おっさんが願うもの 〜異世界行ったらイケメンに大切にされ、溺愛され、聖女と呼ばれ、陰謀に巻き込まれ。それでも幸せ目指して真面目に頑張ります〜

猫の手

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王都への旅路 〜護衛騎士〜

53.おっさん、怖い話をする

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 サイクスを出発して3日目、峠の麓の街ボーエンに到着した。ここで一泊して明日峠に向けて出発する。
 サイクスと違って、小さめの街なので、普通の宿の大部屋で全員で宿泊することになった。

 水や食料などは出発当日の朝に購入することになり、今日は峠越えのための最終チェックをすることになる。

「防寒対策をしっかりやっておかないと」
 ディーが馬車に装備済みの暖房設備の点検に行くので一緒にと言われてついていく。
 何故自分が呼ばれたのか不思議だったが、馬車に積まれた暖房用の魔鉱石に魔力を補充して欲しいと言われて、素直に石に魔力を吸わせていく。
 馬車に暖房がついていることに驚いた。聞くと個人用の携帯用の暖房もあると言う。要するにカイロだ。

 魔鉱石を利用した、魔力を通せば熱を発する仕組みになっているそうで、この世界の照明と同じ原理だと教えてくれた。

「ショーヘーがいれば便利だな」
 そうグレイが笑う。
 魔力さえ補充すればいつでも暖房が使えるようで、ようするに自分はいつでも充電できるポータブル電源扱いで思わず笑った。
 個人用のカイロも自分の所へ集められると、部屋で黙々と魔鉱石に魔力を吸わせていく。
「すみません、俺たちの分まで」
 アーロンがたくさんのビー玉から手のひらサイズまでの魔鉱石をたくさん持ってくる。
「俺ら、寒さが苦手で」
 とクリフが苦笑しながら魔鉱石を並べる。その言葉に、虎は猫科だもんな、と心の中で笑った。
「ショーヘーさんがいれば、何個も石を持ち歩かなくてもいいから楽ッスね」
 アイザックが魔力を補充し終わった魔鉱石をカイロにセットしながら笑った。
 意外な所で自分の魔力が役に立ち、少しだけ嬉しくなる。

「ふー、終わったー」
 魔鉱石に魔力を入れ過ぎると割れてしまうので、なかなか調整が難しい。それでもなんとか数十個の魔鉱石全部に魔力を充填し終わり、ずっと座って下を向いていたため肩が凝って、コキコキと首を鳴らす。
「お疲れ様でした」
 ディーがお茶を差し出してくれる。
「ロイとグレイは?」
「他の皆と、馬の準備に行ってます。後は自分の準備をしてくださいね」
「はーい」
 お茶を飲み終わり、サイラスで買ったコートをいつでも出せるように箱から出していく。
「あれ?」
 帽子、手袋、コートと出して行ったが、自分が選んだコートが見つからない。
 その代わりに、ロイとグレイが選んだクリーム色のファー付きコートが出てきた。
「どうしました?」
 そのコートを握りしめて、ワナワナと震える。
「あいつら…」
「それ、ショーヘイさんのコートですよね?会計する時にグレイが持ってきたんですけど…」
「俺が選んだのと違う!」
「え?」
 コートを放り投げると、部屋を飛び出した。走って外に出ると、厩にいるロイとグレイの所へ向かう。
「お前ら!すり替えたな!!」
 2人の姿を見つけてザザーと厩に滑り込むと、2人に向かって魔力を込めた拳で殴りかかる。
「おっと」
 グレイがサッと拳を避ける。
 空振りに終わった拳をそのままに、すぐに体勢を整えると、ロイへ拳を向けたがそれも簡単に避けられた。
「やっと気付いたか」
 ニヤニヤしながら2人が笑う。
「ショーヘーは絶対あっちの方が似合うって」
 ワハハとロイがしてやったりとドヤ顔をした。
 そんな2人が揃い並んだ所で、パチンと指を鳴らす。その瞬間、2人の足元の土が一瞬で泥に変わり、ドブン!と音を立てて2人が沈んだ。
「うわ!」
「うぉ!」
 2人が膝まで泥に埋まったのを見て、すぐにまたパチンと指を鳴らし、再び土に戻す。
 地面から2人が生えたような形になり、身動きが取れなくなった2人が地面から足を引き抜こうともがく。
「グーパンを避けられるのは想定済みなんだよ」
 その2人に指の関節を鳴らしながらゆっくりと近づいていく。その額には怒りの青筋が立っていた。
「いや、待て、話せばわかる」
「そんなに怒らなくても」
 おろおろと慌てる2人に平手打ち、拳骨、と制裁を加えた。
「ごめんなさい…」×2
 膝まで地面に埋まったまま、ガックリと項垂れる2人の前に仁王立ちして腕を組む。
「あ“?聞こえねーな」
「すみませんでした!」
「もーしません!」
 2人の叫びを聞いてフンと鼻を鳴らすと、背中を向けた。
 そして、自分たちを呆然と見る騎士達と目が合う。さらにその後ろでゲラゲラ笑っているディーがいた。
「何があったっスか」
 アイザックが聞いてくる。
「悪い子に、ちょっとお仕置きをね」
 そうニッコリと微笑んだ。
「悪い子って…」
「あ、こいつら放っておいていいから」
 そう言い残して、スタスタと部屋に戻る。
「ショーヘー、出してー」
 後ろからロイの泣き声が聞こえたが、思い切り無視した。

 夕食時、翔平のコートを2人がすり替えたという事情がわかった騎士たちが、顔に痣を作る2人を見て笑いを堪える。
「ロイ様もグレイ様も、そんな悪戯するんスね」
 アイザックが笑いながら言う。
「ショーヘーさんを怒らせないようにしないと」
 ウィルがクスクスと笑った。
「いてて…」
 グレイが口に食べ物を入れる度に沁みるのか、小さく呟く。
 近くでそれを聞いて、ふぅと仕方なく2人にヒールをかけた。
「お、ありがとな、ショーヘー。悪かったよ」
 グレイが素直に謝った。
「ごめんよぉ、ショーヘー」
 ロイに至っては、必死に自分へ抱きつこうと手を伸ばしてくるが、腕を突っぱってその顔を押し除けた。

 大部屋で10人というのは、修学旅行を思い出す。というか、修学旅行の時の班は6人だったから、それよりも多い。
 床に薄いマットレスを敷いただけの状態でほぼ雑魚寝に近い。
「こーゆーの、久しぶりだな」
 ニコニコしながら昔を思い出し笑顔になる。
 それぞれがどこの場所で寝るかを決めてマットレスの上でゴロゴロし始め、雑談が始まった。
「こんな護衛ならいつでも引き受けるっスよー」
「ほんとそうですよねー。無茶苦茶楽しいです」
 アイザックとイーサンが楽しそうに話す。
 みんな学生という年でもないが、まだ若いし、こういうのはほんと楽しいよな、と自分もウキウキする。
 この間挨拶した後、一応年齢を確認したのだが、アイザックは28歳、アーロン、クリフ兄弟、アシュリー、イーサンは25歳、ウィルは35歳だった。
 やっぱり自分が一番年上で、なんとなく引率の先生になった気分になった。
 そして修学旅行の夜と言えば、勿論。

 怪談だよな。

 ニヤリと笑った。



「んで、俺もその時気付いたわけよ。そこに女なんていたっけ…?って」
 部屋を真っ暗にして、照明用魔鉱石を中心において全員で円を描いて座る。
「気のせいだろうと、引き返すことにしたんだが…突然」
 グレイが少し間を開ける。
「後ろ!」
「ぎゃー!!」
 グレイの声とともに数人が悲鳴をあげた。グレイがワハハハハと笑い、自分も怖がる姿を見て声に出して笑った。
「こっわ!」
「怖い~」
 アシュリーとイーサンが涙目で抱き合い、アイザックとクリフがアーロンにしがみつく。そのアーロンの尻尾もずっと膨れたままになっている。
 ロイ、ディー、ウィルは見た目平然としている。
 自分はどこかで聞いたことのある話だ、とグレイの大声にビクッとはしたが怖くはなかった。
「なんだ、ショーヘーは怖くないのか」
 グレイが残念だと言いたげな顔をした。
「じゃあ、次は私ですね。王宮に伝わるとっておきの話を」
 ディーがニヤリと笑った。
「数百年前から伝わる話なんですが…、王宮に勤務するメイドが…」
 低い声で場の雰囲気を盛り上げるが、その話を聞くにつれ、ん?と思い切り聞いたことのある話に驚いた。
「国宝の皿を割ってしまって…」
 ああ、これは皿屋敷だ、と思い至って1人で白けてしまう。
「10枚が揃って価値のある皿の1枚を割ったことで、そのメイドは罰として拷問を受け死亡し、亡骸を井戸へ…」
 その拷問の描写が生々しく、自分以外の全員が息を呑む。
「そしてある夜から、いちま~い、にま~い…」
 臨場感たっぷりにディーがメイドの呪いの言葉を言う。
「きゅうま~い…」
 最後の言葉の前で、一呼吸置き、
「一枚足りな~い!!」
 グワっとディーが身を乗り出し髪を振り乱した。
「ぎゃー!!」
「ひー!!」
 またしても数人が悲鳴をあげ、怪談というよりドッキリになっていることに笑い出す。
「なんだ、これも怖くないんですか」
 チェッとディーが舌打ちした。
「むっちゃ怖い!」
「もう無理!!」
 泣く子も黙る騎士様が布団を被ってガタガタ震える姿に、大笑いした。
「あーおかし~」
 涙を流して、怖がる皆を見る。
 それでも、まだ怖がっていないロイ、ディー、グレイ、そしてウィル。
 これは是非この4人も怖がる話をしなければ、と自分が知る怪談でこの世界にも置きかえが出来るような話を必死に思い出す。
「よし、じゃ、次俺な」
 意気揚々と話を始める。
「ある村の青年が、街へ野菜を卸に行った帰りに…」
 静かに、全員の目を見ながらゆっくりと話す。
「無事に納品も終わって帰路についたんだが、その頃にはすっかりと日が暮れて夜になっていたんだ。
 でも、その青年は次の日に大切な用事があってどうしても帰らなくてはならない…。
 村へ帰るには、深い森を通って峠を越えなくてはならない。その道は昼間なら視界もきくし何も問題のないんだけど、夜は森が深すぎて、例え天気が良くても星空の明かりは届かず、それはそれは暗い闇が広がって…」
 その情景を想像出来るように、情緒たっぷりに言葉を選びながら続ける。
「小雨も降ってきて、通い慣れたはずの峠がいつもよりもジメジメとして空気が澱んでいるような気がしていた…。
 そろそろ峠に差し掛かろうかという時、青年は気付いた。
 後ろに人の気配がする。誰かが荷台に乗ってる…。
 ゆっくりと後ろを振り返って、荷台を確認してみると、そこに…」
「うわー!」
 まだ何も言ってないのにアシュリーが叫んだ。イーサンがアシュリーの口を塞ぐ。
 苦笑しながら続きを話す。
「ゆっくりと後ろを振り返ると、そこに真っ白い服を着た髪の長い女が俯いて座っていた…。
 青年の背筋を悪寒が走り、全身に鳥肌が立った。
 何も出来ないまま、女を乗せて先に進んでいると…。
 突然自分の横から真っ白い腕がスッと…」
 そう言って、話の中の女と同じようにゆっくりと腕を上げる。
 全員が自分のその動きにゴクリと唾を呑む。
「女の腕がゆらゆらとすぐそばで動き、その指が前方を指差した…。
 そこで青年は恐怖に耐えられなくなって思わず手綱を引いて馬車を停めた…。
 その瞬間、腕がスー…と消えていった。
 慌てて振り返ると、そこに女の姿はなく、いなくなったことに安堵して馬車を再び進めようとして気付いた…。
 馬のその数歩先…。カーブの先が崖になっていて、馬車を止めなければ転落して死んでいたと…。
 青年は血の気が引き、落ちなくて済んだことにホッとする。
 そしてゆっくりと荷馬車を下がらせて方向転換すると、再び走り始めた…」
 誰かが、はぁ、と安堵したようにため息をついたのを心の中で笑う。
「少し進んで、青年は思った。
 もしかして、さっきの女は、崖に注意しろと自分に教えてくれたのではないかと…。
 あの崖から落ちて死んだ人が何人もいることを青年は知っていた。
 だからあの女幽霊がその先は崖だと指差して教えてくれたのでないかと、そう思った。
 いい幽霊もいたものだ…。
 そう考えていると、また氷水をぶっかけられたような悪寒を全身が青年を襲った…。
 女がいる。
 青年がそう思った次の瞬間、耳元で女の声がした…」
 たっぷりと間をためて、

「死ねば良かったのに…」

 最後のセリフを女声で、囁くように言った。
「うわー!!!」
「ヒィ!!!」
「ッグ!」
「ぎゃー!!」
 数人がなんらかの声を出した。
 その瞬間、心の中でガッツポーズを決める。
「もう無理っス。怖すぎっス」
 アイザックが青ざめる。
「作り話ですよね!?そうですよね!?」
 クリフが涙目で聞いてくる。
「まあまあ怖いな」
 グレイが笑いながら言ったが、いつもの顔ではなくて若干引き攣っていた。
 ディーを見ると口をグッと結んで怖さに耐えているような表情をしている。さらにロイもウィルも何も言わないが、体が硬直しているように見えた。
 全員を怖がらせることが出来たようで、嬉しくてついつい笑顔になった。
「そ、そろそろお開きにしましょうか」
 明らかにディーが上擦った声を出していて、思わず声に出して笑う。
「怖くて寝れないー」
 アシュリーが枕を抱きしめて顔を押し付ける。
「寝る前にトイレ行っとこ」
 イーサンが立ち上がると、俺も俺もと次々と立ち上がる。
「みんなで連れションかよw」
 と揶揄うが、自分もと立ち上がる。
 ゾロゾロとトイレに行くために部屋を出ようとする中、ロイとウィルだけ動かずに部屋に残った。
 トイレを済ませ部屋に戻るとそれぞれの布団に潜り込む。
「おやすみなさい」
「おやすみ」
 口々に挨拶をして部屋の中が静かになった。
 自分も横向きになり目を瞑る。
 もうすでに誰かが深い眠りについたようで、イビキが聞こえてくる。そのイビキを聞きながらウトウトとし始め、眠りについた。




 夜中、突然ゴソゴソと布団を動かされ、目が覚めた。
「ショーヘー…ショーヘー…」
 後ろから小さい声でロイが自分を呼びながら体を揺すられ起こされた。
「なに…?」
 寝ぼけながら後ろを振り返る。
「トイレ行きたい…」
「行けよ」
「……怖いんだよぉ…ついてきてくれよぉ~…」
 聞こえるか聞こえないかぐらいの声でロイが言う。
 さらに、幽霊怖い…、と小さな声で呟いたロイに、一瞬ポカンとしたが、小さく震えているのが肩に触れた手から伝わり、マジか、と声を押し殺して肩を震わせて笑う。
 まさか、あんな子供騙しの怪談が怖いだなんて、平然とした顔をして聞いていたのは、平気だったんじゃなくて怖くて固まっていただけか、とわかり、仕方ないので一緒にトイレに行ってやることにした。
「いるよな?そこにいるよな?」
「はいはい、いるって」
 用を足している間、ロイが何度も確認してくる。
 可笑しくて可笑しくてずっと声を立てずに笑った。
 部屋へ戻る間も自分の肩にしがみつきおどおどした姿に、これがあの戦闘狂のロイか、と大声で笑い出したくなるのを必死で堪えた。
 部屋に戻って布団に入ると当然のように自分の布団へ潜り込んでくる。
「おい」
「一緒に寝てくれよぉ…」
 仕方がないので、ロイを布団に入れてやると、ギュッと自分を背後から抱きしめて首の後ろに顔を押し付けてくる。
 ロイの意外な弱点を見つけて、何かのネタに使えるとほくそ笑んだ。
 また今度、みんなで怪談をしようと考えながら、触れた所から伝わるロイの温かさに、目を閉じた。

 次の日の朝、ワイワイと昨日の怪談の話で盛り上がるが、ロイとウィルが黙ったまま参加しようといない。
 ロイは実は怪談が駄目だったとわかったが、ウィルはどうなんだろうと反応の無さに謎が残る。
「怖いけど、楽しかった。またしましょうね」
 そうクリフが言い、そうだなと相槌を打つ。その後ろで、ロイが、嫌だ、という顔を隠さずに固まったのを見て、心の中で笑った。




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