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明亜と女装男子編

10-13ぴったりつながる

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「明亜ちゃん、大丈夫?」
伊知地さんの声で、まぶたを開く。
「…ふえ?」
「ごめん、調子乗った。」
頭を撫でられて、さっきの状況を思い出す。
意識を失うほど、気持ちよかった。
そして、すごく恥ずかしい。
「うう…伊知地さんのばか。」
「ごめん…!可愛すぎて止まんなかった。」
しょぼんとしてる伊知地さんは、いたずらを怒られたボルゾイみたいで可愛かった。
いや、顔がボルゾイって訳じゃないんだけど、雰囲気が。
「続き…やめとこっか。」
苦しそうな表情で聞いてくるから、ああ本当はしたいけど私のこと考えて我慢してるんだって分かった。
この人が、あのキレイなお姉さんだったんだなぁ。すごいギャップ。
知れば知るほど、好きになってしまう。
「続きしましょ。私、伊知地さんが欲しい。」
バッと後ろを向いて、伊知地さんが固まった。
「ちょっと待って…今、今したら絶対に優しくできない。やだって言われても止められない。」
「伊知地さん、大丈夫!だって初めからずっと止まらなかったでしょ。」
顔を正面に戻すと、真顔になっていた。
「うん、ごめん。一回も止まってなかったね。」
「あははは!」
ずっと、ずっと、伊知地さんは止まらずに私を追いかけてくれていた。
私は逃げてばっかりだったのに、諦めずに来てくれたから、今こうしている。
「伊知地さん、ありがとう。」
「何が?」
脈絡がないから、不思議そうな顔をしている。
「んー、全部。」
「えっ、じゃあ俺も全部、ありがとう。」
優しく抱きしめられて、胸が高鳴る。心地いい温もりと、お腹に当たる熱いそれ。本当に入るのかな…標準って言ってたけど。
「明亜ちゃんにお願いがあります。」
「何でしょう。」
真剣な声で言うから、何事かと思っていたら。
「本当に嫌でやめて欲しい時は、俺のこと嫌いになるって言って。そしたら、絶対に止められる。」
「えっ…」
首を持ち上げて、顔を見合わせる。
「お願いします。」
一世一代の大勝負みたいな顔してるから、ちょっと笑ってしまった。
そうだった、伊知地さんも不安なんだよね。
「はい、責任持って嫌いって言います。」
きっと言わないと思うけど。
「あっ…断定しちゃうんだ。そ、そうだよね。」
弱気になった時のボルゾイと、強気でキレイなお姉さんのギャップ。
性癖に突き刺さる。
もう、痛くてもいいや。
「当真さん……して?」
伊知地さんは一瞬固まった後、ガバッと起き上がった。
バリバリっと紙箱が開く音がする。
振り向いた時には事を終えていて、臨戦態勢だった。
「力を入れると痛くなるから、できるだけ楽にしてて。」
こくこくと頷き、深呼吸を意識する。
伊知地さんの手が私の膝を割り抱え、彼の太ももの上に乗せる。
腰が少し浮いた状態で維持された。
「ひゃっ。」
もう一度指を差し込まれて、中を確認さる。
「入れます。」
「はい。」
入り口を指で開かれて、ああグロ臓器丸見え…って思ったことは隠さずにおきたい。
ぐっと圧がかかって、先端が潜り込んできた。形状を考えれば、先端がキノコの傘のようになっているわけだから、これが入りきれば後が楽な気がする。
深く息を吸って、ゆっくり吐く。
ずぬずぬと押し込まれて、指の時よりも圧迫感が強い。
「んん…どれくらい入りましたか。」
「…三分の一くらい。」
あれ?まだ先端だけだと思ってた。
「もうそんなに入ったんですか。」
「…そんなに痛くない?」
「ううん、苦しい。先端が入ったら楽になるかと思ってたから。」
「あー…形状的に真ん中が太いんだよね。」
ということは、これからもっとキツくなるということですね。
じゃあ、これ以上ゆっくりしても苦しいのが長くなるだけだな。
「覚悟はできてます。もう、一思いにお願いします。」
「…分かった。」
腰を高く持ち上げられて、伊知地さんが沈むように押し込まれてきた。
ずんっと奥まで入って止まる。
「全部入ったけど、大丈夫?」
「なんとか…」
ちょっと痛い。入り口が切れるとかそういう外傷じゃなくて、こんな質量を入れたことがないから、押し広げられててじわじわ痛い。っていうか、苦しい。
「伊知地さん、慣れるまでちょっと待って欲しいです。」
「はい。」
「あと…ぎゅってして欲しいっんぐっ!」
間髪入れずに強く抱きしめられて、反動で響いた膣が痛い。
伊知地さんの腰に足を絡めて、抱きしめ合うと、全部がぴったりつながったようで、嬉しくなった。
これは、良いかも。
すべすべの背中を撫でて、人の肌って気持ちいいなぁって堪能する。
「明亜ちゃん、大丈夫?」
「うん、ずっとこうしてたいなぁ。」
耳元で喉が鳴った。
「可愛すぎる…。」
「…なんか、さっきよりキツい。」
「そりゃ、あんな可愛いこと言われたら、こうなるよ。」
そうなんだ。
中が隙間なくギチギチなのに、これ以上は無理ではなかろうか。
でも今はあまり痛くない。
「動いたら、痛いかなぁ。」
「動いてみようか?」
「慣らし運転でお願いします。」
「はい。」
足の間から質量が減っていき、入り口ギリギリまで抜けた。そしてまた熱くて硬いものが戻ってくる。
「なんか、大丈夫っぽいです。でも速いと怖いからゆっくりでお願いします。」
「ん、分かった。」
そろそろと抜かれ、じわじわと挿し込まれる。何度か繰り返すと、伊知地さんの吐息が熱くなってきた。
「伊知地さん、気持ちいい?」
「うん、すっごく。明亜ちゃんの中あったかくてキツくて、締まるから持っていかれそう。っていうか…なんか…うねうねしてて、奥がザラザラしてて…すごい。やばい。」
うねうねでザラザラ…ちょっと怖くなる。私の膣、大丈夫なのかしら。
奥まで届くと、伊知地さんがぐにぐにと円を描いた。
「ひゃっ!」
そこを擦られると、じわりと気持ちよく、入り口が締まる。
「ん、ここ気持ちいいの?」
私の反応を見逃さなかった伊知地さんが、また奥を絶妙な力加減で刺激する。
「はあっあ…」
ぎゅうぎゅうと膣が収縮した。
さっきよりもスムーズに動いて、スピードが上がっている。奥を突く動作はとても優しいけれど、擦れる回数が増えたお陰で、大分慣れてきた。
というか、擦られるのが気持ちいい。特にお腹側の内壁を上に向かって擦られると、触っていなくても奥の方がキュンとする。
「あっあっ…ん。」
「明亜ちゃん、可愛い。」
足を持ち上げられて腰がより高くなり、伊知地さんが伸し掛かるようにして動く。
秘部同士が当たって、パチュン、パチュン、と音がするようになった。
微かだった水音が急に大きくなり、溢れた愛液がお尻の方に垂れていく。
奥よりもっと奥に当たってきて、その度に体が震えた。
「はあん、ああっ、んん。」
声が止められない。
腰をそらすと気持ち良くて、勝手に体が動き始める。
少しずらすと、伊知地さんのが敏感な突起に当たって、中も外も気持ちいい。
「…可愛い。すごく可愛い。明亜ちゃん…明亜ちゃん…。」
「ひゃあっん!」
伊知地さんが深く速くなる度、快感が強くなる。
耳の奥がざわめいて、背中から首筋にくすぐるような、でも強烈な愉悦が昇る。
ああ、どうにかなってしまいそう。
「はあっ、当真さんんあっ…私のこと…好き?」
目尻から涙が溢れる。
それを彼が唇で拭った。
「好きだよ。」
「私も好き。」
初めて、好きって言えた。
今までで一番強く、奥を貫かれる。
「あああっ!」
「ごめん、止まらない。嫌なら、嫌いって言って。」
どんどん速くなる動きと快感に、ついていくのが精一杯だ。
「ああっ、好き、当真さんが…好きっ…んんあっ」
離れたくなくて、手足で体に巻きつく。体が、奥へ奥へと彼を引き込んだ。
「明亜ちゃん、それやばい。出ちゃう。」
「いいよ…ああっ。」
膣が勝手に動く。
気持ちいいがどんどん積もって、あの感覚が蘇える。
頭皮がぴりぴりして、肌が粟立ち、体中に力が入って、足先までピンと伸びる。
前のより、すごいのがきそう。
「んやあああっ!いっちゃ…あっあっ!」
「俺も…んっ…!」
ズンっと勢いよく突かれた瞬間、奥が強く締まって、何も考えられなくなった。
体が痙攣している。
さざなみのように快感が追ってきて、もういったのにまだ気持ちいい。
伊知地さんが覆いかぶさり、熱くて重い体がぴたりとくっつく。幸せ。
しばらく、そうしていた。

お互いシャワーを浴びて、パジャマを着直すと、狭いベッドに並んで潜った。
「伊知地さん、あったかい。」
ぎゅっと抱きしめられて、耳元で囁かれる。
「もう当真って呼んでくれないの?」
あれは、なんかほら、勢いで言えたっていうか。
ドキドキドキドキ、鼓動が速まる。
「…当真…さん。」
「明亜ちゃーん。」
チュッと音を立てて、お得意のキス。
何度も何度も顔中にしてくるから、くすぐったい。
「当真さん、キス好きだね。初めての時も、キスマークつけてたし。」
おでこにキスをしながら、当真さんが笑う。
「あれくらいしたら、印象に残ると思って。忘れて欲しくなかったから。」
ああ、うん。忘れられないというより、そのことばっかり考えてた。
「…メモ、失くしちゃってごめんなさい。」
「えっ!いいよ!気にしないで!」
「やっぱり、ラミネート加工して栞にしておけば良かった。」
悔しさが残る。
「そんなに…?」
「はい。」
「キスマークくらい、いくらでもつけるよ。」
声は当真さんだけど、表情があの時と同じ、セクシーなお姉さんで…。
女装してても、してなくても、当真さんはそのまま私の前にいてくれる。
嬉しくなって、抱きついた。
「口紅の色別でお願いします。」
「そうきたか。じゃあ先に一回つけとくね。」
首筋の薄い皮膚に、強く吸い付かれてピリッと痛みが走った。
「うーん、赤かな。」
「……!!」
私の顔も真っ赤だと思う。






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