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「恋愛が嫌なら、別の趣味を探すしかないね。」
「趣味か……、読書も飽きたし、何か別のことを始めようかな……悪くないかもね」
市場に出回っている本は、庶民では手が出せないほど高価だ。
そのため需要は低く、刊行速度も遅い。おのずとマリオンが興味を惹く本は限られていた。学校には図書室もあったが、その蔵書は過去に読んだことがあるものが殆どあり、食指は動かなかった。
「奴隷とかは? ここに来る前に、奴隷商でマリオンが気に入りそうな女の子を見かけたよ。買ってきてあげようか? それとも娼館でも入ってみる? 王都なら、貴族が通っているような高級店も多いよ」
「それ恋愛と殆ど変わらなくない? ……いらないよ。こう見えても、女の子からモテるんだからね?」
「そうそう。その奴隷、胸が大きかったよ?」
「え、ほんと? ……いや、いらないってば!!」
兄ルークスは数日間、屋敷に滞在した後「マリオン、またね」と言って出て行った。
(兄様も変わらないなぁ……)
兄が寝泊まりしていた客間から、メイドが複数の手紙を発見した。全て差出人は男であり、おそらくはラブレターだ。
マリオンは手紙の中身を読んでしまいたいという誘惑に駆られながら、机の上で頬杖を突いた。
おそらくは今回の王都訪問も、マリオンに逢うという口実で、王都の男と逢引きするつもりだったのだろう。兄も数年前にマリオンが通っている学校を卒業したので、王都には沢山愛人がいると言っていた。「家名に泥を塗るつもりか!」と父に叱責されたばかりだというのに、懲りない人だ。
数日は泊まって話し相手になってくれたし、少しは気にかけてくれたのだろうけど、そのような理由がなければ動かない人だということは良く知っている。
とにかくルークスという男は恋愛脳なのだ。
「兄様らしいって言えばそうだけど……」
もっと大好きな兄に構って欲しかったマリオンは寂しくてたまらなかった。
昔からそうだった。遊んで欲しくて付き纏っても、ルークスは男と遊ぶことに忙しく、婚約者であるセリーヌも女の子ばかり見て、マリオンのことはあまり構ってくれなかった。
嫉妬に駆られて「兄様といっしょに男遊びをしたら、セリーヌも心配して振り向いてくれるかな?」と馬鹿なことを思ったりしたこともあったけど、マリオンは女の子が好きだったし、大好きな兄を自分から奪った男は嫌いだった。そもそも、家族以外の男に触れられると、虫唾が走るのだ。
なので、諦めて我慢するしかなかった。
「うーん……。僕も今年で16歳だ。大人の男になるためには、兄様の行動力を見習うべきなのかな」
少なくとも、憂鬱な気分のまま、家の中に閉じ籠るのは不健康な気がした。日を浴びるような気晴らしが必要なのかもしれないと、マリオンは学校が休みということもあり、散策をしようと城下町へ赴いた。
ちょっとだけ。そう、ほんのちょっとだけ好奇心に駆られて、兄がオススメした奴隷商の案内で女奴隷を見た。
服の上からでも膨らみが目立つ巨乳に目は釘付けとなり、買うかどうか迷ったが、結局、買うのは断念した。処女がいいというわけではなかったが、今まで何人もの男に抱かれて、頭がおかしくなっているのか、いきなりマリオンを見るなりズボンを脱がせようとしてきたので、マリオンは驚いて、奴隷を買う意欲が萎んでしまった。
そもそも、女奴隷の巨乳に惹かれるものはあったが、その女奴隷はマリオンの好みから少々外れており、一夜限りの関係ならともかく、キスをしたいとさえ思えなかった。
「趣味か……、読書も飽きたし、何か別のことを始めようかな……悪くないかもね」
市場に出回っている本は、庶民では手が出せないほど高価だ。
そのため需要は低く、刊行速度も遅い。おのずとマリオンが興味を惹く本は限られていた。学校には図書室もあったが、その蔵書は過去に読んだことがあるものが殆どあり、食指は動かなかった。
「奴隷とかは? ここに来る前に、奴隷商でマリオンが気に入りそうな女の子を見かけたよ。買ってきてあげようか? それとも娼館でも入ってみる? 王都なら、貴族が通っているような高級店も多いよ」
「それ恋愛と殆ど変わらなくない? ……いらないよ。こう見えても、女の子からモテるんだからね?」
「そうそう。その奴隷、胸が大きかったよ?」
「え、ほんと? ……いや、いらないってば!!」
兄ルークスは数日間、屋敷に滞在した後「マリオン、またね」と言って出て行った。
(兄様も変わらないなぁ……)
兄が寝泊まりしていた客間から、メイドが複数の手紙を発見した。全て差出人は男であり、おそらくはラブレターだ。
マリオンは手紙の中身を読んでしまいたいという誘惑に駆られながら、机の上で頬杖を突いた。
おそらくは今回の王都訪問も、マリオンに逢うという口実で、王都の男と逢引きするつもりだったのだろう。兄も数年前にマリオンが通っている学校を卒業したので、王都には沢山愛人がいると言っていた。「家名に泥を塗るつもりか!」と父に叱責されたばかりだというのに、懲りない人だ。
数日は泊まって話し相手になってくれたし、少しは気にかけてくれたのだろうけど、そのような理由がなければ動かない人だということは良く知っている。
とにかくルークスという男は恋愛脳なのだ。
「兄様らしいって言えばそうだけど……」
もっと大好きな兄に構って欲しかったマリオンは寂しくてたまらなかった。
昔からそうだった。遊んで欲しくて付き纏っても、ルークスは男と遊ぶことに忙しく、婚約者であるセリーヌも女の子ばかり見て、マリオンのことはあまり構ってくれなかった。
嫉妬に駆られて「兄様といっしょに男遊びをしたら、セリーヌも心配して振り向いてくれるかな?」と馬鹿なことを思ったりしたこともあったけど、マリオンは女の子が好きだったし、大好きな兄を自分から奪った男は嫌いだった。そもそも、家族以外の男に触れられると、虫唾が走るのだ。
なので、諦めて我慢するしかなかった。
「うーん……。僕も今年で16歳だ。大人の男になるためには、兄様の行動力を見習うべきなのかな」
少なくとも、憂鬱な気分のまま、家の中に閉じ籠るのは不健康な気がした。日を浴びるような気晴らしが必要なのかもしれないと、マリオンは学校が休みということもあり、散策をしようと城下町へ赴いた。
ちょっとだけ。そう、ほんのちょっとだけ好奇心に駆られて、兄がオススメした奴隷商の案内で女奴隷を見た。
服の上からでも膨らみが目立つ巨乳に目は釘付けとなり、買うかどうか迷ったが、結局、買うのは断念した。処女がいいというわけではなかったが、今まで何人もの男に抱かれて、頭がおかしくなっているのか、いきなりマリオンを見るなりズボンを脱がせようとしてきたので、マリオンは驚いて、奴隷を買う意欲が萎んでしまった。
そもそも、女奴隷の巨乳に惹かれるものはあったが、その女奴隷はマリオンの好みから少々外れており、一夜限りの関係ならともかく、キスをしたいとさえ思えなかった。
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