22 / 41
チャーハン、それは家庭ごとに違う料理
しおりを挟む
芹花は家族からのプレゼントを手にして喜色満面だった。さっそく中身を確認したかったのだが、もう日が暮れていた。夕食の準備のため、芹花は慌てて食堂へ向かった。するとサチと入り口ですれ違った。芹花は彼をおし留めた。
「あっ、サチさん!すぐ作るんで、ちょっと待っててください」
「…無理して作らなくても大丈夫です、私はプロテインでじゅうぶ…」
「ダメダメ!すぐ出すから待っててください、ね?」
あれをまた口にするなど言語道断である。芹花の勢いにおされてサチはしぶしぶ腰を下ろした。芹花は腕まくりしてキッチンに立った。時間がないから…
(チャーハンでいいか)
芹花は炊飯器に残っていたご飯と、フリーズドライの野菜フレークをフライパンに空けた。からんからんと音をたてて、あざやかな赤や黄色、そしてみどりのフレークたちがにぎやかにフライパンの上ではねる。水と油を吸って、乾燥野菜は生き返ったかのようにじゅうじゅうとみずみずしい音をたてはじめた。その中に、大豆ミートを投入する。大豆を砕いて肉のように再形成されたそれに、お醤油とごま油を振りかけて菜箸でほぐす。少し焦げた、香ばしい醤油のにおいがたちのぼる。本物の肉に醤油をからめて焼いたような、食欲をそそるにおいだ。
ぱらぱらのチャーハンを作るコツは、油を少しずつ絡ませること。ごま油をつぎ足しながら、ときどきフライパンをふってご飯を宙に放り出し、また受け止める。熱されたごま油がごはんの一粒一粒に行き渡る勢いで、しかし一粒たりともフライパンの外にこぼさないように、芹花は集中してフライパンの中を見定めていた。
その慣れた手際を、サチはテーブルから観察していた。フライパンを操る芹花の腕はたくましく、頼もしかった。芹花は、あの手で何でもこなす。重いものを運び、屋根に花壇を作り、調理器具を使いこなしこの部屋を元の食堂に戻した。サチは自分の手を見つめた。
自分の手は何もできない。何かを作り出すことも、治すことも…。
最初はたいした事もできないと見下していたのに、あっという間に知識を身につけ、サチと対等に仕事をこなすようになった。対等どころか、彼女はもはや私を超えているのかもしれない…サチはそのことに気が付いて呆然とした。
「はい、お待たせしました。あれ、どうしたんです?」
そう言われて、サチははっと気を取り直した。
「別に…大丈夫です」
「なら、いいけど。いただきます!」
芹花は座って手を合わせた。
「…その「いただきます」って、何なんですか」
サチがぼそりとつぶやいたので芹花はびっくりしてスプーンを落とすところだった。
「「いただきます」知らないんすか?!」
「知らないです」
絶句した芹花だったが、気を取り直して説明した。
「ええと…いただきます、って言うのは、一種の挨拶で…。作った人や、食材に感謝して、一声掛けてから食べようねっていう事…かなぁ」
「それを言うと、何か変わるんですか?」
馬鹿にしているのではなく、サチは純粋にわからなくて聞いているようだった。
「何も変わりはないんですけど…しいて言えば、気持ちが変わるのかな」
「気持ち」
「うん、気持ち。この食材は、私たちに食べられるため死んでくれたわけで…それに対していただきます、って言って感謝の気持ちを…伝えたい、のかな」
うーんと芹花は頭をかかえた。いただきますの意味なんて深く考えたことがなかった。が、その時芹花ははっと気が付いた。
「あ、前にサチさんが言っていたこと、あの質問と同じです、えっと…」
「何です?」
「ここに来てすぐの頃、カナリアの事でけんかしたじゃないすか。虫は殺してもいいのに、なんでカナリアはダメなのか、って…」
芹花は考え、先を続けた。
「虫も食材も、本当は殺したくないんす。でも、私たちも生きていくためにはそうしなきゃいけない。だから心の中で、ごめんとか、ありがとうとか思いながら殺したり食べたりするんです、つまりは…つまりは人間の、自己満足なのかな」
「自己満足…」
「はい。でも、「いただきます」は作った人に対してもだから、自己満足じゃないのかもな?うーん、もうよくわからないや…」
「ということは、私も「いただきます」と言った方が良いんですね」
「そりゃ、もちろん!うれしいですよ。サチさんがそう言ってくれるなんて。最初はほら、ぜんぜんしゃべってもくれなかったから!」
無邪気に笑う芹花を見て、サチは戸惑いを抱いた。
何故、彼女はこうも自分に関わろうとしてくるのだろう。今までそんな人間は居なかった。そして自分も、そんな彼女をなし崩し的に受け入れてしまっている。
彼女と関わりさえしなければ、平気だったのだ。だが彼女が居る事に慣れ、それが当たり前となってしまった今、焦りと恐怖がじわじわとサチの心を占めていった。手足の先が冷たくなるような感覚が広がる。そしてミント水の時のように、彼ははっと気が付いた。
(私は―――この気持ちを、知っている)
それは昔の彼にとってはおなじみの気持ちだった。
(嫌だ…困ったことだ)
サチは無言でイスから立ち、食堂を出た。
「あれ、もういいんですかー?」
追いかけてきた能天気な声を無視して、彼は研究室に戻った。ずっと一人で暖めてきた、安心できる自分の場所に。
寝る前、芹花はご機嫌で贈り物を一つ一つ手にとって眺めた。どれもありがたいが、一番嬉しいものは、両親がくれたポータブルテレビだ。兄の大樹からは今はやりの様々な機能がついた腕時計。そして茉里からは、ダイビングゴーグルと水着、そして花火…添えられたカードには「夏を楽しんでね」と書かれていた。
(水着かぁ…う~ん)
だが、茉里は芹花と違ってセンスが良い。彼女の選んでくれた水着は目の覚めるような水色のグラデーションで、袖と腰回りのさりげないレースが可愛らしい。いかに芹花でも、袖を通してみたい気持ちが起こった。そしてゴーグルは目鼻をカバーする本格的なもので、シュノーケルもついていた。これがあれば、いくらか長い時間海に潜ることができるだろう。輝く青い海の下の景色は、きっと最高のはずだ。それを想像すると、芹花は見たくてたまらなくなった。
しかしさすがの芹花でも、40度の太陽の下で海水浴などしたら黒こげになって死んでしまうかもしれない。
(そうだ!夕方になってから海に行けばいいんだ!)
夕方ならば紫外線も少しは弱まるだろう。芹花はそう結論づけた。
(明日天気がよかったら行ってみようっと…)
夏休みはないが、これで少しは夏休み気分が味わえそうだ。久々に芹花はわくわくした。
「サチさん、朝ごはんですよ…って、大丈夫ですか!?」
朝、彼を呼びにやってきた芹花はあわてて駆け寄った。サチが机に突っ伏していたからだ。
サチはのろのろと顔を上げた。あきらかにやつれていて、具合が悪そうだった。
「今朝は…調子が悪いようです、朝食…いりません」
「…でも、何も食べないのは良くないすよ。何か持ってきますから、ちょっと待ってて」
「い、いえ、いらな…」
芹花は軽い朝食を持ってきた後、サチの額に手を当てた。
「うーん、ちょっと熱がありそうですね。今日はおとなしくしてた方が良いですよ」
「はい…」
サチが素直に返事をしたので芹花は驚いた。
「ほんと、大丈夫ですか?とりあえず食べたら横になってくださいね?」
芹花は玄関から出て畑仕事に行ってしまった。サチは言われたとおりソファに横になった。昨日の解熱剤の効き目はとっくに切れてしまったようだ。
熱の見せる幻が容赦なく襲い掛かった。心の奥に押し込んだ声が次々と聞こえてくる…
――無意味、無価値、私もお前も、ただのロボットだ…
――救いなどどこにもない。私にはローラカナリアしかいない…
――馬鹿げたことを考えるんじゃない。ただ目の前の苗のことだけ考えろ…
小さいサチの目に映るのは、白衣の細い背中。その背中の主は一度としてサチに微笑みかけることなく、サチの目の前から消えた。
(私も、誰からも必要とされず、認められず、消える…失敗した苗のように)
その事実を夢の中で突きつけられ、サチははっと目を覚ました。
窓の外は暗い。どうやら一日中寝てしまっていたようだ。テーブルに目をやると、食事と紙切れが置いてあった。あのみみずがのたくったような字で何か書いてある。
「ごはんはチンして食べてください。ちょっと海へ行ってきます」
海へ?何をしに?
