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治療院の応接間でエレノアと再会した弟が腰に抱きつくのは面白くなかったが、あんなことのあった後だから、と大目に見てやることにした。アデルに付き添っていたルークから着席を求められたのでエレノアの真隣に陣取る。
すでに軽い聴取は行われており、襲撃事件に関与した六名はリンゼイ領で窃盗を起こした行商団であること、王都に来るまでに別の窃盗事件を重ねていること、ザキーラ家の馬車が襲撃されたのは馬車を盗むことが目的で、令息と思しきアデルの誘拐を企て、身代金も得ようとしていたことが判明していた。
窃盗事件を目撃され、顔が割れていることで身動きが取りづらくなっていた連中は大型荷馬車で広場に入り込んで好機を窺っていたらしい。
「エレノアはその格好のせいで護衛の一人だと思われたみたいだな」
過去の奴らのやり口から見て武器を使われずに済んで幸運だった、ともルークは言うが、『良いとこのお嬢さん』と称された彼女ならアデルと同様に身代金を要求される立場だろうに、粗雑に扱われ傷付いたのだ。そもそも襲撃されたこと自体が不運でしかない。
「伯爵家のお嬢さんに怪我を負わせたとあっちゃあ、黙っちゃいないだろうな」
「どなたがでしょうか?」
「そりゃあマウデン前副支部長だよ」
(伯爵家? 前副支部長?)
「誰だ、それ」
ルークとエレノアの会話に割り込むと、対面に座る男がにやりと笑った。
「エレノアとアデルくんのお祖父様で、先代の第四副支部長だよ。伯爵家の前当主でもあり、副支部長と兼任されていたマウデン・ザキーラ様だ」
本当に良いとこのお嬢さんだったようだ。祖父もかつて第四支部に在籍しており、要職に就いていた。そしてルークの口ぶりでは今回の襲撃事件は彼の逆鱗に触れるようだ。
祖父が話題に上ったからか、エレノアとアデルを取り巻く空気が和らいだ気がした。
「私は途中で気を失ってしまったのですが、どのような経緯で捕縛に?」
「マグラがすっ飛んでいった」
「え?」
「弟の名を叫んだのが聞こえた。現場に着いたらエレノアが地面に伏せたところだった」
あの場面を思い出すと腸が煮えくり返る思いだ。マグラが広場に到着したときにはすでにエレノアは意識を失っていたようだった。つまりは意識を奪う仕打ちがすでに行われた後だったということになる。
エレノアの腹部と襟元には不愉快な残り香。目に焼き付けた実行犯たちをどうしてくれようか。
再び怒りを燃やしている横でエレノアがマグラの名を口にした。内容はマグラが獣人であることをルークは知っているかと問うもので、対する返答は「支部のみんな知ってると思うが」と軽いものだったが、エレノアにはそうではなかったらしい。
「私、は、存じませんでし、た」
震えを帯びた声だがショックだったのだろうか。
そんな可能性にたちまち怒りは霧散して消え去った。
現場に出る団員たちにはマグラから知らせていた。地方支部ほどではないにしろ、事態によっては任された動きが許されている。仲間との連携を図るならばこちらのやり方を知ってもらう必要があった。
事務補佐たちには口頭で伝えたわけではないのだが、匂いの上書き中に耳と尻尾を見られて気付かれてしまっている。皆、一様に驚いた顔を見せ、一様に何も見なかったように目を逸らしていた気がしたが。
「問題があるか?」
真剣な気持ちを込めて問うてみた。それに応えるようにエレノアもこちらを見上げてくる。
いつかは打ち明けるつもりでいた。
ただ――獣人が少ないという王都でエレノアに受け入れられるのか、そう思うと機会を窺う他なかった。
どうしても失敗出来ないから。どうしても失敗したくなかったから。
「俺が獣人でエレノアに問題はあるか?」
「いえ、ありませんが……」
「そうか、ならいい」
マグラの頬が自然と緩む。辿々しい口ぶりだけども、つまりは受け入れられたということだ。
あとはエレノアの祖父とやらだが、第四支部に籍を置いていた男なら説得など、どうとでもなる。
長椅子の背に凭れかけていた尻尾をゆるりと動かす。エレノアの襟元をさらりと撫でてから巻き付かせるように胴の上へ。尾先を巧みに動かして残滓を払うように腹を擦る。獣人であることに問題がないのなら堂々と上書きも出来るというわけだ。
「腹に触れたやつには厳罰を与えておくから」
「いや、お前にそんな権限はないからな」
「エレノアを引き倒したやつもぶん殴っておく」
「待て、私刑は処分対象だぞ」
「俺が捕らえたんだから融通をきかせろ」
「そりゃお手柄だけど、そういう問題じゃないだろ」
いちいちルークが鬱陶しい反論を飛ばしてくる中、服の上からでも柔らかさを感じるようなエレノアの細腰を撫でていると、姉弟がその動きを物珍しそうに見つめているのがわかった。また弟がエレノアにしがみついている。
「お前たち、近くないか。いつもいつもその匂いだ」
「匂い?」
「弟とまた密着しただろう? 顔を寄せたりとか」
悪びれもせずに弟に確認する姉と、悪びれもせずに頷く弟。姉弟揃って鈍感らしい。
「弟だから許すけど。他の男の匂いは必要ないから」
不貞腐れてプイと顔を背ける横で同僚二人が勝手に話し出す。ルークの声が半分笑っているのが苛立たしい。
「相手が弟で良かったよ」
「それは……どういう意味でしょう?」
「マグラはエレノアから男の匂いがするのが嫌なんだと」
「匂い?」
先程マグラに返した言葉をそのまま繰り返すエレノア。その横顔が小さな鼻をヒクヒク動かすのを横目で見て、猫っぽいな、などと思ってしまう。
「そうやって密着してるとアデルくんの匂いが移るらしいんだ」
「そうなんですか?」
エレノアの視線がこちらを向くので首を縦に振る。尻尾はまだ彼女の腹の上にある。
「今までずっとアデルくんの匂いだって知らなかったみたいだから、その匂いを消すのに躍起でな」
「匂いを消す……」
「マグラに身体擦り付けられてたろ? まぁエレノアはいつも弾き飛ばされてたみたいだが」
首を傾げた拍子に長い金髪から甘い香りがふわりと漂い、鼻腔を擽っていく。
しばし思案する気配と、「あっ」と吐息に近い小さな声が隣から聞こえた。
「力加減ってもんをわかってないんだよなぁ。強けりゃいいってわけじゃないんだよ」
ついには声を上げて笑い出したルークを眼光鋭く睨み付ける。
そこではたと重大なことに思い至った。
(今の様子だとマーキングに気付いていなかった?……ってことは)
同僚曰く、力加減もわからず弾き飛ばしてしまう行為。そこに込められた意味もわからず、幾度も繰り返されたとなれば――
「エレノア!」
「は、はい!」
「嫌だったか? 俺のマーキングは」
ズイと鼻が触れる距離に迫るとエレノアの腰が引けたので尻尾を強く巻き付けて逃さない。目を瞬かせたエレノアは躊躇いがちに口を開いた。
「嫌、と言いますか……」
「正直に言ってくれ」
「ちょっと、ムッとすることはありました」
まさかの告白に世界が暗転した気分だった。
マグラがこの世の終わりを告げられたような顔をするものだから、エレノアが慌てて言葉を継ぐ。
「でも、私こそマグラさんに嫌われているものとばかり思っていましたので」
(何だと!?)
「断じてそんなことはない!」
思わず両の二の腕を掴んでしまう。拘束されたことに驚きながらもエレノアは二度頷き、続ける。
「勘違いなら嬉しいです。仲良くなりたかったので」
そうして顔合わせのときと同じく、甘い香りを放ちながら穏やかな笑みを浮かべるものだから、マグラの見境は失くなってしまう。
艷やかな輝きを放つ金髪に頬ずりして存分に香りとマーキングを堪能し、そして。
「姉さまには俺がいるから」
ポカンと見上げる小さな弟に、この期に及んで牽制を忘れなかった。
--------------------------------------------
それからしばらくも経たないうちに、王立警護団第四支部の獣人団員の存在は広く知れ渡ることになる。
同じく第四支部に勤める令嬢に所構わずマーキングという名の執着を見せているため、秘する方が難しかったと言える。
獣人であることを容疑者に警戒されるよりも、獣人が取り締まることに警戒されて犯罪減少に繋がればいい、というのは第四支部長談。
しかし彼らを取り巻く者たちは誰しもが、獣人が彼女に寄り添う存在として己を誇示したいだけだと気付いているけれども。
令嬢の祖父であり、かつて第四支部副支部長を務めた前伯爵の屋敷に直談判に乗り込んだり、令嬢の年の離れた弟にいつまでも嫉妬したり。
そんな彼の言動を、彼女はいつも困った笑みを浮かべて窘めていたという。
--終わり--
すでに軽い聴取は行われており、襲撃事件に関与した六名はリンゼイ領で窃盗を起こした行商団であること、王都に来るまでに別の窃盗事件を重ねていること、ザキーラ家の馬車が襲撃されたのは馬車を盗むことが目的で、令息と思しきアデルの誘拐を企て、身代金も得ようとしていたことが判明していた。
窃盗事件を目撃され、顔が割れていることで身動きが取りづらくなっていた連中は大型荷馬車で広場に入り込んで好機を窺っていたらしい。
「エレノアはその格好のせいで護衛の一人だと思われたみたいだな」
過去の奴らのやり口から見て武器を使われずに済んで幸運だった、ともルークは言うが、『良いとこのお嬢さん』と称された彼女ならアデルと同様に身代金を要求される立場だろうに、粗雑に扱われ傷付いたのだ。そもそも襲撃されたこと自体が不運でしかない。
「伯爵家のお嬢さんに怪我を負わせたとあっちゃあ、黙っちゃいないだろうな」
「どなたがでしょうか?」
「そりゃあマウデン前副支部長だよ」
(伯爵家? 前副支部長?)
「誰だ、それ」
ルークとエレノアの会話に割り込むと、対面に座る男がにやりと笑った。
「エレノアとアデルくんのお祖父様で、先代の第四副支部長だよ。伯爵家の前当主でもあり、副支部長と兼任されていたマウデン・ザキーラ様だ」
本当に良いとこのお嬢さんだったようだ。祖父もかつて第四支部に在籍しており、要職に就いていた。そしてルークの口ぶりでは今回の襲撃事件は彼の逆鱗に触れるようだ。
祖父が話題に上ったからか、エレノアとアデルを取り巻く空気が和らいだ気がした。
「私は途中で気を失ってしまったのですが、どのような経緯で捕縛に?」
「マグラがすっ飛んでいった」
「え?」
「弟の名を叫んだのが聞こえた。現場に着いたらエレノアが地面に伏せたところだった」
あの場面を思い出すと腸が煮えくり返る思いだ。マグラが広場に到着したときにはすでにエレノアは意識を失っていたようだった。つまりは意識を奪う仕打ちがすでに行われた後だったということになる。
エレノアの腹部と襟元には不愉快な残り香。目に焼き付けた実行犯たちをどうしてくれようか。
再び怒りを燃やしている横でエレノアがマグラの名を口にした。内容はマグラが獣人であることをルークは知っているかと問うもので、対する返答は「支部のみんな知ってると思うが」と軽いものだったが、エレノアにはそうではなかったらしい。
「私、は、存じませんでし、た」
震えを帯びた声だがショックだったのだろうか。
そんな可能性にたちまち怒りは霧散して消え去った。
現場に出る団員たちにはマグラから知らせていた。地方支部ほどではないにしろ、事態によっては任された動きが許されている。仲間との連携を図るならばこちらのやり方を知ってもらう必要があった。
事務補佐たちには口頭で伝えたわけではないのだが、匂いの上書き中に耳と尻尾を見られて気付かれてしまっている。皆、一様に驚いた顔を見せ、一様に何も見なかったように目を逸らしていた気がしたが。
「問題があるか?」
真剣な気持ちを込めて問うてみた。それに応えるようにエレノアもこちらを見上げてくる。
いつかは打ち明けるつもりでいた。
ただ――獣人が少ないという王都でエレノアに受け入れられるのか、そう思うと機会を窺う他なかった。
どうしても失敗出来ないから。どうしても失敗したくなかったから。
「俺が獣人でエレノアに問題はあるか?」
「いえ、ありませんが……」
「そうか、ならいい」
マグラの頬が自然と緩む。辿々しい口ぶりだけども、つまりは受け入れられたということだ。
あとはエレノアの祖父とやらだが、第四支部に籍を置いていた男なら説得など、どうとでもなる。
長椅子の背に凭れかけていた尻尾をゆるりと動かす。エレノアの襟元をさらりと撫でてから巻き付かせるように胴の上へ。尾先を巧みに動かして残滓を払うように腹を擦る。獣人であることに問題がないのなら堂々と上書きも出来るというわけだ。
「腹に触れたやつには厳罰を与えておくから」
「いや、お前にそんな権限はないからな」
「エレノアを引き倒したやつもぶん殴っておく」
「待て、私刑は処分対象だぞ」
「俺が捕らえたんだから融通をきかせろ」
「そりゃお手柄だけど、そういう問題じゃないだろ」
いちいちルークが鬱陶しい反論を飛ばしてくる中、服の上からでも柔らかさを感じるようなエレノアの細腰を撫でていると、姉弟がその動きを物珍しそうに見つめているのがわかった。また弟がエレノアにしがみついている。
「お前たち、近くないか。いつもいつもその匂いだ」
「匂い?」
「弟とまた密着しただろう? 顔を寄せたりとか」
悪びれもせずに弟に確認する姉と、悪びれもせずに頷く弟。姉弟揃って鈍感らしい。
「弟だから許すけど。他の男の匂いは必要ないから」
不貞腐れてプイと顔を背ける横で同僚二人が勝手に話し出す。ルークの声が半分笑っているのが苛立たしい。
「相手が弟で良かったよ」
「それは……どういう意味でしょう?」
「マグラはエレノアから男の匂いがするのが嫌なんだと」
「匂い?」
先程マグラに返した言葉をそのまま繰り返すエレノア。その横顔が小さな鼻をヒクヒク動かすのを横目で見て、猫っぽいな、などと思ってしまう。
「そうやって密着してるとアデルくんの匂いが移るらしいんだ」
「そうなんですか?」
エレノアの視線がこちらを向くので首を縦に振る。尻尾はまだ彼女の腹の上にある。
「今までずっとアデルくんの匂いだって知らなかったみたいだから、その匂いを消すのに躍起でな」
「匂いを消す……」
「マグラに身体擦り付けられてたろ? まぁエレノアはいつも弾き飛ばされてたみたいだが」
首を傾げた拍子に長い金髪から甘い香りがふわりと漂い、鼻腔を擽っていく。
しばし思案する気配と、「あっ」と吐息に近い小さな声が隣から聞こえた。
「力加減ってもんをわかってないんだよなぁ。強けりゃいいってわけじゃないんだよ」
ついには声を上げて笑い出したルークを眼光鋭く睨み付ける。
そこではたと重大なことに思い至った。
(今の様子だとマーキングに気付いていなかった?……ってことは)
同僚曰く、力加減もわからず弾き飛ばしてしまう行為。そこに込められた意味もわからず、幾度も繰り返されたとなれば――
「エレノア!」
「は、はい!」
「嫌だったか? 俺のマーキングは」
ズイと鼻が触れる距離に迫るとエレノアの腰が引けたので尻尾を強く巻き付けて逃さない。目を瞬かせたエレノアは躊躇いがちに口を開いた。
「嫌、と言いますか……」
「正直に言ってくれ」
「ちょっと、ムッとすることはありました」
まさかの告白に世界が暗転した気分だった。
マグラがこの世の終わりを告げられたような顔をするものだから、エレノアが慌てて言葉を継ぐ。
「でも、私こそマグラさんに嫌われているものとばかり思っていましたので」
(何だと!?)
「断じてそんなことはない!」
思わず両の二の腕を掴んでしまう。拘束されたことに驚きながらもエレノアは二度頷き、続ける。
「勘違いなら嬉しいです。仲良くなりたかったので」
そうして顔合わせのときと同じく、甘い香りを放ちながら穏やかな笑みを浮かべるものだから、マグラの見境は失くなってしまう。
艷やかな輝きを放つ金髪に頬ずりして存分に香りとマーキングを堪能し、そして。
「姉さまには俺がいるから」
ポカンと見上げる小さな弟に、この期に及んで牽制を忘れなかった。
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それからしばらくも経たないうちに、王立警護団第四支部の獣人団員の存在は広く知れ渡ることになる。
同じく第四支部に勤める令嬢に所構わずマーキングという名の執着を見せているため、秘する方が難しかったと言える。
獣人であることを容疑者に警戒されるよりも、獣人が取り締まることに警戒されて犯罪減少に繋がればいい、というのは第四支部長談。
しかし彼らを取り巻く者たちは誰しもが、獣人が彼女に寄り添う存在として己を誇示したいだけだと気付いているけれども。
令嬢の祖父であり、かつて第四支部副支部長を務めた前伯爵の屋敷に直談判に乗り込んだり、令嬢の年の離れた弟にいつまでも嫉妬したり。
そんな彼の言動を、彼女はいつも困った笑みを浮かべて窘めていたという。
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