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その1 オイラがつぼっちだよ!
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「ためしに、この絵にさわってみて」
「……うん」
私は頷き、その絵におそるおそる手をのばした。
いきなり手のひらでふれるのは怖くて、人差し指でチョンとふれた。
すると――。
「う、うわっ!」
絵にぶつかると思った指が、絵の中に入り込んでいく。
指だけじゃない。手も腕も、ぜんぶ絵の中に入ってしまう。そしていつの間にか、私の体がぜんぶ、絵の中に吸い込まれていた。
次にやってきたのは、ドスン、と地面のようなところに落ちた感覚……。
「いたた……」
顔だけを上げて見回すと、そこはお花畑だった。
さっきの絵で見たのと、そっくりな……。
「お花畑が見えてる?」
ママの声が、上のほうから聞こえてきた。
「うん」
私は返事をしながら立ち上がった。
「それが絵の中の世界よ。骨とう品や美術品の中には、こうして入ることができるの」
これが、絵の中……。
赤や黄色、白にピンク。いろんな花が青空の下で揺れている。
きれい……。
最初のうちは、うっとりと見とれていたけれど、時間が経つうちに不安になってきた。
ここから戻るには、どうしたらいいんだろう?
「……うん」
私は頷き、その絵におそるおそる手をのばした。
いきなり手のひらでふれるのは怖くて、人差し指でチョンとふれた。
すると――。
「う、うわっ!」
絵にぶつかると思った指が、絵の中に入り込んでいく。
指だけじゃない。手も腕も、ぜんぶ絵の中に入ってしまう。そしていつの間にか、私の体がぜんぶ、絵の中に吸い込まれていた。
次にやってきたのは、ドスン、と地面のようなところに落ちた感覚……。
「いたた……」
顔だけを上げて見回すと、そこはお花畑だった。
さっきの絵で見たのと、そっくりな……。
「お花畑が見えてる?」
ママの声が、上のほうから聞こえてきた。
「うん」
私は返事をしながら立ち上がった。
「それが絵の中の世界よ。骨とう品や美術品の中には、こうして入ることができるの」
これが、絵の中……。
赤や黄色、白にピンク。いろんな花が青空の下で揺れている。
きれい……。
最初のうちは、うっとりと見とれていたけれど、時間が経つうちに不安になってきた。
ここから戻るには、どうしたらいいんだろう?
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