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いのちの選択
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ぼくは高校受験が終わってすぐに入院した。
結構重い病気らしい。治療は時間がかかるって言われたけど、卒業式や入学式には出席できるのかな…
薬の影響でうとうとしていたら、ベッドの横に30歳くらいのカッコイイお兄さんが立っているのに気付いた。
「お兄さん、だれ?」
「わたしは死神。きみはもうすぐこの世から旅立つ。その前にわたしと少し出かけないか」
「出かけるって?」
「きみが行きたいところへ連れて行く。ただし、体はここで眠ったままだ。魂だけ別人の姿の器に入ってもらう。さあ、どうする」
魂だけ?この人、死神って言ったよね。死神って黒いマントとか大きな鎌とか、もっと怖いイメージだったけど、いったい何者なんだろう…あやしいけど、でも…
「それなら水木しげるロードに行ってみたい。妖怪神社にもお参りしたいな」
「わかった。それでは」
一瞬体が浮いた感じがしたと思ったら、ぼくは死神さんの隣に立っていた。そしてベッドの上にはぼくの体が横たわっている。
「これで自由に動ける。時間がないから目的地までは瞬間移動する。わたしにしっかりと掴まっているように」
ぼくは言われるまま死神さんの腕をギュッと掴んだ。するとまばたきをした瞬間に妖怪神社の鳥居の前まで移動していた。
「うわぁ。鳥居が一反木綿だ!」
「今日1日、どこへ行き何をするかはきみに選択権がある」
そう言われてぼくはまずお参りをし、それから水木しげるロードを見て歩くことにした。
「そろそろお腹すいたな」
「どこで何を食べるかもきみが決めるんだ。でも別人の姿だから母親や家族の手料理というのは難しい」
「うん、わかってる。京都に戻って地元の蒸し寿司が食べたい」
「よし、では掴まって」
やっぱり今回も一瞬で新京極通に移動してきた。
早速お寿司屋さんに入り蒸し寿司を食べる。小さい頃からよく食べていたホッとする味だ。
それから伏見稲荷へ移動し、お守りを買って絵馬を書いた。
『元気になりたい!』
「さて、もうあまり時間はないがほかに希望はないか」
「もう大丈夫。病院に戻るよ」
「では掴まって」
次の瞬間、ぼくはベッドの横に立っていた。
死神さんはベッドの上のぼくの体を見つめながら
「これが最後の選択だ。このまま旅立つか、それとも一命を取り留めもうしばらく続く辛い治療を乗り越えるか」
「え、まだ生きていられるの?」
「生きることを選び必死に頑張って長生きをする者もいるし、もう辛いのは御免だと言って旅立ちを選択する者もいる。どちらにするかはきみ次第だ」
まだ生きていてもいいのか。受験だって頑張ったし、まだまだやりたいことは山ほどある。さっき絵馬にも書いてきたんだから神様を信じて
「もっと生きたい。元気になりたい!」
また体が浮いた感じがした次の瞬間、ぼくはベッドの上で目が覚めた。
死神さんはもういなかった。最後にちょっと微笑んでるように見えた。
「夢、見てたのかな…」
でもぼくは右手に伏見稲荷のお守りを握りしめていた。
『死神さんありがとう。ぼく、頑張るよ』
結構重い病気らしい。治療は時間がかかるって言われたけど、卒業式や入学式には出席できるのかな…
薬の影響でうとうとしていたら、ベッドの横に30歳くらいのカッコイイお兄さんが立っているのに気付いた。
「お兄さん、だれ?」
「わたしは死神。きみはもうすぐこの世から旅立つ。その前にわたしと少し出かけないか」
「出かけるって?」
「きみが行きたいところへ連れて行く。ただし、体はここで眠ったままだ。魂だけ別人の姿の器に入ってもらう。さあ、どうする」
魂だけ?この人、死神って言ったよね。死神って黒いマントとか大きな鎌とか、もっと怖いイメージだったけど、いったい何者なんだろう…あやしいけど、でも…
「それなら水木しげるロードに行ってみたい。妖怪神社にもお参りしたいな」
「わかった。それでは」
一瞬体が浮いた感じがしたと思ったら、ぼくは死神さんの隣に立っていた。そしてベッドの上にはぼくの体が横たわっている。
「これで自由に動ける。時間がないから目的地までは瞬間移動する。わたしにしっかりと掴まっているように」
ぼくは言われるまま死神さんの腕をギュッと掴んだ。するとまばたきをした瞬間に妖怪神社の鳥居の前まで移動していた。
「うわぁ。鳥居が一反木綿だ!」
「今日1日、どこへ行き何をするかはきみに選択権がある」
そう言われてぼくはまずお参りをし、それから水木しげるロードを見て歩くことにした。
「そろそろお腹すいたな」
「どこで何を食べるかもきみが決めるんだ。でも別人の姿だから母親や家族の手料理というのは難しい」
「うん、わかってる。京都に戻って地元の蒸し寿司が食べたい」
「よし、では掴まって」
やっぱり今回も一瞬で新京極通に移動してきた。
早速お寿司屋さんに入り蒸し寿司を食べる。小さい頃からよく食べていたホッとする味だ。
それから伏見稲荷へ移動し、お守りを買って絵馬を書いた。
『元気になりたい!』
「さて、もうあまり時間はないがほかに希望はないか」
「もう大丈夫。病院に戻るよ」
「では掴まって」
次の瞬間、ぼくはベッドの横に立っていた。
死神さんはベッドの上のぼくの体を見つめながら
「これが最後の選択だ。このまま旅立つか、それとも一命を取り留めもうしばらく続く辛い治療を乗り越えるか」
「え、まだ生きていられるの?」
「生きることを選び必死に頑張って長生きをする者もいるし、もう辛いのは御免だと言って旅立ちを選択する者もいる。どちらにするかはきみ次第だ」
まだ生きていてもいいのか。受験だって頑張ったし、まだまだやりたいことは山ほどある。さっき絵馬にも書いてきたんだから神様を信じて
「もっと生きたい。元気になりたい!」
また体が浮いた感じがした次の瞬間、ぼくはベッドの上で目が覚めた。
死神さんはもういなかった。最後にちょっと微笑んでるように見えた。
「夢、見てたのかな…」
でもぼくは右手に伏見稲荷のお守りを握りしめていた。
『死神さんありがとう。ぼく、頑張るよ』
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