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特別な人
特別な人 第225話
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「ふ、ざけんなっ……、そんなの、ふざけんなっ!!」
「! 瑛大っ!!」
「いいか、葵っ! よく聞け!! お前が虎兄を殺したんだ!! お前が虎兄を追い込んで殺したんだよっ!!」
悲しみが消え、再び憎悪だけが支配する瑛大の表情。
僕を憎み、恨み、絶対に許さないという強い信念を感じる瑛大の声と表情に、僕は震える声でもう一度説明を求めた。
今、何が起こっているのか。
そして、虎君は今、幸せではないのか……。
「虎兄が『幸せか』だと? お前に拒絶されて、本気で幸せだと思ってんのかよ!?」
これ以上ふざけたこと言うな!
そう叫ぶ瑛大は、虎君がずっとずっと大切にしてきたのは、大事に守ってきたのは、一体誰なんだと悲痛な声を上げた。
「虎兄の一番はいつだってお前だっただろうがっ!!」
瑛大の目に浮かぶのは、涙。
「なんでそんな簡単なこともわかんねぇーんだよ……」
そう呟く瑛大は涙を隠すように自分の顔を掴み目を覆った。
『頼むから虎兄を助けてくれ』
そう声を震わせた……。
項垂れ、床に崩れる瑛大。このままだと本当に虎兄が死んでしまう。そう言いながら。
「結城君……」
「なぁ、先輩、そんなにヤバいのか……?」
勢いを失くした瑛大に、朋喜と悠栖が戸惑いの声を掛ける。
瑛大はその声に首を横に振り、ヤバいなんてもんじゃないと涙声を零した。
「もうずっと飲まず食わずで碌に眠れてもいねぇーんだ……。点滴と睡眠薬でなんとか生きてるけど、虎兄が生きる意志を持たないと身体がどんどん弱って最悪死んじまうって……」
僕は瑛大の震える肩を眺め、どうして? と頭の中を巡る疑問の答えを求めた。
でも、いくら答えを求めても答えてくれる人は、答えられる人は、此処にはいない……。
「―――っ、葵、行こう」
「! け、慶史……?」
「先輩とちゃんと話、しに行こう」
慶史は僕の手を取ると、いい加減前に進まないとダメだと僕を真っ直ぐに見つめてきた。
どんなに怖くても、どんなに辛くても、向き合わなくちゃならない現実がある。そして今まさにその現実に直面しているんだと言われた。
僕は瑛大に視線を落とし、向き合わなければならないと自分を叱咤する。
でも、それでもまだ怖いと言う感情が捨てられない。
一歩を踏み出したいのに踏み出せない僕。
すると朋喜が僕の肩を叩き、大丈夫だよと悲し気ながらも笑った。
「僕、分かるよ。また想いが届かないかもしれないって思うと、やっぱり怖いよね」
「朋喜……。うん、凄く怖い……」
僕の気持ちは理解できると言ってくれる朋喜に、素直に頷き俯く僕。
瑛大は、こんな僕をどう思っただろう……?
「でもね、葵君。想いが届かないことより、想いに区切りをつけられないことの方がずっとずっと辛いんだよ?」
優しく笑う朋喜の言葉は、難しい。
でも、それでもなんとなく分かるのは、僕がずっと逃げ続けていたから。
区切りをつけれなかった想いは、死ぬまで引きずることになると思うから……。
「だから、頑張って向き合おう? どんな結果になっても、僕達はずっと葵君の傍にいるから。ね?」
「ありがとう……。ありがとう、みんな……」
送り出すように背中を押してくれる朋喜。
僕は友達の優しさに後押しされ、漸く、本当に漸く前を向くことができた。
僕は項垂れたままの瑛大の前に視線を合わせるようにしゃがみ込むと、『ごめん』と『ありがとう』を伝えた。
瑛大から返ってくるのは、虎君を頼むという頼りない声だった……。
「! 瑛大っ!!」
「いいか、葵っ! よく聞け!! お前が虎兄を殺したんだ!! お前が虎兄を追い込んで殺したんだよっ!!」
悲しみが消え、再び憎悪だけが支配する瑛大の表情。
僕を憎み、恨み、絶対に許さないという強い信念を感じる瑛大の声と表情に、僕は震える声でもう一度説明を求めた。
今、何が起こっているのか。
そして、虎君は今、幸せではないのか……。
「虎兄が『幸せか』だと? お前に拒絶されて、本気で幸せだと思ってんのかよ!?」
これ以上ふざけたこと言うな!
そう叫ぶ瑛大は、虎君がずっとずっと大切にしてきたのは、大事に守ってきたのは、一体誰なんだと悲痛な声を上げた。
「虎兄の一番はいつだってお前だっただろうがっ!!」
瑛大の目に浮かぶのは、涙。
「なんでそんな簡単なこともわかんねぇーんだよ……」
そう呟く瑛大は涙を隠すように自分の顔を掴み目を覆った。
『頼むから虎兄を助けてくれ』
そう声を震わせた……。
項垂れ、床に崩れる瑛大。このままだと本当に虎兄が死んでしまう。そう言いながら。
「結城君……」
「なぁ、先輩、そんなにヤバいのか……?」
勢いを失くした瑛大に、朋喜と悠栖が戸惑いの声を掛ける。
瑛大はその声に首を横に振り、ヤバいなんてもんじゃないと涙声を零した。
「もうずっと飲まず食わずで碌に眠れてもいねぇーんだ……。点滴と睡眠薬でなんとか生きてるけど、虎兄が生きる意志を持たないと身体がどんどん弱って最悪死んじまうって……」
僕は瑛大の震える肩を眺め、どうして? と頭の中を巡る疑問の答えを求めた。
でも、いくら答えを求めても答えてくれる人は、答えられる人は、此処にはいない……。
「―――っ、葵、行こう」
「! け、慶史……?」
「先輩とちゃんと話、しに行こう」
慶史は僕の手を取ると、いい加減前に進まないとダメだと僕を真っ直ぐに見つめてきた。
どんなに怖くても、どんなに辛くても、向き合わなくちゃならない現実がある。そして今まさにその現実に直面しているんだと言われた。
僕は瑛大に視線を落とし、向き合わなければならないと自分を叱咤する。
でも、それでもまだ怖いと言う感情が捨てられない。
一歩を踏み出したいのに踏み出せない僕。
すると朋喜が僕の肩を叩き、大丈夫だよと悲し気ながらも笑った。
「僕、分かるよ。また想いが届かないかもしれないって思うと、やっぱり怖いよね」
「朋喜……。うん、凄く怖い……」
僕の気持ちは理解できると言ってくれる朋喜に、素直に頷き俯く僕。
瑛大は、こんな僕をどう思っただろう……?
「でもね、葵君。想いが届かないことより、想いに区切りをつけられないことの方がずっとずっと辛いんだよ?」
優しく笑う朋喜の言葉は、難しい。
でも、それでもなんとなく分かるのは、僕がずっと逃げ続けていたから。
区切りをつけれなかった想いは、死ぬまで引きずることになると思うから……。
「だから、頑張って向き合おう? どんな結果になっても、僕達はずっと葵君の傍にいるから。ね?」
「ありがとう……。ありがとう、みんな……」
送り出すように背中を押してくれる朋喜。
僕は友達の優しさに後押しされ、漸く、本当に漸く前を向くことができた。
僕は項垂れたままの瑛大の前に視線を合わせるようにしゃがみ込むと、『ごめん』と『ありがとう』を伝えた。
瑛大から返ってくるのは、虎君を頼むという頼りない声だった……。
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