おっさんが願うもの 〜異世界行ったらイケメンに大切にされ、溺愛され、聖女と呼ばれ、陰謀に巻き込まれ。それでも幸せ目指して真面目に頑張ります〜

猫の手

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2人の聖女編 〜惨劇の結末〜

358.おっさん、見守り続ける2/惨劇の結末6

 大広間が静まり返り、全員の視線がカーターと司教2人に注がれた。
 カーターは眉間に皺を寄せながらも、どっしりと落ち着いて構えているが、司教2人は動揺して肩を窄ませて目が泳いでいた。


「もういいだろう」
 沈黙を破ったのはロマだった。
「もういい、とは?」
 サリーンが不思議そうにロマに尋ねた。
「体が辛いのに付き合わせてすまないね」
 ロマは苦笑しながら、大司教達に謝罪する。
「エグソニアスが雇った者達を捕らえるのと、これらの証拠を確実に揃えるために時間が必要でした。
 お時間を取らせ申し訳ありません」
 さらにディーが謝罪する。
「……時間稼ぎをされていたということですか?」
 この臨時会議が始まった時には、実行犯5名や毒が塗布された食器も揃っていなかった。
 話を進めるためには必要なことだったので、それらが揃うのを待つために時間を引き延ばしたと説明した。
「お前達にも証拠を見て証言を聞き、自分で考えて欲しかったんだよ」
「……なるほど…」
 リーが確かに確かに考えさせられたと笑い、他の大司教達も薄く笑う。

 だが、カーターだけは笑えなかった。
 この状況が全く予測していなかったことだらけで気が気ではない。目の前にいるロイとディー、そしてロマに恐怖すら覚える。
 今までの話がまるで本舞台の前座だったような言い方ではないか。
 カーターは嫌な汗が流れるのを感じ、とてつもなく嫌な予感が頭をよぎった。





「何故俺達がここにいるのか。その理由はさっき説明したな」
 そしてロイが最終局面への口火を切る。
 その瞬間、シーゲル以外の黒騎士が音もなく静かに移動を始め、大司教達が座るテーブルを離れた場所から取り囲む。
 大司教達はその動きに気付かないが、聖騎士達はさらに外側から見えた黒騎士の立ち位置に、守るためではなく囲みから逃げられないようにしていると気付いた。気付いたが、彼らから聖騎士に向かって染み出すように放たれる威圧を含んだ魔力によってその場から一歩も動けず、見守ることしか出来なかった。

「抗議のため、でしたわね」
 サリーンがじっとこちらを見つめて立っているエレノアへと視線を向ける。
「そうです。ですが、実はもう一つ理由がありまして」
 ディーが苦笑いを浮かべながら言った。
「今日、晩餐会で毒がばら撒かれる可能性を危惧したためです」
「え?」
「は?」
 ディーの言ったもう一つの理由にロダン達はポカンとした。
「だからショーヘーを連れてきたんだ。万が一の時にあんたらを救ってもらおうと思ってな」
「結果として危惧していたことが起こり、ショーヘイの力を借りることになりました」
 ディーは翔平を振り返り、その力によって意識を失うほどの苦痛を味わうと知っていても、頼らざるを得ない状況に情けなさや不甲斐なさを感じて、複雑な表情を浮かべた。
「……」
 全員が何も言えずに数十秒沈黙し、言われたことを頭の中で整理した。


「つまり殿下方は、毒がばら撒かれることを知っていたのに、それを止めなかったということですか」
「……そうなります」
 ディーが指摘されたことを肯定した。
 事前に把握しながら防ぐことをしなかったのを責められても仕方はない。それは甘んじて受け入れるつもりでいた。
 防いでくれていれば、大勢の信徒達が苦しむことはなかったと、大司教達は自分も含めて死にそうな苦しみを味わったことに顔をしかめた。
「勘違いしないでおくれ」
 だが、ロマがディーを責めるような表情を見せた大司教達に一喝する。
「今回の事は聖教会内部の軋轢が生んだことで、本来ディーゼル達が、国が関与することじゃないんだ。
 それに、毒がばら撒かれることはわかっていても、その方法を知ったのは晩餐会直前なんだよ。その時はもうすでに手遅れだった。
 食器類に毒が塗られたことがわかったが、数千ある食器から除去するには時間もなかったんだよ。だが、出来うる限り被害が最小限に抑えられるよう、尽力してくれたんだ。
 未然に防げなかったことを責める権利はないよ」
「ですが、毒が仕込まれているのをわかっているのに、晩餐会の中止を強く進言しなかったのも事実です。
 その点については深くお詫びします」
 最後にディーとロイは深々と大司教達に頭を下げ、その行動に大司教達は驚いて慌てて口を開く。
「頭をお上げください」
「殿下方のせいではありません!」
「悪いのは犯人です!」
 大司教達は自分達にディー達を責める資格はないと理解して逆に申し訳なく思った。ロマの言う通り、今回の事は聖教会内部のいざこざであり、都合の良い時だけ国に対応を求めることなど出来るわけもない。
 そこにリアムが静かに手を上げて全員の言葉を制する。
「殿下方に非はありません。
 事前に毒の件を知りましたが、晩餐会を敢行することを決めたのは私です」
 リアムは全員を見渡して強い意志を持った目を向ける。


 ロマがリアムに状況を説明した時、当然晩餐会を中止することも提案した。
 だがリアムはここで中止にすれば、カーターに逃亡される可能性が出てしまうことを考えた。後に全ての罪を暴くことは出来るかもしれないが、今この場で状況を受け入れるのが1番早く奴の罪を暴き、かつ捕らえることに繋がると考えた。
 だが、何も知らない者達を危険に晒すことになる。もしかしたら死に至る者も現れるかもしれない。
 リアムは逡巡した結果、このまま執り行うことを決めた。
 解毒薬があるということと、翔平がここにいるということが決め手となった。


「皆を危険に晒し、本当に申し訳ないとは思っています。ですが、聖教会内部のことを外部に晒すことは出来ません。今ここで溜まった膿を取り除くには、この方法しかないと思いました。
 この責任は全て私にあります」
 リアムは全員に深々と頭を下げて謝罪し、仲間達に理解を求める。
「……お前1人の責任じゃない」
 そんなリアムにロダンが言った。
「そうだ。聖教会は澱み腐りかけている。前教皇が亡くなってからは特にだ」
 リーも賛同するように呟いた。
「リアム大司教、貴方の決断を支持しますわ」
「誰も死んでない。それでいいではないか」
 大司教達は理解し納得したような表情を浮かべ、リアムやロイ達に笑顔を浮かべた。


 


「話を続けるぞ」
 落ち着いたところでロイが続きを促した。
「俺達が今日のことを知ったのは、別の件で調べていたことの副産物だ」
 ロイが話し始め、全員が気を取り直してロイに視線を移す。
「今から1ヶ月程前の話です。我々の元に聖王国の一部で流れている聖女の噂がもたらされました」
「ショーヘーが偽物だと貶める内容だ」
「我が国の聖女を貶めるような噂を見過ごすわけにはいきません。その真偽を確かめ正すために動くのは、彼を保護した者として当然の行為です」
「調査を始めて、エレノアの存在と4件の奇跡を知った」


 エレノアもカーター同様に愕然とした。
 口を半開きにし、目の前で語られる事実に呆然とする。
 特にエレノアは自分の存在を、奇跡を知っていたのに、何故それを黙っていたのか、何故無視するような言動をしたのか、思考が追いつかなくなっていた。


「9月から聖王国で4件、そして1月22日に公国のベルグで。
 全てが食中毒事件で、エレノアが奇跡を起こして救ったとされています」
 誰もがロイとディーが語る話に真剣に耳を傾ける。
「そして、この食中毒事件には必ずカーターとエレノアが居合わせている。全てにだ。
 そもそも、こんな立て続けに食中毒事件が起こるのがおかしい。聖王国はそんなに衛生環境が悪いのか?」
 ロイがカーター達を見ると、彼らは答えずただ視線を彷徨わせる。
「しかも最後のベルグは、食中毒ではなく毒の混入事件でした。その報告を受けて他の4件も毒によるものだった可能性を考えたんです」
「そして一つの考察を導き出した」
 話が核心に迫りつつあり、数人がごくりと唾を飲む。


 だが、その考察を語る前にカーターが口を開いた。
 暴かれるような内容に居ても立っても居られずに自ら答えを晒すように喋り出す。
「私の暗殺が目的だったのだろう」
 苦し紛れに言った言葉だが、言った後に良い言い訳だと思った。
 今度はカーター個人に視線が集まり、カーターはさも今気づいたかのように冷静を装って口を開いた。
「…今までの事件が全て私を狙ったものだと……確かに今改めて考えれば頻度や状況は不自然だな」
 カーターは視線を集めながら、納得出来ると自分に言い聞かせるように頷く。その頭の中は冷静に動き、思考に思考を重ねていた。


