいるのだろう。激しいばかりではない、牡丹の乱れが姿と声を堪能しつつ、時には動きを止め、時には花芯ばかりを攻めた。そうなるともう、快楽を知った身体は抵抗など出来そうにない。
腰が砕けるような刺激は、脳をも溶かしているような痺れを生み出して、牡丹から思考を奪った。
鬼の力の強さを知り抵抗が無意味と思うのもあっただろう。それまで身を任せてされるがままにしていた通り、従順にことが終わるのを待つのもありか。羞恥心は高揚感に変わり、高揚感は甘い痺れに従順にさせた。
「ああぁ……ああん……」
もう流されてしまおうと考えに至った時、牡丹の声が一際感極まった。瞬間、それを待っていたと言わんばかりに鬼の攻めはより激しくなった。花芯を舐めるだけでなく、口に含んで吸い――もう、むしゃぶりついていると言っても良いほどに。そして、更にその下の割れ目には何かが差し込まれていた。
「はあぁぁ……」
牡丹の腰が浮く。足の爪先にまで力が入って、異物の侵入に思わずつんのめった。すんなりと、押し開く感覚がして牡丹は中に入ったものがようやく鬼の指であると気がつく。同時に牡丹の脳裏に過ったのは、鬼の鋭い爪だ。何か、恐ろしいことをされるのではと頭を上げるも、よく見やれば鬼の証拠たる角はどこにも無い。
――なんでわざわざ?
先程までは確かに炯々とする赤い瞳が見えていた筈なのに、今はもうそれすら確認できない。鬼は人が殺せないが、殺さないのであれば如何様にも出来るのだ。些細な怪我程度であれば、この程度と嘲り笑っていそうなことでもあるのに、と牡丹は鬼からの愛撫を受けながらも、思考は止まらなかった。
――私を傷つけない為に?
そんな事があるだろうか。牡丹は朦朧とした意識で答えが出た時だった。
「あああっ!!!」
一際激しく、鬼の指が膣の中で抽挿を繰り返した。鬼の指は内壁を撫でるように滑らせ、更には牡丹が一番反応する場所を探り当てる。そこを執拗に……丹念に攻めて、牡丹から考える余裕をあっさりと奪った。
「他所ごとなんて考えるなよ」
鬼は上体を起こして、牡丹の股の間に割って入ったまま見下ろしていた。しかし次の瞬間には、グチュグチュと卑猥な水音を響かせて鬼の指の抽挿は繰り返す。鬼に視姦され、愛撫され、更には――
「はあ、牡丹」
さも、愛しげに名を呼ばれる。空いた手が牡丹の太腿を優しく撫でる。そんな些細な行為にすら牡丹の身の内には快感が昂り――絶頂へと到達してしまった。
「ああああんっ!!!」
びくん――と腰身体が跳ねる。
「気をやったか……そんなに気持ち良かったのか?」
牡丹は鬼の言葉で甘い痺れが気持ちの良いことなのだとようやく知るも、脱力感の上、呼吸をするだけでも精一杯の火照った身体で言葉が喉を通りそうにはなかった。
しかし身の内に収まっていた鬼の指がずるりと抜ける感触だけはしっかりと感じて、すっかり抵抗など忘れた頭と身体は残った疼きの余韻に浸り、だが同時に物寂しさも感じた。
「あ……」
「どうした、物足りなさそうな顔して」
と、あっさりと思考を読まれて、牡丹の顔が火照り以上に熱くなる。
余裕の無い牡丹と違って、常に鬼は愉しげで今もまだ何かを企むように牡丹を見下ろす。
「で……逃げないのか?」
指は抜かれ、互いの下腹部が密接する。牡丹はまだ露になったままの肢体を晒したままだ。もうとっくに羞恥心など無いに等しい。人間の姿だからなのか、鬼の獰猛さも薄れているような気もした。
その証拠か、鬼の身体が再び覆い被さったかと思えば、鬼の手が優しく牡丹の頬を撫でたのだ。それが、ひどく優しく感じて。張り詰めた糸がぷつんと切れたようで、牡丹は思わずその手をとり、本音がこぼれ落ちた。
「他の女なんて……触らないで……」
「触ってねぇよ」
自分の言葉が酷く醜く思えた。牡丹は曝け出したままの心がどれだけ歪んでいると知っても、もう堰きを切ったように止まらなかった。
「でも、食べたでしょ?」
「それが不満か。だがそれだと、俺は飢えるだけだ。どうする」
鬼の手つきは優しいままだった。愛撫とも違う――慈しむ手が頬を覆って、牡丹をあやす。そんな鬼の手を、今度はいじらしくも牡丹の繊細な手が追い求めた。醜いままの心を全て受け入れてくれるような。きっと、鬼に求めるべき抱擁ではない。しかし心の内は繊細などとは程遠く、鬼に翻弄された欲望が埋め尽くしていた。
「次は私を食べて。そうしたら――」
そうしたらもう、嫉妬することもないの。牡丹の純粋な欲が鬼を求めて、鬼の目を見つめた。
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