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第九章:魔王とは何か、王が王になる前の話――千年前の地獄と九つの罪
第166話:Money, Money, Must Be Funny――強欲の王マムブス、破産宣告
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Money, money, money, must be funny. In the rich man's world.
小生は帳簿を見ながら満足に浸っていた。
黒字、黒字、今月も黒字、悪魔的黒だ、小生の資産はまだ増えた。未来勇者の魂、天才剣士の魂、未知なテクノロジーのからくり。どれもいい数字が出て、小生を惑わす。
でもこれはあの毛玉を釣る餌に過ぎない、小さな利益を手放せない者は大きな利益を得られない。それはそいつがその「値段」で終わる証明。そして小生はそれで終わる悪魔ではない。
「おや、お客様ですね、どのような御用でございますか。」
大物がフォークに引っかかった。
Money, money, money, always sunny In the rich man′s world
*
「会員カードに加入したい、手続きをしてくれ。」
毛玉は小生の部屋に入り、会員カードに加入したいと言い出した。どういうこと?セリナたちが小生に魂を取られたこと聞かない。なるほど、それでは足元が見えられるのを恐れているのか。悪い毛玉め、でもその余裕はいつまで持つかな。
毛玉の後ろに昨日見てなかったピンクなウサギが付いている。価値5しかないゴミが、小生の部屋が汚れるだろが。
「できました。こちらにサインを。そうそう、本店最近珍しい商品が入りました。なにせ未来から来た勇者の魂とか…」
わざとらしくセリナたちのこと言いかけて、毛玉の反応を伺う。だけど彼は淡々と書類にサインしてカードを懐に仕舞った。
「別にいらないかな。欲しい商品があればまだ来る。」
何事もないようにここを離れようとしている。有り得ない、あのものたちは毛玉にとって大切な仲間のはず。
「少々お待ちください。お連れの仲間たちがいないのを心配なさらないですか。」
「悪魔とは思えない言葉だね。彼女たちはこの地獄に自らの意志で来た。そこから彼女たちの自己責任だ。一々面倒が見切れない。彼女たちが好意で助けに来たと思うが、足を引っ張るなら本末転倒。残念だと思うが、それは彼女たちの旅はそこまでのこと。君が私ならきっと同じことを言うだろ。」
「でも、それでは彼女たちがあんまりにも可哀想ではございませんか。」
なぜ引っかからない、小生が読み違いだと言うのかね!
「仕掛ける張本人がそれを言うか?そんなに優しい心を持っているなら解放したらどうなのか。でもまあ、どうしても買わせたいなら。君のすべてを天秤に賭け私とギャンブルしよう。」
「ギャンブルだと!?小生は商人であって、そんな運任せなことをいたしません。リスク管理も商人の基本でございます。」
「そう、ならば残念だな、交渉決裂だ。さようなら。」
「待って!待っていただけますか。仲間の魂を賭けことに使うなど、恥ずかしくはないですか。」
「仲間を取引の「物」として扱うのも対して変わらないと思うが、それに君は何か勘違いしているようだ。」毛玉の視線は冷たく小生を浴びる、そこに一切の情がこもっていない、仲間への悲しみや小生に対する憎しみもない、感情がない目だ「私は善人でも、正義の味方でもない、情で訴えたいなら他を当たってくれ。もうコイン手に入れたから君には用済みだ。」
嘘だ、嘘だ、噓だ!小生が見誤っただと言うのか。
「待って!」
「まだあるのか、いいだろ、彼女たちを手にれて、そこで満足してたら。ここで引いたら君の一方的勝ちだと思うが。」
満足?本命の大魚を取り逃して、小魚で満足しておけだと?この強欲のマムブスに?有り得ないだろ。
「よろしい、その賭けに乗りましょう。しかしどう賭けるのは小生が決めてさせていただきます。そして、お客様には必ず「魔法システム」を賭け金とすること。」
「いいだろ。遊んでやろう。強欲の王よ。」
この時の小生はまだ知らない、フォークに引っかかたのは小生の方だったこと。
*
賭ける方法は、ブラックジャックで決まった。
これは一見プレイヤーに有利なゲームだが、実はディーラーの方が有利だと言われる。
なにせ後手でカードを引くディーラーは、先に行動するプレイヤーが自ら21点を超えてバーストするのを待てばいい。欠点は、ディーラーである小生の選択肢が限られることだ。だが、それでいい。下手な駆け引きでミスを犯すより、なにもしない方がましだ。賭け事が得意でない小生にとって、これは好都合なのだ。
トランプは小生が用意する。しかし、小生は不正はできない。イカサマは不誠実であり、小生の価値システムの根幹を成す規律に違反する。だがその反面、相手もイカサマできない。それがいい。あの自信満々な態度…きっと何か仕掛けを準備しているに違いない。だからこそ、イカサマをした途端、小生の勝利が約束される。
「賭け方はブラックジャック。試合は三局二勝制。小生がディーラー、お客様がプレイヤーでよろしいですね。小生のチップは、お客様のお仲間たちの魂の欠片。お客様のチップは魔法システム。問題ございませんか?」
