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6章
72☆好きな人の部屋で(4)
しおりを挟む「ゆっくり、息吐いてね。」
素直に呼吸をし、ジャスミンは緊張と向かい合う。
アレクの指が割れ目をなぞり、つぷりと入って来た。太くて長い骨張った指が、少しずつ埋もれていく。
「痛い?」
「ううん、平気。でも異物感がすごいわ。」
「中に何か入れたことある?」
「えっ?!どういうこと?」
ジャスミンには質問の意味が分からない。
「自分の指とか、えっちな道具とか。」
「なっなっないわ!これが正真正銘の初侵入よ!」
「まじか…ありがとう。」
「えっと、どういたしまして?」
アレクがニヤニヤしているので、ジャスミンは首をひねる。
「そんなに嬉しいの?」
「そりゃあね、好きな子の初めて全部もらえるって、征服欲が満たされるっていうか…俺のものだーって感じるというか。」
「そうね、確かに。アレクは私以外としたことある?」
「ないですけど…」
「良かった。お揃いね。」
これであると言われたら、ジャスミンはショックで落ち込んでいたかもしれない。
「ひゃんっ!」
アレクの指が中で動き、生き物のように前後運動を始めた。
「痛かったら言って。」
「ん…まだよく分からない。動いてるって感じ…」
「初めてだと、中で気持ちいいって分からないのかな。」
「どうかしら…すごくドキドキはしてるわよ。」
アレクの空いた手のひらが、ジャスミンの胸に置かれた。
「本当だ、すごく速いね。」
「アレクもね。」
胸筋に手が届かないので、手首で脈を測った。
「ジャズの中、柔らかくてぬるぬるしてて、触ってると興奮する。」
「男の人って、自分の気持ちいいところは触られてないのに、どうして興奮するの?」
胸や下を触るだけで、ギンギンになっているのが、ジャスミンには不思議で仕方ない。
「えー…エロいから?」
「見るだけでも?」
「うん、生理現象だから勝手に勃起する。もう触りたくてやばいって思うだけで、ぐんっとね。」
「でも、自分の触られてないわよ?気持ちよくないのに、触るのがいいの?」
アレクも首をひねる。
「入れる方が断然気持ちいいのはいいんだけど、触るのはまた別っていうか。とにかく、普段隠されてるところを見せてくれて触れて楽しめるのがいいの!」
「よく分からないけど、分かったわ。ひゃあっ!」
中に入っていた指がお腹側を擦ると、ゾクゾクっと痺れる。
「あー、ここ弱いんだ。」
「ううっ!そこ、だめ。」
ダメだと言っているのに、アレクの指は止まらない。ニチニチとねちっこく感触を楽しむように擦り続ける。
「やっ、やだあっ!」
「可愛いよ、ジャズ。すごくぬるぬるで、もうびしょびしょだよ。音分かる?」
指が動くたびに、くちゅくちゅと水音が立つ。
「んううー!やめてえっ!」
「やーだよ。」
楽しそうに答えて、ぐちゅぐちゅと掻き回している。
「ねえ、二本に増えたんだけど、どう?」
ジャスミンが気づかぬうちに増えていたらしい。中で二本の指がバラバラに動いていた。
「痛くないわ、今のところは。」
しかし、あのアレクのものが入るかどうかは、不安なところであった。
「じゃあ、そろそろ試してみよっか。」
するっと抜かれた指に、喪失感を感じた。
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