運営に言われたのでまとめることになった恋愛短編とか恋愛ショートとか

婚約破棄

学園内での王子の不実と浮気を王妃様に訴えますと、婚約の破棄を認めて下さいました。なるほど、お手上げなわけですね

　王妃様の小さな茶会に招かれるようになってから、数年以上となります。

　学院に通う前は楽しみにしていたこの茶会、しかし今では苦痛です。

　いや、あの王子がしっかりしていてくれたら苦痛を味わうこともなかったんですよ。

　しかし学院に通うなり品行方正を投げ捨てるとは思わないじゃないですか。

　あの馬鹿王子、今では婚約者の私のことなんて頭の片隅にも無いですよ。浮気性なのか、毎日毎日別の令嬢を連れていますし。


　というようなことを、私は王妃様に洗い浚いぶちまけていたらしいです。

　紅茶にアルコールが入っていたらしいですね。ほんの僅かに。

　いやいや、確かに私はお酒を嗜みませんけど、そんなに弱いことってある……？　あ、ありますか。はい。

　で、その訴えを聞いた王妃様は諦めたような息をつき、あの馬鹿王子との婚約破棄を認めて下さったわけです。


「ちなみに、王子の処遇ってどうなります？」


　そう聞いたら、王妃様は柔らかな黒い笑顔を見せて下さいました。

　あっ……これは……。