「ダメだ。チップはそれだけじゃ盛り上がらないだろ。言っただろ、『君のすべて』を賭けろ。」
毛玉は懐から何かを取り出した。何をするつもりだ、こいつは。
「賭け金を追加する。まずは、悪魔公爵アガレスのコインだ。」
毛玉は親指ではじいたコインを、小生の天秤へと放り込んだ。その価値が計算され、天文学的数字が浮かび上がる。普段なら嬉し泣きするような額だが、今はまずい。天秤はバランスを保とうと、小生の財宝庫から同等の価値を持つ財宝を吸い出し、対向の天秤へと投入した。
「何をする!やめろ!」
「まだ終わってない。驚くのは早いぞ。次は、悪魔君主ヴァサゴ、悪魔侯爵ガミジン、悪魔総裁プエル…」
悪魔のシジルを刻んだコインが次々と天秤に投げ込まれ、小生の財宝が消しゴムで消されるように帳簿から消え、賭け金としてもう一方の天秤に積まれていく。
やめろ、それ以上かけるな!
「何をする!それは君が命を懸け、六千年を費やして手に入れた証ではないか!それを失えば、すべてが無駄になる!それをただの運ゲーに…」
「バカは君だよ。魔法システムを失えば、私の旅もここで終わる。七十二枚揃わないコインは、私にとって一文の価値もない。ならば、ここで全てを賭けるしかない。私の『すべて』を。」
狂っている。
しかし、ギャンブルに応じ、賭け金を天秤に載せた時点で、小生は降りることはできない。価値システムは公正であるが故に強力だ。だから、たとえ小生を倒そうとも、小生から価値を奪うことはできない。だからこそ…小生だけを特別扱いすることはできないのだ。
「憤怒の王ザベルト、虚栄の王ザガン、色欲の王アスモデウス。」
いつの間にか、六十六枚のコインが天秤に載せられていた。一方、小生の財宝もほぼすべてが賭け金として計算され尽くしている。この野郎、毛玉め!
「なに終わった顔をしている。まだ一枚、残っているだろ?」
「ええ…まさか、まさか、まさか…やめろ!」
「強欲の王、マムブスだ。」
最初に小生が渡した、小生自身のコイン。どうせ正面からの戦いでは勝てまいと見込んで、信頼を得ようとして手渡したあのコインが。小生を押し潰す最後の一押しとなった。
小生のシジルが刻まれたコインが天秤に落ち、小生の財宝庫はゼロではなく、マイナスの赤字を示した。小生のすべてを担保にしても、まだ足りなかった。しかし、それだけでは致命的ではない。一番厄介なのは…
「VIP会員のルール。一方が支払い不能に陥った場合、1000万倍の違約金を支払うことになる。負けたら『破産』だぞ。それも、君の総資産の1000万倍の借金を背負ってな。」
「それを…見越して会員になったのか、この悪魔!!!」
「悪魔は君だろう。嫌だな、君が決めたルールじゃないか。私に当たるのはお門違いってやつだ。」
だから昨日、何もしなかったのか、こいつは。ずっと小生の契約書を研究し、小生を罠にはめようとしていたのか。悪魔よりたちが悪い。
「でも、いきなりそんな大金を賭けさせるのも悪いからな。」毛玉は邪悪な笑みを浮かべる。「一局だけだ。たった一局、君が勝てば、勝利は君のものだ。私の魔法システムと、六十七枚のコインはすべて君のものになる。足りないなら、この魂もくれてやる。これで納得か?」
「納得できるわけがない!小生は利益は好きだが、リスクは一番嫌いだ!なにその自信…必勝法でもあるのか?言っとくが、イカサマはこの『アブソリュート・スケイル(絶対天秤)』の前では無意味だ。した途端、君の負けが決まったも同然よ!」
「ならば、黙っていればいいものを。そこまで不安なのか?それは私に言っているように見えて、実際は自分自身に言い聞かせているんだろ?『大丈夫、彼はきっとイカサマする、そして無様に負ける』とな。ダメだよ、勝負が始まる前に底を見せたら。ご自慢の敬語も忘れているぞ。」
本当だ。小生は外面すら保てなくなるまで焦っている。息も荒く、心拍数も上がっている。なのになぜ、こいつは何もなかったような顔ができる?負けたら、すべてを失うのに。
「君ならきっとこう言うだろ。『小さな利益を手放せない者は、大きな利益を得られない。それはそいつがその「値段」で終わる証明』だと。君の『値段』は、そこまでなのか?強欲の王よ。」
悪魔だ。いや、悪魔なんて生温い。こいつは魔王だ。すべてを奪うためなら自分すら天秤にかける、狂った最大最悪の天災だ。
「さて、御託はそこまでにしよう。盤上へようこそ。精々頑張ることだな。自分の財宝のためにもね。」
小生は椅子に座った。
悪魔としての生涯で、最も悪夢のような時間が始まった。
*
第一局
毛玉に配られた札は8と5。小生の表札は7で、裏には9を伏せていた。
さあ、さっさと21点を超えるカードを引いてバーストしろ。
毛玉が宣言する。
「ヒット。」
引いたのは2。合計15点。まだ小生には届かないが、6以上を引けば危険な数字だ。しかし毛玉は止まらない。
「ヒット。」
次は3。合計18点になる。もうこれ以上は引くまい。
「ヒット。」
まだ引くのか、欲深い野郎め。18で止めればいいものを。さあ、そのカードを見せてみろ。
「2だ。危なかったな。私はここでステイする。」
噓だろう。三回もヒットしてバーストしないことがあり得るのか?しかし、システムにイカサマの反応はない。ただの運なのか?
