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猫と水銀の青い海
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あるところに猫がいた。
猫は背泳ぎが好きだった。
習いたてだった。山猫に教わったのだった。
そこで、猫はラッコに競争を申し込んだ。
ラッコはその時、海で好きなように泳いでいた。
たまたま、貝がおいしいことを、誰かに
手紙を書いて、知らせたいとおもっていたところだった。
猫はラッコから手紙が来ると聞いたので、
今か今かと待ち望んでいた。
そんな時、いかだにのったライオンが現れて、
猫を丸のみにしてしまった。
ライオンの胃の中は、水銀の海のようになっていて、
超過去、過去、現在、近未来、超未来、その先無限大が
混然一体になっていて、まるで小さな宇宙のよう。果てがなかった。
猫は水銀の海の海原に、勇敢に帆をたてて、
朝日を拝んだ。それは、白血球と、赤血球とヘモグロビンの海だった。
猫は一日も早くライオンの胃の中から抜け出して、
ラッコと背泳ぎの競争をしてみたかった。
猫の前を、青い、ガラス瓶がぷかぷか浮かんでいた。
猫はそっとつかんで、覗いてみると、その中には、
へたくそな字で書いた紙きれが入っていた。
それは、ラッコの書いた、手紙だった。
その手紙には、「赤貝はおいしい、つぶ貝よりもおいしい、だから
一緒に食べよう」
と書いてあった。
猫はラッコが貝をわって、おいしそうに赤貝やら、つぶ貝やらを
ほおばっているところをそうぞうすると、うらやましい気持ちになった。
猫もまんざら貝などは、嫌いではなかったので、食べたくなったのだ。
仕方がなかったので、あたりにあった
紙をとって、ボールペンで返事をかいて、
また、青いガラス瓶に詰め込み、コルクのふたをして、
また、ライオンの水銀の海に流してしまった。
いつか、この手紙を、ラッコは読むことができるのだろうか。
無限大に広がる、広大な海の中で、
ラッコと一緒に、赤貝を肴に、
濃い目のウイスキーで、一杯やることを想像をして、
よだれをたらしながら、足をぶらぶらしていた。
水銀のような海の下には、
超古代に沈んだ、巨大魚の骨が静かに海面から
ゆらゆらと、揺らいで見えるのだった。
ライオンの胃の海にも夜が来て、
もう果てのほうに流れて行ってしまった、
青いガラス瓶に、月明かりがきらりと反射して
輝くのが見えた。
猫は背泳ぎが好きだった。
習いたてだった。山猫に教わったのだった。
そこで、猫はラッコに競争を申し込んだ。
ラッコはその時、海で好きなように泳いでいた。
たまたま、貝がおいしいことを、誰かに
手紙を書いて、知らせたいとおもっていたところだった。
猫はラッコから手紙が来ると聞いたので、
今か今かと待ち望んでいた。
そんな時、いかだにのったライオンが現れて、
猫を丸のみにしてしまった。
ライオンの胃の中は、水銀の海のようになっていて、
超過去、過去、現在、近未来、超未来、その先無限大が
混然一体になっていて、まるで小さな宇宙のよう。果てがなかった。
猫は水銀の海の海原に、勇敢に帆をたてて、
朝日を拝んだ。それは、白血球と、赤血球とヘモグロビンの海だった。
猫は一日も早くライオンの胃の中から抜け出して、
ラッコと背泳ぎの競争をしてみたかった。
猫の前を、青い、ガラス瓶がぷかぷか浮かんでいた。
猫はそっとつかんで、覗いてみると、その中には、
へたくそな字で書いた紙きれが入っていた。
それは、ラッコの書いた、手紙だった。
その手紙には、「赤貝はおいしい、つぶ貝よりもおいしい、だから
一緒に食べよう」
と書いてあった。
猫はラッコが貝をわって、おいしそうに赤貝やら、つぶ貝やらを
ほおばっているところをそうぞうすると、うらやましい気持ちになった。
猫もまんざら貝などは、嫌いではなかったので、食べたくなったのだ。
仕方がなかったので、あたりにあった
紙をとって、ボールペンで返事をかいて、
また、青いガラス瓶に詰め込み、コルクのふたをして、
また、ライオンの水銀の海に流してしまった。
いつか、この手紙を、ラッコは読むことができるのだろうか。
無限大に広がる、広大な海の中で、
ラッコと一緒に、赤貝を肴に、
濃い目のウイスキーで、一杯やることを想像をして、
よだれをたらしながら、足をぶらぶらしていた。
水銀のような海の下には、
超古代に沈んだ、巨大魚の骨が静かに海面から
ゆらゆらと、揺らいで見えるのだった。
ライオンの胃の海にも夜が来て、
もう果てのほうに流れて行ってしまった、
青いガラス瓶に、月明かりがきらりと反射して
輝くのが見えた。
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