Condense Nation

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1章 オキナワ編

      ムーンライトチルドレン2

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世の中、常識でも分からない事がある。
目の前でみえているもの、きこえているもの。
そういった直感ですぐに分かる事だけで、そうでなければ
そんな事なんてあるはずがないと前もって決めつけてしまう。
でも、そこから新しい発見もあったりする。
塊だけでない周りにある何かによる現象、とか。
空気と同じで人に影響させる出来事もあるはずで、
知られずに少しずつ変えさせるものだってある。
こんな身体だったのもおかげか、亡霊艇との戦いを無事に終えた。
後は少しだけ普通と違った生活を送らなければならない。
日中に出歩けない事とか、不便なところもある。
だから、悪いところも含めて良いところをもっと伸ばせるように
日陰に生きる者として今後を送る事となる。
まだやるべき事、謎がどこかに隠されている。
きっと、他の世界に答えが必ずあるだろう。
証明できるものは今はない、それでも行動に出ていけば見つけられる。
そして、復旧作業もあって一度海底基地へ戻っていった。


3日後 オキナワ海底基地 指令室

「・・・はい・・・ええ・・・そうですか。
 分かりました、こちらの者にも伝えておきます」

 ハナさんが本部と連絡している、雰囲気はやっぱり良い方ではなく
向こうで深刻な問題が発生したようだ。
通信が終わり、コスギ司令にかけあっている様子が気になって
どんな状況か聞いてみた。

「司令、何があったんですか?」
「コウシ先生が行方不明になった。
 向こうでも何か事件があって。その他、数人の技術者達もな」
「・・・・・・」

まだ技術者失踪しっそう事件は終わっていなかった。
カゴシマCNで犬兵団のイヌに異変があったらしく、
事情を求めようとした間でまた姿を見せなくなる。
とうとうコウシ先生まで消えてしまう。
これまでいなくなったのは合計11人。
いずれも全て技術や研究に関わっていた人達ばかりだ。
重苦しい空気に包まれる。沈黙の中、メグが声を出す。

「なんでまた、技術者をさらっていったのはあの亡霊艇じゃなかったの?」
「そいつらが消えたのは部屋の中なんだろ?
 どう考えても、あんな潜水艇じゃ無理じゃねえか!?」
「くそっ!」
「タツキ、どこへ行く気だ!?」
「艇を1隻借ります、俺を向こうへ行かせて下さい!」
「何をするつもりだ?
 日光も受けられないお前がどこへ行けるというんだ!?」
「日光だけは・・・ですね。
 それ以外なら、俺はそこらの兵士とは違うんです」
「なら俺らも一緒に行くぞ! 1人で行く気かよ?」

一瞬にも彼らと同行していこうと思った自分がいた。
しかし、彼らも得体のしれない亡霊の罠にはまってしまう
不安感をぬぐい切れなかった。
俺はそんじょそこらの兵士とは違う。
今回ばかりは単独行動でいく覚悟をもって行きたい。

「今回は・・・1人で行きます。
 異質な相手には異質なものだけで対応すれば良い」
「お前!?」
「セリオ、お前は皆の側についてやってくれ」
「なっ・・・!?」
「相手は亡霊だ、異世界で生まれた光は普通の光とは違う。
 蛍光灯作戦はまだ終わっていなかったんだ。
 普通のやり方じゃ、無意味に巻き添えを受けるだけだろ。
 それを照らして見つけられるのは俺だけ。
 俺だって普通の人とは違うんだ」

よくよく考えれば、システムもこの体と接点をもつ気がしてならない。
この首輪といい、自分も原因があると推測。
無茶苦茶ながらに単独で挑む思いをみんなに伝える。
辺りの声も上がらなくなっていく。

「九州を守りたいという気持ちは皆同じだ。
 でも、俺ならそれができると思う。
 琉球の底から現れたムーンライトチルドレンなんだから。
 だからこそ、こんな戦乱も終わらせるべきだ」
「・・・・・・」

結局、周りの制止も効かずにタツキは乗り込み、
潜水艇に乗り込んで飛び出してしまった。
ここで、呆然ぼうぜんとしていたメンバー達の声が出始める。

「あの野郎、好き勝手言いやがって・・・」
 (まったく・・・誰に似たんだか)
「まあ、あの子ならなんとかしてくれるんじゃない?」

あまりにも突然すぎた話。
タツキならなんとかしてくれるだろう、そんな希望をもつ一同。
ラボリでもなく、予測できない何かをしてくれそうな感じもする。
しばらくして、ハナはレーダーを見てある事に気がつく。

「ん?」

通信が切れる直前、タツキの進路が予定地よりも
大幅にズレている事に気がついた。まず、どこへ行くのかすら
ほとんど話してなく、目的地について問答する時間すら流れる。
しかし、時すでに遅し。彼は北海の彼方へと消えてしまった。

「なんか、ずいぶん航路が曲がってない?」
「アイツに知らせた方が良いんじゃねーか?」
「無理です、展開規定を越えて通信距離が圏外になってます」
一同「う、うーん」



――――――――――――――――――――――――――――――――――
海、そこは古くから崇められ、また恐れられた場所。
海洋を巡る琉球のロマンを取り入れた話にしてみました。
これにてオキナワ編は終わりにします。
是非、次編もお読み下さい。
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