「なるほど、裏面は9か。ではヒット義務が発生するな。どうぞ、どうぞ。」
小生は一枚引いた。それは3だった。惜しい。5だったら勝っていたのに。なら、もう一枚引くか?次にAか2を引ければ…。そう思ったが、なぜか引く勇気が出なかった。
「…ステイ。」
「なぜ賭けない?どうせステイしてもバーストしても負けなんだから、引いた方が得なのに。」
「うるさい!まだチャンスはある!この一回ですべてを賭ける必要はない!」
「阿呆。そこで2を引けば君の勝ちだったのに。それでも引かないのは、君の心の弱さだ。届かない『美しい負け』にこだわり、無様な自滅を忌み嫌う。それが君の限界だ。だから、君はこれからも負ける。」
挑発に乗ってはいけない。商人が冷静さを失ったら終わりだ。待っているのは、破産と借金の地獄だけなのだから。
第二局
毛玉に配られた札はAと6。小生の表札は9で、裏には7を伏せていた。
先程と同じ手札だ。さあ、さすがに幸運は二度続けて来ない。今度こそ。
毛玉の現在の点数は、ソフトで17。これ以上引くか?
「ヒット。」
毛玉は恐れなかった。そして引いたカードは2。19点になっても、まだ満足していない。
「ヒット。」
次に引いたのはA。普通ならバーストだが、Aは11点または1点として扱えるルールだ。だから…
「20点。今回も危なかったな。私はステイ。」
まだ20点か。勝つ希望はあるが、もう一歩踏み出せば絶望の深淵に落ちる。
小生は裏のカードを提示する。
「ふん、まだ16点か。ヒット義務が発生するな。良かったな、まだ引ける。17点以上だったら引けないのに。」
「うるさい、黙れ!ヒット!」
引いた数字は4。引き分けだ。だが勝利ではない。もう一枚引くか?どうせ小生が引かなければならないなら腹をくくれ。だが、そうはいかない。小生は軟弱な悪魔ではない。
「ヒット!」
さらにヒットする。結果は──
2だった。
「おめでとう!バーストだ。残念だったね、Aじゃなくて。折角勇気を出したのに。ここは小説や漫画の世界じゃない。そんな都合よくいいカードが出るわけがない。」
「なら、なぜ貴様は毎回いいカードばかり引ける!イカサマしているんだろう!」
「それは言いがかりだ。私がイカサマしていないことは、君のシステムも証明したことじゃないか。もう最後のチャンスしかないぞ。マムブス君。」
畜生!小生があと一枚引かされるのも、あの毛玉の計算通りだと言うのか!ならば、小生はどうすればいい!引くべきか、引かないべきか!?
