中二病をこじらせた僕が異世界に召喚されて無双する予定だったけどパーティがきわもの揃いだったせいで主人公の座が怪しい件

まなた

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王様の元にいったら夫婦漫才をみせられた件

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「おかえりなさいませ、エリス様」

城の門番と思わしき二人組が姿勢をただしてエリスさんに声をかける。

「ああ、変わりはないか?」

先ほどまでのエリスさんとは別人のようなりりしい顔をしている。


「あの、そちらの者たちは」


「うむ、姫に選ばれし方々だ」


はっと、顔つきがまたかわり門番のふたりは僕らに深々と頭をさげた。


「あの、これからどうなるんですか?」

未来がきいた。


「君たちにはこれから王にあってもらう。そのあと、魔力の適正テストをすることになるかな」


「適性テスト?なら俺が一番に決まってるだろ」

福原が自信満々に言った。


適性テスト。僕はエリスさんの言葉を思い出した。

たしか一人のはずと言っていた。

つまり、この三人のうち一人だけがチート能力があるに違いない。僕は福原にだけは負けたくない。現実世界でも負けてるのにせめて異世界くらい僕に勝たせてくれたっていいだろう。

メルルン僕に力を貸してくれ。


そうこうしているうちに、王様の部屋の扉についた。

その間に世界情勢を軽く聞いたがざっくりしていて正直よくわからなかった。


「よし、ついたぞ。君たちは選ばれた者ではあるが、相手は王だ。くれぐれも失礼のないようにひとつお願いしたい」


僕たち三人は黙って頷いた。


「王様、エリスでございます、選ばれし方々をつれて参りました」


「うむ、入れ」

中から王の声がきこえた。

一気に緊張が走った。

そして扉が開く。

王様はよくあるゲームの王様の格好をしていた。


「やあやあ、君たちが娘に選ばれたものたちか。おやおや三人も。これは我が国も安泰だなぁ」


なんだか想像していた王様と違うな。

なんと言うか……軽い…


「この国の情勢はエリスから聞いているな?突然のことで申し訳ないが力を貸してほしい、あと引きこもりの娘の相手になってほしい」


「王!!」


「だって、あのこ全然顔だしてくれないんだもん、せっかく取って置きのマジックも用意したのに」


「あらあら、王様。あの娘も年頃なのよ。マジックなら私がみますわよ」

どうやら皇女のようだ。


「そうか、ではさっそく」


僕たちはなにを見せられているのだろう。


「すばらしいマジックでしたわ。これならあの娘も喜ぶかもしれませんわ」


「そうだろう、よしではさっそく見せに言ってこよう。


「じじい。そろそろ本題にはいってもよろしいでしょうか?」

エリスさんが呆れた顔で声をかける。


「おお、そうだな」


「では、お主たちの力を確かめさせてもらうぞ」


王様の顔は先程までとはみちがえるようだった。


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