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側室の件について、婚約者と一緒に直談判しに行った話

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「側室の噂を潰しに行きましょう」

 婚約者のエドガー様にそう言われてやってきたのが王城の庭園です。

 どうやら約束を取り付けていたらしく、庭園には私たちとカムラン殿下がいるのみです。いや、まあ、護衛の方も見えない位置で気を張っているのでしょうけれども。

 で、エドガー様が話をした結果、殿下は渋々ながらも頷きました。

「メアリ嬢は諦めるしかないか……ビアンカが何と言うやら……」

 殿下、どうにも王妃候補のビアンカ様に弱い様子。

 私を側室として推しているのもビアンカ様らしいですし、意思が強いというかなんと言うか……。

「そうなんだよ。できれば、君たちからもビアンカを説得してくれないか」

「面倒なので嫌です」

 エドガー様に同じく。

 あの方を説得できる気がしませんし。

 ところで、そのビアンカ様は今なにをしてらっしゃるんです?

「……俺の代わりに、書類仕事を」

「うわぁ……」

 うわぁ……。

 そりゃ側室の一人も欲しがりますよ……。

 というか、殿下はもっと仕事して下さい。

 そんなんじゃ愛想を尽かされますよ。

「……善処する」

 あっ、駄目そうですねこれは……。
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