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某貴金属工業の貴金属買取代理店

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彼らは正直、完全には理解していなかったが、宮廷音楽がハイ・カルチャーな音楽であり、歌謡曲自体は地元、田舎地域でしか流されない、聴けない、僕が先程語ったことがある大衆音楽と理解して、僕は大衆音楽の曲に造詣が深いと話したら、宮廷音楽がナンバーワンと勝手に都合よく解釈してくれたのか、僕は宮廷方面の音楽家じゃないのでホッと一安心顔で、シャルルの歌を楽しんで行って下さいと付け足したので

「今度は、我々の世界の大衆音楽も紹介させて頂きます」

みたいな社交辞令を返したら、その時は僕もだけど、彼らもこんなに早く、しかもかなり衝撃的な紹介に間接的に相なってしまったので、これもそれも不思議な巡り合わせって感じでした。

だからなのか、この一列での長テーブル座り、映画「家族ゲーム」(日本1983年)で有名な座り方だったので、そもそもこんな状態で会談もなにもないけど、シャルルは興奮と勝手にやっちゃった感のある複雑な表情、所謂、相手の出方を探りながらの神妙なお伺いを立てる顔でいたから、なんと、シャルル嬢はシャーロンに何か小言でも言われるかも?

な感じで、僕を挟んでシャーロンを遮断する、僕が防波堤な感じになってしまった。

ある意味、一触即発かもしれない状況ではあるが、シャーロンはと言うと、今までの舞台で歌っているのかいないのか、歌っていてもお客の誰一人とて歌を聴いている訳でも無く、正直、舞台を見ているのが辛そうだったから、この位のハプニングと言うかゲリラ歌唱ぐらい全然構わないと言った感じで、まずはシャーロンだけが一人で喋りっぱなしだし、今の興奮を皆にも共感的相槌(あいづち)な返事を欲しがっていた。

シャーロンのすこぶるご機嫌な雰囲気を読んで、まずは宮廷演奏家の男性が

「凄いですね、今の歌は?」とか、

「今度はアノ歌の曲を引けるように練習しておきます」

等と、今まで、といってもシャーロンから聞いたのと、今日の僕の目撃情報からの分析なんだけど、彼ら演奏家達は開演の5分位前に異世界居酒屋パブに現れ、本当に最初の頃だけ、シャルルやシャーロンと同じ早い時間にお店に入り、所謂リハーサルをやっていたのだけど、日に日に、お客さんの反応、そうです無反応状態に嫌気がでたのでしょう。

もはや、

「練習なんて意味ないよね~、僕らはシャーロン様にお願いされたから、仕方なく」

と言ったような、このような言葉を実際に彼らが発言する訳は無いんだけど、やっぱり人の考えや気持ちって、微妙な態度や表情や、喋る語尾(ごび)で伝わってしまうんだけど、そんなことはシャーロンも薄々は知っていたから、ことさら彼ら演奏家には、シャーロンの方でも気は使っていたんじゃいかな、で、その皺寄せが全部、歌手であるシャルル嬢だけに集中していたような、う~ん、考えたら可愛そうなシャルルちゃんだったな~

シャルルだって近くで見れば見るほどお美しいし、歳だって若いですから、シャーロンよりも確か2~3歳は若いから、もしかしたら奇跡の10代?18才では無いと思うけど、19歳かも、もうすぐ20歳かも、な「女盛は19歳」かも、な、年頃かも、と思い直すと、途端に僕は人生はエロ重視なオッサンですから、左横に座っているシャルルの体臭の香り、19歳乙女の発汗爽やか牝フェロモンの匂いを嗅ぐべく、鼻腔(びこう)を大きくしましたよ。
で、話しは戻りますが、おべっか使いの宮邸演奏家の会話にはちょっと冷たいシャーロンは、僕の隣に隠れているシャルルを呼び出して、

