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my treasure
my treasure 第34話
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長い付き合いだから海音が時折予測不能な行動をとることは理解しているつもりだったが、流石にゲイバーでセックスのあれこれを聞き回っているとは思わなかった。
きっと海音的には友人が勤めている店だから安心しているのかもしれないが、あまりにも危機感が無さ過ぎる。
「お前、マジで気をつけろよ」
「? 何を?」
「相手に男同士のセックスに興味があると思われてるぞ、絶対」
「ああ、そういうヤツね。それは大丈夫だって。俺、女の子が好きだって最初に説明してるし」
説明した上で男同士のセックスについて教えてもらっていたという海音に、虎は「阿呆」と盛大な溜め息を吐いた。
「お前はそうでも、相手はそう思っていないことを考えろ」
「まぁそうだけどさ、でも俺男には絶対勃たねぇし、勃たなけりゃどうにもできねぇじゃん?」
「お前が勃たなくても相手が勃ちゃセックスはできるだろうが」
「! 言われてみればそうだな!?」
目から鱗だと言わんばかりに驚いた顔をしている海音はやっぱり馬鹿だと虎は思う。
憐れみにも似た眼差しでルームミラー越しに親友を見ると、「あまり雲英に迷惑かけるなよ」と注意した。
おそらく海音は雲英に友人として心配をかけていると思うだろう。事実、声をかけられる度に割って入って客をあしらっているのはそういうことかと友人に感謝している。
(汚したくないから大事にしてる相手を横から搔っ攫われそうになったら必死になって当然だ、バ海音)
想いを伝える気はないといっていた雲英の苦労が目に浮かぶと呆れる虎は背後に感じる視線に前を見ながら「なんだ」と尋ねる。
すると海音はなにやら嬉しそうに助手席のシートにもたれかかるよう身を乗り出すと、
「なんだかんだ言って雲英のこと信頼してるよな、お前」
と、滅多に他人に興味を示さない虎が『友人』を大切にしていると喜んでいるようだ。
親友は何処までも頭がお花畑だと思う虎。
だが説明するのも面倒だ。このまま勘違いさせておいた方が無駄な労力を割かれなくて済むと算段した虎は「それなりにな」と当たり障りない返答をした。
「でも改めて考えるとケツにちんこ突っ込むとか怖いな?」
「ヤられる想像でもしたのか?」
「した。今超した。すげぇこえぇ」
自分の尻を振り返る海音に、無理矢理犯されたくなければ今後は危機感を持てと再度注意する。
海音から返ってくるのはそれは当然という言葉。そして、幼馴染を称賛する言葉が続いた。
「葵って度胸あるな。俺なら絶対嫌だもん。お前のちんこ挿れられるとか」
「気色悪いこと言うな。お前相手なんて勃つ以前に吐くぞ」
「いや、そういう意味じゃなくてさ。葵、お前のちんこ見たの昨日が初めてじゃないんだろ? 規格外の巨根だって知っててお前とエッチしたいって相当好きじゃないと無理だなーって思って」
平常時のサイズですら規格外。それが臨戦態勢になったらどうなるのか想像するだけで怖い。
海音の視線は虎の股間に向けられ、視線を感じた虎はギアから手を離し親友の頭に思い切り裏拳を入れてやった。
「! ってぇな!」
「男の股間をまじまじと見るド変態には当然の報いだ」
「変態じゃねぇ! ただどれぐらいでかくなるのか興味があるだけだ!」
「お前、マジで気持ち悪いな」
純粋な好奇心だと喚く海音に虎はドン引きだ。
「ちょ、そんな汚い物見るみたいな目で見るなよ。実際に見たいわけじゃないからな!?」
「当たり前だ。見たいと言った瞬間にお前との縁を切る」
そもそもそのデカさが悩みの種だと言っているのが何故分からないのか。
不機嫌になった虎は眉間に皺を作り口を噤んで車を走らせる。海音はそれをルームミラー越しに確認し、突っ込み過ぎたと反省。
大人しく乗り出していた体勢を戻し後部座席に身を沈めた。
ほとぼりが冷めるまで黙っていようと窓を見れば流れる景色は思っていた場所に向かうものではなく、つい話しかけてしまう。何処に向かっているんだ? と。
「クライストに迎えに行くんだろ?」
「今から向かっても授業が終わるまで1時間以上待つことになるから先に用を済ませる」
「『用』? ……それって葵がらみ?」
念のため確認すれば、肯定の言葉が返ってくる。ブレることのない親友に海音は笑う。
「何笑ってる」
「いや、お前に葵が絡まない用事ってあったかな? って思っただけ。で、何しに何処に行くんだ?」
「チズルのチーズケーキを買いに行く」
「ん? チズルのチーズケーキって桔梗の大好物だよな? ……ああ、そうか。ご機嫌取りか!」
理解できたと笑う海音に、察しが良くて腹が立つのは何故だろう。
きっと海音的には友人が勤めている店だから安心しているのかもしれないが、あまりにも危機感が無さ過ぎる。
「お前、マジで気をつけろよ」
「? 何を?」
「相手に男同士のセックスに興味があると思われてるぞ、絶対」
「ああ、そういうヤツね。それは大丈夫だって。俺、女の子が好きだって最初に説明してるし」
説明した上で男同士のセックスについて教えてもらっていたという海音に、虎は「阿呆」と盛大な溜め息を吐いた。
「お前はそうでも、相手はそう思っていないことを考えろ」
「まぁそうだけどさ、でも俺男には絶対勃たねぇし、勃たなけりゃどうにもできねぇじゃん?」
「お前が勃たなくても相手が勃ちゃセックスはできるだろうが」
「! 言われてみればそうだな!?」
目から鱗だと言わんばかりに驚いた顔をしている海音はやっぱり馬鹿だと虎は思う。
憐れみにも似た眼差しでルームミラー越しに親友を見ると、「あまり雲英に迷惑かけるなよ」と注意した。
おそらく海音は雲英に友人として心配をかけていると思うだろう。事実、声をかけられる度に割って入って客をあしらっているのはそういうことかと友人に感謝している。
(汚したくないから大事にしてる相手を横から搔っ攫われそうになったら必死になって当然だ、バ海音)
想いを伝える気はないといっていた雲英の苦労が目に浮かぶと呆れる虎は背後に感じる視線に前を見ながら「なんだ」と尋ねる。
すると海音はなにやら嬉しそうに助手席のシートにもたれかかるよう身を乗り出すと、
「なんだかんだ言って雲英のこと信頼してるよな、お前」
と、滅多に他人に興味を示さない虎が『友人』を大切にしていると喜んでいるようだ。
親友は何処までも頭がお花畑だと思う虎。
だが説明するのも面倒だ。このまま勘違いさせておいた方が無駄な労力を割かれなくて済むと算段した虎は「それなりにな」と当たり障りない返答をした。
「でも改めて考えるとケツにちんこ突っ込むとか怖いな?」
「ヤられる想像でもしたのか?」
「した。今超した。すげぇこえぇ」
自分の尻を振り返る海音に、無理矢理犯されたくなければ今後は危機感を持てと再度注意する。
海音から返ってくるのはそれは当然という言葉。そして、幼馴染を称賛する言葉が続いた。
「葵って度胸あるな。俺なら絶対嫌だもん。お前のちんこ挿れられるとか」
「気色悪いこと言うな。お前相手なんて勃つ以前に吐くぞ」
「いや、そういう意味じゃなくてさ。葵、お前のちんこ見たの昨日が初めてじゃないんだろ? 規格外の巨根だって知っててお前とエッチしたいって相当好きじゃないと無理だなーって思って」
平常時のサイズですら規格外。それが臨戦態勢になったらどうなるのか想像するだけで怖い。
海音の視線は虎の股間に向けられ、視線を感じた虎はギアから手を離し親友の頭に思い切り裏拳を入れてやった。
「! ってぇな!」
「男の股間をまじまじと見るド変態には当然の報いだ」
「変態じゃねぇ! ただどれぐらいでかくなるのか興味があるだけだ!」
「お前、マジで気持ち悪いな」
純粋な好奇心だと喚く海音に虎はドン引きだ。
「ちょ、そんな汚い物見るみたいな目で見るなよ。実際に見たいわけじゃないからな!?」
「当たり前だ。見たいと言った瞬間にお前との縁を切る」
そもそもそのデカさが悩みの種だと言っているのが何故分からないのか。
不機嫌になった虎は眉間に皺を作り口を噤んで車を走らせる。海音はそれをルームミラー越しに確認し、突っ込み過ぎたと反省。
大人しく乗り出していた体勢を戻し後部座席に身を沈めた。
ほとぼりが冷めるまで黙っていようと窓を見れば流れる景色は思っていた場所に向かうものではなく、つい話しかけてしまう。何処に向かっているんだ? と。
「クライストに迎えに行くんだろ?」
「今から向かっても授業が終わるまで1時間以上待つことになるから先に用を済ませる」
「『用』? ……それって葵がらみ?」
念のため確認すれば、肯定の言葉が返ってくる。ブレることのない親友に海音は笑う。
「何笑ってる」
「いや、お前に葵が絡まない用事ってあったかな? って思っただけ。で、何しに何処に行くんだ?」
「チズルのチーズケーキを買いに行く」
「ん? チズルのチーズケーキって桔梗の大好物だよな? ……ああ、そうか。ご機嫌取りか!」
理解できたと笑う海音に、察しが良くて腹が立つのは何故だろう。
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最新話を読んだんですが、葵君が好きを自覚したのに呆気なく終わってしまったことや、虎さんとお姉ちゃんのことを誤解してしまった所がすごく読んでいて辛かったし正直涙が出ました。でもこれからまた誤解を解いていって葵君には幸せになって貰いたい。
感想ありがとうございます。
今から少しすれ違いが続きますが、最後はハッピーエンドの予定なのでどうぞ見届けていただければと思います!