運命を知らないアルファ

riiko

文字の大きさ
19 / 67
本編

19、こいつを手に入れる ※

 
 一通り後始末も終えたので、湯船に浸かり後ろから抱きしめて、穏やかな時間を過ごしていた。

「あのっ、お風呂入れてくれて、あ、りがとう」
「どういたしまして」

 あんなに嫌がって泣いていたのにきちんとお礼は言うとか、素直で可愛すぎだろう! そしてチョロすぎる。後ろからピチャンと湯船からお湯をすくっては正樹の肩にかけて、全身を温めてやる。

「西条……」
「次、西条って呼んだら、許可取らずに後ろを犯すよ」

 いきなりそんなこと言われてキョトンとした顔をしている。えっ! 可愛いっ。

「ごめんっ、さ、西条君」
「犯されたいの?」  

 考えた末、君付けって。

 ちょっと笑いそうになったのを抑えて厳しめに聞いた。言質は取ったからな、俺は構わず正樹に触れた。

 一瞬、正樹がびくってした。本気で怖がらせた? 抱かれるのを怖がられるのは辛い。でも、俺を覚えて欲しい、もう他の男でもいいなんて言わせたくない!! 俺に体だけでも溺れて欲しい。なんなら心も欲しい。

 ううん、絶対心まで手に入れてやる! 

 俺の、正樹に勝っているところなんて経験値くらいだから、俺の持てる全ての技術を使ってでも、正樹を落としたい。

「ひっ!!」
「指、入っちゃったな」
「ああっ」

 正樹が感じてくれている、嬉しい!!

「ふふ、可愛いっ。れるよ」
「あっ、あああっぅ、あうっ、んんんっぅ!」

 下からズンズンと音がしそうな、そんな激しさで正樹の後ろを貫いた。

「あんっ、さい……あっ、怖いっ」

 正樹を後ろから羽交い締めにするくらい、きつく抱きしめて、下から欲望を突き上げる。正樹は快楽に溺れながらも怖がっているのもわかった。

 それでも名前で呼ぶことを覚えさせたい。そうしてくれたら目一杯甘やかすから、お願いだ。

「正樹に名字で呼ばれたくない。司って呼びすてで言え、そしたらちゃんと抱いてあげる。この体勢辛いだろう?」

 理解した正樹は控えめに言葉を繋げた。

「つ、かさっ」
「良くできました!」
「ふわっ、んっ」

 可愛い、思わず耳元で笑うとまた正樹の快楽のつぼを押したらしい。耳を舐めて、もう一度突き上げる。もう怖いことはしない、正樹が喜ぶことだけを体に覚えさせてあげる。

「はっ、司、これ、この体勢辛い。お湯も入っちゃうから、もう抜いてっ」
「そうだね、ちゃんと抱いてあげる約束だったな」
「うわぁ、えっ、なに?」

 いったん抜いて、抱き上げた。そしたらバスタブに手をつかせて立ちバックの姿勢で犯した。

「ああっっ、やめっ、はぁ、はっ」
「これならお湯も入らないし、気にならないだろう?」
「やだっ! やっ、これじゃ顔が見えなくて怖いし、立っていられないっ、あん!」

 俺の顔を見てやりたいのか!? 可愛すぎるだろう!!

「くそっ、可愛いこと言うな」
「あっ、いくっ、いっちゃう」

 正樹の締め付けが強くなった。俺で感じてくれているのが嬉しくてたまらない、俺ももう限界だったけど正樹より先に達するのは流石にまずい。もうイッてくれぇ!!

「いいよ、出しちゃいな、終わったらベッドできちんと対面でしてあげる」
「ああっ!!」

 正樹が達して、その後、秒で俺もイった。正樹の中で達してしまった! 散々泣かせながらも、かき出したのに、また正樹の中に俺の白濁を溢れるくらい入れた。

 息切れしている正樹を後ろから抱きしめて、正樹が自分の力で立てなくていいように支えた。

「あ、つい、もう、無理っ」
「正樹?」

 正樹は限界だったみたいで、意識を失った。

 しまった!! 慌てて正樹の体を拭き、すぐにベッドへ運び水を飲ませ、正樹の顔をその辺にあった雑誌で煽り簡易的に風をおくった。

「ご、めん。また迷惑かけて」

 辛そうに言う。俺が無理をさせたのに控えめに謝る、なんて健気で可愛くて愛らしい俺のオメガなんだろう。

「いや、初心者の正樹に盛りすぎた。こっちこそごめん」

 経験豊富を見せつけてやるつもりだったけど、正樹の前では俺だって、初心者みたいなものだった。

 唯一の正樹より勝る俺の自慢のテクニックのはずだったのに、してやられたぞ。そんな屈辱バレたくなくて強がって、そう言ってしまった!
感想 69

あなたにおすすめの小説

氷の支配者と偽りのベータ。過労で倒れたら冷徹上司(銀狼)に拾われ、極上の溺愛生活が始まりました。

水凪しおん
BL
※この作品には、性的描写の表現が含まれています。18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。 オメガであることを隠し、メガバンクで身を粉にして働く、水瀬湊。 過労と理不尽な扱いで、心身ともに限界を迎えた夜、彼を救ったのは、冷徹で知られる超エリートα、橘蓮だった。 「君はもう、頑張らなくていい」 ――それは、運命の番との出会い。 圧倒的な庇護と、独占欲に戸惑いながらも、湊の凍てついた心は、次第に溶かされていく。 理不尽な会社への華麗なる逆転劇と、極上に甘いオメガバース・オフィスラブ!

処刑エンドの悪役公爵、隠居したいのに溺愛されてます

ひなた翠
BL
目が覚めたら、やり込んだBLゲームの悪役公爵になっていた。 しかも手には鞭。目の前には涙を浮かべた美少年。 ——このままじゃ、王太子に処刑される。 前世は冴えない社畜サラリーマン。今世は冷徹な美貌を持つ高位貴族のアルファ。 中身と外見の落差に戸惑う暇もなく、エリオットは処刑回避のための「隠居計画」を立てる。 囚われのオメガ・レオンを王太子カイルに引き渡し、爵位も領地も全部手放して、ひっそり消える——はずだった。 ところが動くほど状況は悪化していく。 レオンを自由にしようとすれば「傍にいたい」と縋りつかれ、 カイルに会えば「お前の匂いは甘い」と迫られ、 隠居を申し出れば「逃げるな」と退路を塞がれる。 しかもなぜか、子供の頃から飲んでいた「ビタミン剤」を忘れるたび、身体がおかしくなる。 周囲のアルファたちの視線が絡みつき、カイルの目の色が変わり—— 自分でも知らなかった秘密が暴かれたとき、逃げ場はもう、どこにもなかった。 誰にも愛されなかった男が、異世界で「本当の自分」を知り、運命の番と出会う—— ギャップ萌え×じれったさ×匂いフェチ全開の、オメガバース転生BL。

運命の番ってそんなに溺愛するもんなのぉーーー

白井由紀
BL
【BL作品】(20時30分毎日投稿) 金持ち‪社長・溺愛&執着 α‬ × 貧乏・平凡&不細工だと思い込んでいる、美形Ω 幼い頃から運命の番に憧れてきたΩのゆき。自覚はしていないが小柄で美形。 ある日、ゆきは夜の街を歩いていたら、ヤンキーに絡まれてしまう。だが、偶然通りかかった運命の番、怜央が助ける。 発情期中の怜央の優しさと溺愛で恋に落ちてしまうが、自己肯定感の低いゆきには、例え、運命の番でも身分差が大きすぎると離れてしまう 離れたあと、ゆきも怜央もお互いを思う気持ちは止められない……。 すれ違っていく2人は結ばれることができるのか…… 思い込みが激しいΩとΩを自分に依存させたいα‬の溺愛、身分差ストーリー ★ハッピーエンド作品です ※この作品は、BL作品です。苦手な方はそっと回れ右してください🙏 ※これは創作物です、都合がいいように解釈させていただくことがありますのでご了承くださいm(_ _)m ※フィクション作品です ※誤字脱字は見つけ次第訂正しますが、脳内変換、受け流してくれると幸いです

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

言葉が通じない暴君皇帝の運命の番として召喚されました〜炎を鎮めたら冷徹な彼が甘々になりました〜

水凪しおん
BL
帰宅途中の夜道、突然の光に包まれた青年・アオイが目を覚ますと、そこは見知らぬ異世界の宮廷だった。 言葉も通じず、隔離された離宮に閉じ込められた彼が出会ったのは、ソラリア帝国を統べる皇帝・レオニダス。 強大な竜の血を引き、その力に肉体を焼き尽くされそうになりながら孤独に耐える冷徹なアルファ。 だが、特別な魔法を持たないはずのアオイには、彼の荒れ狂う魔力を静かに鎮める「不思議な波長」が備わっていた。 「触れるな」 お互いを傷つけることを恐れ、遠ざけようとする不器用な皇帝。 だが、アオイは苦しむ彼を見捨てられず、自ら灼熱の炎の中へと飛び込んでいく。 言葉の壁を越え、魂の波長が重なり合った時、冷徹な皇帝の態度は一変。 誰よりも優しく、独占欲に満ちた重すぎる溺愛が始まって――。 孤独な竜と、彼を癒やすただ一人のオメガ。 二人が真の「運命の番」となるまでの、切なくも温かい異世界救済ボーイズラブ。

アルファな彼とオメガな僕。

スメラギ
BL
  ヒエラルキー最上位である特別なアルファの運命であるオメガとそのアルファのお話。  

全寮制の学園に行ったら運命の番に溺愛された話♡

白井由紀
BL
【BL作品】 絶対に溺愛&番たいα×絶対に平穏な日々を過ごしたいΩ 田舎育ちのオメガ、白雪ゆず。東京に憧れを持っており、全寮制私立〇〇学園に入学するために、やっとの思いで上京。しかし、私立〇〇学園にはカースト制度があり、ゆずは一般家庭で育ったため最下位。ただでさえ、いじめられるのに、カースト1位の人が運命の番だなんて…。ゆずは会いたくないのに、運命の番に出会ってしまう…。やはり運命は変えられないのか! 学園生活で繰り広げられる身分差溺愛ストーリー♡ ★ハッピーエンド作品です ※この作品は、BL作品です。苦手な方はそっと回れ右してください🙏 ※これは創作物です、都合がいいように解釈させていただくことがありますのでご了承ください🙇‍♂️ ※フィクション作品です ※誤字脱字は見つけ次第訂正しますが、脳内変換、受け流してくれると幸いです

ヤンキーΩに愛の巣を用意した結果

SF
BL
アルファの高校生・雪政にはかわいいかわいい幼馴染がいる。オメガにして学校一のヤンキー・春太郎だ。雪政は猛アタックするもそっけなく対応される。  そこで雪政がひらめいたのは 「めちゃくちゃ居心地のいい巣を作れば俺のとこに居てくれるんじゃない?!」  アルファである雪政が巣作りの為に奮闘するが果たして……⁈  ちゃらんぽらん風紀委員長アルファ×パワー系ヤンキーオメガのハッピーなラブコメ! ※猫宮乾様主催 ●●バースアンソロジー寄稿作品です。