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「ちょうど今頃だったね。あの日も雪がちらついた寒い夜だった。公園のキリンの滑り台の中に君は来たんだ。オレたちはそこで出会って、身を寄せていたけどいつの間にか眠ってしまって、気が付いたら自分の家だった」
オレの言葉にその子は眉を寄せる。
「・・・探したのに・・・」
その子はぎゅっと目を瞑った。
「僕はずっと探したんだ。ずっとずっと探して、いっぱい探したのにいなくて。本当はそんな人いなかった、あれは夢だったのかもしれない、そう思ってたら急に僕の前に現れて・・・」
ぎゅっと瞑った目からぼたぼたと涙が落ちた。
「やっと見つけて飛び込んだのに、僕のことなんか全然覚えてなくて。こんなに好きなのに、いっぱいいっぱい大好きって言ってるのに、全然僕には言ってくれない。連絡するのも僕。会いに行くのも僕。言うのもするのもいつも僕」
話してるうちにどんどん興奮してきたのか、その子の声は徐々に大きくなり、しゃくり始めた。
ひっくひっくとしゃくりが止まらず、本格的に泣き始めたその子をオレはぎゅっと抱き締めた。
「ごめん。忘れたわけじゃなかったんだ。ただ、あの時のかわいいうさぎちゃんが君だったって、オレは気づいていなかった。それに、探したくてもあの頃のオレは君を探しに行けなかったんだ」
その言葉に、この子は真っ赤になった瞳をオレに向けた。
「オレ、あの後すぐに引っ越したんだよ。アメリカに。そもそもあの時、それが嫌での家出だったんだ。こんなにオレを探してくれてたなんて知らなくてごめん。でもオレ、探せなかったけど、君のことはずっと思ってたよ。オレのうさぎちゃん。実は帰国してから何度もあの公園に行ったんだ」
その言葉にその子は呆然とする。
「君もオレを探してくれてたなら、もしかしたらニアミスくらいはあったかもしれないけど、それでもオレは多分気づかなかったと思う。オレ、すごい勘違いをしていたからさ」
ずっと忘れられなかったあの夜のうさぎちゃん。
「オレ、あのうさぎちゃんは女の子だと思ってたんだ。だからずっと、女の子を探してた。ごめんな」
オレの言葉に、その子は何度も瞬きをした。長いまつ毛が涙に濡れて輝いている。
「あの夜君に会った時からずっと、オレの心には君が住んでいるよ。でもその姿があの時のうさぎちゃんのままだったから、君に会ってもピンと来なかったんだ」
オレは腕の中のその子の瞳をまっすぐ見た。
「好きだよ。オレの心は最初から君が好きだ。だからオレの腕の中に戻ってきて欲しい」
その子は一瞬、大きな瞳をさらに大きくすると涙をぼろぼろ零しながら笑った。
「うん!」
その笑顔は今までのどんな笑顔より美しかった。
了
オレの言葉にその子は眉を寄せる。
「・・・探したのに・・・」
その子はぎゅっと目を瞑った。
「僕はずっと探したんだ。ずっとずっと探して、いっぱい探したのにいなくて。本当はそんな人いなかった、あれは夢だったのかもしれない、そう思ってたら急に僕の前に現れて・・・」
ぎゅっと瞑った目からぼたぼたと涙が落ちた。
「やっと見つけて飛び込んだのに、僕のことなんか全然覚えてなくて。こんなに好きなのに、いっぱいいっぱい大好きって言ってるのに、全然僕には言ってくれない。連絡するのも僕。会いに行くのも僕。言うのもするのもいつも僕」
話してるうちにどんどん興奮してきたのか、その子の声は徐々に大きくなり、しゃくり始めた。
ひっくひっくとしゃくりが止まらず、本格的に泣き始めたその子をオレはぎゅっと抱き締めた。
「ごめん。忘れたわけじゃなかったんだ。ただ、あの時のかわいいうさぎちゃんが君だったって、オレは気づいていなかった。それに、探したくてもあの頃のオレは君を探しに行けなかったんだ」
その言葉に、この子は真っ赤になった瞳をオレに向けた。
「オレ、あの後すぐに引っ越したんだよ。アメリカに。そもそもあの時、それが嫌での家出だったんだ。こんなにオレを探してくれてたなんて知らなくてごめん。でもオレ、探せなかったけど、君のことはずっと思ってたよ。オレのうさぎちゃん。実は帰国してから何度もあの公園に行ったんだ」
その言葉にその子は呆然とする。
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ずっと忘れられなかったあの夜のうさぎちゃん。
「オレ、あのうさぎちゃんは女の子だと思ってたんだ。だからずっと、女の子を探してた。ごめんな」
オレの言葉に、その子は何度も瞬きをした。長いまつ毛が涙に濡れて輝いている。
「あの夜君に会った時からずっと、オレの心には君が住んでいるよ。でもその姿があの時のうさぎちゃんのままだったから、君に会ってもピンと来なかったんだ」
オレは腕の中のその子の瞳をまっすぐ見た。
「好きだよ。オレの心は最初から君が好きだ。だからオレの腕の中に戻ってきて欲しい」
その子は一瞬、大きな瞳をさらに大きくすると涙をぼろぼろ零しながら笑った。
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