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こうして稚沙と厩戸皇子の2人は、凄まじい早さで書物の仕分けを進めていき、今日中に終わるか分からずにいた仕分けが、思いのほか早くに終わりの目処が立ってしまった。
だが稚沙は、やはり厩戸皇子以上に多くの仕分け作業をこなすことは叶わなかった。
(う、うそでしょう……私これでも、これまでで一番力を尽くして仕事したのに)
「いや~やっぱり2人でやると早く出来るものだね」
「というより、厩戸皇子が凄すぎます。何で皇子がこんなに早く仕分け作業が出来るんですか!」
稚沙は改めて厩戸皇子の優秀さを痛感した。この人は政だけではなく、こんな雑用までも難なくこなせるみたいだ。しかもそんじゃそこらの宮人よりも全然早くに。
「国の政を担っている者が、こんな仕事も満足に出来ないようじゃ駄目だからね」
厩戸皇子は、稚沙に笑ってそう答えながら、仕分けの合間に見つけた書物をまとめ始めている。彼の場合、仕分け作業をしながら、さらに自分の好みの書物も一緒に見繕っていた。
「私も、厩戸皇子を見習ってもっと日々精進努力しようと思います」
(やっぱり私、この人には全然かなわない……)
稚沙が意気消沈しているなか、今もなお雪丸は何の動揺もすることなく眠っている。彼女はそんな平然とした態度の子犬を見て、主が主ならこの子も、もしかすると相当出来た犬になるかもしれないと思った。
そして厩戸皇子は読みたい書物をまとめ終えると、ふと稚沙に話しかける。
「よし、恵慈も椋毘登もまだ当分帰ってこないようだから、外に出てこの辺りを見て回ってみよう」
「え、外をですか?」
「あぁ、気分転換も兼ねてね。そうだ、せっかくだし、稚沙も一緒にどうだい?君はまだ眠っている雪丸のお守りをするってことで」
稚沙としても、このままいつ帰ってくるくるか分からない椋毘登をひたすら待つよりは、厩戸皇子と一緒に出かける方が有意義だろう。一応彼の愛犬のお守りをするとう名目もある。
「そうですね。このままここでじっと椋毘登を待つのも退屈なので、是非お供したいです!」
椋毘登には、念のために伝言を書いて置いておけば大丈夫だろう。
「じゃあ、時間がもったいないから、早く行くとしようか。移動には私の馬に乗っていこう」
厩戸皇子にそういわれたので、稚沙は急いで椋毘登あての伝言を書いた。
(よし、これで大丈夫よね)
そして肝心の雪丸は、布に包んだまま稚沙が抱いていくことになる。雪丸は布にくるまれた中で、一応目は覚めたようだが、思いのほか大人しくしている。
厩戸皇子曰く、この犬はまだ生まれて日は浅いが、とても賢いらしく、まるで人の気持ちや言葉が分かっているようにも思えるとのことだった。
こうして2人は、早々に寺の外に出かけることにした。
だが稚沙は、やはり厩戸皇子以上に多くの仕分け作業をこなすことは叶わなかった。
(う、うそでしょう……私これでも、これまでで一番力を尽くして仕事したのに)
「いや~やっぱり2人でやると早く出来るものだね」
「というより、厩戸皇子が凄すぎます。何で皇子がこんなに早く仕分け作業が出来るんですか!」
稚沙は改めて厩戸皇子の優秀さを痛感した。この人は政だけではなく、こんな雑用までも難なくこなせるみたいだ。しかもそんじゃそこらの宮人よりも全然早くに。
「国の政を担っている者が、こんな仕事も満足に出来ないようじゃ駄目だからね」
厩戸皇子は、稚沙に笑ってそう答えながら、仕分けの合間に見つけた書物をまとめ始めている。彼の場合、仕分け作業をしながら、さらに自分の好みの書物も一緒に見繕っていた。
「私も、厩戸皇子を見習ってもっと日々精進努力しようと思います」
(やっぱり私、この人には全然かなわない……)
稚沙が意気消沈しているなか、今もなお雪丸は何の動揺もすることなく眠っている。彼女はそんな平然とした態度の子犬を見て、主が主ならこの子も、もしかすると相当出来た犬になるかもしれないと思った。
そして厩戸皇子は読みたい書物をまとめ終えると、ふと稚沙に話しかける。
「よし、恵慈も椋毘登もまだ当分帰ってこないようだから、外に出てこの辺りを見て回ってみよう」
「え、外をですか?」
「あぁ、気分転換も兼ねてね。そうだ、せっかくだし、稚沙も一緒にどうだい?君はまだ眠っている雪丸のお守りをするってことで」
稚沙としても、このままいつ帰ってくるくるか分からない椋毘登をひたすら待つよりは、厩戸皇子と一緒に出かける方が有意義だろう。一応彼の愛犬のお守りをするとう名目もある。
「そうですね。このままここでじっと椋毘登を待つのも退屈なので、是非お供したいです!」
椋毘登には、念のために伝言を書いて置いておけば大丈夫だろう。
「じゃあ、時間がもったいないから、早く行くとしようか。移動には私の馬に乗っていこう」
厩戸皇子にそういわれたので、稚沙は急いで椋毘登あての伝言を書いた。
(よし、これで大丈夫よね)
そして肝心の雪丸は、布に包んだまま稚沙が抱いていくことになる。雪丸は布にくるまれた中で、一応目は覚めたようだが、思いのほか大人しくしている。
厩戸皇子曰く、この犬はまだ生まれて日は浅いが、とても賢いらしく、まるで人の気持ちや言葉が分かっているようにも思えるとのことだった。
こうして2人は、早々に寺の外に出かけることにした。
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