なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?

詩河とんぼ

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第22話 高等部

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「カイル!おはよう、今日も綺麗だね。お義父様、お義母様、お義兄様、お義姉様もおはようございます」

 今日から俺はラングウェー学園の高等部、一年生になる。
 昨日まで春休みだったため、実家へ帰省していた。ちなみに、アルスタは忙しかったらしいが、週に一度は俺の家に通っていた。
 アルスタが迎えにきてくれたが、サシャ姉とレイ兄と学園まで行こうと話していたためどうしようかと迷っていたら、

「アレスと行ったら?カイル」

「せっかくだし、二人の時間を楽しんでこいよ」

 兄姉がそう言ってくれた。

「兄様、姉様、ごめんなさい!と、ありがとうございます」

 素直にその言葉を受け取り、俺は急いで最後の支度をした。


「よかったの?四人で行っても良かったんじゃない?」
 
 母は言う。

「私たちは春休みの間、カイルといたから」

「本当は一緒にいきたかったけれど、カイルがアレスとの時間が欲しいと思っていると言ってたし」

「大人になったな」

 私たちが答えると、父は涙ぐんで言った。

「もう!お父様、泣かないでよ」

 学園でカイルを見かける時はいつもアレスのことを見つめている。カイルの視線を独り占めなんてずるいったらありゃしないけれど、アレスなら可愛い可愛い弟を幸せにしてくれるだろう。

 私は先に二人が向かった学園へ行くために、レイと荷物の確認をした。


「朝からありがとうございます」

「可愛いカイルを見れて俺は幸せだよ」

 アルスタはわざわざ俺の隣に座ってきた。

「そういえば、カラーつけてくれているんだね」

「ああ、これですか。はい」

 俺の首には以前アルスタにもらった赤いカラーがついている。
 ヒートはまだ来ていないのだが、この年頃になるといつ来るか分からないため、念のため今日からつけ始めることにした。

「本当に君は可愛いね!」

「……はあ」

 いつまで経ってもアルスタの距離感は慣れない。

「今日から高等部、俺は本当に楽しみだよ」

「……そうですね」

 馬車の中でアルスタが怪しく笑った気がした。
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