サチの朦朧とした頭は秒速で最悪の結論を導き出した。
(出て行く…私の目の前から消える気だ…!)
芹花は手足を広げて砂浜に寝転がっていた。夕方の海を泳ぎに泳いで、体は心地よい疲労に包まれていた。
上はすでに、満天の星空だ。芹花は初めて、星にはさまざまな色があることを知った。輝く粒は、白だけでなくアイスブルー、アクアマリン、アメジスト…さながら天上に住んでいるお姫様がその宝石箱をひっくり返したかのようなまばゆい輝きだった。芹花は飽くことなく空を眺めていた。昼間太陽に熱された砂浜は暖かくその背中を包んだ。その隣でモフチーも海を眺めていた。
(このまま眠っちゃいたいな)
そう思いながら目を閉じた。波の音が近くに聞こえる。その音は毎回同じようでいて少しづつ違う。芹花はそのおおらかな音に耳を傾けた。
(本物の波の音…本物の砂浜に、今いるんだなぁ…ん??)
ふと何かの気配を感じ、芹花は目を開けた。
「うわぁ!?!?」
芹花は叫んで体を硬直させた。サチの顔が真上から芹花を覗き込んでいたからだ。
「だだ、だめっすよ、サチさん、ねてなきゃ」
「あっ、サチさん!すぐ作るんで、ちょっと待っててください」
「…無理して作らなくても大丈夫です、私はプロテインでじゅうぶ…」
「ダメダメ!すぐ出すから待っててください、ね?」
あれをまた口にするなど言語道断である。芹花の勢いにおされてサチはしぶしぶ腰を下ろした。芹花は腕まくりしてキッチンに立った。時間がないから…
(チャーハンでいいか)
芹花は炊飯器に残っていたご飯と、フリーズドライの野菜フレークをフライパンに空けた。からんからんと音をたてて、あざやかな赤や黄色、そしてみどりのフレークたちがにぎやかにフライパンの上ではねる。水と油を吸って、乾燥野菜は生き返ったかのようにじゅうじゅうとみずみずしい音をたてはじめた。その中に、大豆ミートを投入する。大豆を砕いて肉のように再形成されたそれに、お醤油とごま油を振りかけて菜箸でほぐす。少し焦げた、香ばしい醤油のにおいがたちのぼる。本物の肉に醤油をからめて焼いたような、食欲をそそるにおいだ。
ぱらぱらのチャーハンを作るコツは、油を少しずつ絡ませること。ごま油をつぎ足しながら、ときどきフライパンをふってご飯を宙に放り出し、また受け止める。熱されたごま油がごはんの一粒一粒に行き渡る勢いで、しかし一粒たりともフライパンの外にこぼさないように、芹花は集中してフライパンの中を見定めていた。
その慣れた手際を、サチはテーブルから観察していた。フライパンを操る芹花の腕はたくましく、頼もしかった。芹花は、あの手で何でもこなす。重いものを運び、屋根に花壇を作り、調理器具を使いこなしこの部屋を元の食堂に戻した。サチは自分の手を見つめた。
自分の手は何もできない。何かを作り出すことも、治すことも…。
最初はたいした事もできないと見下していたのに、あっという間に知識を身につけ、サチと対等に仕事をこなすようになった。対等どころか、彼女はもはや私を超えているのかもしれない…サチはそのことに気が付いて呆然とした。
「はい、お待たせしました。あれ、どうしたんです?」
そう言われて、サチははっと気を取り直した。
「別に…大丈夫です」
「なら、いいけど。いただきます!」
芹花は座って手を合わせた。
「…その「いただきます」って、何なんですか」
サチがぼそりとつぶやいたので芹花はびっくりしてスプーンを落とすところだった。
「「いただきます」知らないんすか?!」
「知らないです」
絶句した芹花だったが、気を取り直して説明した。
「ええと…いただきます、って言うのは、一種の挨拶で…。作った人や、食材に感謝して、一声掛けてから食べようねっていう事…かなぁ」
「それを言うと、何か変わるんですか?」
馬鹿にしているのではなく、サチは純粋にわからなくて聞いているようだった。
「何も変わりはないんですけど…しいて言えば、気持ちが変わるのかな」
「気持ち」
「うん、気持ち。この食材は、私たちに食べられるため死んでくれたわけで…それに対していただきます、って言って感謝の気持ちを…伝えたい、のかな」
うーんと芹花は頭をかかえた。いただきますの意味なんて深く考えたことがなかった。が、その時芹花ははっと気が付いた。
「あ、前にサチさんが言っていたこと、あの質問と同じです、えっと…」
「何です?」
「ここに来てすぐの頃、カナリアの事でけんかしたじゃないすか。虫は殺してもいいのに、なんでカナリアはダメなのか、って…」
芹花は考え、先を続けた。
「虫も食材も、本当は殺したくないんす。でも、私たちも生きていくためにはそうしなきゃいけない。だから心の中で、ごめんとか、ありがとうとか思いながら殺したり食べたりするんです、つまりは…つまりは人間の、自己満足なのかな」
「自己満足…」
「はい。でも、「いただきます」は作った人に対してもだから、自己満足じゃないのかもな?うーん、もうよくわからないや…」
「ということは、私も「いただきます」と言った方が良いんですね」
「そりゃ、もちろん!うれしいですよ。サチさんがそう言ってくれるなんて。最初はほら、ぜんぜんしゃべってもくれなかったから!」
無邪気に笑う芹花を見て、サチは戸惑いを抱いた。
何故、彼女はこうも自分に関わろうとしてくるのだろう。今までそんな人間は居なかった。そして自分も、そんな彼女をなし崩し的に受け入れてしまっている。
彼女と関わりさえしなければ、平気だったのだ。だが彼女が居る事に慣れ、それが当たり前となってしまった今、焦りと恐怖がじわじわとサチの心を占めていった。手足の先が冷たくなるような感覚が広がる。そしてミント水の時のように、彼ははっと気が付いた。
(私は―――この気持ちを、知っている)
それは昔の彼にとってはおなじみの気持ちだった。
(嫌だ…困ったことだ)
サチは無言でイスから立ち、食堂を出た。
「あれ、もういいんですかー?」
追いかけてきた能天気な声を無視して、彼は研究室に戻った。ずっと一人で暖めてきた、安心できる自分の場所に。
寝る前、芹花はご機嫌で贈り物を一つ一つ手にとって眺めた。どれもありがたいが、一番嬉しいものは、両親がくれたポータブルテレビだ。兄の大樹からは今はやりの様々な機能がついた腕時計。そして茉里からは、ダイビングゴーグルと水着、そして花火…添えられたカードには「夏を楽しんでね」と書かれていた。
(水着かぁ…う~ん)
だが、茉里は芹花と違ってセンスが良い。彼女の選んでくれた水着は目の覚めるような水色のグラデーションで、袖と腰回りのさりげないレースが可愛らしい。いかに芹花でも、袖を通してみたい気持ちが起こった。そしてゴーグルは目鼻をカバーする本格的なもので、シュノーケルもついていた。これがあれば、いくらか長い時間海に潜ることができるだろう。輝く青い海の下の景色は、きっと最高のはずだ。それを想像すると、芹花は見たくてたまらなくなった。
しかしさすがの芹花でも、40度の太陽の下で海水浴などしたら黒こげになって死んでしまうかもしれない。
(そうだ!夕方になってから海に行けばいいんだ!)
夕方ならば紫外線も少しは弱まるだろう。芹花はそう結論づけた。
(明日天気がよかったら行ってみようっと…)
夏休みはないが、これで少しは夏休み気分が味わえそうだ。久々に芹花はわくわくした。
「サチさん、朝ごはんですよ…って、大丈夫ですか!?」
朝、彼を呼びにやってきた芹花はあわてて駆け寄った。サチが机に突っ伏していたからだ。
サチはのろのろと顔を上げた。あきらかにやつれていて、具合が悪そうだった。
「今朝は…調子が悪いようです、朝食…いりません」
「…でも、何も食べないのは良くないすよ。何か持ってきますから、ちょっと待ってて」
「い、いえ、いらな…」
芹花は軽い朝食を持ってきた後、サチの額に手を当てた。
「うーん、ちょっと熱がありそうですね。今日はおとなしくしてた方が良いですよ」
「はい…」
サチが素直に返事をしたので芹花は驚いた。
「ほんと、大丈夫ですか?とりあえず食べたら横になってくださいね?」
芹花は玄関から出て畑仕事に行ってしまった。サチは言われたとおりソファに横になった。昨日の解熱剤の効き目はとっくに切れてしまったようだ。
熱の見せる幻が容赦なく襲い掛かった。心の奥に押し込んだ声が次々と聞こえてくる…
――無意味、無価値、私もお前も、ただのロボットだ…
――救いなどどこにもない。私にはローラカナリアしかいない…
――馬鹿げたことを考えるんじゃない。ただ目の前の苗のことだけ考えろ…
小さいサチの目に映るのは、白衣の細い背中。その背中の主は一度としてサチに微笑みかけることなく、サチの目の前から消えた。
(私も、誰からも必要とされず、認められず、消える…失敗した苗のように)
その事実を夢の中で突きつけられ、サチははっと目を覚ました。
窓の外は暗い。どうやら一日中寝てしまっていたようだ。テーブルに目をやると、食事と紙切れが置いてあった。あのみみずがのたくったような字で何か書いてある。
「ごはんはチンして食べてください。ちょっと海へ行ってきます」
海へ?何をしに?
サチの朦朧とした頭は秒速で最悪の結論を導き出した。
(出て行く…私の目の前から消える気だ…!)
芹花は手足を広げて砂浜に寝転がっていた。夕方の海を泳ぎに泳いで、体は心地よい疲労に包まれていた。
上はすでに、満天の星空だ。芹花は初めて、星にはさまざまな色があることを知った。輝く粒は、白だけでなくアイスブルー、アクアマリン、アメジスト…さながら天上に住んでいるお姫様がその宝石箱をひっくり返したかのようなまばゆい輝きだった。芹花は飽くことなく空を眺めていた。昼間太陽に熱された砂浜は暖かくその背中を包んだ。その隣でモフチーも海を眺めていた。
(このまま眠っちゃいたいな)
そう思いながら目を閉じた。波の音が近くに聞こえる。その音は毎回同じようでいて少しづつ違う。芹花はそのおおらかな音に耳を傾けた。
(本物の波の音…本物の砂浜に、今いるんだなぁ…ん??)
ふと何かの気配を感じ、芹花は目を開けた。
「うわぁ!?!?」
芹花は叫んで体を硬直させた。サチの顔が真上から芹花を覗き込んでいたからだ。
「だだ、だめっすよ、サチさん、ねてなきゃ」
0
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【完結】あやかし団地 管理人見習い日誌
双月ねむる
キャラ文芸
就活全滅で「自分には社会性がない」と思い込む凛は、遠縁の親戚に紹介され、昭和レトロな巨大団地・さくらヶ丘第一団地の『管理人見習い』として住み込みで働くことに。しかしその団地には、中庭の「靴鳴らし」、エレベーター表示盤に棲む狐など、団地限定あやかし達が当たり前のように暮らしていた。
最初は逃げ腰の凛だったが、すねた空き部屋や、ベランダの風鈴が告げるSOSなど、人とあやかしのトラブルに巻き込まれながら、少しずつ『共同体』に関わる勇気を取り戻していく。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる