2 / 2
倉庫のカギ2
しおりを挟む
「狭いですけど、どうぞ。その辺に椅子あると思うんで、座っててください。今お茶出しますから。」
六畳程度の白く狭い事務所。目を凝らすとかすかにホコリが待っているのが確認でき、あまり掃除をしていないことがわかる。
日下部(兄)は大きな図体を縮こまらせながら小さくお辞儀して、錆びたパイプ椅子にギシッと腰かけた。あまりに大きい音を立てたものだから、どこか壊したのかもしれないと思ってか少し慌てている。古いだけだから安心してほしい。
冷蔵庫を確認したところ飲み物は出勤前にオレが買ってきた飲みかけの黒豆茶しかなく、お茶を出すといった手前やっぱなかったわ、と言う勇気もないのでしぶしぶ紙コップに注いだ。ばれなきゃいいか。
「はい。」
オレは日下部(兄)にオレの飲みかけ茶を差し出した。
「すいません、ありがとうございます。」
コップを置いたオレの手に向かって頭を下げ、もう一度紙コップにも頭を下げた。
随分と混乱しているんだろうなぁ...渡したコップに手も付けず、ただずっとうなだれている姿にオレはなんだか胸が苦しくなった。見たところ20代前半、新卒社会人といったところか。縮こまった背筋が180センチを優に超える大男を小さく見せる。自分の身内が犯罪まがいの事件を起こして、こんな早朝から謝罪にくるだなんて、可哀想なんてことばじゃ表しきれないほど不憫に思えた。
せめて優しくしてやろう。多分片桐君ならそうする。オレは心の師匠に誓い、明るい話題を振ることにした。
「日下部さんは二人兄弟なんですか?」
日下部(兄)は困り眉のまま少し笑って答えた。
「はい、そうなんです。僕ら二人とも父親が違くて、母が早くに亡くなったんですけど、何とか二人で支えあった来て。あの子も、本当は、根はいい子なんです。」
「ホストに通い始める前までは。」
しまった。明るい話題を、と思ったが地雷を踏み抜いたようだ。まさか家族構成を聞いただけでこんな重苦しいエピソードが出てくるとは思わなかった。オレと日下部(兄)の表情が一気に青ざめていく。
というか、この話の流れで行くと、片桐君ってホストなんじゃないだろうか。だからあんなにコミュニケーションをとるのが上手いのか。納得がいった途端、片桐君に対しなんとも言えない苦手意識が芽生え始めた。
「あ、それは。そうだったんですね。大変ですね、いや、ははは。」
乾いた笑いしか出なかった。まずい。上手い言葉が何も見つからない。なにか別の方向に話題を変えないと、店長が来るまでこのままだなんて絶対に耐えられない。
「あ、スーツ着てらっしゃいますけど、これからお仕事ですか?」
日下部(兄)はハッと思い出したような顔をして、いそいそと手持ちの鞄から財布出して、硬い動きで白い薄紙取り出した。
「そうなんです。申し遅れましたが私こちらの会社に勤める日下部祐樹です。」
薄く汗をかいた手で受け取った、人生初の名刺には誰もが知るあの大手家電量販店の企業名が書いてあった。
漫画家を夢見て千葉の蘇我から上京し、いまだ何も成し遂げられていない28歳のフリーターのオレ。
かたや大手企業の新卒営業部という肩書を持ち、恵まれた容姿とこの体躯で波乱万丈の人生を送る目の前の青年。なぜだがすべてにおいて負けた気がした。
「あっ...あー。丁寧にどうもすいません。いやぁ、はは。そっか。こんな大手企業に!すごいねー。忙しいでしょ結構...」
「まぁ...そうですね。特に今はいろんなことが重なってて、大変です。」
つらそうな顔を無理やりくしゃっと歪ませて笑う顔には多くの苦労が見えた。こんなエリートでも人並み以上の辛さを抱えているようだ。やつれてこけた頬に、濃く刻まれた青いクマは、おそらく一朝一夕でついたものではないだろう。
何年前かの、オレが大学生だったころ、睡眠障害を患った友人があんなかんじで弱っていくのを見たことがある。そいつはゼミの先生の嫌がらせによるストレスが原因だったが、目の前の彼は大丈夫だろうか。断定するには早すぎるが、ここまで体調不良が顕著にみられるようだと少し心配になる。
「さっきも言いましたけど、妹さんのことは何とかなると思いますから安心してください。店長も話せばわかるタイプなんで、きっと大丈夫ですよ。」
オレは安い慰めの言葉をかけた。頭を必死に巡らせても最終学歴Fラン卒のオレではこれが限界だった。
日下部(兄)はそんなオレの言葉を聞いて、一瞬顔を和らげたが、また先ほどの暗い表情に戻ってしまった。
あと一声かけようか、という時に後方から、大きな足音とともに事務所のドアが開く音がした。
オレと同い年でオレよりも貫禄のある体型をしているズワイガニマート八広二丁目店の店長、曾根田さんだ。オレと趣味嗜好が似ていてオレより仕事ができる。この人もこの人でオレの劣等感を煽る、嫌いになりきれない存在だ。
「長谷川君、おまたせ!いや~、大変だったね!ここからは対応かわるから営業続けてていいよ。」
「あっ、す。はい。」
日下部(兄)のことは少し気がかりだが、正直この後自分にできることは何一つないので事の詳細を引き継ぎ、オレは営業を再開した。
ごたついていたせいで1時間近く仕事が押してしまっているので、正直この作業いらないだろうと思ったものは省いていく。改めて組み立てたスケジュールなら退勤時間にはなんとか最低限の仕事が終わっているだろう。
ミスがあったら店長のせいにすればいい。なぜならオレはまだ新人扱いだからだ。
ぜったいやらなきゃならない農産品出し、冷凍便品出し、商品の見切りの3つの仕事が終わり、次の時間のパートの三谷さんがきたので、オレはいそいそと帰る用意をする。更衣の時間も勤務時間に含まれるので、実質早めに着替えてても問題はない。更衣室の壁の黄色いシミを見ながら「こういう周りがバタついてるときって、意外と自分だけ冷静に作業できたりするよなー。いつもはミス多いのに。」とか、「日下部(妹)の方大丈夫かなー。つかまったのかなー。」とか考えつつエプロンをたたむ。
今日は仕事量に加えて精神的疲労が多くて疲れた。早く帰って二度寝しよう。そう思い、オレは肩をパキッと鳴らしてタイムカードを切りに向かう。
事務所に入ると、ちょうど店長と日下部(兄)の話し合いが終わったタイミングだったようで、狭い事務所に男が三人も立ち往生している状態だった。
「じゃあそんな感じで。妹さんの方無事に収まるといいですね!」
「はい。お騒がせして大変申し訳ありませんでした。」
体を最小限に細くして奥へと進み、急いで退勤する。店長に捕まると長いのであまり刺激しないようにそっと帰ろうとした。しかし、逃げられなかった。
「あ、そうだ長谷川君!今週の木曜日の深夜の時間帯なんだけどそこだけシフトあいちゃててさ、入れたりしないかな?」
「いや、はは。どうですかね。うーん。ちょっと予定確認しないとわかんないですかね...」
自分自身の最大の難しい表情をしてみるも効果はなく、
「いまちょっと確認できたりしない?スマホ持ってるっしょ?」
と、長々と尋問を受け、結局5分以上も無駄話をさせられた。その間に日下部(兄)はとっくに店から出て行ってしまった。お節介とは思うがやはり心配で一言声くらいをかけていこうと思ったのだが、どうやら無理のようだ。
まぁ、こんなアラサーに話しかけられても気持ち悪いか。
多少の気がかりを抱え店の自動ドアを通ると、冷たい風が首のあたりをスッと通りすぎていった。
もうとっくに春のはずなのだが、今年は例年よりも寒波が長続きするようでまだ寒さがこたえる。オレは肩をすくめ、パーカーのポケットに手を突っ込んでアパートまでの道のりを歩き出した。
しかし、朝から何も食べていないので流石に腹が減った。手持ちの金もあるし、コンビニでも寄ろうかな。と後ろを振り返った時、大柄なスーツの男がしゃがみこんでいるのが視界の端に映った。
その姿は間違いなく、既に帰ったと思われた日下部(兄)の姿だった。
「ちょっ...と、大丈夫ですか!?」
どこか怪我をしているのかと思い、急いで駆け寄る。かすかに鼻をすする音がする。もしかして泣いてるのか??
さすがにこんな状態だと放っておけない。
肩をたたきながら声をかけ、すすり泣く彼の背を撫でた。
少したって日下部(兄)は今の状況に気づいたようでいきなり立ち上がった。
「ご、ごめんなさい。ちょっ、と。疲れが来ちゃっただけで、こんなつもりじゃ。」
ぐすっ、と息を吸いながら涙が止まらない様子で話をする彼の姿に、涙腺が刺激されてオレまで泣きそうになる。
ただちょっと、このままだと端から見れば男を泣かせる男のような図が出来上がってしまうので、なんとか説得してネカフェに連れて行くことにした。
六畳程度の白く狭い事務所。目を凝らすとかすかにホコリが待っているのが確認でき、あまり掃除をしていないことがわかる。
日下部(兄)は大きな図体を縮こまらせながら小さくお辞儀して、錆びたパイプ椅子にギシッと腰かけた。あまりに大きい音を立てたものだから、どこか壊したのかもしれないと思ってか少し慌てている。古いだけだから安心してほしい。
冷蔵庫を確認したところ飲み物は出勤前にオレが買ってきた飲みかけの黒豆茶しかなく、お茶を出すといった手前やっぱなかったわ、と言う勇気もないのでしぶしぶ紙コップに注いだ。ばれなきゃいいか。
「はい。」
オレは日下部(兄)にオレの飲みかけ茶を差し出した。
「すいません、ありがとうございます。」
コップを置いたオレの手に向かって頭を下げ、もう一度紙コップにも頭を下げた。
随分と混乱しているんだろうなぁ...渡したコップに手も付けず、ただずっとうなだれている姿にオレはなんだか胸が苦しくなった。見たところ20代前半、新卒社会人といったところか。縮こまった背筋が180センチを優に超える大男を小さく見せる。自分の身内が犯罪まがいの事件を起こして、こんな早朝から謝罪にくるだなんて、可哀想なんてことばじゃ表しきれないほど不憫に思えた。
せめて優しくしてやろう。多分片桐君ならそうする。オレは心の師匠に誓い、明るい話題を振ることにした。
「日下部さんは二人兄弟なんですか?」
日下部(兄)は困り眉のまま少し笑って答えた。
「はい、そうなんです。僕ら二人とも父親が違くて、母が早くに亡くなったんですけど、何とか二人で支えあった来て。あの子も、本当は、根はいい子なんです。」
「ホストに通い始める前までは。」
しまった。明るい話題を、と思ったが地雷を踏み抜いたようだ。まさか家族構成を聞いただけでこんな重苦しいエピソードが出てくるとは思わなかった。オレと日下部(兄)の表情が一気に青ざめていく。
というか、この話の流れで行くと、片桐君ってホストなんじゃないだろうか。だからあんなにコミュニケーションをとるのが上手いのか。納得がいった途端、片桐君に対しなんとも言えない苦手意識が芽生え始めた。
「あ、それは。そうだったんですね。大変ですね、いや、ははは。」
乾いた笑いしか出なかった。まずい。上手い言葉が何も見つからない。なにか別の方向に話題を変えないと、店長が来るまでこのままだなんて絶対に耐えられない。
「あ、スーツ着てらっしゃいますけど、これからお仕事ですか?」
日下部(兄)はハッと思い出したような顔をして、いそいそと手持ちの鞄から財布出して、硬い動きで白い薄紙取り出した。
「そうなんです。申し遅れましたが私こちらの会社に勤める日下部祐樹です。」
薄く汗をかいた手で受け取った、人生初の名刺には誰もが知るあの大手家電量販店の企業名が書いてあった。
漫画家を夢見て千葉の蘇我から上京し、いまだ何も成し遂げられていない28歳のフリーターのオレ。
かたや大手企業の新卒営業部という肩書を持ち、恵まれた容姿とこの体躯で波乱万丈の人生を送る目の前の青年。なぜだがすべてにおいて負けた気がした。
「あっ...あー。丁寧にどうもすいません。いやぁ、はは。そっか。こんな大手企業に!すごいねー。忙しいでしょ結構...」
「まぁ...そうですね。特に今はいろんなことが重なってて、大変です。」
つらそうな顔を無理やりくしゃっと歪ませて笑う顔には多くの苦労が見えた。こんなエリートでも人並み以上の辛さを抱えているようだ。やつれてこけた頬に、濃く刻まれた青いクマは、おそらく一朝一夕でついたものではないだろう。
何年前かの、オレが大学生だったころ、睡眠障害を患った友人があんなかんじで弱っていくのを見たことがある。そいつはゼミの先生の嫌がらせによるストレスが原因だったが、目の前の彼は大丈夫だろうか。断定するには早すぎるが、ここまで体調不良が顕著にみられるようだと少し心配になる。
「さっきも言いましたけど、妹さんのことは何とかなると思いますから安心してください。店長も話せばわかるタイプなんで、きっと大丈夫ですよ。」
オレは安い慰めの言葉をかけた。頭を必死に巡らせても最終学歴Fラン卒のオレではこれが限界だった。
日下部(兄)はそんなオレの言葉を聞いて、一瞬顔を和らげたが、また先ほどの暗い表情に戻ってしまった。
あと一声かけようか、という時に後方から、大きな足音とともに事務所のドアが開く音がした。
オレと同い年でオレよりも貫禄のある体型をしているズワイガニマート八広二丁目店の店長、曾根田さんだ。オレと趣味嗜好が似ていてオレより仕事ができる。この人もこの人でオレの劣等感を煽る、嫌いになりきれない存在だ。
「長谷川君、おまたせ!いや~、大変だったね!ここからは対応かわるから営業続けてていいよ。」
「あっ、す。はい。」
日下部(兄)のことは少し気がかりだが、正直この後自分にできることは何一つないので事の詳細を引き継ぎ、オレは営業を再開した。
ごたついていたせいで1時間近く仕事が押してしまっているので、正直この作業いらないだろうと思ったものは省いていく。改めて組み立てたスケジュールなら退勤時間にはなんとか最低限の仕事が終わっているだろう。
ミスがあったら店長のせいにすればいい。なぜならオレはまだ新人扱いだからだ。
ぜったいやらなきゃならない農産品出し、冷凍便品出し、商品の見切りの3つの仕事が終わり、次の時間のパートの三谷さんがきたので、オレはいそいそと帰る用意をする。更衣の時間も勤務時間に含まれるので、実質早めに着替えてても問題はない。更衣室の壁の黄色いシミを見ながら「こういう周りがバタついてるときって、意外と自分だけ冷静に作業できたりするよなー。いつもはミス多いのに。」とか、「日下部(妹)の方大丈夫かなー。つかまったのかなー。」とか考えつつエプロンをたたむ。
今日は仕事量に加えて精神的疲労が多くて疲れた。早く帰って二度寝しよう。そう思い、オレは肩をパキッと鳴らしてタイムカードを切りに向かう。
事務所に入ると、ちょうど店長と日下部(兄)の話し合いが終わったタイミングだったようで、狭い事務所に男が三人も立ち往生している状態だった。
「じゃあそんな感じで。妹さんの方無事に収まるといいですね!」
「はい。お騒がせして大変申し訳ありませんでした。」
体を最小限に細くして奥へと進み、急いで退勤する。店長に捕まると長いのであまり刺激しないようにそっと帰ろうとした。しかし、逃げられなかった。
「あ、そうだ長谷川君!今週の木曜日の深夜の時間帯なんだけどそこだけシフトあいちゃててさ、入れたりしないかな?」
「いや、はは。どうですかね。うーん。ちょっと予定確認しないとわかんないですかね...」
自分自身の最大の難しい表情をしてみるも効果はなく、
「いまちょっと確認できたりしない?スマホ持ってるっしょ?」
と、長々と尋問を受け、結局5分以上も無駄話をさせられた。その間に日下部(兄)はとっくに店から出て行ってしまった。お節介とは思うがやはり心配で一言声くらいをかけていこうと思ったのだが、どうやら無理のようだ。
まぁ、こんなアラサーに話しかけられても気持ち悪いか。
多少の気がかりを抱え店の自動ドアを通ると、冷たい風が首のあたりをスッと通りすぎていった。
もうとっくに春のはずなのだが、今年は例年よりも寒波が長続きするようでまだ寒さがこたえる。オレは肩をすくめ、パーカーのポケットに手を突っ込んでアパートまでの道のりを歩き出した。
しかし、朝から何も食べていないので流石に腹が減った。手持ちの金もあるし、コンビニでも寄ろうかな。と後ろを振り返った時、大柄なスーツの男がしゃがみこんでいるのが視界の端に映った。
その姿は間違いなく、既に帰ったと思われた日下部(兄)の姿だった。
「ちょっ...と、大丈夫ですか!?」
どこか怪我をしているのかと思い、急いで駆け寄る。かすかに鼻をすする音がする。もしかして泣いてるのか??
さすがにこんな状態だと放っておけない。
肩をたたきながら声をかけ、すすり泣く彼の背を撫でた。
少したって日下部(兄)は今の状況に気づいたようでいきなり立ち上がった。
「ご、ごめんなさい。ちょっ、と。疲れが来ちゃっただけで、こんなつもりじゃ。」
ぐすっ、と息を吸いながら涙が止まらない様子で話をする彼の姿に、涙腺が刺激されてオレまで泣きそうになる。
ただちょっと、このままだと端から見れば男を泣かせる男のような図が出来上がってしまうので、なんとか説得してネカフェに連れて行くことにした。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる