運営に言われたのでまとめることになった恋愛短編とか恋愛ショートとか

浮気・不倫

幼馴染兼婚約者と離縁した兄上は、すっかり女性不信になってしまいました……

　兄上に頼まれ、一緒に舞踏会に参加することになりました。

　聞けば兄上、長年に渡って良好な関係を築いてきた婚約者に絶縁を申し述べたとのこと。

　両親もまた向こうの家に対して絶縁を宣言しており、まあ推測するなら、向こうが何かしらのやらかしをしたのだろうな、と。

　気になって情報を収集しますと、よく話に聞く浮気とか裏切りとか、そんな感じです。むなくそ。

　向こうの家としては我が家に対して謝罪の席を設けたいとのことでしたが、当然のように黙殺です。


　私としてはあまり親しくしてこなかったので分かりませんが、だからこそ接触してきたのでしょうね。


　兄上が主催者であるご友人と楽しく談笑している間、壁の花として慎ましくしている私の元に、その元婚約者が来たわけです。

　絶縁前に少し見掛けた覚えがあったのですが、その頃の楚々とした様子はすっかり失われておりました。

　香水も化粧も濃いですし、近寄りたくない雰囲気がぷんぷんしています。

　しかも話に耳を向ければ、言葉がどうにも聞き取りにくいですが、どうも私は勧誘されている様子。

　男を紹介するとかなんとか、そんな感じです。

　よくもまあここまで堕ちたものだと感心するやら呆れたものやら。

　私は元婚約者を相手にせず、腕を掴まれても振り払い、兄の元へと逃げました。

　兄だけでなく、主催者の方もその女性に対して驚きと怒りを露わにしておりました。

　どうやら元婚約者殿、招待状も無いのに忍び込んでいた模様です。


　それから彼女がどうなったか、ですか。

　舞踏会以降は遭遇していないので分かりませんが、結婚した相手とよろしくやってるんじゃないですかね。知りませんけれども。

　あ、兄上の件についてでしたか。

　兄上は重度の女性不信になってしまいまして、領地運営の方に注力しています。

　女性不信とはいえ、それは他人に対して働くらしく、妹の私に対しては滅茶苦茶甘くなってしまっているんですよね……。

　家の跡継ぎ問題に関しては私が婿を入れる形になりそうなんですけれども……兄上のお眼鏡に適う人が現れなければ没落コースかもですね……。