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第109話 帰り道 吸血鬼
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「じゃあまた遊びに来るよ!」
「ショウが遊びに来るのか僕が遊びに行くのか分からないよね、今回も楽しかったよ」
「私も貴重な体験をさせて頂きました。また機会があれば是非!」
二人のバイクは地下室から出しても問題なく動いた。
これだけで相当稼げそうだな…商売したら…
リディを起こすだけの話から随分遊んだもんだ。
でもゼルといると心地いいんだよな。王様って大体こんな感じ?
そんな事を考えながら地下室を運転していると前方に何か黒いものが落ちている。
うーん…棺だな…これあれだろ。流れ的に四天王だろ。
吸血鬼とか言ってたし日中は外出られないとか?
放置しておいても良いけど少し興味あるしちょっと会って行くか。
僕は回収スキルを使って棺を回収した。
ボフっという音と共に棺が落下、転がって蓋が開き、女の子がゴロゴロと転がって壁に当たって止まった。
最悪の目覚めだろうな…誰だよこんな酷いことすんの。
「いったぁい!!何?何なのよ!?」
真っ白の髪、黒のミニドレスにガーターベルト、ニーソックス、牙が生えた吸血鬼だが何か幼いような…
「おはよう、君吸血鬼のエリザ?違ったら普通にごめんなんだけど」
「え?人間?えっと…我はエリザ・ブラッドフォール、赤き月より舞い降りし我になんの用だ…薄っぺらい血でも献上するとでも言うのか…」
おいおい、無理すんな無理すんな。
「シルヴィアさんに見つけたらたまには帰ってこいって伝えてって言われてたから回収したよ。ここは僕のユニークスキルの中」
「シルヴィアに!?えー…めんど…しかしなんという起こし方をするんだお前、高貴な我にこのような無礼…死ぬ覚悟は出来ているのか?」
なんかブレブレじゃない?寝起きで調子出ないの?
「思ったよりスマートに回収出来なかったんだよ。僕は冒険者のショウ、魔王のゼルと遊んで帰る途中に君を見つけたの」
「魔王様と?そのひ弱そうな身体でか?冗談はやめておけ」
否定はしないが改めて言われると良い気はしない。
これは分からせてやるか…
「ちょっと僕のスキルを見てほしいんだけど」
僕はフルバーストの用意、地面透視を使って天井を開けた。
「ちょっとあの綺麗な空を見ててね」
僕は空に向かってフルバーストを叩き込んだ。
光よりも早いスピードで打ち出される玉は毎度の如く空に穴を開けたのだった。
唖然としたエリザは不安な顔をしながら口を開いた。
「なにそれ…高貴な我でもあの…ビビるんですけど…家に帰しておくれやす…」
おくれやす?もう普通に喋れば?
しかし地下室に来て帰りたいって言った人初めてだな。
「まあ帰ってこいって話だったから帰ってくれるならそれはそれで良いんだけど、なんであんな場所で寝てたの?」
僕はミルクティーを差し出しながら疑問を投げかける。
「我は眠かったらから寝ていたのだ、太陽のヤツも眩しくて敵わん、しかしこの飲み物大丈夫か?その、体液が止まらなくなるとかないか?」
何が止まらなくなるって?そんな残酷なドリンク飲ませる訳ないでしょ?
恐る恐る口を付けたエリザだったが一口飲むと気に入ったらしくどんどんおかわりを要求してきた。
あそこの機械から沸くよとドリンクバーを紹介したところ楽しくなったようで色々混ぜて飲んでいる。
メロンソーダとカルピス混ぜると美味しいよね。
「な、中々の味じゃな。我がブラックホール家にも一つ欲しいくらいじゃ。」
砂漠で遭難した人くらいガブガブ飲んで良く言うな。あと家名が黒い穴に変わったね。離婚でもした?
「我を満足させられるかは分からんがこの施設案内されたし。」
されたし…?
「いや無理に見なくてもいいよ、シルヴィアさん心配してたみたいだし帰れば?」
なんか意地悪したくなる衝動に狩られてしまう、この子の前ではね!
「え、えーと…と、とりあえず見て行くの!案内されたし!されたし!」
感情ごちゃごちゃになってる吸血鬼なんか可愛い。
僕は絶対に好きだという自信を持ってUFOキャッチャーに案内する。絶対好きだもんぬいぐるみ。
「わぁ!何これ!すごい可愛い!ねぇ我これ欲しい!取られたし!」
ブラックホール家の吸血鬼は随分と可愛いものがお好きなようですね。
「このウサギが欲しいの?何色?」
「し、我は誇り高きヴァンパイアだからな、無論赤を所望する」
し?白いのが欲しいの?確かに赤いウサギは暗黒面に落ちたみたいな顔してるよね。
僕は3回で白いウサギを獲得、その様子を目をキラキラさせながら見るエリザ、可愛い顔するじゃないか。
「ほい、間違えて白いのとっちゃったよ。色違いだけど良いでしょ?」
「か、構わないぞ!白も血の色と言えばそうだからな!礼を言うぞ!ありがとう!!」
何回ろ過すると血って白になんの?
「今度は我も挑戦したい、でもお金あんまりない…」
少しションボリするエリザ、いいよお金いっぱいあるから。
「やってみなよ、お金あげるから」
「ありがたし!!お礼は後ほど!!」
なんかキャラが定まってないけど元々こんな不安定な娘なのかな…。
「全然取れないよぉー!ショウ取って!この高潔な血の色の青いクマさん!!」
まあ任せろと僕はサクッと獲得しエリザに渡す。二体の血の色をした白と青のウサギとクマをもって幸せそうだ。
「ショウと言ったか?我はとても満足じゃ、もっと楽しい場所があったら案内してほしいかも…だめかな…?いや、されたし!!」
なんか一周回って面白いぞこの吸血鬼。
良いだろう!たまには子供と遊んでみよう!
「ショウが遊びに来るのか僕が遊びに行くのか分からないよね、今回も楽しかったよ」
「私も貴重な体験をさせて頂きました。また機会があれば是非!」
二人のバイクは地下室から出しても問題なく動いた。
これだけで相当稼げそうだな…商売したら…
リディを起こすだけの話から随分遊んだもんだ。
でもゼルといると心地いいんだよな。王様って大体こんな感じ?
そんな事を考えながら地下室を運転していると前方に何か黒いものが落ちている。
うーん…棺だな…これあれだろ。流れ的に四天王だろ。
吸血鬼とか言ってたし日中は外出られないとか?
放置しておいても良いけど少し興味あるしちょっと会って行くか。
僕は回収スキルを使って棺を回収した。
ボフっという音と共に棺が落下、転がって蓋が開き、女の子がゴロゴロと転がって壁に当たって止まった。
最悪の目覚めだろうな…誰だよこんな酷いことすんの。
「いったぁい!!何?何なのよ!?」
真っ白の髪、黒のミニドレスにガーターベルト、ニーソックス、牙が生えた吸血鬼だが何か幼いような…
「おはよう、君吸血鬼のエリザ?違ったら普通にごめんなんだけど」
「え?人間?えっと…我はエリザ・ブラッドフォール、赤き月より舞い降りし我になんの用だ…薄っぺらい血でも献上するとでも言うのか…」
おいおい、無理すんな無理すんな。
「シルヴィアさんに見つけたらたまには帰ってこいって伝えてって言われてたから回収したよ。ここは僕のユニークスキルの中」
「シルヴィアに!?えー…めんど…しかしなんという起こし方をするんだお前、高貴な我にこのような無礼…死ぬ覚悟は出来ているのか?」
なんかブレブレじゃない?寝起きで調子出ないの?
「思ったよりスマートに回収出来なかったんだよ。僕は冒険者のショウ、魔王のゼルと遊んで帰る途中に君を見つけたの」
「魔王様と?そのひ弱そうな身体でか?冗談はやめておけ」
否定はしないが改めて言われると良い気はしない。
これは分からせてやるか…
「ちょっと僕のスキルを見てほしいんだけど」
僕はフルバーストの用意、地面透視を使って天井を開けた。
「ちょっとあの綺麗な空を見ててね」
僕は空に向かってフルバーストを叩き込んだ。
光よりも早いスピードで打ち出される玉は毎度の如く空に穴を開けたのだった。
唖然としたエリザは不安な顔をしながら口を開いた。
「なにそれ…高貴な我でもあの…ビビるんですけど…家に帰しておくれやす…」
おくれやす?もう普通に喋れば?
しかし地下室に来て帰りたいって言った人初めてだな。
「まあ帰ってこいって話だったから帰ってくれるならそれはそれで良いんだけど、なんであんな場所で寝てたの?」
僕はミルクティーを差し出しながら疑問を投げかける。
「我は眠かったらから寝ていたのだ、太陽のヤツも眩しくて敵わん、しかしこの飲み物大丈夫か?その、体液が止まらなくなるとかないか?」
何が止まらなくなるって?そんな残酷なドリンク飲ませる訳ないでしょ?
恐る恐る口を付けたエリザだったが一口飲むと気に入ったらしくどんどんおかわりを要求してきた。
あそこの機械から沸くよとドリンクバーを紹介したところ楽しくなったようで色々混ぜて飲んでいる。
メロンソーダとカルピス混ぜると美味しいよね。
「な、中々の味じゃな。我がブラックホール家にも一つ欲しいくらいじゃ。」
砂漠で遭難した人くらいガブガブ飲んで良く言うな。あと家名が黒い穴に変わったね。離婚でもした?
「我を満足させられるかは分からんがこの施設案内されたし。」
されたし…?
「いや無理に見なくてもいいよ、シルヴィアさん心配してたみたいだし帰れば?」
なんか意地悪したくなる衝動に狩られてしまう、この子の前ではね!
「え、えーと…と、とりあえず見て行くの!案内されたし!されたし!」
感情ごちゃごちゃになってる吸血鬼なんか可愛い。
僕は絶対に好きだという自信を持ってUFOキャッチャーに案内する。絶対好きだもんぬいぐるみ。
「わぁ!何これ!すごい可愛い!ねぇ我これ欲しい!取られたし!」
ブラックホール家の吸血鬼は随分と可愛いものがお好きなようですね。
「このウサギが欲しいの?何色?」
「し、我は誇り高きヴァンパイアだからな、無論赤を所望する」
し?白いのが欲しいの?確かに赤いウサギは暗黒面に落ちたみたいな顔してるよね。
僕は3回で白いウサギを獲得、その様子を目をキラキラさせながら見るエリザ、可愛い顔するじゃないか。
「ほい、間違えて白いのとっちゃったよ。色違いだけど良いでしょ?」
「か、構わないぞ!白も血の色と言えばそうだからな!礼を言うぞ!ありがとう!!」
何回ろ過すると血って白になんの?
「今度は我も挑戦したい、でもお金あんまりない…」
少しションボリするエリザ、いいよお金いっぱいあるから。
「やってみなよ、お金あげるから」
「ありがたし!!お礼は後ほど!!」
なんかキャラが定まってないけど元々こんな不安定な娘なのかな…。
「全然取れないよぉー!ショウ取って!この高潔な血の色の青いクマさん!!」
まあ任せろと僕はサクッと獲得しエリザに渡す。二体の血の色をした白と青のウサギとクマをもって幸せそうだ。
「ショウと言ったか?我はとても満足じゃ、もっと楽しい場所があったら案内してほしいかも…だめかな…?いや、されたし!!」
なんか一周回って面白いぞこの吸血鬼。
良いだろう!たまには子供と遊んでみよう!
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