第三局、これが最後だ。
「噓だろ…」
毛玉に配られた札はAとK。これはそのまま21点を満たすブラックジャックだ。引き分けはあれど、負けることはない。
そして、小生の札はAと──
「さあ、裏のカードをめくってみな。この際だから、引き分けでも君の勝ちとしてやるよ。私って優しくないか?」
「悪魔が…」
そのカードは、第二局で出てこなかったAだった。
「残念だったな。」
勝負が成立した瞬間、「アブソリュート・スケイル」は意志とは無関係に起動し、清算を始めた。だが、今回は小生が計量される側だった。
金色の秤皿には、小生が賭け金として差し出した財宝が載せられる。
黒い秤皿は、ただ空虚のまま。
「……計算外だ」
小生の金貨の瞳が、初めて微かに曇る。
すると、背後から小生の宝物庫が現れ始める。阿房宮のような絢爛豪華な霊殿。梁には金の彫刻、柱には宝玉、床はあらゆる通貨で敷き詰められていた。それが、寸断され、分解され、数値化されながら、金色の秤皿に吸い込まれていく。宮殿の消失は静かだった。崩れるのではなく、帳簿のページから消えるインクのように、形あるものを保ったまま、しかし確実に存在意義を失い、薄れ、消えた。
それでも、まだ黒い皿は動かない。
釣り合わない。
次に、小生の翼の装丁が剥がれ始める。帳簿の表皮が一枚、また一枚と剥離し、数字の刻まれたページが空へ散る。翼は痩せ細り、そこに刻まれた富の歴史が失われる。
それでも、足りない。
遂に、小生の宝石のモノクルにひびが入る。
カチリという小さな音と共に、世界を見通すレンズが曇り、そして砕け散る。
天秤が激しく揺れ、金色の皿が完全に底を打つ。
決算完了。
小生の所有した一切合財が、小生の価値システムそのものによって「清算」された瞬間だ。宮殿も、翼の富も、洞察の眼も、全てが「賭け金」として処理され、何も残らなかった。
残ったのは、ただの、小さな梟の姿だけ。
金色の瞳は曇り、翼は裸に近く、ただ無力に床に立っていた。
*
「哀れだね。自分が作ったシステムに清算されるとは。まあ、同情はしないけどね。」隣にいたピンクのウサギのぬいぐるみが、背中のファスナーを下ろし、中から毛玉が出てきた。
「兄貴、これはさすがにやりすぎでは。」
今度は、さっきまでの毛玉が背中のファスナーを下ろし、中からピンクのウサギのぬいぐるみ…ザガンちゃんが出てきた。
「よく言うよ。彼をボロ負けにまで追い込んだのは君だ。『幸運の悪魔』にギャンブルを挑む時点で、負けは決まっていたようなものだ。君もなかなかの悪よ。自分の価値を偽装して、あのマムブスの目すら騙すとは。」
「いやいや、兄貴ほどじゃありませんよ。後ろから音の魔法でマムブスを挑発し、彼を破産まで追い詰めたのは兄貴ですよ。」
「記憶にございません。君が勝手にやったことです。」
「ずるいですよ、兄貴!」
最初から、毛玉とザガンは入れ替わっていた。ザガンは二人の「カバー」を作っていたのだ。ザガンのカバーには自分のステータスを偽装する力がある。これが彼女が今までマムブスに正体を見破られなかった理由だ。しかし、毛玉は逆にこれを利用した。本来高いステータスを表示させるはずの能力で、逆に極限まで低い数値を表示させ、マムブスの監視の目を欺いたのだ。
今回、二人は騙し合いに近いやり口で、商人マムブスを「幸運の悪魔」ザガンとのギャンブルに引きずり込んだ。彼女の能力は、運に左右される勝負において、必ず自分に有利な結果を引き寄せること。マムブスがイカサマをすれば負けるかもしれなかったが、彼が作った「絶対公正」のシステムのおかげで、その不確定要素は消えた。商人は、賭博において詐欺師には勝てなかったのだ。
「セリナたちの魂の欠片を返してやれ。これで、こりゃまた悪魔への警戒も覚えただろう。まったく、何てデリカシーのない連中だ。私の言うことを聞かないからこうなるんだ。」
「兄貴、ひょっとして結構根に持つタイプですか?」
「そういえば、君と出会った時も…」
「今すぐセリナたちの魂を返しに行きます!寛大な心をお持ちの兄貴!」
ザガンは自慢の足で逃げ出した。
毛玉は戦利品の「アブソリュート・スケイル」を使い、マムブスから奪った能力に関するものを彼に返した。
「どういうつもりだ。まさか同情するつもりではあるまい。」
「そんなわけないだろ。そんな甘い奴が、君に勝てるはずがない。これはあくまでレンタルだ。支払い能力のないただのフクロウが、この莫大な借金を返済できるわけがないからな。」
「骨の髄までしゃぶり尽くすのか。小生より余程悪魔らしいよ、君は。」
「返せないのか?ならこの話はなしだ。ただのフクロウとしての余生を過ごせばいいさ。」
「冗談じゃない!」
マムブスは「アブソリュート・スケイル」を受け取った。「千年以内に、利息つきで返してやる。この強欲のマムブスを舐めるな。」
「そいつは楽しみだ。期待して待っているよ。」
その日、莫大な借金を背負う代わりに、マムブスは二つのことを学んだ。
二度とギャンブルをしないこと。
そして、ふわふわした外見の奴には要注意だということだ。
果たして彼は千年以内に借金を返済できるのか?
