とある女スパイの話

広畝 K

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とある女スパイの話

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「僕は君に首ったけだよ……」

 イケメンがそのように言ってくれるのは絵になるが、しかし少しも心が動かない。

 それもその筈で、目の前のこいつは婚約者に構いもせず、私に骨抜きになっているのだ。

 敵国のスパイであるとも気付かずに。

 婚約破棄をしてきたとのことだから、私の任務は完了した。

 裏取りの報告が入った後は、こいつをなるべく手酷く振ってやれば良い。
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