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第九章:魔王とは何か、王が王になる前の話――千年前の地獄と九つの罪
第158話:風林火山、破れる――等活地獄の川中島決戦
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等活地獄では、終わりのない殺し合いが毎日繰り広げられていた。
肉を斬る音、骨が折れる音、武器がぶつかり合う音、悲鳴が上がる音――
彼らには救いもなく、ただ永遠に戦いと死を罰として受け続けるだけだ。
だが、今日の等活地獄には、一つだけ違う戦いがあった。
「月華一閃!」
レンの刀が、等活地獄の闇夜を切り裂く。新たに授かった小太刀は、レンの一閃の切れ味をさらに引き立てている。しかし相手は憤怒の王、ザベルト。その一閃を、軽々と大太刀で受け流す。
「其の疾きこと風の如く……我が『風林火山』の『風』をもってしても、その動きを完全に捉えられぬとは。しかし浅い! 其の徐やかなること林の如く。」
ザベルトは太刀を構え、無我の境地に入った。
「動くこと雷霆の如し――雷壊一文字!」
静から動への切り替えは一瞬。電流が太刀に走るかのように、ザベルトは天地を轟かす一撃を放つ。閃光の後、雷鳴が追う。耳を壊すほどの巨音が等活地獄に轟き、地面には怒りの爪痕として深い谷が刻まれた。
「それも避けるか……大した娘だ。だが、避けるだけでは我に勝てぬ」
ザベルトはさらに太刀を振るい、死角から斬りかかるレンの剣を止めた。
「風林火山なのに雷とか……案外ずるいですね、ライオンおじさん」
「知り難きこと陰の如く。情報を隠すは兵法の基本。我は猪武者ではない。侵略すること火の如し――火砕大薙!」
ザベルトは太刀を大きく振り回し、周囲のすべてを業火で薙ぎ払う。レンは軽く地面を蹴ってそれを躱し、太刀めがけて飛び降りる。そして太刀を踏み台に、ザベルトの頭目がけて必殺の突きを放った。
「一閃・月輪穿ち!」
しかし、その一撃は簡単には通らない。レンの剣がザベルトの頭に刺さろうとした瞬間、彼は口で剣先を強く噛み止めた。幸いこの太刀はザベルトから授かったものだ。普通の剣なら、とっくに噛み砕かれていただろう。だが、レンの筋力ではザベルトの咬合力に敵わず、これ以上刺すことも、引き抜くこともできない。
これが、「動かざること山の如し」だ。
ザベルトは好機を逃さず、空いた右手の肘をレンの胸に叩き込んだ。強い衝撃で、レンはホームランで打たれた野球のボールのように吹き飛ばされる。重く地面に叩きつけられ、その衝撃はまだ衰えず、レンの体を地面に引きずり続けた。
衝撃で剣が抜けたのは不幸中の幸いだった。レンは剣を地面に突き刺し、ようやく自身の体を止めた。
口から大量の血を吐き出す。ザベルトの一撃は、人間にとっては重すぎた。
いや、本来なら肘の一撃でレンの胸は貫かれ、絶命していたはずだ。彼女は直撃の瞬間、『気』を胸に集中させて防御した。それでダメージを軽減したが、肋骨が何本か折れたのは間違いない。
極めて危険な状態だ。折れた肋骨がそのまま肺を刺し、致命傷になるかもしれない。
そんなレンを見て、セリナとエンプラは駆け寄ろうとしたが、毛玉に止められた。
「レン、まだやれるか? 強がりではなく、冷静に答えろ」
「やれるさ」
レンはゆっくりとボロボロの体を引きずりながら立ち上がる。自分の足を確かめる。
「ラッキー……足が折れてたら、さすがにダメだと思ってた」
苦しみながらも、健気に笑顔を仲間たちに向け、親指を立てた。
「ならば勝って戻って来い。骨くらいは拾ってやる」
