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第三話 居場所
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そんな塩対応の旦那様でも、俺のヒートのときにはしっかりとやることをやった。
籍を入れて最初に来たヒートの時に番になった。ヒートを抑えることと子作りも兼ねてしていたのだが、正直俺は今まで2回やった、その最中のことを覚えていない。旦那様が俺とヒートの時にするのは夫婦の義務とでも思っているのか、ただ単に子作りのためにしていたのかは分からないが、約3ヶ月に一回、俺のヒートがきた日には律儀に俺の部屋に来た。
その他、旦那様のことは特に言うことがない。
初日から態度は全くと言っていいほど変わっていないし、むしろ最近は無視されることもあったりと悪化している気がする。
そんな旦那様は今日、王宮に向かったらしい。使用人たちの会話が聞こえてきて初めて俺はそれを知った。耳に入ってきた使用人たちの会話よるとどうやら旦那様は王太子に呼ばれたらしい。
どのような用件かは知らない。旦那様からは教えてくれないし、興味がないといえば嘘になるが、俺が旦那様に聞いて教えてくれるとも思わない。
「……はあ。嫌だな」
俺は部屋の中でつぶやいた。
俺は、なんでここにいるのだろう。もちろん俺の家を救ってくれた旦那様、ラインドール公爵家にはとても感謝している。感謝してもしきれないと心の底から思う。
だが、あちらが条件として提示したため俺が嫁いだのに、この扱いは何なのだろうか。とも考えてしまう。
旦那様は俺のことを嫌っているのか不愛想にふるまわれる。義母からは嫌味を言われる。俺が部屋を出て屋敷内を少し歩いていると、使用人たちに嫌な目で見られる。
この家に俺の居場所はない。
だが、ないものねだりをしても仕方がない。せっかく立派な部屋を用意してくれたのだ。
部屋の窓から見える景色でも暇つぶしに描いていようかな、そう思い画材の準備をしていたら、俺の部屋の扉がバンっと勢いよく開いた。
「……なんですか」
ノックもされず、開けられた扉の前には一人の侍女がいた。俺のことを嫌っている一人なため、なぜわざわざ俺の部屋に来たのか疑問だった。普段なら近づきもしないのに。
「レオン様が王宮の階段から転落し、現在、意識不明の重体だと王宮から伝達が来ました。急いで王宮へ向かう準備をするように。5分後に出発です」
真顔で言った侍女はすぐに立ち去った。
旦那様が階段から落ちて意識不明!?
急展開すぎて頭が追いつかない。
準備をしろと言われ、自分で自分の身なりを最低限に整え、急いで玄関の方へ向かうと、
「早く準備なさい!!レオンの元へ急ぐのよ!!働けない愚図はクビにするわよ!!」
義母が顔を真っ赤にして叫んでいた。
義母の言葉を聞いて死に物狂いで必死に動く使用人と、「あ、ああ。本当に無事かしら……」と言いながら使用人たちに綺麗にされていく義母。声をかけていいのか分からない状況に戸惑っていた俺に気がついた義母は、
「ッ――。チッ。私はまだ時間がかかるから、先にレオンのところへ行ってなさい」
と嫌そうな顔をしながら俺に指示を出した。
「はい。かしこまりました」
大人しくその指示に従い、俺は外で待っていた馬車に乗り込み王宮へ向かった。
籍を入れて最初に来たヒートの時に番になった。ヒートを抑えることと子作りも兼ねてしていたのだが、正直俺は今まで2回やった、その最中のことを覚えていない。旦那様が俺とヒートの時にするのは夫婦の義務とでも思っているのか、ただ単に子作りのためにしていたのかは分からないが、約3ヶ月に一回、俺のヒートがきた日には律儀に俺の部屋に来た。
その他、旦那様のことは特に言うことがない。
初日から態度は全くと言っていいほど変わっていないし、むしろ最近は無視されることもあったりと悪化している気がする。
そんな旦那様は今日、王宮に向かったらしい。使用人たちの会話が聞こえてきて初めて俺はそれを知った。耳に入ってきた使用人たちの会話よるとどうやら旦那様は王太子に呼ばれたらしい。
どのような用件かは知らない。旦那様からは教えてくれないし、興味がないといえば嘘になるが、俺が旦那様に聞いて教えてくれるとも思わない。
「……はあ。嫌だな」
俺は部屋の中でつぶやいた。
俺は、なんでここにいるのだろう。もちろん俺の家を救ってくれた旦那様、ラインドール公爵家にはとても感謝している。感謝してもしきれないと心の底から思う。
だが、あちらが条件として提示したため俺が嫁いだのに、この扱いは何なのだろうか。とも考えてしまう。
旦那様は俺のことを嫌っているのか不愛想にふるまわれる。義母からは嫌味を言われる。俺が部屋を出て屋敷内を少し歩いていると、使用人たちに嫌な目で見られる。
この家に俺の居場所はない。
だが、ないものねだりをしても仕方がない。せっかく立派な部屋を用意してくれたのだ。
部屋の窓から見える景色でも暇つぶしに描いていようかな、そう思い画材の準備をしていたら、俺の部屋の扉がバンっと勢いよく開いた。
「……なんですか」
ノックもされず、開けられた扉の前には一人の侍女がいた。俺のことを嫌っている一人なため、なぜわざわざ俺の部屋に来たのか疑問だった。普段なら近づきもしないのに。
「レオン様が王宮の階段から転落し、現在、意識不明の重体だと王宮から伝達が来ました。急いで王宮へ向かう準備をするように。5分後に出発です」
真顔で言った侍女はすぐに立ち去った。
旦那様が階段から落ちて意識不明!?
急展開すぎて頭が追いつかない。
準備をしろと言われ、自分で自分の身なりを最低限に整え、急いで玄関の方へ向かうと、
「早く準備なさい!!レオンの元へ急ぐのよ!!働けない愚図はクビにするわよ!!」
義母が顔を真っ赤にして叫んでいた。
義母の言葉を聞いて死に物狂いで必死に動く使用人と、「あ、ああ。本当に無事かしら……」と言いながら使用人たちに綺麗にされていく義母。声をかけていいのか分からない状況に戸惑っていた俺に気がついた義母は、
「ッ――。チッ。私はまだ時間がかかるから、先にレオンのところへ行ってなさい」
と嫌そうな顔をしながら俺に指示を出した。
「はい。かしこまりました」
大人しくその指示に従い、俺は外で待っていた馬車に乗り込み王宮へ向かった。
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