「シャルルが勝手な暴走をしてくれたお陰で、もっともっとムート先生に協力して頂ける感じになっちゃった~」

と、僕の身体に密着&シャーロン我儘巨乳(わがままきょにゅう)を腕に押し付けて、シャルルに元気よく宣言し、その後、シャーロンは僕の右耳元に内緒話的に小声で囁いて、

「後で例の件、尤(もっと)お話ししましょう❤」と言って、今では僕の右腕に腕を絡めるエロボディで、全部計算?女狐かも?な、シャーロンでした。


今現在、僕は貴金属の買取店、某貴金属工業の取引代理店がある池袋店に入って、気が優しそうな背の小さな、多分、身長が150cmなさそうな小動物のような女性店員に金の買取の件で声を掛けた。

と言うのも、あの日、シャルルの乱の日、所謂、勝手に松田聖子の歌を歌った件の日に、僕は、なんとシャーロンからダンジョンと異世界の別れ扉まで、熱い抱擁もだけど、なんと異世界の通貨、金貨の入った袋、多分、革袋を手渡され、袋事態は小さいんだけど、小さいのにずっしりと重い、まさか金貨ですか?と思い、袋の中に手を突っ込んで、一枚金貨を摘まんだら、この金貨がまさに黄金色の眩(まばゆ)い光を放っていて、この金貨って、もしや純金では、と思い、こんな高価なモノ、受け取れませ~んと、金貨をシャーロンに返したら、

「あれ、だってムート先生、例の計画には多少、お金が掛るとか言ってたじゃないですか?
それに、本当はもっとお金かかるかも知れないけど、シャーロンの手元には今はこれだけしか無いの~」

と、またまた男に媚びるようなエメラルドの瞳を濡れ光らせて、おねだりクネクネとお尻を振っています。

あ~、心底触りて~(心の声)

僕は、何度も断りの言葉を言ったけど、やっぱり金髪北欧美女の迫力、身長も僕より10cmは高いだろうし、なによりも女優かモデルのような、それ+(ぷらす)プレイボーイの男性週刊誌に出ていそうな巨乳我儘ボディを、胸を張ってグイグイ迫って来ますから、日本人の平均身長男子にとっては勝てる気がしません(エッチのほうでも)。

よって、渋々と、しかし、内心、頭の片隅には、日本ではこの金貨、お幾ら価格で買取ですか~、と、うっしっし~な邪悪な心も微笑んでいたので、早速、元の世界に帰って、週末に池袋の貴金属買取店に来店したのですが・・・

結論から言うと、若い気の優しそうな女の子に、異世界金貨を渡して鑑定査定をお願いすると、数分して、彼女の上司らしいメガネを掛けた生真面目そうな男性が出て来て、僕にこの金貨の出所やら、僕の名前やら住所など、もしかしたら身分証明書まで求められたので、死んだお爺さんの形見(かたみ)みたいなモノです、とか、色々とごまかし、なんかヤバそうな感じなので、金貨を速攻で返してもらい、いそいそと帰宅したんですね。

で、金貨の件で、買取のことで僕は色々と調べたら、やっぱり、日本には無い、いや世界にも無い異世界金貨(デザイン)は犯罪の匂いプンプン見たいで、僕はもう池袋店には二度と足を運ばないことを誓ったのと、一応、防犯カメラからの警察割り出し攻撃に心底怯えてしまい、取敢えず、その辺のことを調べたIパッドを持って、またまた、土曜日のまだ、昼なのに、って、午前中に池袋に行ってビビった口で、急遽(きゅうきょ)ダンジョンへと続く階段を降りて、ママに泣いて相談する子供のごとく、って、39歳のイイ歳したオッサンがシャーロンに泣き付いたって訳だ。

しかし、いないかもしれない筈なのに、異世界へ挿入すると、今の処、100%シャーロンに会えた。

しかも、時間が異世界では遅いのか、元の世界の日本の時間が早過ぎるのか、シャーロンと別れてから、「シャルルの乱」から4日間は経過しているのに、異世界では昨日のお話でした。
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