13 / 26
片思いの代償~ボクはただ君をオモイ~
片思いの苦難
しおりを挟む
片思いをしているとき起こる、一番大きな事件は何だろう?
フラられること?
違う。
片思いがばれること?
それも違う。
一番大きな事件は、
「委員長は初めて会うよね。私の恋人で先輩の先輩さん!」
「おい後輩、他人に先輩って言っても通じないだろう」
「そう言う先輩だって私のこと後輩って呼んでるじゃないですか」
「慣れだ」
「じゃあ私も慣れです」
片思い相手の彼氏と会うことだ。
これほど気まずい場面もないと思う。まあ、気まずいのは僕だけだけど。涙にも、先輩さんにも、僕の片思いは知られていないから。
「イチャイチャするなら帰っていい?」
「わわわ、待って委員長。お願いだから帰らないで!」
涙が僕の腕を掴んで、離してくれない。
「わかった、帰らない。でも正直なこと言うと場違いなんだけど」
すると涙は先輩さんに聞こえないように、小さな声で話し始めた。
「(初めてのデートらしいデートで助けが欲しいの!)」
「(え?)」
今涙はなんて言った?
デートって言った?
待て待て。涙から今まで気化された惚気話の中に、デートしたって話は何回も出てきたはず。だから、今更デートなんて慣れてるはずなんだよ。
「(本当に帰っていいかな?)」
「(だめ、お願い帰らないで。いつもはデートと称して写真撮ってるだけだったの。でも今日は水族館デートなの、デートらしいデートで私どうしていいかわからないの!)」
ただただ、惚気話を聞かされてるだけなんだけど。涙が嬉しい話は僕も嬉しい。涙が幸せなら僕も嬉しい。
でも、それとこれとは別だよ。なんで片思いの相手がデートするところに、ついて行かなきゃ行けないんだろう。
一番の事件は彼氏に会うことじゃなくて。その彼氏とのデートについて行かないといけないことだとは思いもよらなかったよ。
「(お願い頼れるのは委員長だけなの!)」
「(はぁ)」
片思い相手からのお願いを断れる人が居るだろうか。
僕はいないと思う。だって僕は毎回、
「(わかった)」
「(やった!)」
僕は彼女のお願いを断れた事はなかったのだから。
「(とりあえず、何をすればいいの)」
「(一緒に水族館を回ってくれればいいだけだから、大丈夫簡単でしょ?)」
涙からの返答は、予想の斜め上だった。少し離れたところから携帯を使ってサポートして欲しいとかだと思ったのに。一緒に回って欲しいって何だろう。
それってもうデートじゃない気がするんだけど。
「(少し後ろにいる感じでいい?)」
さすがに真横を歩くわけにもいかないから、妥協点として後ろの方を歩くことにした。後ろなら二人の様子を眺めていられるしね。
「(ありがとう委員長、大好き!)」
「(ほら早く行きなよ)」
「(うん)」
ほんとに君ってやつは。そう簡単に大好きとか言っちゃだめだよ。
たったそれだけの言葉で、僕の心は荒れるんだから。その言葉が愛ではなく親愛なのを知っているから。愛の言葉は目の前の、先輩に言ってるのを知っているから。
まあでも、ポーカーフェイスは得意なんだ。涙はよく不意打ちで大好きだって言うから。
「おまたせしました先輩。それでこの子が私の幼なじみの委員長です」
「委員長です」
「先輩です」
何だろうね、この雰囲気は。互いの名前すら知らない。涙が付けたあだ名で呼び合う関係。勿論僕は学級委員長で、彼は先輩に間違いないんだろうけど。
でも、それでいいのかもしれない。名前を知らない方が記憶に残りにくいだろうから。
「それじゃあ、行きましょう。先輩、委員長!」
涙の見せるその笑顔は、どれに向けられた笑顔なのか。僕なのか、先輩なのか。それとも両方?
答えは、涙しか知らないけど。
できることなら、その笑顔が僕に向けられたものだと信じたいな。
フラられること?
違う。
片思いがばれること?
それも違う。
一番大きな事件は、
「委員長は初めて会うよね。私の恋人で先輩の先輩さん!」
「おい後輩、他人に先輩って言っても通じないだろう」
「そう言う先輩だって私のこと後輩って呼んでるじゃないですか」
「慣れだ」
「じゃあ私も慣れです」
片思い相手の彼氏と会うことだ。
これほど気まずい場面もないと思う。まあ、気まずいのは僕だけだけど。涙にも、先輩さんにも、僕の片思いは知られていないから。
「イチャイチャするなら帰っていい?」
「わわわ、待って委員長。お願いだから帰らないで!」
涙が僕の腕を掴んで、離してくれない。
「わかった、帰らない。でも正直なこと言うと場違いなんだけど」
すると涙は先輩さんに聞こえないように、小さな声で話し始めた。
「(初めてのデートらしいデートで助けが欲しいの!)」
「(え?)」
今涙はなんて言った?
デートって言った?
待て待て。涙から今まで気化された惚気話の中に、デートしたって話は何回も出てきたはず。だから、今更デートなんて慣れてるはずなんだよ。
「(本当に帰っていいかな?)」
「(だめ、お願い帰らないで。いつもはデートと称して写真撮ってるだけだったの。でも今日は水族館デートなの、デートらしいデートで私どうしていいかわからないの!)」
ただただ、惚気話を聞かされてるだけなんだけど。涙が嬉しい話は僕も嬉しい。涙が幸せなら僕も嬉しい。
でも、それとこれとは別だよ。なんで片思いの相手がデートするところに、ついて行かなきゃ行けないんだろう。
一番の事件は彼氏に会うことじゃなくて。その彼氏とのデートについて行かないといけないことだとは思いもよらなかったよ。
「(お願い頼れるのは委員長だけなの!)」
「(はぁ)」
片思い相手からのお願いを断れる人が居るだろうか。
僕はいないと思う。だって僕は毎回、
「(わかった)」
「(やった!)」
僕は彼女のお願いを断れた事はなかったのだから。
「(とりあえず、何をすればいいの)」
「(一緒に水族館を回ってくれればいいだけだから、大丈夫簡単でしょ?)」
涙からの返答は、予想の斜め上だった。少し離れたところから携帯を使ってサポートして欲しいとかだと思ったのに。一緒に回って欲しいって何だろう。
それってもうデートじゃない気がするんだけど。
「(少し後ろにいる感じでいい?)」
さすがに真横を歩くわけにもいかないから、妥協点として後ろの方を歩くことにした。後ろなら二人の様子を眺めていられるしね。
「(ありがとう委員長、大好き!)」
「(ほら早く行きなよ)」
「(うん)」
ほんとに君ってやつは。そう簡単に大好きとか言っちゃだめだよ。
たったそれだけの言葉で、僕の心は荒れるんだから。その言葉が愛ではなく親愛なのを知っているから。愛の言葉は目の前の、先輩に言ってるのを知っているから。
まあでも、ポーカーフェイスは得意なんだ。涙はよく不意打ちで大好きだって言うから。
「おまたせしました先輩。それでこの子が私の幼なじみの委員長です」
「委員長です」
「先輩です」
何だろうね、この雰囲気は。互いの名前すら知らない。涙が付けたあだ名で呼び合う関係。勿論僕は学級委員長で、彼は先輩に間違いないんだろうけど。
でも、それでいいのかもしれない。名前を知らない方が記憶に残りにくいだろうから。
「それじゃあ、行きましょう。先輩、委員長!」
涙の見せるその笑顔は、どれに向けられた笑顔なのか。僕なのか、先輩なのか。それとも両方?
答えは、涙しか知らないけど。
できることなら、その笑顔が僕に向けられたものだと信じたいな。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
ガネット・フォルンは愛されたい
アズやっこ
恋愛
私はガネット・フォルンと申します。
子供も産めない役立たずの私は愛しておりました元旦那様の嫁を他の方へお譲りし、友との約束の為、辺境へ侍女としてやって参りました。
元旦那様と離縁し、傷物になった私が一人で生きていく為には侍女になるしかありませんでした。
それでも時々思うのです。私も愛されたかったと。私だけを愛してくれる男性が現れる事を夢に見るのです。
私も誰かに一途に愛されたかった。
❈ 旦那様に愛されなかった滑稽な妻です。の作品のガネットの話です。
❈ ガネットにも幸せを…と、作者の自己満足作品です。
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる