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騎士団長が侯爵家の嫡男と良い感じになっているのを離れた位置から見守る話
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友人であるレイスさんの助けに応じて茶会に同行する私です。
聞けば侯爵家主催の茶会とのことで、形式としては立食パーティのようです。
国でも有数の楽団が落ち着いた曲を流し、煌びやかな衣装を纏った賓客たちが談笑する社交の場。身分で言えば準男爵の地位にはありますが、育ちとしては庶民のレイスさんには少々堅苦しい様子です。
「……緊張する」
分かります。分かりますが、まあ震えていても仕方がありません。
まずは茶会に慣れるためにテーブルのお菓子でも摘まみましょう。
うん、美味しい。
お菓子を食べ、紅茶を飲む。そんないつもの私を見て、ようやくレイスさんは肩から力を抜きました。
「まあ、慣れることから始めるのには賛成だ」
そうそう。余裕ができたら踊ったり口説いたりすればいいんですよ。
私はどちらもしたことありませんが。
「なるほどなー」
「あの! 僕と一緒に踊ってくれませんか!」
声のした方を見れば、一人の少年がレイスさんを見上げています。
レイスさんは二つ返事で頷くと、少年をリードしながら踊り始めました。
少年の真っ赤な頬を見ればその心中にどのような想いがあるのかは明らかです。
が、レイスさんの様子を見るに、たぶん、気付いてないでしょうね。
その少年が、今回の茶会における主役の一人だということにも。
すっかり惚れられていることにも。
聞けば侯爵家主催の茶会とのことで、形式としては立食パーティのようです。
国でも有数の楽団が落ち着いた曲を流し、煌びやかな衣装を纏った賓客たちが談笑する社交の場。身分で言えば準男爵の地位にはありますが、育ちとしては庶民のレイスさんには少々堅苦しい様子です。
「……緊張する」
分かります。分かりますが、まあ震えていても仕方がありません。
まずは茶会に慣れるためにテーブルのお菓子でも摘まみましょう。
うん、美味しい。
お菓子を食べ、紅茶を飲む。そんないつもの私を見て、ようやくレイスさんは肩から力を抜きました。
「まあ、慣れることから始めるのには賛成だ」
そうそう。余裕ができたら踊ったり口説いたりすればいいんですよ。
私はどちらもしたことありませんが。
「なるほどなー」
「あの! 僕と一緒に踊ってくれませんか!」
声のした方を見れば、一人の少年がレイスさんを見上げています。
レイスさんは二つ返事で頷くと、少年をリードしながら踊り始めました。
少年の真っ赤な頬を見ればその心中にどのような想いがあるのかは明らかです。
が、レイスさんの様子を見るに、たぶん、気付いてないでしょうね。
その少年が、今回の茶会における主役の一人だということにも。
すっかり惚れられていることにも。
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