まおうさまの勇者育成計画

okamiyu

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第六章:奪われた王冠に、炎の誓いを――動乱の王都で少女は革命を選ぶ

第112話:セリナ、伝説となる──ゾンビドラゴン決戦の夜

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黒き咆哮が、夜空を引き裂いた。
王宮を突き破り、姿を現したゾンビドラゴンは、腐肉と死骸を縫い合わせて形作られた地獄の産物。
眼窩に燃える紫の光は、生きる者すべてへの「呪い」を宿していた。
対峙するのは、空に浮かぶひとつの光──
銀の羽根を広げ、背に光輪を戴く少女、天使化した勇者セリナ。
彼女の顔には恐怖の色はなかった。
ただ、静かに、剣を構える。
「……止めます。私が」
その手に握られる聖剣が、月の光を反射して煌めいた。
──戦端が、開かれる。
ゾンビドラゴンが吠えた。
その喉奥に、瘴気の渦が集まり──
漆黒の瘴気を伴うブレスが放たれる。
瘴気はただの火ではない。命を蝕む、純粋な“死の霧”──
セリナは剣を胸元で交差させ、光輪を展開。
「聖解の光輪(ディスアーム・レイ)!」
煌めく円光が彼女の周囲に展開され、死の瘴気を弾き返す。
光と闇が激突し、空間が震えた。
だがその隙を、竜は逃さなかった。
巨体が滑空し、咆哮とともにセリナに爪を振り下ろす。
「──ッ!」
セリナは逆風を裂き、一瞬で間合いを詰める。
「煌月落とし(こうげつおとし)!」
天より振るう、月光のような斬撃。
聖剣が夜空を裂き、竜の肩口に直撃。
腐肉が飛び散り、骨が露出する。
竜が呻き、旋回して尾を薙ぎ払う。
その風圧に建物が崩壊する中、セリナは真下に潜り込む。
(ここしかない──!)
「黒月夜行(こくげつやこう)!」
彼女の剣が、闇に染まった月を纏い、刹那の一閃を放つ。
宙を駆ける黒い残光が、竜の腹部を切り裂き、紫の血が地に降る。
──だがそれでも、竜は止まらない。
死してなお、動く理由がある。
この竜の中には、クセリオスの魂が融けているのだ。
腐肉が自己修復するようにうごめき、セリナに向かって吠えた。
(体が……限界。でも……!)
翼が裂けかけ、光輪もちらつく。
それでも彼女は逃げなかった。
王都を、仲間たちを、すべて守ると決めたから。
──黒き巨体と、銀の光が交差する。
腐敗と聖光が空を塗り替える。
一瞬の激突の果て、世界が閃光に包まれ──


「セリナ──!!」
母と弟をガルドたちに託し、戦場へ引き返したレンが見たのは──
セリナの小さな体が、ゾンビドラゴンの瘴気に飲み込まれる瞬間だった。
「よくも……セリナを……!」
レンの目が、鋭い殺気に染まる。
剣に手をかけ、渾身の一撃を構える。
「満月終刃(まんげつしゅうじん)──!!」
その速さは、目にも止まらぬ閃光の如く。
レンはゾンビドラゴンの腐敗した巨体を駆け上がり、
疾風のごとく心臓の位置へ斬撃を叩き込んだ。
──しかし。
「……どうして?」
剣は確かに肉を切り裂いた。
だが、ゾンビドラゴンは微動だにしない。
まるで、傷そのものが無意味であるかのように。
「アンデッド系モンスターに、純粋な物理攻撃が効くと思うのか?」
ふいに、毛玉の魔王がレンの横に現れる。
その声は冷静だが、どこか呆れたような調子だった。
次の瞬間──
ゾンビドラゴンの爪が、レンがいた空間を引き裂く。
「っ……!」
魔王の魔法よる高速移動により、レンは間一髪で救われた。
地面に転がりながら、レンは歯を食いしばる。
「くそ……! なら、どうすれば……!?」
「私なら倒せるよ」
魔王は小さな毛玉の姿でふわりと宙に浮かびながら、余裕たっぷりに言った。
「だけど……私はもうちょっとセリナ君にチャンスをあげたいね」
パチン
指を鳴らす音と共に、地面から無数の暗黒の鎖が噴き上がる。
鎖は瞬く間にゾンビドラゴンの巨体を縛り上げ、その動きを完全に封じた。
「ガルルル……!」
ドラゴンは必死にもがくが、魔王の鎖は微動だにしない。
追い詰められた巨獣は、喉奥に不気味な瘴気の渦を溜め込む──
「フゥ……!」
ブレスを放とうとするその瞬間、
「前振りが長すぎ。やる気あるのかね?」
魔王が冷淡に呟くと、さらに鎖が増殖し、
ドラゴンの顎をがっちりと締め上げた。
「……ッ!」
ブレスは不発に終わり、ドラゴンは無力にうなだれる。
魔王はそんなドラゴンを一瞥すると、
ふわりとレンの前に降り立った。
「大丈夫」
その声は、なぜか優しかった。
「5分待とう、ダメなら私がセリナ君を助け、これを葬る」
小さな毛玉が、レンの肩に触れる。
「だから……安心して」
その言葉には、
セリナを信じる魔王の確かな意志が込められていた──


私の名前は、セリナ。
ただの、どこにでもいる女の子だと思っていました。
奴隷の母から生まれ、父の名も知らず、
母が病で亡くなってからは──私は、ずっと独りぼっちでした。
……でも、違ったんです。
たくさんの人たちと出会って、仲間になって、
知らなかった「絆」というものに触れられました。
「セリナちゃん、私のことをお姉さんだと思って、なんでも頼ってね!」
ルームメイトのマリさんは、まるで本当のお姉さんのように、優しく私を包み込んでくれました。
「文字と知識を教えましょう。私は'知識を授かる者'です。知識をお金で売るようなことはしたくありません。セリナ君、これからよろしく。」
図書館で出会ったマオウさんは、先生であると同時に、お父さんのような存在でもありました。今では――私の大切な、大好きな人です。
「俺はレンだ。今日からお前の剣の師範を務める。厳しくするからな。逃げたいなら今のうちだぞ」
男装しているレン君は、先生というより、少し生意気なお兄ちゃんといった感じでした。
「ふん、お前が勇者なの?まあ、僕には関係ないことだけど」
天使様はわがままで傍若無人ですが――なぜか憎めない、弟のような存在です。
「あなたの感情は純粋すぎて味気ませんわ。でも、勇者としては完璧かもしれませんわね。ふふっ」
モリアさんは大人の女性そのもの。同じ年頃に見えるのに、なぜか私だけが子供扱いされるのが不思議でなりません。
……でも、勇者になれて、本当によかった。
剣を握り、力を授かり、
たくさんの大切な人と出会えた……
この世界に、希望があると知ることができたから。
そして今──
その希望を胸に抱いたまま、私はゾンビドラゴンの闇に飲まれていく。
轟く咆哮と共に迫る死の瞬間、
私はただ、心から願っていた。
「もう一度……みんなに会いたい……」
──ならば、もう一度聖剣を抜け。
今度は誰かの言葉ではなく、君自身の意志で。
ふと、声が聞こえる。
それは聖剣そのものの声だった。
「世界を救うために剣を取りなさい、勇者セリナよ!」
──初代勇者アサーの声。
「魔王に比べたら、あんなのただのトカゲだ、セリナちゃん」
──ならず者勇者ハラルドの声。
「正義は勝つ。そして勇者こそ正義なり。同志セリナよ」
──ヒーロー勇者ジャスティスライターの声。
「すまない……俺が不甲斐なかったばかりに。だが、お前ならできる。俺なんかより、ずっと……勇者らしいお前なら」
──異世界勇者カズキの声。
歴代勇者たちの幻影が、聖剣を通して現れる。
セリナは、静かに、しかし確かな意志で聖剣に手を添えた。
「セリナは……勇者です。」
──聖剣が抜かれる。
眩い光が渦巻き、セリナの頭に新たな呪文が浮かび上がる。
「ぞうかい・さしわた・くゃりん・せんけいせ──」
腐臭漂う竜の体内に、眩い光が満ちていく。
セリナの心臓から光輪が弾け、背中を貫くようにして、聖なる翼が拡張する。
二枚だった白翼が──四枚へと進化した。
同時に、亜麻色だった髪が聖炎に染まり、金色の光を放ち始める。
腐敗の液体が蒸発し、闇の内側で金の稲妻が走る。
天に祈るように手を伸ばしたその瞬間──
セリナの衣装が光に包まれる。
浸食されたメイド服の裾が引き裂かれ、
代わりに聖光で編まれた、戦闘用のミニスカート型メイド服が纏われる。
装甲のように編まれた袖、機動性を備えた軽装の足回り。
彼女の姿は、もはや“少女”ではなかった。
──力天使《ヴァーチュス》、覚醒。
天使としての加護と、勇者としての覚悟が交わり、
腐敗の胎内に“神の火”がともる。
「一閃・月輪穿ち(いっせん・げつりんうがち)!」
聖剣を突き上げる構えを取ったセリナが、ゾンビドラゴンの腹部から頭頂部へと光の軌跡を描きながら脱出する。黄金の翼が闇を切り裂き、腐肉が光の粒子となって散っていく。
「セリナだ!...生きてたか!」
