なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?

詩河とんぼ

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第10話 仲良く

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「カイル、アルスタ様とはどうなんだ」

「……相変わらず勢いがすごいです」

 俺は淡々と答える。今は家族でディナー中だ。

「そうか……うちに通う頻度をもう少し減らせないかと遠回しに言ったりしているんだがな」

「でもいいじゃない、王太子様と婚約なんて!憧れるわ」

 サシャ姉は目をキラキラとさせて心底羨ましそうな表情をしていた。
 憧れるならサシャ姉が婚約してよ。二つ返事で譲るから。

「あ、あはは……」

「まあ、それよりお勉強とかの方はどうなの?」

 少し気まずくなった雰囲気を変えるためにか母が聞いてきた。

「どっちも順調です!」

「作法などのお勉強も順調ですわ」

「それなりに……」

 レイ兄、サシャ姉、俺の順番に言った。

「みんな優秀だものね!」

「将来が楽しみだ」

 母と父は嬉しそうにしていた。
 それからは空気が重くなることもなく、楽しい雰囲気のままディナーが終わった。


「ふぅ、お腹いっぱい。食べすぎたかな」

「いつもより多めに食べられていましたね」

 部屋に戻るまでの道すがら、一緒に歩いている俺の侍女ーーラナに言われた。

「うゔ……」

「……先ほどご家族で話されていましたが、坊っちゃまは婚約者様は苦手なのですか?」

 ラナが大分ぶっ込んできた。

「う、うーん……苦手かな」

「そうですか?婚約者様がいらっしゃる時は冷たいですが、帰った後は少し寂しそうにしておられますよ」

「……」
 
 見事に痛いところをつかれた。

「……はぁ、わけは話せないけど理由があるんだよ。それがなかったら今ごろもっとフレンドリーに接していたと思うよ」

 俺は最近、心の中で密かに思っていることを伝えた。

「もっと婚約者様と仲良くなれるといいですね」

 俺の部屋に着くと、ラナはそう言って去って行った。
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