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恋しい人
恋しい人 第45話
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初めて他人に触られ、快楽に呑まれそうになっていた意識が羞恥を覚える。
恥ずかしくて反射的に虎君から逃げようとしてしまう僕。でも、熱に浮かされている身体は大して力が入らない。
それどころか、熱を帯びた箇所を包み込むように握ってくる虎君の少し体温の低い手の動きに下半身が溶けてしまったように感覚がなくなってしまっていた。
「っ、ら、くっ、……ダメっ、だめぇ……」
「ん……。気持ちいいな……」
耳に吹きかけられる吐息交じりの声は熱っぽくてゾクゾクする。
いつもならくすぐったいと感じるだろう感覚。でも今はくすぐったいというよりもずっと気持ちよくて、下肢への刺激と合わさって僕の思考を再び快楽へと落としてしまう。
「ぁあっ、とら、く、ぁん、んっ」
「可愛いよ。葵、めちゃくちゃ可愛い……」
気持ちいいことしか考えられなくなっている僕は、虎君の囁き声に気持ち良すぎて怖いと必死に声を上げた。
嬌声交じりの声が何処まで虎君に伝わったかは分からない。虎君はそんな僕に大丈夫と優しい声を掛け、僕の昂ぶりを触る動きを変えた。柔く包み込むようだった手が、明確な意図をもって握り締められたのだ。
「! ダメっ、虎君っ、出ちゃうっ、出ちゃうよぉっ」
「いいよ。そのままもっと気持ちよくなって……?」
耳朶に何度も落とされるキス。僕は身悶え、怖いのと恥ずかしいのと気持ちいいのでぐちゃぐちゃになった思考に涙を流してしまう。
虎君は僕を宥めるように大丈夫だよと言ってくれる。気持ちよくなるのは悪い事じゃないよ。と。
「とら、く、きもちぃ、気持ちいぃよぉ……」
身を捩りしがみつけば、涙を拭うようにキスされた。
熱に浮かされながらも虎君を見上げれば苦しそうに微笑む瞳とぶつかって、僕は何故かとても安心した。
エッチなことをしているから恥ずかしいと思うのは当然。それも初めてなんだから恥ずかしさもひとしおに決まっている。
「葵可愛い。本当、可愛すぎてヤバい……」
僕を好きだと言ってくれる虎君の声に混じる、熱っぽい吐息。僕の痴態に興奮してくれているのか息遣いが荒くなっていて、それが幸せで堪らなかった。
(虎君、虎君っ。好き。大好きっ)
抱き締められ、虎君の匂いに満たされ、心から安堵する。
熱くなる一方の身体は既に限界に近くて、熱を吐き出したいと訴えている。
でも、昂った下肢には虎君の手があって、虎君の手を汚したくない僕はせり上がってくる快楽の波に必死に抗った。
けど今までこんな風に自分を慰めたことのない僕は、どうやって快楽に抗うのか、我慢の仕方が分からなかった。
だから……。
「と、くんっ、でるっ、出ちゃう、でちゃうっ!」
握り締められ、上下に扱かれ、僕は抵抗の甲斐なく意識を白ませ、達してしまう。
今まで感じたことのない解放感と爽快感に一瞬呼吸ができなくて、金魚みたいに口をパクパクしてしまう僕。
虎君にしがみついたまま荒い息を繰り返せば、額に落ちてくるキス。顔を上げれば今度は唇にキスが降ってきて、そのまま舌を絡めて深く口づけあった。
「とら、くん……」
「可愛いよ、葵。本当、可愛すぎて堪らない……」
離れた唇。もっとキスをと名前を呼べば、虎君の熱っぽい吐息交じりの声。
僕は少し弾んだ呼吸を繰り返し、気持ち良すぎてびっくりしたと素直な感想を零した。
「頼むから可愛い事言わないでくれ……。いい加減、理性が飛ぶ……」
深い呼吸を繰り返す虎君は、僕の額にチュッとキスを落とすとそのまま身体を起こし、離れてしまう。
直ぐに寂しいと虎君を求めようとした僕だけど、虎君の手にべったりと付着している白く粘り気のある液体に顔が真っ赤になってしまった。
「ご、ごめんなさいっ……虎君の手、汚しちゃった……」
「ああ。これ? 気にしなくていいよ」
「でも……」
立ち上がってティッシュを探す虎君は平気だって言うけど、全然平気じゃないよね? だって、気持ち悪い、よね……?
下着に付着した精液の感触を思い出して居た堪れなくなる僕は何度も何度も謝ってしまう。本当にごめんなさい。と。
でも虎君は謝り続ける僕に自分の言葉を信じろって言う。気持ち悪くないよ。って。
「でも、汚いもん……」
「そんなことないって言ってるだろ? そんなに信じられないなら、これを舐めても良いんだぞ?」
「! 絶対ダメっ!!」
ティッシュを手に取った虎君だけど、手を拭うことなく僕に見せつけるように汚れた手を口に近づける。
早く手を綺麗にして欲しい僕はその仕草に大パニック。絶対そんなことしないで! と声を荒げてしまった。
「分かってるよ。……ほら、これでいいだろ?」
虎君は苦笑交じりにティッシュで手を拭うと、汚れの取れた掌を僕に見せる。僕は酷い冗談だと虎君に背を向けるように寝返りを打って毛布をぎゅっと抱きしめて拗ねてしまった。
恥ずかしくて反射的に虎君から逃げようとしてしまう僕。でも、熱に浮かされている身体は大して力が入らない。
それどころか、熱を帯びた箇所を包み込むように握ってくる虎君の少し体温の低い手の動きに下半身が溶けてしまったように感覚がなくなってしまっていた。
「っ、ら、くっ、……ダメっ、だめぇ……」
「ん……。気持ちいいな……」
耳に吹きかけられる吐息交じりの声は熱っぽくてゾクゾクする。
いつもならくすぐったいと感じるだろう感覚。でも今はくすぐったいというよりもずっと気持ちよくて、下肢への刺激と合わさって僕の思考を再び快楽へと落としてしまう。
「ぁあっ、とら、く、ぁん、んっ」
「可愛いよ。葵、めちゃくちゃ可愛い……」
気持ちいいことしか考えられなくなっている僕は、虎君の囁き声に気持ち良すぎて怖いと必死に声を上げた。
嬌声交じりの声が何処まで虎君に伝わったかは分からない。虎君はそんな僕に大丈夫と優しい声を掛け、僕の昂ぶりを触る動きを変えた。柔く包み込むようだった手が、明確な意図をもって握り締められたのだ。
「! ダメっ、虎君っ、出ちゃうっ、出ちゃうよぉっ」
「いいよ。そのままもっと気持ちよくなって……?」
耳朶に何度も落とされるキス。僕は身悶え、怖いのと恥ずかしいのと気持ちいいのでぐちゃぐちゃになった思考に涙を流してしまう。
虎君は僕を宥めるように大丈夫だよと言ってくれる。気持ちよくなるのは悪い事じゃないよ。と。
「とら、く、きもちぃ、気持ちいぃよぉ……」
身を捩りしがみつけば、涙を拭うようにキスされた。
熱に浮かされながらも虎君を見上げれば苦しそうに微笑む瞳とぶつかって、僕は何故かとても安心した。
エッチなことをしているから恥ずかしいと思うのは当然。それも初めてなんだから恥ずかしさもひとしおに決まっている。
「葵可愛い。本当、可愛すぎてヤバい……」
僕を好きだと言ってくれる虎君の声に混じる、熱っぽい吐息。僕の痴態に興奮してくれているのか息遣いが荒くなっていて、それが幸せで堪らなかった。
(虎君、虎君っ。好き。大好きっ)
抱き締められ、虎君の匂いに満たされ、心から安堵する。
熱くなる一方の身体は既に限界に近くて、熱を吐き出したいと訴えている。
でも、昂った下肢には虎君の手があって、虎君の手を汚したくない僕はせり上がってくる快楽の波に必死に抗った。
けど今までこんな風に自分を慰めたことのない僕は、どうやって快楽に抗うのか、我慢の仕方が分からなかった。
だから……。
「と、くんっ、でるっ、出ちゃう、でちゃうっ!」
握り締められ、上下に扱かれ、僕は抵抗の甲斐なく意識を白ませ、達してしまう。
今まで感じたことのない解放感と爽快感に一瞬呼吸ができなくて、金魚みたいに口をパクパクしてしまう僕。
虎君にしがみついたまま荒い息を繰り返せば、額に落ちてくるキス。顔を上げれば今度は唇にキスが降ってきて、そのまま舌を絡めて深く口づけあった。
「とら、くん……」
「可愛いよ、葵。本当、可愛すぎて堪らない……」
離れた唇。もっとキスをと名前を呼べば、虎君の熱っぽい吐息交じりの声。
僕は少し弾んだ呼吸を繰り返し、気持ち良すぎてびっくりしたと素直な感想を零した。
「頼むから可愛い事言わないでくれ……。いい加減、理性が飛ぶ……」
深い呼吸を繰り返す虎君は、僕の額にチュッとキスを落とすとそのまま身体を起こし、離れてしまう。
直ぐに寂しいと虎君を求めようとした僕だけど、虎君の手にべったりと付着している白く粘り気のある液体に顔が真っ赤になってしまった。
「ご、ごめんなさいっ……虎君の手、汚しちゃった……」
「ああ。これ? 気にしなくていいよ」
「でも……」
立ち上がってティッシュを探す虎君は平気だって言うけど、全然平気じゃないよね? だって、気持ち悪い、よね……?
下着に付着した精液の感触を思い出して居た堪れなくなる僕は何度も何度も謝ってしまう。本当にごめんなさい。と。
でも虎君は謝り続ける僕に自分の言葉を信じろって言う。気持ち悪くないよ。って。
「でも、汚いもん……」
「そんなことないって言ってるだろ? そんなに信じられないなら、これを舐めても良いんだぞ?」
「! 絶対ダメっ!!」
ティッシュを手に取った虎君だけど、手を拭うことなく僕に見せつけるように汚れた手を口に近づける。
早く手を綺麗にして欲しい僕はその仕草に大パニック。絶対そんなことしないで! と声を荒げてしまった。
「分かってるよ。……ほら、これでいいだろ?」
虎君は苦笑交じりにティッシュで手を拭うと、汚れの取れた掌を僕に見せる。僕は酷い冗談だと虎君に背を向けるように寝返りを打って毛布をぎゅっと抱きしめて拗ねてしまった。
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