 聖王国での事件が単なる食中毒ではなく毒によるものだったとしても、そのばら撒いた本人が自分やエレノアだとわかるはずもない。
 何せ目的が違うのだ。
 毒は殺害目的ではなく、ただエレノアの力を示すためだけの演出だ。
 自分の暗殺という話に持っていけばバレることはない。このままいるはずもない暗殺犯を探させればいい。

 聖王国での件を持ち出された時は流石に焦ってしまったが、別に動揺する必要はないのだと、心を落ち着けた。


「カーターが狙いか…」
 誰かが呟き、今までの話の流れからも、カーターの暗殺に周囲が巻き込まれたのかとため息を付く。
「……残念ながら、我々はそう考えませんでしたよ」
 だが、ディーは否定した。
「……」
 カーターは思っていた反応と違うことに眉間に皺を寄せるとディーを見上げる。それは他の大司教達も同じだったようで、他にどんな理由があるのかと首を捻る。
「カーターを暗殺するのに毒を使うことがまずおかしい。何たって『奇跡の水』を作れるエレノアが常にそばにいるんだぞ?」
「…ぁ…そうか…そうだよな」
 ロイの言葉に、数人は納得したように呟くが、どこかズレているように感じて、ますます混乱したような表情を浮かべた。
「先程お話しした聖王国での4件の食中毒。その被害者は全て一般人なんですよ。聖教会の信徒の中に被害者は1人もいません」
「今となっては毒物がどうやって混入されたのかは不明だが、報告から井戸、川水、売られている飲食物に混入された可能性が高いと推察出来る。
 聞くが、大司教が視察へ行く時の食事はどうしてる?街の飲食店を利用するのか?」
「……」
 それを言われ大司教達はハッとした。

 大司教の視察の際は襲撃を警戒する。聖教会から弾圧や迫害を受けた者達からの報復を考え、常に聖騎士の護衛がつくし、飲食物にも気を使う。
 視察の宿泊や食事は教会内だし、信徒から提供される物も全てチェックされる。
 大司教は国で言う所の大臣に匹敵する上役であり、常に守られる存在なのだ。

「絶対口にしないとは言えませんがその可能性は皆無に等しい」
「そうか…」
 リーが顎鬚を撫で、ロイとディーの言いたいことにいち早く気付いた。
「カーターの暗殺だと考えれば、意味のない行動ということになるな。
 それこそエレノアがそばにいるなら尚更だ」
「そうだ。辻褄が合わないんだよ。
 大司教はその辺のものを口にしない。
 身内に犯人がいるなら、それも重々承知しているだろうから、やはり意味がない。
 さらにエレノアが解毒してしまうことも知っている」
「それでは、やはりただの食中毒だったのでは…?」
 司教が一度は否定された自然発生的なものだったのでは、と不安そうに聞いた。
「いいえ、確実に毒はばら撒かれたんです。意図的にね」
 ディーが即答で否定する。
「殿下方はその目的も考察されたので?」
「ええ。全ての情報を考慮して導き出しました。その上で今日の晩餐会でも毒がばら撒かれると判断したんです」
 言い切ったディーに全員が沈黙して、その考察を聞く姿勢を取った。


「毒は、解毒される前提でばら撒かれたんです」
「誰かが狙われたわけでもない。毒を摂取するのは誰でも良かったんだ」


 2人の発言は想像もしていなかったもので、数人はポカンとした表情を浮かべていた。
 カーターとエレノアだけは、全身にじっとりとした汗が流れるのを感じた。

「は?」
「誰でも良い?」
「解毒が前提ってどういうことだ?」
「何故そんなことをする必要がある?」
「意味がわからん」

 混乱したまま似たような言葉を繰り返す大司教達にロイとディーは薄く笑顔を浮かべると説明する。

「理由は、エレノアに奇跡を起こさせるためです」
「ショーヘーを貶める噂も、エレノアこそが本物の聖女だと言わしめるためだ。噂と連動して奇跡を起こさせた」
 その説明に誰もが唖然した。
「な、なんでそんなこと…」
「わざと奇跡を?」
「そんなことしなくても…」
「やらなきゃエレノアが聖女であることを証明出来ないだろう」
 否定する言葉にロイが即答すると、考えるように黙り込む。
「では、その犯人はエレノア様のために毒をばら撒いたと…」
 司教が愕然としながら呟く。
「正しくは、エレノアを聖女にするためですね」
 だが、ディーが言葉を変えて意味が違うと言った。
「ああ…そうか……」
 そんな中ロダンが大きなため息をついて2人の考察を飲み込んだ。
「教皇選挙か。エレノアを聖女として認めさせるためか。そうすれば、カーターの功績として有利になる」
 ロダンが気持ちの悪いものを見るようにカーターを見る。
「…わ、私がやったとでも言いたいのか!!」
 そのロダンにカーターは怒鳴った。

 毒の散布目的がバラされ、カーターはかなり動揺していた。
 だが、ここで狼狽えるわけにはいかない。まだ犯人だとバレたわけではない。まだだ。まだ言い逃れ出来る。『奇跡の水』がただの演出で、自作自演だとバレなければ何も問題はない、と抵抗を始めた。

「そんなことするわけがないだろう!!私も被害にあったのだぞ!!」
 カーターは顔を真っ赤にして怒鳴る。
「別にカーターが犯人だと言ってるわけではない。お前へ忖度した誰かだという可能性もある」
「そうね。そしてカーターが疑われないように、貴方自身にも毒を含ませたのかも」
「でも、解毒されるとわかっていれば、我慢も出来るわ」
「1つ目の毒は完璧に『奇跡の水』で解毒されたからな」

 毒と解毒がワンセットだったという2人の考察に理解と納得を示し、カーターに疑いの目を向ける。

 カーターは怒りの表情でロイとディーを睨みつけた。
「ただの思い付きで…。一国の王子と次期公爵ともあろうお方が、憶測だけで人を貶めるようなことを…」
 恨み節のようなことを呟くと、隣にいた司教も同様に2人を睨みつけた。
「確かに…私達の中にこんなことを仕出かした者がいるやもしれません…。ですが、確たる証拠がない、ただのお二方のお考えでしょう。それを真実であるように…」
 その司教の言葉にロイはフンと鼻で笑った。
「事実だ。俺達は当てずっぽうに言っているわけでも考えを押し付けているわけでもない」
 その堂々とした返答に司教は怯んだ。
「証拠があるのか。
 私の預かり知らぬ所で起こったことを、さも私が起こしたように言ったこと、いくら殿下であろうとも許しがたい」
 カーターは証拠がなければただの言いがかりだと口にする。あたかも誰かが言ったように自分へ忖度した者が犯人だと決めつけるように言った。
 その頭の中では、今回同行した者達の中で犯人を誰にするか考えており、候補者の目星をつけていた。

「その前に、まだ考察は途中なので最後まで言わせてもらえませんか」
 ディーが冷めた目で憤るカーター達を見つめ、静かに言った。
「……言ってみろ」
 カーターはそんなディーの視線に一瞬怯むが、凄むように睨みつける。


「エレノアが聖女として認められれば、お前が教皇になる確立は上がるだろうな。おそらくエレノアは聖教会の聖女として崇められる存在になる」
「ですがそれは、エレノアが本当に聖女だったら、という話です」
「……な、何を言って…」
 カーターは『奇跡の水』という奇跡を見てもまだ聖女と認めていないのか、と愕然とした。

 確かにエレノアの奇跡は公国聖女と比べれば地味だ。その実態はただの演出であるが、それを見破ることなど出来るわけもない。
 神秘的な奇跡として演出出来るように考え、エレノアに練習させた。そのおかげで今まで誰にも疑われることもなかったし、エレノアの演技も完璧だった。
 なのに、まだ信じていないことに、カーターは焦り、恐怖を感じる。
 やはりサンドラーク家の頭脳、そして英雄という状況判断能力は他と一緒にしてはいけなかった。もっと情報を操作し、外堀を埋め、さらに完璧な状況を作るべきだったと後悔する。
 公国聖女が現れて計画が狂い、準備に時間をかけられなかったことが仇となったと動揺した。

 カーターはすでに2人だけではなく、サンドラーク家を敵に回したことを理解していなかった。
 当然2人と共に王国随一の頭脳を持つユリアの存在も頭になく、今この状況だけの狭い世界で乗り切ろうとしている。
 乗り切ることも出来なければ、すでに自分以外へも手が伸びていることも理解出来ていなかった。



「俺達はあの女を聖女だなんて思っていない」


 ロイが冷たく言い放った。








 
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