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遡
タイムカプセル1-8
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「おじちゃーん!中ジョッキ1つ!あと鶏皮ポン酢~!」
那奈の声が、賑わう居酒屋に響き渡る。
「勝手分かってんだから自分で取りこい!もう子供じゃねぇだろ!ビールも自分で入れろ!」
「子供じゃないけど、うちらは正真正銘の客だっての~!!」
「なーにが客だ!長居するだけして大して金置いてきゃせんだろーに!」
「あんだって~?!」
カウンターで焼き鳥を焼いているおじちゃんと、お店奥の座敷に居る那奈の掛け合いに、周りで呑んでいる人たちが大爆笑。
「もっとやれ~」なんて野次が飛ぶほど、那奈とおじさんの言い合いは名物もの。
学生の頃から部活の懇親会やらでお世話になっているここ居酒屋“すずよし”は、地元民がこぞって訪れるお店。
私たち生まれる前からずっと続いている。
他の人と比べたら私たちはまだ新参者。
それでも、10年以上の付き合いでもある上、私たちの学生時代を知っているおじちゃん。
成人を迎えてからは、かなり雑な扱いをしてくるようになったけど、その雑な扱いが、実はおじちゃんなりの愛情表現だったりー
それが分かってるから、憎めないんだよなぁ…
ちまちまとカクテルを飲みながら枝豆をつまんでいると、すずよしで最近入った男子大学生の英司(えいじ)くんに声をかけられた。
「心結さんは何か頼みます?」
「うーん、せせり頼もうかなぁ。あとなんこつ!」
「はいっす!飲み物は大丈夫っすか?」
「うん、大丈夫。ありがとう」
「あー、英司!心結の事口説いてる~!!」
ついさっきまでおじちゃんと言い争ってた那奈が、ビールと小鉢を持って戻ってきた。
「口説いてないっす!注文聞いてただけでっ…!」
「ふーん?(笑)でも心結には蓮がいるから口説いても無駄だからね!諦めな!!」
「もう、那奈。悪酔いし過ぎ」
「まだそんなに飲んでない!」
英司くんに早くここから離れてというジェスチャーを送って一時避難させる。
「おじちゃーん!中ジョッキ1つ!あと鶏皮ポン酢~!」
那奈の声が、賑わう居酒屋に響き渡る。
「勝手分かってんだから自分で取りこい!もう子供じゃねぇだろ!ビールも自分で入れろ!」
「子供じゃないけど、うちらは正真正銘の客だっての~!!」
「なーにが客だ!長居するだけして大して金置いてきゃせんだろーに!」
「あんだって~?!」
カウンターで焼き鳥を焼いているおじちゃんと、お店奥の座敷に居る那奈の掛け合いに、周りで呑んでいる人たちが大爆笑。
「もっとやれ~」なんて野次が飛ぶほど、那奈とおじさんの言い合いは名物もの。
学生の頃から部活の懇親会やらでお世話になっているここ居酒屋“すずよし”は、地元民がこぞって訪れるお店。
私たち生まれる前からずっと続いている。
他の人と比べたら私たちはまだ新参者。
それでも、10年以上の付き合いでもある上、私たちの学生時代を知っているおじちゃん。
成人を迎えてからは、かなり雑な扱いをしてくるようになったけど、その雑な扱いが、実はおじちゃんなりの愛情表現だったりー
それが分かってるから、憎めないんだよなぁ…
ちまちまとカクテルを飲みながら枝豆をつまんでいると、すずよしで最近入った男子大学生の英司(えいじ)くんに声をかけられた。
「心結さんは何か頼みます?」
「うーん、せせり頼もうかなぁ。あとなんこつ!」
「はいっす!飲み物は大丈夫っすか?」
「うん、大丈夫。ありがとう」
「あー、英司!心結の事口説いてる~!!」
ついさっきまでおじちゃんと言い争ってた那奈が、ビールと小鉢を持って戻ってきた。
「口説いてないっす!注文聞いてただけでっ…!」
「ふーん?(笑)でも心結には蓮がいるから口説いても無駄だからね!諦めな!!」
「もう、那奈。悪酔いし過ぎ」
「まだそんなに飲んでない!」
英司くんに早くここから離れてというジェスチャーを送って一時避難させる。
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