それは、また別の話である。
依頼期限まで、残り17日。
小生は帳簿を見ながら満足に浸っていた。
黒字、黒字、今月も黒字、悪魔的黒だ、小生の資産はまだ増えた。未来勇者の魂、天才剣士の魂、未知なテクノロジーのからくり。どれもいい数字が出て、小生を惑わす。
でもこれはあの毛玉を釣る餌に過ぎない、小さな利益を手放せない者は大きな利益を得られない。それはそいつがその「値段」で終わる証明。そして小生はそれで終わる悪魔ではない。
「おや、お客様ですね、どのような御用でございますか。」
大物がフォークに引っかかった。
Money, money, money, always sunny In the rich man′s world
*
「会員カードに加入したい、手続きをしてくれ。」
毛玉は小生の部屋に入り、会員カードに加入したいと言い出した。どういうこと?セリナたちが小生に魂を取られたこと聞かない。なるほど、それでは足元が見えられるのを恐れているのか。悪い毛玉め、でもその余裕はいつまで持つかな。
毛玉の後ろに昨日見てなかったピンクなウサギが付いている。価値5しかないゴミが、小生の部屋が汚れるだろが。
「できました。こちらにサインを。そうそう、本店最近珍しい商品が入りました。なにせ未来から来た勇者の魂とか…」
わざとらしくセリナたちのこと言いかけて、毛玉の反応を伺う。だけど彼は淡々と書類にサインしてカードを懐に仕舞った。
「別にいらないかな。欲しい商品があればまだ来る。」
何事もないようにここを離れようとしている。有り得ない、あのものたちは毛玉にとって大切な仲間のはず。
「少々お待ちください。お連れの仲間たちがいないのを心配なさらないですか。」
「悪魔とは思えない言葉だね。彼女たちはこの地獄に自らの意志で来た。そこから彼女たちの自己責任だ。一々面倒が見切れない。彼女たちが好意で助けに来たと思うが、足を引っ張るなら本末転倒。残念だと思うが、それは彼女たちの旅はそこまでのこと。君が私ならきっと同じことを言うだろ。」
「でも、それでは彼女たちがあんまりにも可哀想ではございませんか。」
なぜ引っかからない、小生が読み違いだと言うのかね!
「仕掛ける張本人がそれを言うか?そんなに優しい心を持っているなら解放したらどうなのか。でもまあ、どうしても買わせたいなら。君のすべてを天秤に賭け私とギャンブルしよう。」
「ギャンブルだと!?小生は商人であって、そんな運任せなことをいたしません。リスク管理も商人の基本でございます。」
「そう、ならば残念だな、交渉決裂だ。さようなら。」
「待って!待っていただけますか。仲間の魂を賭けことに使うなど、恥ずかしくはないですか。」
「仲間を取引の「物」として扱うのも対して変わらないと思うが、それに君は何か勘違いしているようだ。」毛玉の視線は冷たく小生を浴びる、そこに一切の情がこもっていない、仲間への悲しみや小生に対する憎しみもない、感情がない目だ「私は善人でも、正義の味方でもない、情で訴えたいなら他を当たってくれ。もうコイン手に入れたから君には用済みだ。」
嘘だ、嘘だ、噓だ!小生が見誤っただと言うのか。
「待って!」
「まだあるのか、いいだろ、彼女たちを手にれて、そこで満足してたら。ここで引いたら君の一方的勝ちだと思うが。」
満足?本命の大魚を取り逃して、小魚で満足しておけだと?この強欲のマムブスに?有り得ないだろ。
「よろしい、その賭けに乗りましょう。しかしどう賭けるのは小生が決めてさせていただきます。そして、お客様には必ず「魔法システム」を賭け金とすること。」
「いいだろ。遊んでやろう。強欲の王よ。」
この時の小生はまだ知らない、フォークに引っかかたのは小生の方だったこと。
*
賭ける方法は、ブラックジャックで決まった。
これは一見プレイヤーに有利なゲームだが、実はディーラーの方が有利だと言われる。
なにせ後手でカードを引くディーラーは、先に行動するプレイヤーが自ら21点を超えてバーストするのを待てばいい。欠点は、ディーラーである小生の選択肢が限られることだ。だが、それでいい。下手な駆け引きでミスを犯すより、なにもしない方がましだ。賭け事が得意でない小生にとって、これは好都合なのだ。
トランプは小生が用意する。しかし、小生は不正はできない。イカサマは不誠実であり、小生の価値システムの根幹を成す規律に違反する。だがその反面、相手もイカサマできない。それがいい。あの自信満々な態度…きっと何か仕掛けを準備しているに違いない。だからこそ、イカサマをした途端、小生の勝利が約束される。
「賭け方はブラックジャック。試合は三局二勝制。小生がディーラー、お客様がプレイヤーでよろしいですね。小生のチップは、お客様のお仲間たちの魂の欠片。お客様のチップは魔法システム。問題ございませんか?」
「ダメだ。チップはそれだけじゃ盛り上がらないだろ。言っただろ、『君のすべて』を賭けろ。」
毛玉は懐から何かを取り出した。何をするつもりだ、こいつは。
「賭け金を追加する。まずは、悪魔公爵アガレスのコインだ。」
毛玉は親指ではじいたコインを、小生の天秤へと放り込んだ。その価値が計算され、天文学的数字が浮かび上がる。普段なら嬉し泣きするような額だが、今はまずい。天秤はバランスを保とうと、小生の財宝庫から同等の価値を持つ財宝を吸い出し、対向の天秤へと投入した。
「何をする!やめろ!」
「まだ終わってない。驚くのは早いぞ。次は、悪魔君主ヴァサゴ、悪魔侯爵ガミジン、悪魔総裁プエル…」
悪魔のシジルを刻んだコインが次々と天秤に投げ込まれ、小生の財宝が消しゴムで消されるように帳簿から消え、賭け金としてもう一方の天秤に積まれていく。
やめろ、それ以上かけるな!