レンが拳を握りしめ、思わず安堵の声を漏らした。その目には、わずかに光るものがあった。
「思ったより早かったな。これは要らぬようだ」
「ふっ……思ったより早かったな」
魔王が鎖をがちゃりと手元に戻す。その唇には、気づけば笑みが浮かんでいた。
(……ほう。この程度ではゾンビドラゴンは倒せまい。だが――この娘は、きっと“次”を見せてくれる……楽しみだ。)
まるで舞台の幕が上がるのを待つ観客のように、魔王はじっとセリナを見つめる
セリナは空中で身を翻すと、聖剣を天にかざして宣言した。
「クセリオスを、人類の敵として認定します!」
すると──
「天軍の軍団長、ミカエル、これを承認する」
ラム・ランデブー神殿から響く重厚な中年の声は、大地を震わせた。
「見えざる導き手、ラファエル、これを承認する」
セルペンティナ神殿からの老練な声は、風に乗って広がっていく。
「神のメッセンジャー、ガブリエル、これを承認する」
グラナール神殿から届く清らかな青年の声は、空気を清浄にするようだった。
「え?僕?...あ、はい。明けの明星、ルキエル、承認...するよ...」
王都神殿でぐっすり眠っていたルキエルは、寝ぼけ眼でぽりぽりと頭を掻きながらも承認の声を響かせた。その声だけは、何だかふわふわと宙を漂っているようだった。
四天使の承認を受けて、セリナの聖剣はさらに輝きを増していく。四枚の翼からは光の羽根が舞い散り、辺り一面が神聖な空気に包まれた。
その手に握られた聖剣は、もはや単なる武器の域を超えていた。
【希望】を紡ぐ"楽器"として、
【神意】を伝える"声"として、
【滅び】ゆくものへ贈る、最後の《愛》そのものだった。
──それでも、セリナは微笑んでいた。 
「ありがとう……みんな」 彼女の瞳には、もはや恐れも迷いもなかった。
あるのはただ、世界を照らす意志だけ。 
そして彼女は、天へ剣を掲げた──
"ドン──"
セリナの足元から、黄金と純白が織りなす魔法陣が幾重にも広がる。
無音の旋律が大気を震わせ、聖域の光が戦場を優しく飲み込んでいく。
そして──天使は静かに宣言した。
「──審判の時は来た。神々の楽章(カンタータ)を、この剣に刻む」
拡がる金光が天を貫き、漆黒の雲を聖別する。
「歪んだ世界に、終焉の調べ(アリア)を捧げよ」
聖剣の刃が青白く輝き、無数の光の音符が虚空を舞い始める。
まるで大聖堂の聖歌隊が、目に見えない声で歌い上げているようだ。
「熾天使(セラフィム)の炎で焼き浄め、竪琴(ハープ)の調べで切り裂け──」
四枚の光翼が大きく広がり、音の波動が天地を揺るがす。
王都のガラス窓が一斉に共鳴し、砕け散ることなく美しい音色を響かせた。
「天壊聖唱(レクイエム・グロリア)──ッ!!」
放たれた斬撃は、光の奔流であり、神の歌声であり、魂の祈りだった。
──それはまさしく「終末への鎮魂歌(リクイエム)」。
ゾンビドラゴンの巨体を、無数の光の楽節が優しく包み込む。
腐敗した肉が浄化され、縫い合わされた死体が解かれていく。
不浄の翼が光の粒子に変わり、積もった憎悪が洗い流される。
その最後の咆哮は、怒りでも苦悶でもなかった。
ただ──永き苦しみから、ようやく解放される安堵のため息。
竜の亡骸は光の楽章に抱かれ、空中で静かに静止する。
やがて、無数の金色の粒子へと変わり、優しい風に運ばれるように──
天へと還っていった。
夜の静寂が王都を包む。
街角で、ひとり、またひとりと人々が跪いていく。
皆が目を上げる先には、四翼の天使が燦然と輝いていた。
──力天使《ヴァーチュス》セリナ。
全ての戦いを超越し、なおも天に在り続ける存在。
光の雨が降り注ぐ。
それは、戦いの後の祝福のように。
傷ついた大地を癒す洗礼のように。
そして──新たな時代の始まりを告げる、神々の祝福のように。
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