12 / 13
第十二話 不安
しおりを挟む
「ユウカさんにはまず、魔術の扱い方を学んでもらわなければなりませんね」
悠香から改めて事情を聞き終え、優花がそれを呑み込んだところで、ターシャが告げる。
悠香はこの数日間に魔術や剣術の扱いを学んでいるが、優花はエドワードと共に城へと向かう間、この世界についての簡単な説明を受けるくらいしかしていない。
そんな優花が魔術を上手く扱えるわけもなく、魔王の復活の阻止のためにも、仮に阻止に失敗した時のためにも、優花は魔術を扱えるようにならなければならない。そのことを、優花も少なからず理解しているようで、やや困惑の表情を浮かべながらも黙って頷いた。
「ウォーレンさん、ユウカさんのことも貴方にお任せしてよろしいでしょうか」
「えぇ、もちろん。もとよりそのつもりです」
ターシャの問われ、ウォーレンは軽く礼をしながら応える。
その様子に満足そうにしてから、ターシャはエドワードに視線を向けた。
「エドワードさん、貴方は引き続きユウカさんの護衛をお願いします」
「畏まりました」
ターシャに応えたあと、エドワードは優花へと視線を向ける。そんなエドワードに、優花は心なしか安心したような表情を浮かべた。
「では、ユウカさんも長旅でお疲れでしょうし、屋敷へ」
戻りましょう、と続けられようとしたウォーレンの言葉は、部屋の扉をノックする音で遮られる。
「どちら様でしょう」とターシャが問いかければ、「エイベル・ウォーカーです」とハキハキした声が返ってくる。
その名に聞き覚えのあるターシャとウォーレンは顔を見合わせ、ターシャがどうぞ、と入室を促せば、直後に扉が開いた。
濃い赤色の髪に深紅の瞳を持つ青年は、部屋に入ってくるなり優花と悠香を視界に捉え、一瞬驚いたように目を見開いた。しかしそれは本当に一瞬のことで、すぐに表情は戻り、二人に対して恭しく頭を下げた。
「フレドリック第二王子殿下の騎士、エイベル・ウォーカーと申します。以後お見知りおきを」
「殿下から何か……?」
エイベルの挨拶が終わるのを待ち、ターシャが首を傾げる。すると、エイベルはこくりと頷いた。
「殿下が明日にでも救世主様にお会いしたい、と」
「そうですか……。確かに、殿下には早めにお会いしておいた方がいいかもしれませんね」
口元に手を当て考えるターシャに、優花と悠香は揃って首を傾げる。その殿下とは何者なのか、という無言の問いを察し、エドワードが答えた。
「フレドリック殿下は、王族の中でも魔王対策に特に熱心に取り組まれている方です。魔術の心得もありますし、頼もしい方ですよ」
「そうなんですね」
王族や魔王という言葉に、未だに違和感を覚えながらも、優花はどうにかそれを受け入れようとする。
「ところで救世主って……」
「間違いなく優花のことでしょうね」
「やっぱり……?」
先ほどのエイベルの言葉を思い出して呟く優花に、悠香が返す。それが自分を指す言葉であるということが受け入れられない、そんな表情をする優花に、悠香は慰めるように彼女の背を軽く撫でた。
「分かりました。では、明日の正午に伺います、と殿下にお伝え下さい」
「承知いたしました。それでは、私はこれにて失礼いたします」
そうしている間にターシャとエイベルの間で約束が取り付けられ、エイベルは軽く会釈した後、部屋を後にした。
その姿を見送ったあと、ウォーレンは優花たちに視線を向けた。
「ということなので、ユウカさんもハルカさんもお願いします」
「は、はい……」
戸惑いがちに頷く優花に対し、悠香はただ黙って頷く。対照的な二人の姿に、エドワードは少し不思議そうな表情を浮かべていた。
「では、今度こそ屋敷へ戻りましょう。ユウカさんの着替えなども用意しなくてはなりませんし」
「え、そんな、」
「アタシも用意してもらったし、気にすることないわよ」
そこまでしてもらうのは申し訳ない、と続こうとした言葉は悠香によって遮られた。
改めて悠香の服を見れば、こちらの世界に合わせた服装になっている。「似合う?」と悠香が問えば「似合う!」と優花は即答した。
「優花はアタシと違って可愛いのが似合うから、使用人さんたちが喜びそうだわ」
「確かに、お二人はタイプが違いますからね」
くすくすと笑う悠香に、姿が目に浮かぶようだ、とウォーレンが頷く。
「すみません、先に戻っていて頂けますか? 私は少しターシャさんと話をしてから戻りますので」
急にそう告げるウォーレンに首を傾げながら、悠香は「分かったわ」と頷く。その様子に満足そうに頷いてから、ウォーレンはエドワードに「お二人のこと、頼みましたよ」と告げる。「畏まりました」と一礼するエドワードを待って、優花たちは先にウォーレンの屋敷へと戻っていった。
バタン、と扉が閉じられたあとに訪れる、静寂。それを先に破ったのはターシャだった。
「話、というのはユウカさんのことですか?」
