Cウイルス・クロニクル

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急襲!朝霞駐屯地も陥落か?大倉庫内ヘリ脱出不可能?!

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この銃声の音に、俄(にわ)かに朝霞駐屯地の中は騒がしくなり、外部スピーカーからは朝霞駐屯地内の自衛官達に、速やかに持ち場に戻り、臨戦態勢に入る趣旨を放送し、特殊装甲車のエンジンの音がけたたましく響き渡り、何台も音を立てて動き始めていった。

もはや254号の道路を封鎖している守衛隊も感染者によって陥落?しているようだった。

多分!奴らは、暗闇では人間の10倍?人間が暗視スコープを付けた状態で、全速力で行動し、襲いかかるようなものだから、苦も無く突破したのだろう。

奴ら感染者が、夜目が効く!と言う事を、各自衛隊員?または全ての人々に情報として共有していないのであろうか?

私はその事実にも恐怖した。

(ここもいよいよと陥落してしまうな!)

埼玉県和光市もだが、朝霞市にも、多数の市民が家の戸締りをして、自宅の中でじっと隠れている?
非難している者も実は大勢いて、実は東京都がCウイルスの感染者だらけになり、しかも感染率が極めて高く、今現在もウイルスに効くワクチン等開発されていないのに、人々は安易で希望的観測!

その内に、この異常事態も収束し、明日には主要なインフラが戻り交通機関も復旧し、当たり前だった日常!
学生は退屈な授業を受ける為に通学し、会社員はいつもと変わらない満員電車に乗って都内の会社に出社し、達成不可能な売上にあくせくする?
ことが戻ってくると信じ、自衛隊駐屯地内の避難場所にも自主的に避難してこない市民も多いから、朝霞駐屯地以外は停電状態の和光市、朝霞市には真っ暗な闇の中を、野生動物と同じ夜目が効く感染者達が、古い脳の活性化によって身体能力もアップしたのか?
アパートやマンション!
一軒家の窓を破り、雨戸を叩き壊し、次々に自宅に侵入し、襲いかかりだした。


私は一瞬!あの時!吉田と254の道を走っていた時に、そのまま、朝霞駐屯地を素通りすれば良かったのでは?と、もしも?な想像をしたが、兎に角!今の危機に意識を集中し、自分の新しく開発された脳の能力(超感覚的知覚)に集中し始めた。

軽装甲車での今回の脱出は、かなり絶望的?と言うのも、254の道路での川越方面には埼玉県警察本部警備部機動隊があり、そこでも道路がバリケード封鎖されていたが、そこも時間の問題で感染者によって制圧され、そこに集結している何十台ものパトカーや装甲車に阻まれ、立ち往生し、完全に感染者達に包囲されるからだ。
そうすると、もっと頑丈な装甲車?

96式装輪装甲車では?だが、こちらも全て出払っている段階だ。

今では私の目の前には朝霞駐屯地を俯瞰で見る映像や、何棟もある倉庫の状況も透視して見えていた。

(ここからの完璧な逃走は、ヘリを使うしかない)

桐山千賀子や佐々木ミカにはひっきりなしにスマホ携帯電話が鳴り響き、私はこの音も感染者には非感染者であり、獲物がいる位置を正確に教えてくれるモノだと悟り、二人にスマホの電源を切る事を伝えようとすると、彼女らは勝手に電源を切りだした。

桐山千賀子が何故か先頭に立ち、【りっくんランド】のすぐ裏にある倉庫へと他の自衛隊員達に目立たないように私を誘導した。

その倉庫は大きな体育館の大きさがあり、電気を佐々木ミカが点ける為にスイッチのある柱へ走り、スイッチを入れた。

天井の光は、最初は本当に薄暗い明りだったが、時間が経つごとに徐々に明るくなった。

私は夜目が感染者と同じに効くようになったので、丁度倉庫中央にヘリコプターが置いてあった。

それは【りっくんランド】」内に展示してあったヘリと同じ形で、正式名称はAH-1Sベルヘリコプターだった。

桐山千賀子の話で、今展示してあるヘリの交換用として、1年ぐらい前から用意していたが、当時のまま、1年間もほったらかしになっていたらしい。

燃料は少しだが入っていて、交換時に燃料を処分するらしかったので、動くことは動くらしい!しかし、問題なのは、女性二人の自衛官はヘリを操縦することは出来無いらしい。

そんな重要な事を見逃していたが、外はいよいよと激しく銃撃戦の音が活発になり、朝霞駐屯地内にも、既に感染者が侵入してきているかもしれなかった。

折角!倉庫内に電気を点けたが、また佐々木ミカに消しに行ってもらい、真っ暗な倉庫の中、スモールライトを頼りに私と桐山がいる所まで戻ってきた。

兎に角!このヘリが飛ぶのなら、まずは操縦席に入る事にし、ここでもアノ能力を発動し、ヘリの側面ハッチを開けてタラップに手と足を掛け、彼女らを前の席に乗せて、私は後部座席で操縦席に乗り、静かにハッチを締めた。

今では、明らかに朝霞駐屯地内でも銃声が鳴り響き、銃声と共に、大勢の人達の悲鳴が聞こえ出した。

もはや完全に和光市も朝霞市も感染者によって陥落し、朝霞駐屯地は機能を失いだした。

スピーカーでの女性アナウンスも途切れ、辺りは一層銃撃戦の音や悲鳴が湧きおこり、遂には何者かによって倉庫の扉が開けられ始めた。

そこから街灯の光が差し込み、私と二人は息を殺しながら、前方の扉を見続けた。

自衛隊員が助けに来たのでは?
と思ったのだが、一向に倉庫内の電気を点ける気配も無く、外では走り回る感染者なのか健常者の姿が見え?
この辺一帯の自衛隊員は逃げたのか、喰われたのか?
感染者に変わったのか?
どちらかだった。
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