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烏合の衆の視察討伐隊

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一階の広い玄関口から隣の大広間には多くの毛布が散乱していて、その一つにまさに凌辱強姦、輪姦(りんかん)真(ま)っ最中(さいちゅう)な感じで二人の汚い身なりの男達が汚い尻を剥き出しにしながらピストン中(騎士団は余りしない)と、もう一人は勃起したチンポを咥(くわ)えさせようと、多分、外で死んでいる旦那の奥さんを強烈なビンタをしているスロー状態で、こんな状況を超スローの世界で見せられましたら、誰だって一瞬にパニックと訳の分からない怒りが湧(わ)いて来るでしょう。

まさに、それが、今の俺の感情の状態で、頭の片隅では、もう少し、スローの時間よ、持ってくれ、と願いながらも、もう一つは通常速度でも構わないから、やることは一緒や、みたいに残酷に戦闘的な俺もいたんですね。

だから、スローの世界で凌辱ピストン中の男を片手で持って「軽っ」とか言って玄関から外の幌馬車の木の車輪めがけて人間ボーリングで地面をするように放り投げ、フェラチオ強要ビンタ男は、そのまま、周辺の木製の壁に押し込み、あばら骨なのか、背骨がへし折れる嫌な音を聞きながら壁の中に押し込み、他の盗賊どもも蹴散らし、階段を降りて来る姿の男を二階まで運んで上から下に落とし、二階でのもっと嫌な惨状、12才位のあの家族の娘を、まだ、少女の華奢な身体とオマンコに強姦し、少女の膣穴がぽっかりと穴が空いた状態を見てしまい、俺はその場で下卑(げび)た笑いをしている二人の男どもを片手で一人ずつ掴み上げ、そのまま、2階の窓から放り投げ、玄関から30メートルも飛ばして、門へ続く石畳に落下させた。

俺の怒りがピークを迎えた時に、異世界超スローの空間は終わり、通常の時の流れが歩み始める頃には、盗賊どもの激痛による叫び声が響き渡り、ペトルが驚い顔で矢の影を見た筈の残像が消え、次に俺の姿が無いことと、それよりも一瞬にして、事態が一変、盗賊どもが殆ど瀕死の状態でのたうちまわり、もしかしたら死んでいる者までいたから、この現象に騎士兵士隊もナニが起きたのか把握(はあく)出来(でき)ず、しかしながら、恐る恐る、もはや完全に壊滅してしまった瀕死(ひんし)の盗賊達を尻目に屋敷内に入った時に、彼らは俺が階段を毛布にくるんだ少女を抱えながら降りて来る姿を見るのであった。


俺は、盗賊達に蹂躙され放心状態の母親の近くに毛布にくるんだ娘、死んではいないと思うが失神している娘を近くにそっと置き、遅れて駆けつけた衛生班、尼さん看護師達に任せて、朽ち果てた玄関を出て行った。玄関外では俺が人間ボーリングにした男が頭から血を流し、幌馬車の車輪部分に挟まった状況で激痛で呻(うめ)いていた。
石畳の玄関から真っ直ぐの門まで歩いていると、二人の盗賊が、俺が二階から放り投げたから、全身を石畳に強く打って、虫の息だった。

車輪に激突し挟まった男も下半身がだらしなく剥き出しているし、門近くの石畳に激落ちし、危篤状態の一人も下半身剥き出しの姿でピクピクと痙攣(けいれん)していた。


こんな惨状の時こそ、衛生班の女たちが果敢に行動し、一応、極悪な盗賊達にも手当をしているようだった。
その風景を遠巻きで見ながら、俺はちょっとヤリ過ぎたかな、と考えながら、シャルルやジュリアスらが呆然と佇んでいる場所までゆっくりと、自分ではゆっくりと歩いているのだが、なにせ股下1メートルの長さだから、コンパスが長いから、俺が思った以上に彼らに合流してしまった。


盗賊どもの半分は数時間もしない内に死んでしまったらしい。

これで、俺は異世界でだが、初めて人を殺してしまったって訳だ。

しかしながら、この人殺しにはあまり色々な感情が湧いては来なかった。

悪党どもをただ、殺してしまった。

しかも、最初は怪我をさせるだけ、と頭の隅で考えていたのだが、実際、無残に惨殺されている一般市民の姿を生で目撃したり、生で身近で女や子供が凌辱されているシーンを目撃しちゃうと、ホント冷静な状態で入れる訳は無く、中見中年オッサンになっても興奮して気分が高ぶっている状態は、中々(なかなか)鎮圧(ちんあつ)出来(でき)ないでいた。

シャルルは黙って俺を見詰めているだけで、ペトルは、泣きそうな顔で俺に声を掛けたそうだが、何を言葉に出していいか分からず、ただ口を半開きにしながら「ああ」と小さく声に出しただけだった。

そう言えば、感心したのが、俺の間でエロエロ性奴隷だったエルザとマルラがテキパキと行動していて、他の衛生班の女性達と一緒に無理やり強姦され続けた母親と、まだ少女のレイプされた身体を介抱し、所謂(いわゆる)、盗賊達による性病感染の検査や処置を施(ほどこ)していた。

ジュリアスは俺に対して、賛辞(さんじ)なのか何かを話しかけていたが、俺は彼の話しを遮(さえぎ)り、この視察隊は実戦経験はあるのか、と率直に聞くと、彼は渋々、首を横に振った。

全てはザキアナ国が統治することになり、全ての歯車は軋み始めた、そのような比喩(ひゆ)を語ったが、俺は、その時には、さっき助けた親子の事が気になり、彼女らが手当てされている幌馬車へと歩き出していた。


この異世界に置いて、前日本時代のような警察のような機関は全て騎士兵隊たちが担っているとの事で、ただし、最近は騎士兵士の質の悪さが著しく低下し、それもこれも約10年前の革命なのか、一揆なのか、が、この地キサナ国で起き、その後、キサナの兵士達はザキアナに再教育として、ザキアナ大国で生きるように、思想から叩きこまれているらしい。

「その思想ってのは、ここと、と言うか、その10年前の思想とはナニが違うのか?」

俺はジュリアスと一緒に今では行動、歩き回りながら、ジュリアスが騎士兵士達に指示を出し続けている合間を縫って色々と質問していた。

「約十年前のことか、確かに、今のような、混沌(こんとん)とした秩序と言うか、身分制度と言うか、なんと言うか、その差別か、そう区別じゃ無く、差別だよな、うん、それがあったが、今はかなり混沌としている、うむ、混沌なのか・・・」

ジュリアス自体が、混沌とした状態になり、だけどもひっきりなしに部下が指示を仰ぎに直接ジュリアスに来るから、俺はペトルと指示系統を分散するべきでは?と老婆(ろうば)心(しん)ながら伝えた。

視察隊、視察兵団とは言ってはいたが、この大勢の集団は烏合(うごう)の衆(しゅう)に、今は見える。

オロオロする音達を尻目に、女たち、尼さん娘軍団、改め衛生班の方々が統制がとれていて、かなり重体の生き残り盗賊らも手当てされていた。

幌馬車の中で包帯を巻かれている処を、背を屈めて覗き込んだ大男の俺の顔を見た、盗賊はあからさまに怯えて喚(わめ)き出したので、俺はその場から離れ、ジュリアスの傍(そば)で邪魔にならないように、だけど、この先、一体、どうなることやら~と暗澹(あんたん)とした気分で現場を見詰めていた。

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