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プロローグ

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「…ママぁ…」 

寝室のドアを少し空け顔を覗かせた少女は、片方の手に大きな一冊の本を抱えてモジモジとしている。
それを見た母親は、聞かずとも少女が寝付けなかったことと、本を読み聞かせて欲しいということを理解した。 

  「あらぁ、寝られなかったのね」 

母親はそう言うと、 

「おいで」 

と優しく微笑みながら、自身の寝ているベッドにスペースを空けそこをとんとんと手で叩いた。 

それを聞いた少女は、嬉しそうに足早とベッドにかけより、母親の用意した特等席に勢いよく飛び乗る。
少女から本を受け取った母親は、ベッドライトをつけてそれを読み上げる準備を始めた。 
  
「はやく、はやくぅ」 

少女が今にも待ちきれない様子で母親におねだりすると、 

「もう、困った子ね」 

と母親は笑いながら少女に言う。 

「さぁ、始まるわよ 準備はいい?」 

母親の読み聞かせを聞くのが大好きな少女は大きく頷き、静かに始まるのを待った。 

「むかしむかし…そのまた昔…あるところにとある博士とロボットがいました…」
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