「何をする!それは君が命を懸け、六千年を費やして手に入れた証ではないか!それを失えば、すべてが無駄になる!それをただの運ゲーに…」
「バカは君だよ。魔法システムを失えば、私の旅もここで終わる。七十二枚揃わないコインは、私にとって一文の価値もない。ならば、ここで全てを賭けるしかない。私の『すべて』を。」
狂っている。
しかし、ギャンブルに応じ、賭け金を天秤に載せた時点で、小生は降りることはできない。価値システムは公正であるが故に強力だ。だから、たとえ小生を倒そうとも、小生から価値を奪うことはできない。だからこそ…小生だけを特別扱いすることはできないのだ。
「憤怒の王ザベルト、虚栄の王ザガン、色欲の王アスモデウス。」
いつの間にか、六十六枚のコインが天秤に載せられていた。一方、小生の財宝もほぼすべてが賭け金として計算され尽くしている。この野郎、毛玉め!
「なに終わった顔をしている。まだ一枚、残っているだろ?」
「ええ…まさか、まさか、まさか…やめろ!」
「強欲の王、マムブスだ。」
最初に小生が渡した、小生自身のコイン。どうせ正面からの戦いでは勝てまいと見込んで、信頼を得ようとして手渡したあのコインが。小生を押し潰す最後の一押しとなった。
小生のシジルが刻まれたコインが天秤に落ち、小生の財宝庫はゼロではなく、マイナスの赤字を示した。小生のすべてを担保にしても、まだ足りなかった。しかし、それだけでは致命的ではない。一番厄介なのは…
「VIP会員のルール。一方が支払い不能に陥った場合、1000万倍の違約金を支払うことになる。負けたら『破産』だぞ。それも、君の総資産の1000万倍の借金を背負ってな。」
「それを…見越して会員になったのか、この悪魔!!!」
「悪魔は君だろう。嫌だな、君が決めたルールじゃないか。私に当たるのはお門違いってやつだ。」
だから昨日、何もしなかったのか、こいつは。ずっと小生の契約書を研究し、小生を罠にはめようとしていたのか。悪魔よりたちが悪い。
「でも、いきなりそんな大金を賭けさせるのも悪いからな。」毛玉は邪悪な笑みを浮かべる。「一局だけだ。たった一局、君が勝てば、勝利は君のものだ。私の魔法システムと、六十七枚のコインはすべて君のものになる。足りないなら、この魂もくれてやる。これで納得か?」
「納得できるわけがない!小生は利益は好きだが、リスクは一番嫌いだ!なにその自信…必勝法でもあるのか?言っとくが、イカサマはこの『アブソリュート・スケイル(絶対天秤)』の前では無意味だ。した途端、君の負けが決まったも同然よ!」
「ならば、黙っていればいいものを。そこまで不安なのか?それは私に言っているように見えて、実際は自分自身に言い聞かせているんだろ?『大丈夫、彼はきっとイカサマする、そして無様に負ける』とな。ダメだよ、勝負が始まる前に底を見せたら。ご自慢の敬語も忘れているぞ。」
本当だ。小生は外面すら保てなくなるまで焦っている。息も荒く、心拍数も上がっている。なのになぜ、こいつは何もなかったような顔ができる?負けたら、すべてを失うのに。
「君ならきっとこう言うだろ。『小さな利益を手放せない者は、大きな利益を得られない。それはそいつがその「値段」で終わる証明』だと。君の『値段』は、そこまでなのか?強欲の王よ。」
悪魔だ。いや、悪魔なんて生温い。こいつは魔王だ。すべてを奪うためなら自分すら天秤にかける、狂った最大最悪の天災だ。
「さて、御託はそこまでにしよう。盤上へようこそ。精々頑張ることだな。自分の財宝のためにもね。」
小生は椅子に座った。
悪魔としての生涯で、最も悪夢のような時間が始まった。
*
第一局
毛玉に配られた札は8と5。小生の表札は7で、裏には9を伏せていた。
さあ、さっさと21点を超えるカードを引いてバーストしろ。
毛玉が宣言する。
「ヒット。」
引いたのは2。合計15点。まだ小生には届かないが、6以上を引けば危険な数字だ。しかし毛玉は止まらない。
「ヒット。」
次は3。合計18点になる。もうこれ以上は引くまい。
「ヒット。」
まだ引くのか、欲深い野郎め。18で止めればいいものを。さあ、そのカードを見せてみろ。
「2だ。危なかったな。私はここでステイする。」
噓だろう。三回もヒットしてバーストしないことがあり得るのか?しかし、システムにイカサマの反応はない。ただの運なのか?
「なるほど、裏面は9か。ではヒット義務が発生するな。どうぞ、どうぞ。」
小生は一枚引いた。それは3だった。惜しい。5だったら勝っていたのに。なら、もう一枚引くか?次にAか2を引ければ…。そう思ったが、なぜか引く勇気が出なかった。
「…ステイ。」
「なぜ賭けない?どうせステイしてもバーストしても負けなんだから、引いた方が得なのに。」
「うるさい!まだチャンスはある!この一回ですべてを賭ける必要はない!」
「阿呆。そこで2を引けば君の勝ちだったのに。それでも引かないのは、君の心の弱さだ。届かない『美しい負け』にこだわり、無様な自滅を忌み嫌う。それが君の限界だ。だから、君はこれからも負ける。」
挑発に乗ってはいけない。商人が冷静さを失ったら終わりだ。待っているのは、破産と借金の地獄だけなのだから。
第二局
毛玉に配られた札はAと6。小生の表札は9で、裏には7を伏せていた。
先程と同じ手札だ。さあ、さすがに幸運は二度続けて来ない。今度こそ。
毛玉の現在の点数は、ソフトで17。これ以上引くか?
「ヒット。」
毛玉は恐れなかった。そして引いたカードは2。19点になっても、まだ満足していない。
「ヒット。」
次に引いたのはA。普通ならバーストだが、Aは11点または1点として扱えるルールだ。だから…
「20点。今回も危なかったな。私はステイ。」
まだ20点か。勝つ希望はあるが、もう一歩踏み出せば絶望の深淵に落ちる。
小生は裏のカードを提示する。
「ふん、まだ16点か。ヒット義務が発生するな。良かったな、まだ引ける。17点以上だったら引けないのに。」
「うるさい、黙れ!ヒット!」
引いた数字は4。引き分けだ。だが勝利ではない。もう一枚引くか?どうせ小生が引かなければならないなら腹をくくれ。だが、そうはいかない。小生は軟弱な悪魔ではない。
「ヒット!」
さらにヒットする。結果は──
2だった。
「おめでとう!バーストだ。残念だったね、Aじゃなくて。折角勇気を出したのに。ここは小説や漫画の世界じゃない。そんな都合よくいいカードが出るわけがない。」
「なら、なぜ貴様は毎回いいカードばかり引ける!イカサマしているんだろう!」
「それは言いがかりだ。私がイカサマしていないことは、君のシステムも証明したことじゃないか。もう最後のチャンスしかないぞ。マムブス君。」
畜生!小生があと一枚引かされるのも、あの毛玉の計算通りだと言うのか!ならば、小生はどうすればいい!引くべきか、引かないべきか!?
第三局、これが最後だ。
「噓だろ…」
毛玉に配られた札はAとK。これはそのまま21点を満たすブラックジャックだ。引き分けはあれど、負けることはない。
そして、小生の札はAと──
「さあ、裏のカードをめくってみな。この際だから、引き分けでも君の勝ちとしてやるよ。私って優しくないか?」
「悪魔が…」
そのカードは、第二局で出てこなかったAだった。
「残念だったな。」
勝負が成立した瞬間、「アブソリュート・スケイル」は意志とは無関係に起動し、清算を始めた。だが、今回は小生が計量される側だった。
金色の秤皿には、小生が賭け金として差し出した財宝が載せられる。
黒い秤皿は、ただ空虚のまま。
「……計算外だ」
小生の金貨の瞳が、初めて微かに曇る。
すると、背後から小生の宝物庫が現れ始める。阿房宮のような絢爛豪華な霊殿。梁には金の彫刻、柱には宝玉、床はあらゆる通貨で敷き詰められていた。それが、寸断され、分解され、数値化されながら、金色の秤皿に吸い込まれていく。宮殿の消失は静かだった。崩れるのではなく、帳簿のページから消えるインクのように、形あるものを保ったまま、しかし確実に存在意義を失い、薄れ、消えた。
それでも、まだ黒い皿は動かない。
釣り合わない。
次に、小生の翼の装丁が剥がれ始める。帳簿の表皮が一枚、また一枚と剥離し、数字の刻まれたページが空へ散る。翼は痩せ細り、そこに刻まれた富の歴史が失われる。
それでも、足りない。
遂に、小生の宝石のモノクルにひびが入る。
カチリという小さな音と共に、世界を見通すレンズが曇り、そして砕け散る。
天秤が激しく揺れ、金色の皿が完全に底を打つ。
決算完了。
小生の所有した一切合財が、小生の価値システムそのものによって「清算」された瞬間だ。宮殿も、翼の富も、洞察の眼も、全てが「賭け金」として処理され、何も残らなかった。
残ったのは、ただの、小さな梟の姿だけ。
金色の瞳は曇り、翼は裸に近く、ただ無力に床に立っていた。
*
「哀れだね。自分が作ったシステムに清算されるとは。まあ、同情はしないけどね。」隣にいたピンクのウサギのぬいぐるみが、背中のファスナーを下ろし、中から毛玉が出てきた。
「兄貴、これはさすがにやりすぎでは。」
今度は、さっきまでの毛玉が背中のファスナーを下ろし、中からピンクのウサギのぬいぐるみ…ザガンちゃんが出てきた。
「よく言うよ。彼をボロ負けにまで追い込んだのは君だ。『幸運の悪魔』にギャンブルを挑む時点で、負けは決まっていたようなものだ。君もなかなかの悪よ。自分の価値を偽装して、あのマムブスの目すら騙すとは。」
「いやいや、兄貴ほどじゃありませんよ。後ろから音の魔法でマムブスを挑発し、彼を破産まで追い詰めたのは兄貴ですよ。」
「記憶にございません。君が勝手にやったことです。」
「ずるいですよ、兄貴!」
最初から、毛玉とザガンは入れ替わっていた。ザガンは二人の「カバー」を作っていたのだ。ザガンのカバーには自分のステータスを偽装する力がある。これが彼女が今までマムブスに正体を見破られなかった理由だ。しかし、毛玉は逆にこれを利用した。本来高いステータスを表示させるはずの能力で、逆に極限まで低い数値を表示させ、マムブスの監視の目を欺いたのだ。
今回、二人は騙し合いに近いやり口で、商人マムブスを「幸運の悪魔」ザガンとのギャンブルに引きずり込んだ。彼女の能力は、運に左右される勝負において、必ず自分に有利な結果を引き寄せること。マムブスがイカサマをすれば負けるかもしれなかったが、彼が作った「絶対公正」のシステムのおかげで、その不確定要素は消えた。商人は、賭博において詐欺師には勝てなかったのだ。
「セリナたちの魂の欠片を返してやれ。これで、こりゃまた悪魔への警戒も覚えただろう。まったく、何てデリカシーのない連中だ。私の言うことを聞かないからこうなるんだ。」
「兄貴、ひょっとして結構根に持つタイプですか?」
「そういえば、君と出会った時も…」
「今すぐセリナたちの魂を返しに行きます!寛大な心をお持ちの兄貴!」
ザガンは自慢の足で逃げ出した。
毛玉は戦利品の「アブソリュート・スケイル」を使い、マムブスから奪った能力に関するものを彼に返した。
「どういうつもりだ。まさか同情するつもりではあるまい。」
「そんなわけないだろ。そんな甘い奴が、君に勝てるはずがない。これはあくまでレンタルだ。支払い能力のないただのフクロウが、この莫大な借金を返済できるわけがないからな。」
「骨の髄までしゃぶり尽くすのか。小生より余程悪魔らしいよ、君は。」
「返せないのか?ならこの話はなしだ。ただのフクロウとしての余生を過ごせばいいさ。」
「冗談じゃない!」
マムブスは「アブソリュート・スケイル」を受け取った。「千年以内に、利息つきで返してやる。この強欲のマムブスを舐めるな。」
「そいつは楽しみだ。期待して待っているよ。」
その日、莫大な借金を背負う代わりに、マムブスは二つのことを学んだ。
二度とギャンブルをしないこと。
そして、ふわふわした外見の奴には要注意だということだ。
果たして彼は千年以内に借金を返済できるのか?
それは、また別の話である。
依頼期限まで、残り17日。
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