上 下
5 / 22

好きな「セリフ」について

しおりを挟む
 私は物語の中で出てくる「セリフ」がすごく好きです。映画でも漫画でも、このセリフいいなぁっ! と思う作品に惹かれることが多いです。

 そして「好きなセリフ」にも2つのタイプがあって、1つ目は、そのセリフ単体でに引かれるタイプ。鋭い洞察により物事の本質を突いてるような言葉です。

 もう1つは、言葉自体はとてもシンプルだけれど、です。ひとことで言えば「エモい」セリフですね。

 どちらも好きなんですが、特に好きだなぁっ! というのでパッと思いつくのは、以下の2つ。
 前者(物事の本質をつくタイプのセリフ)では某少年マンガの――


「その人を知りたければ、その人が何に対して怒りを感じるかを知れ」

 という台詞すごく好きです。何かに対して怒るのは大事な部分が傷つけられたからなわけですよね。大切な他人だったり、プライドだったり、信念だったり。何に対して怒ったかを見ると、その人が大事にしてるものが分かるってことだよなと、大いに納得したのでした。

 後者(そのキャラだからこそのエモいセリフ)は、先に挙げたものとは別の少年漫画――

「やめて欲しけりゃ立て! なりてぇもんちゃんと見ろ!」

 です。
 はい、これだけ見ても、全く意味分からないと思います。でも、これは過去に友だちから自分がかけて貰った言葉があったからこそ、その時の自分と同じ間違いをしてしまいそうなクラスメイトへ対して出てきた言葉。

 友だちからかけてもらった言葉があって、心の底にしまっていた大切なものを思い出したからこそ、出てきた言葉。

 自分を変えてくれたひとことがあったからこそ、自分だってひとことで他人を変えられるという気持ちから出てきた言葉。

 それまで狭い視野でしか物事を見ていなかった彼が、はじめて友だちへ目を向けたからこそ出てきた言葉……。

 そういう、セリフの主自身のこれまでの歴史も、変化も、決意も、たくさん詰まった言葉なわけで、言葉自体はシンプルでも、彼の物語の中でとても大きな意味を持つセリフなんです。そういうセリフも大好きなわけです……。


 私も小説を書く時、こんなセリフ書けたらいいな、と思います。本当に、思います。いいセリフを書きたい……。
しおりを挟む

処理中です...