「優しくないな。普通こういう時、『無理するな』ってヒロインを休ませて、自分が戦うだろ。でもまあ……」
レンは剣を握り締めた。
「だから、俺のわがままを許してくれるあんたが好きなんだ」
レンはさらに深く息を吸い込む。
「やめろ! そんなに肺に空気を入れれば、折れた肋骨が突き破り、無様に死ぬことになる! それは戦士として惨めだ! せめてもの情けだ、次の一撃で頭を斬り落とし、楽にしてやろう」
ザベルトは剣を構え、再び「林」の静かな構えに入る。
「震えろ、ハート!!!」
レンの心臓が、全身に『気』を送り込む。
「燃え尽きるほどに、ヒート!」
(今からは、あいつの攻撃を避け、あいつを斬ることだけを考えろ。今だけは、呼吸も心臓の鼓動も忘れろ)
自らを死地に置くからこそ、生路が開ける。
「奥義・風林火山陰雷――軍神一太刀!」
先に動いたのはザベルトだった。相変わらず、「静」から「動」への切り替えは観察すら許さぬ速さだ。彼は自身の勝利を確信し、レンに尊厳ある最後をと、自身最大の必殺技を放った。
軍神一太刀。
静かな怒りを込めた王ザベルトの渾身の一撃。天地は裂け、等活地獄の亡者たちは一瞬にして屍と化した。毛玉はセリナとエンプラの手を握り、空間魔法で他の地獄へと跳んだ。大地は引き裂かれ、大陸は両断される。マグマが湧き出し、やがて海水で冷却され、割かれた大陸の中に一つの島が形成された。
真っ黒な夜空から、一筋の光が差し込んだ。
夜が明けたわけではない。等活地獄の空すら両断され、隣の地獄の光がこちらへと漏れてきただけだ。
天地開闢の一撃――まさにそのもの。恐るべし、王ザベルトの力。
「人間の女剣士、レン……汝の名は忘れぬ。気高く強き剣士であった」
ザベルトが太刀を鞘に戻そうとしたその時、銀色の閃光が走った。
鋭い斬撃が、彼の膝の裏――甲冑の関節部分に正確に入る。筋肉が見事に斬られたことで、ザベルトの膝はその体重を支えきれず、跪くことを強いられた。
(馬鹿な! 我が最強の一撃を、どうやって避けたというのか!)
無理もない。軍神一太刀は全方位を斬り払う一撃。その斬撃に死角があるはずがない――ただ一つを除いて。
それは、ザベルトが立つ真下だ。
それに気づいたレンは、神速の速さでザベルトの体の下に潜り込み、軍神一太刀を回避した。さらに、鎧の関節の隙間を狙い、その筋肉を斬りつけた。
(何処だ! 彼女は何処にいる!)
ザベルトの目には、レンを捉えることができない。彼女の速さは、もはやその域に達していた。
(まずい……軍神一太刀の反動で、しばらく『風林火山』が使えない)
軍神一太刀は、ザベルトが風林火山陰雷を体現した一撃。それを使うことで、彼自慢の『風林火山』も一息つくまでの間、使えなくなる。普段は大した弱点ではないが、神速のレンを相手には、致命的だ。
ザベルトは気づく。もう片方の足も、両手の関節も、とっくに斬られていた。
彼が今感じている斬撃と、実際に神経が断たれた時間との間に、僅かなずれがあったのだ。不死身の悪魔である彼は、それすら治せるが、それにも時間がかかる――とても間に合わない。
(早く対策を……)
ザベルトは対策を考えたいが、そんな時間はない。さらに、腕と足の筋肉を斬られ、太刀を振ることも、体術で流すこともできない。
(あと少し……あと少しで『風林火山』が使える……)
一瞬、ザベルトの眼前にレンの姿が捉えられた。
(そこだ!)
悪魔であるザベルトは、腕の関節の筋肉を斬られても、指の関節で太刀を握れる。動かない腕を胴で鞭のように無理矢理振り回し、レンを斬ろうとする。しかし、それも遅い。
(あれ? あそこに太刀を振り回したのは……我?)
視界が反転する。ザベルトの瞳に映ったのは、さっきまでのレンの姿ではなく――
「月魄断命(げっぱくだんめい)」
頭が斬られた、自分の胴体だった。
*
渾身の一撃を放ち、レンは意識を失った。この一連の動作は、息一つ、心臓の鼓動すら止めて限界を超えて成し遂げたもの。もはや余力は残っていない。
体は、糸の切れた人形のように前に倒れていく。
「せっかく試合に勝ったのに、自分の折れた肋骨に刺されて死んだら、締まらないだろう」
一匹の毛玉が、倒れゆく彼女の体を受け止めた。
「この娘の勝ちでいいよな、ザベルト」
「ああ、我の負けだ。見事というほかない。最後、この娘の実力を読み誤り、慢心して大技で決めようとしたのが運の尽きだった」
地面に転がる獅子の頭が、静かに語る。
「美しい剣だった。我が優勢になったのも、我が彼女より強い種族だからに過ぎぬ。それなのに、すべての劣勢をひっくり返し、人間であり、女剣士として我に勝った。剣の技だけで言えば、彼女は我を超えていたかもしれん」
「そうだろう。未来の俺が見込んだ者だ。君に負けるわけがない」
「はは、手厳しいな」
ザベルトの胴体の関節の筋肉が再生され、地面にある彼の頭を拾い上げ、胴体へとくっつけた。
「毛玉の精霊よ、我ともう一度戦わんか? さすがに先の戦いは、我がみっともなさすぎた。汝と真剣にやり直したい。でなければ、我は納得できぬ」
「断る。俺に何のメリットもない。時間を浪費され、俺も死の危険に晒される。引き受けるバカはいない」
「この憤怒の王の永遠の忠誠と、このラファエルの薬をやろう。そちらの彼女には必要だろう。今の彼女は、たとえ傷が治っても後遺症が残る。あれだけ体を無理したのだから当然だ。二度と剣を握れなくなるだって、あり得る」
それを聞き、ずっと無表情だった毛玉の眉間に皺が寄った。
「悪魔の言うことは信用できない。大体、その薬も偽物の可能性が十分にある」
「我が剣士としての誇りにかけて、これは我が神魔大戦でラファエルから勝ち取った本物の『ラファエルの薬』だと誓う。だが、それだけでは信用してもらえまい。では、先に差し上げよう」
ザベルトは先に薬の瓶を毛玉に投げた。
「いいのか? 俺はもうこれを手に入れた。もう君と戦う理由はないぞ」
毛玉は瓶を開け、匂いを確かめた。
「それでも構わん。どうせ、我はあれほど優れた剣士を腐らせたくはないのだ」
毛玉は黙って薬を自分で一口飲んだ。毒がないことを確認した上で、レンに飲ませようとする。
「口をあけ、このオレ娘が……仕方ないな」
毛玉は薬をすべて自分の口に含み、口移しでレンに飲ませた。
すると、レンの体が光り始め、傷が驚くほどの速さで癒えていく。癒しの熾天使ラファエルの力が、奇跡を起こした。
意識が戻りつつあるレンは、目を開けると――
「うむッ!?」
毛玉が自分にキスしていることに気づいた。慌てながらも、拒んではいない。むしろ、ちょっと嬉しそうに見え、こっそりと自分の舌を毛玉の口に入れ、絡めようとした。
しかし、嫉妬の悪魔はそれも見過ごさず、天からたらいを落としてオレ娘を罰した。
「なるほど、薬は本物らしい。わかった。いいぞ、戦ってやろう、バトルジャンキーめ。『川中島合戦』だ」
ザベルトは満足そうに笑った。
レンは何が起こったのか理解できず、ただ毛玉とのキスの余韻に浸っていた。
*
軍神一太刀で熔岩が海水に冷却されてできた「川の中の島」で、毛玉とザベルトの戦いは始まる。
「詫びる。最初は見苦しい戦いをさせたこと。そして、感謝する。我がわがままを受け入れてくれたことを」
「これは取引だ。君はレンを治す薬をくれた。その引き換えに、俺は要求を飲んだ。それだけのこと」
川中島合戦、今、等活地獄にて始まる。
「其の疾きこと風の如く」
ザベルトは知っている。最初の戦いで毛玉の攻撃は魔法だったこと、魔法使いは近接戦が苦手であることを。だから、最初から速さで彼に接近し、終わらせる戦術を取った。が、彼はすぐに異様さに気づく。
(足の下の地面が不自然に柔らかい……熔岩石としては柔らかすぎる)
「砂だと!?」
気づく前に、地面は崩れ、ザベルトは巨大な砂の穴に落ちた。
魔法使いは近接戦に弱い――それは毛玉自身もよく理解し、対策を練っていた。硬いはずの熔岩石は、いつの間にか柔らかい流砂になっていた。毛玉の魔法だ。
戦士が魔法使いの弱点を知るように、魔法使いである毛玉も当然、戦士の弱点を研究していた。
「足は戦士の命なら、地面は戦士の揺り籠。硬い地面と違い、柔らかい流砂の上では力の伝達効率が悪いだろう。さらにバランスの維持が難しく、自慢の速度も出しにくい」
魔法使いには魔法使いの戦い方がある。それは陣地作成だ。
戦場を自分に有利に作り替え、場の勢いを手中に収める。それは彼が六千二百年の間、地獄を歩き回りながら磨き上げた術。地獄そのものを、彼の陣地へと変える術だ。
「卑劣な真似を」
「兵は詭道なり。君が好む『風林火山』の元となった『孫子兵法』にも、そう記されているはずだ。戦いは始まる前から決まっている」
巨躯のザベルトが、足下を襲う無定形の流砂に翻弄される。
流砂は静かに、しかし確実に彼を飲み込んでいく。真紅の甲冑の足元から、金色の砂が這い上がり、まず踝を覆う。ザベルトは咆哮し、獄炎の大太刀を振るう──だが、炎の刃が砂の海を切り裂いても、即座に無傷で埋まり戻るのみだ。砂は斬れない。圧し潰すことも、焼き尽くすこともできない。ただ全てを等しく受け入れ、ゆっくりと飲み込むだけ。
(下半身に力が溜まらない……体のバランスが崩れていく。だから繰り出す斬撃に、いつもの一割の力も出せていない)
膝まで沈む。重厚な鎧が逆に重石となり、沈降を加速させる。ザベルトは必死に片足を引き抜こうとするが、もう一方の足はさらに深く沈む。砂は柔らかく、冷たく、あらゆる力を無慈悲に分散させ吸収する。武芸も、魔力も、ここでは意味をなさない。無形の敵に、有形の力は通じない。
(軍神一太刀を使う)
ザベルトはそう思うが、どんどん穴に流れ込む流砂が、まるで生きているかのように彼の目に、耳に、口に入り込み、彼の心を乱し、「静」の境地へ至らせない。
「君とレンの戦いは全てしっかり見ていた。大技を放つ時に『静』に入り、力を蓄えることも把握済みだ。対策させてもらった。軍神一太刀を二度出せるとは思わないことだ」
腰まで埋まる。腰に挿した一振りの太刀の柄が、砂の表面にかろうじて残る。ザベルトは巨大な腕で砂面を掴もうとするが、指の間から砂だけがさらさらと零れ落ちる。爪を立てても、砂は形を変えて逃げていく。ザベルトの鬣が逆立ち、憤怒の咆吼を上げるが、その声さえも砂に吸い取られてゆく。
「ラファエルの薬は正直助かった。お陰で、レンはレンのままでいられた。俺はそれに感謝し、この戦いに応じた。だが、正面から正々堂々戦うのは戦士の戦いだ。魔法使いは、そんなバカ正直には付き合えない」
「全くだ。こんな無茶苦茶な戦い方は、初めてかもしれん。してやられたな」
「最後に一つ聞きたい。食事を出せる王を知らないか? 人間には食事が必要だ。君も、君を倒したレンが『お腹が空いた』みたいなくだらない理由で他の王に負けるのを見たくはないだろう」
胸板まで沈む。重い甲冑が胸郭を圧迫し、呼吸が浅くなる。黄金の獅子の前立物が、砂の海に浮かぶ最後の島のようだ。彼は今、頭だけを砂の海面に出して喘いでいる。
最後に、砂が顎を舐める。
「聞いた話では、虚栄の王ザガンには、石をパンに、水をワインにする力があるらしい。奴を探すといい。にしても……勉強になった。次に会う時を、楽しみにしているぞ。魔王様」
次の瞬間、砂の渦が静かに彼の頭頂を覆った。
微かに、最後の気泡が一つ、砂の表面で弾けた。
やがて流砂は大穴を平らにし、何事もなかったかのように静かな金色の砂地が広がるのみだった。
*
「あいつ……死んだのか?」
その一連を見たレンは、複雑な表情を浮かべた。さすがに、あの負けたザベルトに不憫を思ったのだろう。
「死ぬわけないだろ。明日か明後日には砂から這い上がり、完全復活するさ。怒り心頭のザベルトが俺たちを斬りに来る前に、セリナたちと合流するぞ」
「ちょっと、行き先の座標がわからないんじゃなかったの?」
「それはザベルトに感謝しなければならないな」
毛玉は空を指さした。ザベルトの軍神一太刀で斬り裂かれた隙間を。
「彼のお陰で、さっきまで俺たちが飛んでいた地獄とここが繋がった。次は紅蓮地獄だ。ここは日が昇らないからわからないかもしれないが、もう二日経っている。時間の余裕はないぞ」
「嘘!? 二日も経ったの? 道理で体がだるいと思った。」
「はいはい、無駄話はしない。行くぞ。」
毛玉はレンの手を握り、空の隙間へと消えた。
静寂が戻った等活地獄に、一人の声が聞こえた。
「今回は初見サービスとして、キューブを動かせてあげなかったわ。だけど次はないからね。ふふふ」
空の隙間も、まるでいたずらっ子の笑みのようだった。そして、口が閉じるように空から消えた。
依頼期限まで、残り27日。
肉を斬る音、骨が折れる音、武器がぶつかり合う音、悲鳴が上がる音――
彼らには救いもなく、ただ永遠に戦いと死を罰として受け続けるだけだ。
だが、今日の等活地獄には、一つだけ違う戦いがあった。
「月華一閃!」
レンの刀が、等活地獄の闇夜を切り裂く。新たに授かった小太刀は、レンの一閃の切れ味をさらに引き立てている。しかし相手は憤怒の王、ザベルト。その一閃を、軽々と大太刀で受け流す。
「其の疾きこと風の如く……我が『風林火山』の『風』をもってしても、その動きを完全に捉えられぬとは。しかし浅い! 其の徐やかなること林の如く。」
ザベルトは太刀を構え、無我の境地に入った。
「動くこと雷霆の如し――雷壊一文字!」
静から動への切り替えは一瞬。電流が太刀に走るかのように、ザベルトは天地を轟かす一撃を放つ。閃光の後、雷鳴が追う。耳を壊すほどの巨音が等活地獄に轟き、地面には怒りの爪痕として深い谷が刻まれた。
「それも避けるか……大した娘だ。だが、避けるだけでは我に勝てぬ」
ザベルトはさらに太刀を振るい、死角から斬りかかるレンの剣を止めた。
「風林火山なのに雷とか……案外ずるいですね、ライオンおじさん」
「知り難きこと陰の如く。情報を隠すは兵法の基本。我は猪武者ではない。侵略すること火の如し――火砕大薙!」
ザベルトは太刀を大きく振り回し、周囲のすべてを業火で薙ぎ払う。レンは軽く地面を蹴ってそれを躱し、太刀めがけて飛び降りる。そして太刀を踏み台に、ザベルトの頭目がけて必殺の突きを放った。
「一閃・月輪穿ち!」
しかし、その一撃は簡単には通らない。レンの剣がザベルトの頭に刺さろうとした瞬間、彼は口で剣先を強く噛み止めた。幸いこの太刀はザベルトから授かったものだ。普通の剣なら、とっくに噛み砕かれていただろう。だが、レンの筋力ではザベルトの咬合力に敵わず、これ以上刺すことも、引き抜くこともできない。
これが、「動かざること山の如し」だ。
ザベルトは好機を逃さず、空いた右手の肘をレンの胸に叩き込んだ。強い衝撃で、レンはホームランで打たれた野球のボールのように吹き飛ばされる。重く地面に叩きつけられ、その衝撃はまだ衰えず、レンの体を地面に引きずり続けた。
衝撃で剣が抜けたのは不幸中の幸いだった。レンは剣を地面に突き刺し、ようやく自身の体を止めた。
口から大量の血を吐き出す。ザベルトの一撃は、人間にとっては重すぎた。
いや、本来なら肘の一撃でレンの胸は貫かれ、絶命していたはずだ。彼女は直撃の瞬間、『気』を胸に集中させて防御した。それでダメージを軽減したが、肋骨が何本か折れたのは間違いない。
極めて危険な状態だ。折れた肋骨がそのまま肺を刺し、致命傷になるかもしれない。
そんなレンを見て、セリナとエンプラは駆け寄ろうとしたが、毛玉に止められた。
「レン、まだやれるか? 強がりではなく、冷静に答えろ」
「やれるさ」
レンはゆっくりとボロボロの体を引きずりながら立ち上がる。自分の足を確かめる。
「ラッキー……足が折れてたら、さすがにダメだと思ってた」
苦しみながらも、健気に笑顔を仲間たちに向け、親指を立てた。
「ならば勝って戻って来い。骨くらいは拾ってやる」
「優しくないな。普通こういう時、『無理するな』ってヒロインを休ませて、自分が戦うだろ。でもまあ……」
レンは剣を握り締めた。
「だから、俺のわがままを許してくれるあんたが好きなんだ」
レンはさらに深く息を吸い込む。
「やめろ! そんなに肺に空気を入れれば、折れた肋骨が突き破り、無様に死ぬことになる! それは戦士として惨めだ! せめてもの情けだ、次の一撃で頭を斬り落とし、楽にしてやろう」
ザベルトは剣を構え、再び「林」の静かな構えに入る。
「震えろ、ハート!!!」
レンの心臓が、全身に『気』を送り込む。
「燃え尽きるほどに、ヒート!」
(今からは、あいつの攻撃を避け、あいつを斬ることだけを考えろ。今だけは、呼吸も心臓の鼓動も忘れろ)
自らを死地に置くからこそ、生路が開ける。
「奥義・風林火山陰雷――軍神一太刀!」
先に動いたのはザベルトだった。相変わらず、「静」から「動」への切り替えは観察すら許さぬ速さだ。彼は自身の勝利を確信し、レンに尊厳ある最後をと、自身最大の必殺技を放った。
軍神一太刀。
静かな怒りを込めた王ザベルトの渾身の一撃。天地は裂け、等活地獄の亡者たちは一瞬にして屍と化した。毛玉はセリナとエンプラの手を握り、空間魔法で他の地獄へと跳んだ。大地は引き裂かれ、大陸は両断される。マグマが湧き出し、やがて海水で冷却され、割かれた大陸の中に一つの島が形成された。
真っ黒な夜空から、一筋の光が差し込んだ。
夜が明けたわけではない。等活地獄の空すら両断され、隣の地獄の光がこちらへと漏れてきただけだ。
天地開闢の一撃――まさにそのもの。恐るべし、王ザベルトの力。
「人間の女剣士、レン……汝の名は忘れぬ。気高く強き剣士であった」
ザベルトが太刀を鞘に戻そうとしたその時、銀色の閃光が走った。
鋭い斬撃が、彼の膝の裏――甲冑の関節部分に正確に入る。筋肉が見事に斬られたことで、ザベルトの膝はその体重を支えきれず、跪くことを強いられた。
(馬鹿な! 我が最強の一撃を、どうやって避けたというのか!)
無理もない。軍神一太刀は全方位を斬り払う一撃。その斬撃に死角があるはずがない――ただ一つを除いて。
それは、ザベルトが立つ真下だ。
それに気づいたレンは、神速の速さでザベルトの体の下に潜り込み、軍神一太刀を回避した。さらに、鎧の関節の隙間を狙い、その筋肉を斬りつけた。
(何処だ! 彼女は何処にいる!)
ザベルトの目には、レンを捉えることができない。彼女の速さは、もはやその域に達していた。
(まずい……軍神一太刀の反動で、しばらく『風林火山』が使えない)
軍神一太刀は、ザベルトが風林火山陰雷を体現した一撃。それを使うことで、彼自慢の『風林火山』も一息つくまでの間、使えなくなる。普段は大した弱点ではないが、神速のレンを相手には、致命的だ。
ザベルトは気づく。もう片方の足も、両手の関節も、とっくに斬られていた。
彼が今感じている斬撃と、実際に神経が断たれた時間との間に、僅かなずれがあったのだ。不死身の悪魔である彼は、それすら治せるが、それにも時間がかかる――とても間に合わない。
(早く対策を……)
ザベルトは対策を考えたいが、そんな時間はない。さらに、腕と足の筋肉を斬られ、太刀を振ることも、体術で流すこともできない。
(あと少し……あと少しで『風林火山』が使える……)
一瞬、ザベルトの眼前にレンの姿が捉えられた。
(そこだ!)
悪魔であるザベルトは、腕の関節の筋肉を斬られても、指の関節で太刀を握れる。動かない腕を胴で鞭のように無理矢理振り回し、レンを斬ろうとする。しかし、それも遅い。
(あれ? あそこに太刀を振り回したのは……我?)
視界が反転する。ザベルトの瞳に映ったのは、さっきまでのレンの姿ではなく――
「月魄断命(げっぱくだんめい)」
頭が斬られた、自分の胴体だった。
*
渾身の一撃を放ち、レンは意識を失った。この一連の動作は、息一つ、心臓の鼓動すら止めて限界を超えて成し遂げたもの。もはや余力は残っていない。
体は、糸の切れた人形のように前に倒れていく。
「せっかく試合に勝ったのに、自分の折れた肋骨に刺されて死んだら、締まらないだろう」
一匹の毛玉が、倒れゆく彼女の体を受け止めた。
「この娘の勝ちでいいよな、ザベルト」
「ああ、我の負けだ。見事というほかない。最後、この娘の実力を読み誤り、慢心して大技で決めようとしたのが運の尽きだった」
地面に転がる獅子の頭が、静かに語る。
「美しい剣だった。我が優勢になったのも、我が彼女より強い種族だからに過ぎぬ。それなのに、すべての劣勢をひっくり返し、人間であり、女剣士として我に勝った。剣の技だけで言えば、彼女は我を超えていたかもしれん」
「そうだろう。未来の俺が見込んだ者だ。君に負けるわけがない」
「はは、手厳しいな」
ザベルトの胴体の関節の筋肉が再生され、地面にある彼の頭を拾い上げ、胴体へとくっつけた。
「毛玉の精霊よ、我ともう一度戦わんか? さすがに先の戦いは、我がみっともなさすぎた。汝と真剣にやり直したい。でなければ、我は納得できぬ」
「断る。俺に何のメリットもない。時間を浪費され、俺も死の危険に晒される。引き受けるバカはいない」
「この憤怒の王の永遠の忠誠と、このラファエルの薬をやろう。そちらの彼女には必要だろう。今の彼女は、たとえ傷が治っても後遺症が残る。あれだけ体を無理したのだから当然だ。二度と剣を握れなくなるだって、あり得る」
それを聞き、ずっと無表情だった毛玉の眉間に皺が寄った。
「悪魔の言うことは信用できない。大体、その薬も偽物の可能性が十分にある」
「我が剣士としての誇りにかけて、これは我が神魔大戦でラファエルから勝ち取った本物の『ラファエルの薬』だと誓う。だが、それだけでは信用してもらえまい。では、先に差し上げよう」
ザベルトは先に薬の瓶を毛玉に投げた。
「いいのか? 俺はもうこれを手に入れた。もう君と戦う理由はないぞ」
毛玉は瓶を開け、匂いを確かめた。
「それでも構わん。どうせ、我はあれほど優れた剣士を腐らせたくはないのだ」
毛玉は黙って薬を自分で一口飲んだ。毒がないことを確認した上で、レンに飲ませようとする。
「口をあけ、このオレ娘が……仕方ないな」
毛玉は薬をすべて自分の口に含み、口移しでレンに飲ませた。
すると、レンの体が光り始め、傷が驚くほどの速さで癒えていく。癒しの熾天使ラファエルの力が、奇跡を起こした。
意識が戻りつつあるレンは、目を開けると――
「うむッ!?」
毛玉が自分にキスしていることに気づいた。慌てながらも、拒んではいない。むしろ、ちょっと嬉しそうに見え、こっそりと自分の舌を毛玉の口に入れ、絡めようとした。
しかし、嫉妬の悪魔はそれも見過ごさず、天からたらいを落としてオレ娘を罰した。
「なるほど、薬は本物らしい。わかった。いいぞ、戦ってやろう、バトルジャンキーめ。『川中島合戦』だ」
ザベルトは満足そうに笑った。
レンは何が起こったのか理解できず、ただ毛玉とのキスの余韻に浸っていた。
*
軍神一太刀で熔岩が海水に冷却されてできた「川の中の島」で、毛玉とザベルトの戦いは始まる。
「詫びる。最初は見苦しい戦いをさせたこと。そして、感謝する。我がわがままを受け入れてくれたことを」
「これは取引だ。君はレンを治す薬をくれた。その引き換えに、俺は要求を飲んだ。それだけのこと」
川中島合戦、今、等活地獄にて始まる。
「其の疾きこと風の如く」
ザベルトは知っている。最初の戦いで毛玉の攻撃は魔法だったこと、魔法使いは近接戦が苦手であることを。だから、最初から速さで彼に接近し、終わらせる戦術を取った。が、彼はすぐに異様さに気づく。
(足の下の地面が不自然に柔らかい……熔岩石としては柔らかすぎる)
「砂だと!?」
気づく前に、地面は崩れ、ザベルトは巨大な砂の穴に落ちた。
魔法使いは近接戦に弱い――それは毛玉自身もよく理解し、対策を練っていた。硬いはずの熔岩石は、いつの間にか柔らかい流砂になっていた。毛玉の魔法だ。
戦士が魔法使いの弱点を知るように、魔法使いである毛玉も当然、戦士の弱点を研究していた。
「足は戦士の命なら、地面は戦士の揺り籠。硬い地面と違い、柔らかい流砂の上では力の伝達効率が悪いだろう。さらにバランスの維持が難しく、自慢の速度も出しにくい」
魔法使いには魔法使いの戦い方がある。それは陣地作成だ。
戦場を自分に有利に作り替え、場の勢いを手中に収める。それは彼が六千二百年の間、地獄を歩き回りながら磨き上げた術。地獄そのものを、彼の陣地へと変える術だ。
「卑劣な真似を」
「兵は詭道なり。君が好む『風林火山』の元となった『孫子兵法』にも、そう記されているはずだ。戦いは始まる前から決まっている」
巨躯のザベルトが、足下を襲う無定形の流砂に翻弄される。
流砂は静かに、しかし確実に彼を飲み込んでいく。真紅の甲冑の足元から、金色の砂が這い上がり、まず踝を覆う。ザベルトは咆哮し、獄炎の大太刀を振るう──だが、炎の刃が砂の海を切り裂いても、即座に無傷で埋まり戻るのみだ。砂は斬れない。圧し潰すことも、焼き尽くすこともできない。ただ全てを等しく受け入れ、ゆっくりと飲み込むだけ。
(下半身に力が溜まらない……体のバランスが崩れていく。だから繰り出す斬撃に、いつもの一割の力も出せていない)
膝まで沈む。重厚な鎧が逆に重石となり、沈降を加速させる。ザベルトは必死に片足を引き抜こうとするが、もう一方の足はさらに深く沈む。砂は柔らかく、冷たく、あらゆる力を無慈悲に分散させ吸収する。武芸も、魔力も、ここでは意味をなさない。無形の敵に、有形の力は通じない。
(軍神一太刀を使う)
ザベルトはそう思うが、どんどん穴に流れ込む流砂が、まるで生きているかのように彼の目に、耳に、口に入り込み、彼の心を乱し、「静」の境地へ至らせない。
「君とレンの戦いは全てしっかり見ていた。大技を放つ時に『静』に入り、力を蓄えることも把握済みだ。対策させてもらった。軍神一太刀を二度出せるとは思わないことだ」
腰まで埋まる。腰に挿した一振りの太刀の柄が、砂の表面にかろうじて残る。ザベルトは巨大な腕で砂面を掴もうとするが、指の間から砂だけがさらさらと零れ落ちる。爪を立てても、砂は形を変えて逃げていく。ザベルトの鬣が逆立ち、憤怒の咆吼を上げるが、その声さえも砂に吸い取られてゆく。
「ラファエルの薬は正直助かった。お陰で、レンはレンのままでいられた。俺はそれに感謝し、この戦いに応じた。だが、正面から正々堂々戦うのは戦士の戦いだ。魔法使いは、そんなバカ正直には付き合えない」
「全くだ。こんな無茶苦茶な戦い方は、初めてかもしれん。してやられたな」
「最後に一つ聞きたい。食事を出せる王を知らないか? 人間には食事が必要だ。君も、君を倒したレンが『お腹が空いた』みたいなくだらない理由で他の王に負けるのを見たくはないだろう」
胸板まで沈む。重い甲冑が胸郭を圧迫し、呼吸が浅くなる。黄金の獅子の前立物が、砂の海に浮かぶ最後の島のようだ。彼は今、頭だけを砂の海面に出して喘いでいる。
最後に、砂が顎を舐める。
「聞いた話では、虚栄の王ザガンには、石をパンに、水をワインにする力があるらしい。奴を探すといい。にしても……勉強になった。次に会う時を、楽しみにしているぞ。魔王様」
次の瞬間、砂の渦が静かに彼の頭頂を覆った。
微かに、最後の気泡が一つ、砂の表面で弾けた。
やがて流砂は大穴を平らにし、何事もなかったかのように静かな金色の砂地が広がるのみだった。
*
「あいつ……死んだのか?」
その一連を見たレンは、複雑な表情を浮かべた。さすがに、あの負けたザベルトに不憫を思ったのだろう。
「死ぬわけないだろ。明日か明後日には砂から這い上がり、完全復活するさ。怒り心頭のザベルトが俺たちを斬りに来る前に、セリナたちと合流するぞ」
「ちょっと、行き先の座標がわからないんじゃなかったの?」
「それはザベルトに感謝しなければならないな」
毛玉は空を指さした。ザベルトの軍神一太刀で斬り裂かれた隙間を。
「彼のお陰で、さっきまで俺たちが飛んでいた地獄とここが繋がった。次は紅蓮地獄だ。ここは日が昇らないからわからないかもしれないが、もう二日経っている。時間の余裕はないぞ」
「嘘!? 二日も経ったの? 道理で体がだるいと思った。」
「はいはい、無駄話はしない。行くぞ。」
毛玉はレンの手を握り、空の隙間へと消えた。
静寂が戻った等活地獄に、一人の声が聞こえた。
「今回は初見サービスとして、キューブを動かせてあげなかったわ。だけど次はないからね。ふふふ」
空の隙間も、まるでいたずらっ子の笑みのようだった。そして、口が閉じるように空から消えた。
依頼期限まで、残り27日。
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