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王と宰相に溺愛されている王女様が私を溺愛しているので、彼らの視線が痛いです。

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 聞けば王女様は現王家で最も年齢が低いのだとか。

 王子たちも既に先王から王位を継いで現王になっていたり、王の元で辣腕を振るって支えるべく宰相になっていたりと、既に立派な道を歩まれているわけです。

 で、私は王女様と一緒に麗しい学園ライフを過ごしているわけですが……。

「どうした、クラリス伯爵令嬢。食が進んでおらぬようだが?」

「調子でも崩しているのか?」

 いや、どうして学園の食堂に王様と宰相がいらっしゃるんですかねぇ……。

 いやいや、分かりますよ? 私の隣でにこにこ嬉しそうに微笑んでいる王女様を見守るためですよね? 分かります。

 いやでも彼女が視線を外した瞬間に私をめちゃくちゃ睨むの、止めません?

 大人げないにも程があると思うんですが。

「クラリス、調子悪いの? 大丈夫? 保健室行って一緒に寝る?」

 その御心遣いは非常に有難迷惑なんです……! 一緒に寝るってなんです……???

 ほら、貴女が私に視線を移した瞬間に射殺すほどの鋭い視線が王と宰相から向けられましたから!

 一緒に行ったら殺すみたいな思念がもうバシバシ刺さってきてますから!!

 というか王と宰相はさっさと王宮に戻って仕事して下さいよ!!!

 政務はどうなってんですか、政務は!!!
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