「えぇ、そうです。率直に尋ねますが、彼女のこと、どう思いますか?」
問われ、ターシャは口元に手を当てて考え込む。それが、彼女の考え事をするときの癖だということを、ウォーレンはよく知っていた。
「そうですね……。少し頼りない、というのが正直なところでしょうか……」
「同感です。悠香さん……いえ、ハルカさんは順応が早かったので安心していましたが……」
当の救世主があれでは、と不安を露わにするウォーレンに、ターシャは窘めるような視線を向けた。
「ユウカさんのためにとご自分の意思でこちらにいらっしゃったハルカさんと、こちらの世界を救ってもらうためにとこちらに連れてこられたユウカさんを比較するのは酷というものです。とはいえ、今後のことを考えると、ユウカさんにももっとしっかりしてもらわなければなりませんね……」
優花を元の世界に返すためにとこちらの世界に来ている悠香と、こちらの世界の人間によって強制的に連れてこられた優花では、その意識に差があるのは当然のこと。それを分かってはいながらも、この世界で生きるターシャとウォーレンにとっては、優花が頼みの綱であるというのも事実だった。
「そのためにも、まずは魔術を扱えるようになっていただかなくては。そうすることで、何か見えてくることもあるかもしれません」
「そうですね……。ユウカさんのこと、頼みましたよ」
「えぇ。お任せを」
頭を下げるウォーレンを見ながら、ターシャの瞳には不安の色が浮かんでいた。
それを振り払うように目を閉じ、軽く頭を横に振った。
「では、私も屋敷へ戻るとします」
「えぇ、お気を付けて。また明日もお願いしますね」
にこりと薄く笑みを浮かべるターシャに、「また明日」と返してウォーレンも屋敷へ戻るべく部屋を後にした。
その様子を見送り、ターシャは深いため息を吐いた。
「ハイウェル様、どうかあのお二人を見守っていて下さい」
祈るように両手を合わせたターシャに、答える声はない。しかし、窓の開いていない部屋の中でふわりと風が吹き、彼女は安堵の表情を浮かべた。
悠香から改めて事情を聞き終え、優花がそれを呑み込んだところで、ターシャが告げる。
悠香はこの数日間に魔術や剣術の扱いを学んでいるが、優花はエドワードと共に城へと向かう間、この世界についての簡単な説明を受けるくらいしかしていない。
そんな優花が魔術を上手く扱えるわけもなく、魔王の復活の阻止のためにも、仮に阻止に失敗した時のためにも、優花は魔術を扱えるようにならなければならない。そのことを、優花も少なからず理解しているようで、やや困惑の表情を浮かべながらも黙って頷いた。
「ウォーレンさん、ユウカさんのことも貴方にお任せしてよろしいでしょうか」
「えぇ、もちろん。もとよりそのつもりです」
ターシャの問われ、ウォーレンは軽く礼をしながら応える。
その様子に満足そうにしてから、ターシャはエドワードに視線を向けた。
「エドワードさん、貴方は引き続きユウカさんの護衛をお願いします」
「畏まりました」
ターシャに応えたあと、エドワードは優花へと視線を向ける。そんなエドワードに、優花は心なしか安心したような表情を浮かべた。
「では、ユウカさんも長旅でお疲れでしょうし、屋敷へ」
戻りましょう、と続けられようとしたウォーレンの言葉は、部屋の扉をノックする音で遮られる。
「どちら様でしょう」とターシャが問いかければ、「エイベル・ウォーカーです」とハキハキした声が返ってくる。
その名に聞き覚えのあるターシャとウォーレンは顔を見合わせ、ターシャがどうぞ、と入室を促せば、直後に扉が開いた。
濃い赤色の髪に深紅の瞳を持つ青年は、部屋に入ってくるなり優花と悠香を視界に捉え、一瞬驚いたように目を見開いた。しかしそれは本当に一瞬のことで、すぐに表情は戻り、二人に対して恭しく頭を下げた。
「フレドリック第二王子殿下の騎士、エイベル・ウォーカーと申します。以後お見知りおきを」
「殿下から何か……?」
エイベルの挨拶が終わるのを待ち、ターシャが首を傾げる。すると、エイベルはこくりと頷いた。
「殿下が明日にでも救世主様にお会いしたい、と」
「そうですか……。確かに、殿下には早めにお会いしておいた方がいいかもしれませんね」
口元に手を当て考えるターシャに、優花と悠香は揃って首を傾げる。その殿下とは何者なのか、という無言の問いを察し、エドワードが答えた。
「フレドリック殿下は、王族の中でも魔王対策に特に熱心に取り組まれている方です。魔術の心得もありますし、頼もしい方ですよ」
「そうなんですね」
王族や魔王という言葉に、未だに違和感を覚えながらも、優花はどうにかそれを受け入れようとする。
「ところで救世主って……」
「間違いなく優花のことでしょうね」
「やっぱり……?」
