Condense Nation

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4章 ブラインド編

第5話  レイディバグ

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A.D3年 サド島 ブラインド拠点

 地上が制圧されてから約3年の月日が流れる。
突如として天界から現れた脅威に、国は力と法のかごで囲われた。
地上では市民達の動きは鈍く対応に右往左往されている。
まだ民放も残り、具体的解決ができないといえども光景だけは映す。
TV放送で、いつの間に天主殻と名付けた空の様子を中継していた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――
「「今、自衛隊に新たな動きがあったようです!
  空軍が空爆を行おうとしています!」」

ドゴォン

「「目標にダメージ無し・・・効いていないようです。
  あ、空軍の戦闘機の動きが!?
  ・・・停止した様に次々と墜落しています」」
―――――――――――――――――――――――――――――――――

爆撃を受けたのではなく、接近しただけで落されていく戦闘機。
ミサイルも本体へ直撃した様にも観えず、寸前で阻害されたように思えた。
一部始終を観ていたブラインドのメンバー達は知りえる見識でも、
おそらくAUROから精製した電磁波妨害技術を用いたと推測。
アール・ヴォイドすら把握しきれていなかった外装による
性能の高さを目の当たりにする。
ミゾレも本体を実際に観てこの世の産物とは言えない感想を放つ。

「あれが天主殻、ただの白金ではなくさらなる合金で装甲されている。
 本当にブレイントラストだけで築かれた物でしょうか?」
「そうよ、コウシという男によって造られた施設。
 ずっと秘匿し続けてきた技術で奴らは支配を目論んでいる」

事件発生から内偵で入手した情報を語る。
遥か上空に浮かんでいるそれは空間に溶け込む様な鋼壁で、
全容もろくに掴めていない。兵器も熟知されてない程に、
強力な無力化が待ち受けていて容易に近づくのも困難だった。
ブラインドは次に現へ辿り着ける対策を練る計画を立て、
乗り出そうとするが手段が欠けていた。

「で、次の手はどうする?
 俺らがいくら飛行ビークルを持ってようが、自衛隊ですらあんなザマで
 不用意にはあんなとこ近寄れねえぞ?」
「しかも、奴らの生体センサーはズバ抜けた性能です。
 地上ならクロマキー合成でスキャナーを遮断できますが、
 それを上空まで断ち切れるかどうか・・・」

相手の検知は赤外線などのシンプルな物など使っているはずもない。
が、発想の逆転が得意なはずのサップが珍しくストレートな
アイデアで天主殻に挑もうと言う。

「んじゃ、試しにお前の布を巻いた偵察機を飛ばしてみたらどうだ?」
「自衛隊と同じ目に遭いたいの?」
「見つからなけりゃ良いんだろ?
 お前のウミボウズで包んで飛ばしてみろよ。
 センサーカット機能を取り付けて行けば、うまく侵入できんじゃないか?」

ドローンにクロマキーを巻いて近づけとの事。
堂々巡りが無駄で、コッソリ潜入ならバレないように行けば良いらしい。
実にアナログな方法でやってみろと言う。
ちなみに彼の軍略が今まで成功した事など一度もない。
ミゾレは期待せずに物は試しで、結局実行することに決めた。
アリシアは許可して組み立てを指示する。


数十分後

「とりあえずやって頂戴」
「ドローン射出、離陸成功ォォ!」
「映像出ま――」

ヒュウウウン  ガシャアン

しかし、結果は空軍の二の舞。
スキャナー探知遮断装置を搭載しても、突然機動が止まり墜落してしまった。

「そ、そんな馬鹿な!」
「「やはり落とされてしまう・・・」」

両手を頭に抱えてガッカリするサップ。
観える観えないの問題ではないようで、実存する何かがある時点で
クロマキー合成でも何故かつき抜かれて同じ結果を迎えた。
EMPと同様な性質の何かが相手から放射されているので、
通常の飛行体は全て接近寸前に落下してしまうのだ。

「「くうっ、あたしのクロマキーでも・・・そんな」」
「マジでここは大丈夫なんか? もうバレてんじゃねえか?」

ミゾレのウミホタルも動力源を捉えられて捕捉。
AUROセンサーで内部を検査しようとしても射程がとどかずに
やはり直に接近しなければどうしようにもない。
企画の初段からつまづくメンバー達。
サップの浅はかな侵入作戦の失敗で曇りがちになる中、
今まで参加せず一言も話さなかったパスカルが少し離れた
別席でブレイントラストに関する情報を閲覧していた。
その中のある機械について目を凝らしている。

「パスカル、何見てんだ?
 俺の画期的なアイデアが無残に崩壊したってのに」
「チーフ、ライオットギア三機の在り処が判明しました」
「とうとう見つけたのね」

まったく別の動向をとるエンジニアの静かな声。
実はパスカルはブレイントラストビルの調査を行っていた。
ライオットギアとはタンクやヘリとは異なる戦略的規格。
暴徒鎮圧機体で武力行使として実用する最初のタイプであった。
それら3機はかつてアールヴォイドとブレイントラストが共同して
規格していたが開発途中で事件が起こり、頓挫とんざしてしまう。
アリシアは別計画でその3機を奪取する案を彼に依頼。
それらを駆使して天主殻を抑えようという。

「んだよ、チーフは別策あったってのか!?」
「これはお父さ・・・会長の案なのよ。
 白兵戦以外の機動力も想定して入手範囲のある物の調達で、
 空への展開を行う必要があったから」
「会長だったのか? ああ、そういやヘリであんなとこに行けねえしな」
「三機は、こことあのブレイントラストとの共同で制作していたものだった。
 しかし、どういう訳かコウシ一派は天主殻へ持ち込まずビルの地下へ放置。
 そのまま置き去りにしていた」

もちろん、私が盗聴器を中に忍ばせておいたのは言うまでもない。
それすら読んでいたのか、コウシは何事もなかった様に疑う事など言わずに
こちらと関わる機材は一切上に持っていかなかったのだろう。
ならば、三機を戦闘、偵察機として扱おうと拝借すれば良い。
仕様はこちらも大いに把握しているので隙を見てビルに侵入、
拝借しようとする術だ。パスカルが一考し、1つの作戦を話した。

「事前詳細設計によると、ブレイントラスト規格の型を用いれば
 謎のEMP攻撃から回避できる可能性があると推測。
 理由は襲来時に飛翔してきた天主機は停止していませんでした。
 おそらくはAUROエンジンよりキャパシタ内部に分別コードを内蔵して
 部外者のみ落とすよう製造されているようです。
 それら三機をこちら側に取り込めば、センサーも誤魔化せる可能性が」
「この名は?」

詳細を追って確認すると、画面の情報に奇妙な言語を見つけた。

「セントラルトライアド・・・怒り、叫び、痛みを込められた
 初代のライオットギア」
「数年前にこっちと共同して造ったモンか?」

ライオットギアという名は量産型を含めた一般名称で、
これらは特別な素材を用いた試験型、プロトタイプとして扱われる。
元は蔓延しつつある暴徒を対処するために造られた存在。
しかし、ダニエルを襲って計画は強引に止められた。
今となっては忌々しい物体であるものの、手立ての一部に挙がる。
一気に彼女の顔を観てしまう。
だがアリシアは怒りを顔にださない。メンバー達はそれでも
秘めた怒りを感じているのは分かっていた。

「「チーフ・・・」」
「まあ良いわ、名称などただの表示にすぎない。
 扱う側に罪があって良し悪しが決まるだけで」
「それら三機の回収後についてですが、
 こちらの手に改良し直す必要もあります。
 ただ、我々は仕様が理解できる者がいないですが?」
「いえ、会長なら中身を把握しているはずよ。
 全てはまだしも細かな仕様を変える事くらいできるわ」
「・・・・・・」

三機の詳細は共同作業の代表である会長が一番詳しい。
彼が戻ってくるまで、この件は保留することに決定した。
ついでにミシェルは具合が悪く仮眠している。
メンバーの曇る顔が晴れないまま、作戦の先を様子見中だ。
1人だけ異様に静かになった事を除いて。


翌日

 黙々と作業する静かな部屋にうるさい声が聴こえてくる。
サップがテンションが高くラボに入ってきた。

「うおおおい、業務連絡だッ!」
「相変わらずやかましいわね、また宝くじでも当たったの?」
「せんとらるとらいあどだろ?
 かっぱらってきてやったぜ!」
「なにいぃ!?」

いつもの砕けた言い方なのは理解していたが、こんな言葉は信じられず。
なんと、サップはブレイントラストが製造した三機を
いつの間にか全てこちらに運び込んでいた。
今日はダーマが来て、突然彼の申し出を受けて在り場所を調べさせたと言う。

「一体どうやって持ってきたの?」
「至極単純、それらの素材を検知しただけだ。
 いや、俺というよりかコイツだけどな」
「ダーマ、どうやって検知したのよ?」
「遠隔放射性の電磁波を反射させた、特殊な物質というのは
 そういった周波数すらも反射する特徴をもっている」
「んで、そいつらはやっぱブレイントラストビルの
 地下にドン置きしてあったんだぜ」
「あったんだぜって、どうやって侵入したのよ!?」
「あいつら、パスコードを変更してなかったんだよ。
 前にあのビルに入った時のまんま使い回しで、簡単に入れた。
 警備もほとんどいなかったしな、資金でも尽きたんじゃねーか?」

三機は天主殻内部にはなく、あのビルの地下に隠されていた。
コソドロまんまスニーキングで侵入し、隙を見て運搬してきた。
内部は警備はおろか関係者すら見当たらずに放棄されたエリアの風に、
サップとアンドロイド達によるいつの間にか立てた算段で
巧妙な手段ながらあっさりと成功したのだ。

「「すごいけど、呆れたわ」」
「俺らはだいたいおもいっきりさが足りねえんだよ!
 様子見ばっかで時にゃガッといかねえと。
 ドローンの件はしょうがねえけど、こっちは成功したんだからな!」
「大したものね、あなたを加入させたのも正解だったわ」

私達の“どうせセキュリティを更新しているから無理だろう”といった
先読みを深読みせずに馬鹿正直な感性で成功するなど頭脳者程読めない。
今回は完全に運が良かっただけだと内心に思う。
いや、やぶれかぶれなアバウトさも時には必要なのか、
意外性のある者もこの組織に身を置くべきなのかもしれない。


サド島拠点 格納庫

 それから数日後、会長がやってきて例の3機の仕様を説明。
メンバー達は拠点倉庫に移動、間近で確認したそれらを観て
始まりの人型に目を見張らせた。

「見た感じ、造りかけの状態だな」
「これは・・・至上稀に見る仕様ね」

サップとミゾレがシンプルさとミラクルさな発言。
色分けされているのは装甲の成分すら別々で、試験的ながらも
状況に応じたケースで製造されていたらしい。
会長が戻って来て、三機を閲覧する。
懐かしさなど微塵も見せず、悲しい表情になった。

「そのまま地下に保管されていたか、放棄したか。
 コウシ君は決別の道を選んでしまったのだな」

かつて着手していた物が放棄された様に無念さを口に出す。
これらを足切りしてまで上界にこだわる理由は不明だが、
対抗馬として利用しない手はない。
共に築こうとした物を敵として向かわせるわけだから。
メンバー達は会長の言葉に何も返そうとしない。
そんな沈黙の上で赤、青、黄色を表す状態はどうなっているのか、
パスカルはAUROセンサーで内部を調べ上げて詳細を表示した。

「分析完了しました、仕様はこの通りです。
 これより会長が仕様を全て御説明するとの事」

以前言った通り、これらは特別な仕様で造られた機種で
増産予定の物とは別として緊急用のみに扱うつもりだったという。
この時代、自衛隊管轄上の防衛省は海外提携を断っていたため
秘密裏に独自開発を試して実用化の道を模索し続けていた。
最初に朱い機体について概要を語る。

「クリムゾンアンガーの素材は世界一の硬度を誇る鉱石、
 ウルツァイト窒化ちっかホウ素と次強度のロンズデイライトで
 製造されたものだ。
 ウルツァイトは火山地帯で極稀に採取できる鉱石で、
 ロンズデイライトは隕石の中で稀に含まれる鉱石。
 素材そのものが超少量でしか現存しないゆえ、三機の中で
 最も高コストによりわずか1機しか造られなかった。
 表面はスターライトでコーティング、高熱耐久性ももち、
 直接的な戦闘では比類なき力を誇るだろう。
 AURO制御、吸収する機構も搭載している」

次は蒼い機体について語る。

「セレストクライはセレスタイトを配合した合金機体だ。
 中に含まれた硝酸ストロンチウムが最も高分子振動を起こし、
 レーダーを弾きやすくステルス化させるのに適している。
 他の2機よりは脆弱ぜいじゃくかつ可溶で、
 酸性の影響を受けて液体に溶けやすいのが難点だが、
 修復しやすくこまめに手入れをすれば偵察機として
 右にでるものはない非常に優れた機体となるはずだ」

最後は黄金の機体について語る。

「ゴールドペインの装甲素材はほぼ金だ。
 硬度だけでなく、展延性が高く腐蝕を起こしにくいので
 劣悪な環境下でも長期保存が可能だ。
 電子位相差で瞬時なら電磁障壁を展開できる。
 後、最もイオン化傾向が小さいから、帯電を操作すれば
 追尾性のミサイルにロックオンされにくい。
 囮として大いなる機動力が期待できるだろう。
 制空権を握るならこれに尽きる」

機能としてなら戦闘、隠密、護衛の役割をもつ。
装甲もそれぞれの特徴を出すために別々に構成されている。
素材もAUROから生成した物質もあるが、重金属程難しく
途方もない年月を要するので増産ができない。
いずれにしても想像の内にも入れ難い仕様に形容の言葉が浮かばず、
メンバー達が説明を見上げて驚愕する。
あらゆる状況に合ったそれぞれの性能に先駆けた概要に
誰しもが注目せずにいられない。
ブレイントラストのいうセントラルトライアドとよばれる機体の
性能は底知れぬものだ。対抗できるのはこれら三機、共同で
生み出したのならば可能性も高まる。

「これなら・・・太刀打ちできそう」
「マジっすか、世界征服モンですよ!」
「捕縛されない限り、かなりの働きを期待できます。
 ちなみに破損したケースの補修は如何にしますか?」
「溶接で凌げるものはせいぜい鋼鉄くらいしかない。
 電子回路はタングステン系が高速で理想値に達しているが、
 故障率も上がり耐久性の低下はまぬがれん」
「被害を受けた製鉄所はまだ少数のようです。
 こんな状況で補充用があるか気掛かりですが」
「ないよりマシすよ、どっか注文かけてみましょ」

三機について、リソースの予備を確保する算段は整った。
整備が終わり次第、いざ戦闘に持ち込もうかと思いきや
会長はまだGOサインをださなかった。
これらだけで天主殻へ向かう事を許可しなかったのだ。

「待つのだ、攻略に有利な機体を手に入れたといえど、
 相手はあのブレイントラスト。
 高性能といえど、彼らにとってもはや熟知している既存物であろう。
 コウシ君は内部で無数の生物型の規格を駆使しているはず。
 やはりこの面子だけでは忍びない」
「ということは?」
「私軍増強を先に整えておくのが先決だ。
 やはり、数を抑えるのに最低限の数は必要。いくら高性能といえど
 向こうは無数の機体をそろえているはず。まずは人手から整えて
 網目に包囲できるフォーメーションを敷くのだ」

機体戦だけでなく、万全を期して対抗しようと画策する。
しかし、やはり交渉役場もおいそれと容易く行えない。
連行航路、集合場所、兵器確保も問題がまだ残されている。
パスカルも連携組織との線が次第に細くなっていると述べた。

「海上も生体センサーで目を光らせているようです。
 円盤形状と高度からして経済水域まで及び、船で移動しようものなら
 あのドラゴンタイプに奇襲を受けてしまうでしょう」
「あいつら海域にもちゃっかり見張ってトンズラさせねえようにしやがる、
 どっかの独裁国家かよ」
「詳細は不明だが、AUROを応用した技術は間違いないだろう。
 かつて、スフィンゴイド塩基への浸透圧で無線通信を試みた論文を
 読んだ事があった。関連があるかは定かではないが、もし実現して
 例の技術を用いれば約4000kmの範囲なら可能かもしれん」

高度に上昇して円錐状にAUROセンサーを照らせばあらゆる生体情報を
得られると述べる会長。予測だが、人のフレームより性別や年齢を読み取り、
分布分けでどのような組織や集団なのか判別しているらしい。
一般層なら脅威度も低いので警察や自衛隊、他はならず者など武装化しえる
所は特にチェックされると思われる。
重要なここは察知されていないかが心配だが。

「こっちはまだ気付かれてねえよな?」
「ええ、政府や自衛隊もまるで不必要とばかりに介入もなく、
 ここにアプローチする気配がないわ」
「単に重要区画とみなされておらんだろう。
 軍部にとって期待の薄いエリアは目もくれない。
 軍事産業をここで秘匿していたとは夢にも思わんだろう」
「あんた、あ、いや、会長が・・・ですかい?」
「サド島を全て賄うようになったのも私の代からだな。
 より優秀な者を引き入れ、国を活性化させようと尽力したつもりが
 こんな反動を引き起こすとは・・・」

ここは元、会長の私有地で政府から委託を受けた島であった。
列島の最盛期より少しでも多くの人口増加を見込んで
実は外国と連携する出島として築く予定があったが、
自国の者達による猛反発と核汚染地域など偽情報の吹聴ふいちょう
今は何者も立ち入らない地となっている。
彼らはCN制定からまったく関与する気もなくなり、避難経路が無理と
判断されてから不要とばかり連携しようとしなかった。
そこを幸運とよぶべきか定かではないものの、アンダーグラウンドな
道が生じたという結果となり一種の抜け穴を手に入れた。
今は島から海底を通して国外へのルートが秘密裏に開通され、
どうにか気付かれないように行き来。
だから、ブレイントラストも知る者はそうそういない。

「ああ、あれからもうそんなに経ってたんだな。
 色んな事が一気にあって何年過ぎたか分かんなかったぜ。
 俺もここから入国してきたしな」
「え、そうだったの?」
「“入国記録を消せて、ブツの輸出入できねーかな”って、
 この国に来たのがキッカケだったわね」
「実にお前らしい思考だ」
「イヒヒ」

アリシアがちゃっかりと動機を暴露。
サップの件はともかく、会長の迅速な対応により囲いは固めて
実働部隊の結成も本格的に完了しようとした。
今はまだ雑把ざっぱなチームであるが、いずれは研究のずいを込めた
システムをつぎ込む精鋭にするだろう。
アリシアも次は中つ国に出向く計画を始めようとしている。
天主殻の口を塞ぐ手法を展開すると決めた。

「では会長、お疲れ様でした。次回はこちらで検討致します」
「反重力を装着する手筈てはずもいずれ連絡する。
 地方で内争を中止させる直訴もそろそろ始めなければならん。
 一度分断しようものなら衝突も生じる、大きな被害が起こるまでに
 扇動を防がねばならん。詳しくは今後追って報告する」
「ありがとうございます、ここまで手数をかけてくれるなんて・・・」
「当然、出来る限りの事をしているまでだ。
 自身が動けるまではあらゆる手段も講じなければな、
 私もまったくの無関係ではない」
「・・・・・・」
「無機物そのものに慣性は止められない。
 科学を発達させてきたのは人間だ、生み出した責任も同様に
 それを食い止めるのも、また人間なのだよ。
 もう1人の孫の顔を早く見たいしな」

私情交じりに話す会長。
組織内で親子関係を見せてはならないと決めていたはずが、
つい説法の中へ入れてしまう様にそう漏らしてしまう。
当然、個人間の問題で収まるわけがない、2つの組織による問題だ。
かつて共にいた2つの枠を超えて破壊を繰り出すブレイントラストを
止めるために、ここからさらに組織の増強を拡大していく。
予定変更などしない、心の渇きはこんな無機物の冷たさで補う感覚に
水の代わりで満たしてもらっている様なものだから。
今日は発作が起きる感じはしない、三色のボディに支えられて
心の迷いを抑えられている気がしていた。

「必ず克服してみせます」
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