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8 アンドレア目線
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ようやく、ようやく、リーゼロッテ様が懐妊した。
毎晩毎晩抱きたくもないのに、任務だからと言い聞かせ何とか頑張った。このことは、マルクスにも誰にも話していないし、話せない。だから、妻のローザにも秘密にしていた。
が、初夜すら行うことが出来ず、そのままリーゼロッテ様に足留めされ3ヶ月以上。屋敷に帰ることも許されず、仕事とリーゼロッテ様の部屋の往復ばかりだった。
(……あの女は何なのだ?)
毎回毎回、愛を囁かれ、ローザを蔑む。子供が産まれたら二人で育てようと言う。単なる種馬に過ぎない私は、それ以上でも以下でもない。
この話を殿下から持ち掛けれ、始めは断るつもりった。契約しないなら、ローザとの結婚を認めないと脅され、仕方なく契約したまでだ。
ローザとは幼馴染みだが、ずっと昔から好きだった。
飾らないところや、勉強熱心なところ。貴族令嬢らしくないところが気に入っていた。
とにかく、リーゼロッテ様が懐妊し、しばらくはお役目不要だった。
帰宅できるようになったのだ。早く帰らなくてはーーー!
そう急ぎ帰ってきたら、屋敷の様子がおかしかった。
マルクスは明らかに侮蔑を含んだ目をしており、侍女長もよそよそしかった。
「マルクス、長らく留守にしてすまなかった。変わりないか」
マルクスが旦那様こちらへ、と執務室に促すため、玄関ホールから移動して話をすることにした。
「……マルクス、ローザはどこだ?先触れを出したはずだが……」
「……それを含めてお話がございます。まずはこちらを……」
マルクスから差し出されたのは、ローザからの手紙だった。
「お読みになられますか」
マルクスから奪い取ると、すぐに手紙を読み始めた。
『アンドレア様
この手紙を読まれているということは、屋敷に戻られたのでしょうか。挨拶なしに公爵家を出ることをお許し下さい。そして、どうか探さないで下さい。
毎日毎日アンドレア様に書いたお手紙は、読んで頂けましたか?
きっと、あの高貴な方との情事がお忙しくてお返事頂けなかったのですね。
そして、あの高貴な方が懐妊されたそうですね。
おめでとうございます。
あの高貴な方のお茶会に呼ばれ、話し相手にさせられ、毎回毎回、アンドレア様とのことを聞かされました。
アンドレア様、私となぜ結婚されたのですか。
全く意味が分かりません。
もう公爵家にいることに疲れました。
結婚前からこんな裏事情があるな、と薄々感じていましたが、お飾り妻にも感情はあります。
三年経つまで離婚が出来ないため、家を出ますね。
三年経ったら、お願いです。
私を解放して下さい。
お願いします。
ローゼミリア』
毎晩毎晩抱きたくもないのに、任務だからと言い聞かせ何とか頑張った。このことは、マルクスにも誰にも話していないし、話せない。だから、妻のローザにも秘密にしていた。
が、初夜すら行うことが出来ず、そのままリーゼロッテ様に足留めされ3ヶ月以上。屋敷に帰ることも許されず、仕事とリーゼロッテ様の部屋の往復ばかりだった。
(……あの女は何なのだ?)
毎回毎回、愛を囁かれ、ローザを蔑む。子供が産まれたら二人で育てようと言う。単なる種馬に過ぎない私は、それ以上でも以下でもない。
この話を殿下から持ち掛けれ、始めは断るつもりった。契約しないなら、ローザとの結婚を認めないと脅され、仕方なく契約したまでだ。
ローザとは幼馴染みだが、ずっと昔から好きだった。
飾らないところや、勉強熱心なところ。貴族令嬢らしくないところが気に入っていた。
とにかく、リーゼロッテ様が懐妊し、しばらくはお役目不要だった。
帰宅できるようになったのだ。早く帰らなくてはーーー!
そう急ぎ帰ってきたら、屋敷の様子がおかしかった。
マルクスは明らかに侮蔑を含んだ目をしており、侍女長もよそよそしかった。
「マルクス、長らく留守にしてすまなかった。変わりないか」
マルクスが旦那様こちらへ、と執務室に促すため、玄関ホールから移動して話をすることにした。
「……マルクス、ローザはどこだ?先触れを出したはずだが……」
「……それを含めてお話がございます。まずはこちらを……」
マルクスから差し出されたのは、ローザからの手紙だった。
「お読みになられますか」
マルクスから奪い取ると、すぐに手紙を読み始めた。
『アンドレア様
この手紙を読まれているということは、屋敷に戻られたのでしょうか。挨拶なしに公爵家を出ることをお許し下さい。そして、どうか探さないで下さい。
毎日毎日アンドレア様に書いたお手紙は、読んで頂けましたか?
きっと、あの高貴な方との情事がお忙しくてお返事頂けなかったのですね。
そして、あの高貴な方が懐妊されたそうですね。
おめでとうございます。
あの高貴な方のお茶会に呼ばれ、話し相手にさせられ、毎回毎回、アンドレア様とのことを聞かされました。
アンドレア様、私となぜ結婚されたのですか。
全く意味が分かりません。
もう公爵家にいることに疲れました。
結婚前からこんな裏事情があるな、と薄々感じていましたが、お飾り妻にも感情はあります。
三年経つまで離婚が出来ないため、家を出ますね。
三年経ったら、お願いです。
私を解放して下さい。
お願いします。
ローゼミリア』
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