22 / 131
未分類
第一王子と婚約することに成功したのですが、王妃教育の予定は無いそうです。もしかして、飼い殺しルート入ってます?
しおりを挟む
いやまあ、すんなり婚約できたのでどこかおかしいとは思っていたんですよ。
違和感を覚えたのは成約後に行われた二回目の会合で、王子がすっかり腑抜けていたことですね。
聞けば腑抜け状態が通常だそうで、初対面は余所行きの態度だったそうです。
初対面のカッコよさが100だとしたら、腑抜け状態は60ですね。
腑抜け状態でもかっこいいんですよ、この人……。恵まれた容姿から繰り出される腑抜け。情緒がばがばになりますよ。
それでですね。
ある日、どうしてそんなに腑抜けているんですかと聞いたわけなんですね。
第一王子で忙しいだろうにも関わらず私の家に入り浸りますし。
王妃教育の予定は無いと通達されましたし。
その割に勉強することは多々あって、それには王子も付き合ってくれますし。
で、答えはやはりというか、予想通りというかです。
「そう。王位継承権を弟に投げたよ」
自分は王の器ではない、と見極めてしまったらしいです。
むしろ弟の方が統治者として有能だと判断し、両親を言いくるめて委譲させてしまったとのこと。九歳の頃に。
……優秀過ぎんか?
私の思った通りのことを彼の家族も思ったそうで、宰相やら大臣やらの地位に縛り付けてきたそうです。
それでも彼がこうして腑抜けていられるのは、やるべきことを終えているからで。
その地位をサポートする多くの部下を教え育てて、非常事態以外の通常業務を徹底的に仕込んだのだとか。
いやいやいやいや、化物では……?
今度一緒に海にでも行こうと誘われましたが、うちの国は内陸ですから……それ、明らかに外交案件ですよね……?
違和感を覚えたのは成約後に行われた二回目の会合で、王子がすっかり腑抜けていたことですね。
聞けば腑抜け状態が通常だそうで、初対面は余所行きの態度だったそうです。
初対面のカッコよさが100だとしたら、腑抜け状態は60ですね。
腑抜け状態でもかっこいいんですよ、この人……。恵まれた容姿から繰り出される腑抜け。情緒がばがばになりますよ。
それでですね。
ある日、どうしてそんなに腑抜けているんですかと聞いたわけなんですね。
第一王子で忙しいだろうにも関わらず私の家に入り浸りますし。
王妃教育の予定は無いと通達されましたし。
その割に勉強することは多々あって、それには王子も付き合ってくれますし。
で、答えはやはりというか、予想通りというかです。
「そう。王位継承権を弟に投げたよ」
自分は王の器ではない、と見極めてしまったらしいです。
むしろ弟の方が統治者として有能だと判断し、両親を言いくるめて委譲させてしまったとのこと。九歳の頃に。
……優秀過ぎんか?
私の思った通りのことを彼の家族も思ったそうで、宰相やら大臣やらの地位に縛り付けてきたそうです。
それでも彼がこうして腑抜けていられるのは、やるべきことを終えているからで。
その地位をサポートする多くの部下を教え育てて、非常事態以外の通常業務を徹底的に仕込んだのだとか。
いやいやいやいや、化物では……?
今度一緒に海にでも行こうと誘われましたが、うちの国は内陸ですから……それ、明らかに外交案件ですよね……?
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる