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ドラゴンの肉編
14ー②.魔女との遭遇
しおりを挟む「ふぅ~、だいぶ片付いてきましたね。」
ホコリっぽい部屋も随分と綺麗になってきました。
今は床に散らばっていた本も本棚に戻し、ゴミや書類も片付いてます。
「もぉ~~!なによこいつ、攻撃が全く効かないじゃない!」
女の子が大きな声を上げています。
女の子は娘の持っているようなステッキを振って遊んでいました。
娘もまた同じようにおもちゃのステッキを振っています。
お互いのステッキからは綺麗な光が飛び出し、花火みたいなものが見えます。
随分と楽しそうですね。
「よーし。」
私も本腰を入れて掃除を頑張りましょう。
汚れはまだあるので、綺麗にしたいです。
……そして掃除をすること一時間くらいでしょうか。
少し疲れてきました。
それに、ずっと動きっぱなしで喉も渇きました。
ちょっと休憩しましょうか。
「おかーさん、喉乾いた。」
娘もどうやら疲れたようで戻ってきました。
「何………こいつ………。」
女の子もヘトヘトです。
せっかくですのでみんなで休憩することにしましょう。
「疲れた………、一度魔法の瓶を使って回復しないと…………って何なのこれは!」
女の子は綺麗になった部屋に驚いています。
「部屋が散らかっていたので私が片づけをしました。」
ホコリ一つないぐらい頑張りました。
これで快適に過ごせると思います。
……でも、部屋が片付いたというのに女の子は嬉しくなさそうです。
何かあるんでしょうか?
「あぁ、せっかく作った魔法陣が……。」
まほうじん?
「もしかして床に散らばってた紙のことですか?」
「そうよ!長時間かけて作ったのが無駄になっちゃったじゃないの。………はぁ。」
女の子は深いため息をついて床に座り込みます。
「今日は散々な一日だわ。これじゃ、また魔王様に叱られる………。」
「『まおうさま』ですか?」
私は女の子に質問します。
「そうよっ!魔王様よ。私はあのお方にお仕えしてるのよ!」
「……でもこの前、うっかり魔王様の大事な宝玉を割ってしまって怒られたの。」
そう言って女の子は懐から、綺麗な二つに割れた玉を取り出します。
「せっかくこれを直せる新しい魔法陣が出来そうだったのに……。」
私はどうやら少しお節介なことをしてしまったようです。
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