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恋しい人
恋しい人 第143話
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バスルームに到着すれば虎君は僕を降ろすと額にチュッとキスを落としてくる。僕は離れる虎君が恋しくて綺麗に筋肉が付いたその逞しい背中に抱き着き、ぴったりと頬を密着させる。
「そんな可愛く誘惑しないでくれって。また勃つだろ……?」
さっき出したばかりなのにまた葵が欲しくて理性がぐらつく。
そう言って笑う虎君はシャワーを手に取ると何故かシャワーヘッドをとってしまって……。
「? なんでとっちゃうの?」
「何でって……。藤原から教えてもらったんじゃないのか?」
「慶史からは、お―――、ウォシュレットで洗うってことしか聞いてない、から……」
お尻を洗うためにバスルームに連れてこられたことは分かってるけど、バスルームでどうやってそれをするのかは分からない。
僕は恥ずかしさを耐えて慶史に教えてもらった内容を伝えるんだけど、何処を洗うかは恥ずかし過ぎて言えなかった。
頬を熱くしてぎゅっとしがみつく僕に虎君は深い息を吐き出して、無言のままシャワーヘッドのとれたシャワーからお湯を出して……。
「あ、あの、虎君、おこ―――」
怒ってる? と聞こうとした僕の声は途中で止まる。それは振り返った虎君に腕を引かれたから。驚く僕は気が付けば浴槽の際に腰を下ろした虎君の膝の上に座っていた。
「心が狭いって分かってて言うけど、藤原に対する怒りが少し治まった」
「え? どうして?」
ぎゅっと抱きしめてくれるのは嬉しいけど、何故虎君の怒りが薄まったのか全然理解できていない僕。
でも、僕が理由を尋ねるよりも先に虎君は僕のお尻を大きな手で鷲掴んできて、恥ずかしさと燻っていた快楽が再び呼び覚まされたのとで悩まし気に息を吐くだけで終わってしまった。
「愛し合う準備、しような?」
「ん……。おしり、そんなに揉まないでぇ……」
くすぐったいとは違う、ゾクゾクした感覚に僕は虎君にしがみつく。お尻を揉まれるたび気持ちよくなっちゃう。と。
虎君はそんな僕の耳元でやっぱり敏感だと笑う。笑って、そのまま耳にかぷっと噛みついてきた。
甘噛みされる耳朶から生まれる快楽は脳に近くて、一瞬で思考が途切れて気持ちいいことしか考えられなくなる。
ちゅくちゅくと耳元で奏でられる水音がやらしくて、気持ちが更に盛り上がった。
でも、快楽に蕩けそうになっていた思考が一瞬で引き戻された。それはお尻を揉んでいた虎君の手がお尻の穴に触れたから。
これから愛し合うための準備をするんだから、虎君がそこを触るのは当然。そう、当然だと思ってた。
けど、いざ触られたらそんなところ触らないでと恥ずかしさが込み上がってきてしまって……。
「やだっ、とらく、やだっ」
「こら、暴れないで。危ないだろ?」
汚いから触っちゃダメだと暴れだす僕。虎君は僕が落ちないように触っていた手を放し、身体を支えてくれる。
僕は虎君にぎゅっとしがみつくと自分でも予想外過ぎる羞恥心に唸り声をあげる始末だ。
「葵、……俺とセックスしたくない?」
「! い、いじわるぅ……」
背中を擦ってあやしてくれる虎君の問いかけは意地悪だ。だって絶対僕の答え、分かってるよね?
涙目で非難すれば、虎君が見せるのは苦笑い。俺も今まさに意地悪されてるんだからな? と。
「今から葵を俺のものにできると思っていたのに、理由も分からず嫌がられたら流石に傷つく」
「『理由』なんて分かってるくせになんで意地悪言うのっ」
「俺が思ってる『理由』で間違ってないか知りたいんだよ。……葵が本気で嫌がってることをしたくないんだ」
だから、『嫌だ』と言った理由を教えて?
そう少し苦し気に懇願してくる虎君。大きな手で頬を撫で、二人でちゃんと愛し合いたいからどちらかが我慢するセックスはしたくないと笑ってくれる虎君……。
僕はまだ残る羞恥と虎君への恋しさに心がいっぱいになる。
再び虎君にしがみつき、大好きな人の手を汚したくないと嫌がった理由を震える声で伝えれば虎君は僕を抱き締め「バカだな」と愛しそうに笑った。
「葵の身体で汚いところなんてあるわけないだろ?」
「! あ、あるよ!? お、お尻なんて、普通、汚い―――」
僕を美化しすぎだと訴えれば、虎君はそんな僕の言葉を遮るようにキスしてきて……。
「葵は綺麗だから大丈夫。正直、俺は葵の全身舐めたいぐらいだ」
「や、ヤダっ!」
「分かってるって。しないから安心して」
全身舐められるなんて恥ずかしすぎて死んじゃう。
顔面蒼白になりながらも必死に嫌だと伝えれば虎君が見せるのは濃い苦笑いで、僕は性質の悪い冗談だと虎君をジトっと睨んでしまう。
でも、苦笑いを浮かべた虎君がボソッと呟いた声が聞こえて、僕は思わず「え?」と尋ね返した。
「いや、なんでもないよ」
「う、嘘だ。今、『今は』って言った!」
「そんな可愛く誘惑しないでくれって。また勃つだろ……?」
さっき出したばかりなのにまた葵が欲しくて理性がぐらつく。
そう言って笑う虎君はシャワーを手に取ると何故かシャワーヘッドをとってしまって……。
「? なんでとっちゃうの?」
「何でって……。藤原から教えてもらったんじゃないのか?」
「慶史からは、お―――、ウォシュレットで洗うってことしか聞いてない、から……」
お尻を洗うためにバスルームに連れてこられたことは分かってるけど、バスルームでどうやってそれをするのかは分からない。
僕は恥ずかしさを耐えて慶史に教えてもらった内容を伝えるんだけど、何処を洗うかは恥ずかし過ぎて言えなかった。
頬を熱くしてぎゅっとしがみつく僕に虎君は深い息を吐き出して、無言のままシャワーヘッドのとれたシャワーからお湯を出して……。
「あ、あの、虎君、おこ―――」
怒ってる? と聞こうとした僕の声は途中で止まる。それは振り返った虎君に腕を引かれたから。驚く僕は気が付けば浴槽の際に腰を下ろした虎君の膝の上に座っていた。
「心が狭いって分かってて言うけど、藤原に対する怒りが少し治まった」
「え? どうして?」
ぎゅっと抱きしめてくれるのは嬉しいけど、何故虎君の怒りが薄まったのか全然理解できていない僕。
でも、僕が理由を尋ねるよりも先に虎君は僕のお尻を大きな手で鷲掴んできて、恥ずかしさと燻っていた快楽が再び呼び覚まされたのとで悩まし気に息を吐くだけで終わってしまった。
「愛し合う準備、しような?」
「ん……。おしり、そんなに揉まないでぇ……」
くすぐったいとは違う、ゾクゾクした感覚に僕は虎君にしがみつく。お尻を揉まれるたび気持ちよくなっちゃう。と。
虎君はそんな僕の耳元でやっぱり敏感だと笑う。笑って、そのまま耳にかぷっと噛みついてきた。
甘噛みされる耳朶から生まれる快楽は脳に近くて、一瞬で思考が途切れて気持ちいいことしか考えられなくなる。
ちゅくちゅくと耳元で奏でられる水音がやらしくて、気持ちが更に盛り上がった。
でも、快楽に蕩けそうになっていた思考が一瞬で引き戻された。それはお尻を揉んでいた虎君の手がお尻の穴に触れたから。
これから愛し合うための準備をするんだから、虎君がそこを触るのは当然。そう、当然だと思ってた。
けど、いざ触られたらそんなところ触らないでと恥ずかしさが込み上がってきてしまって……。
「やだっ、とらく、やだっ」
「こら、暴れないで。危ないだろ?」
汚いから触っちゃダメだと暴れだす僕。虎君は僕が落ちないように触っていた手を放し、身体を支えてくれる。
僕は虎君にぎゅっとしがみつくと自分でも予想外過ぎる羞恥心に唸り声をあげる始末だ。
「葵、……俺とセックスしたくない?」
「! い、いじわるぅ……」
背中を擦ってあやしてくれる虎君の問いかけは意地悪だ。だって絶対僕の答え、分かってるよね?
涙目で非難すれば、虎君が見せるのは苦笑い。俺も今まさに意地悪されてるんだからな? と。
「今から葵を俺のものにできると思っていたのに、理由も分からず嫌がられたら流石に傷つく」
「『理由』なんて分かってるくせになんで意地悪言うのっ」
「俺が思ってる『理由』で間違ってないか知りたいんだよ。……葵が本気で嫌がってることをしたくないんだ」
だから、『嫌だ』と言った理由を教えて?
そう少し苦し気に懇願してくる虎君。大きな手で頬を撫で、二人でちゃんと愛し合いたいからどちらかが我慢するセックスはしたくないと笑ってくれる虎君……。
僕はまだ残る羞恥と虎君への恋しさに心がいっぱいになる。
再び虎君にしがみつき、大好きな人の手を汚したくないと嫌がった理由を震える声で伝えれば虎君は僕を抱き締め「バカだな」と愛しそうに笑った。
「葵の身体で汚いところなんてあるわけないだろ?」
「! あ、あるよ!? お、お尻なんて、普通、汚い―――」
僕を美化しすぎだと訴えれば、虎君はそんな僕の言葉を遮るようにキスしてきて……。
「葵は綺麗だから大丈夫。正直、俺は葵の全身舐めたいぐらいだ」
「や、ヤダっ!」
「分かってるって。しないから安心して」
全身舐められるなんて恥ずかしすぎて死んじゃう。
顔面蒼白になりながらも必死に嫌だと伝えれば虎君が見せるのは濃い苦笑いで、僕は性質の悪い冗談だと虎君をジトっと睨んでしまう。
でも、苦笑いを浮かべた虎君がボソッと呟いた声が聞こえて、僕は思わず「え?」と尋ね返した。
「いや、なんでもないよ」
「う、嘘だ。今、『今は』って言った!」
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