先ほどのエイベルの言葉を思い出して呟く優花に、悠香が返す。それが自分を指す言葉であるということが受け入れられない、そんな表情をする優花に、悠香は慰めるように彼女の背を軽く撫でた。
「分かりました。では、明日の正午に伺います、と殿下にお伝え下さい」
「承知いたしました。それでは、私はこれにて失礼いたします」
そうしている間にターシャとエイベルの間で約束が取り付けられ、エイベルは軽く会釈した後、部屋を後にした。
その姿を見送ったあと、ウォーレンは優花たちに視線を向けた。
「ということなので、ユウカさんもハルカさんもお願いします」
「は、はい……」
戸惑いがちに頷く優花に対し、悠香はただ黙って頷く。対照的な二人の姿に、エドワードは少し不思議そうな表情を浮かべていた。
「では、今度こそ屋敷へ戻りましょう。ユウカさんの着替えなども用意しなくてはなりませんし」
「え、そんな、」
「アタシも用意してもらったし、気にすることないわよ」
そこまでしてもらうのは申し訳ない、と続こうとした言葉は悠香によって遮られた。
改めて悠香の服を見れば、こちらの世界に合わせた服装になっている。「似合う?」と悠香が問えば「似合う!」と優花は即答した。
「優花はアタシと違って可愛いのが似合うから、使用人さんたちが喜びそうだわ」
「確かに、お二人はタイプが違いますからね」
くすくすと笑う悠香に、姿が目に浮かぶようだ、とウォーレンが頷く。
「すみません、先に戻っていて頂けますか? 私は少しターシャさんと話をしてから戻りますので」
急にそう告げるウォーレンに首を傾げながら、悠香は「分かったわ」と頷く。その様子に満足そうに頷いてから、ウォーレンはエドワードに「お二人のこと、頼みましたよ」と告げる。「畏まりました」と一礼するエドワードを待って、優花たちは先にウォーレンの屋敷へと戻っていった。
バタン、と扉が閉じられたあとに訪れる、静寂。それを先に破ったのはターシャだった。
「話、というのはユウカさんのことですか?」
「えぇ、そうです。率直に尋ねますが、彼女のこと、どう思いますか?」
問われ、ターシャは口元に手を当てて考え込む。それが、彼女の考え事をするときの癖だということを、ウォーレンはよく知っていた。
「そうですね……。少し頼りない、というのが正直なところでしょうか……」
「同感です。悠香さん……いえ、ハルカさんは順応が早かったので安心していましたが……」
当の救世主があれでは、と不安を露わにするウォーレンに、ターシャは窘めるような視線を向けた。
「ユウカさんのためにとご自分の意思でこちらにいらっしゃったハルカさんと、こちらの世界を救ってもらうためにとこちらに連れてこられたユウカさんを比較するのは酷というものです。とはいえ、今後のことを考えると、ユウカさんにももっとしっかりしてもらわなければなりませんね……」
優花を元の世界に返すためにとこちらの世界に来ている悠香と、こちらの世界の人間によって強制的に連れてこられた優花では、その意識に差があるのは当然のこと。それを分かってはいながらも、この世界で生きるターシャとウォーレンにとっては、優花が頼みの綱であるというのも事実だった。
「そのためにも、まずは魔術を扱えるようになっていただかなくては。そうすることで、何か見えてくることもあるかもしれません」
「そうですね……。ユウカさんのこと、頼みましたよ」
「えぇ。お任せを」
頭を下げるウォーレンを見ながら、ターシャの瞳には不安の色が浮かんでいた。
それを振り払うように目を閉じ、軽く頭を横に振った。
「では、私も屋敷へ戻るとします」
「えぇ、お気を付けて。また明日もお願いしますね」
にこりと薄く笑みを浮かべるターシャに、「また明日」と返してウォーレンも屋敷へ戻るべく部屋を後にした。
その様子を見送り、ターシャは深いため息を吐いた。
「ハイウェル様、どうかあのお二人を見守っていて下さい」
祈るように両手を合わせたターシャに、答える声はない。しかし、窓の開いていない部屋の中でふわりと風が吹き、彼女は安堵の表情を浮かべた。
0
あなたにおすすめの小説
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について
えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。
しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。
その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。
死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。
戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる