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08 店休日は水曜日
店休日の水曜日は、いつもよりゆっくり朝食を食べられる。
「んー……こんな、感じ……?」
「さんふるうつ」上階の住居にあるキッチン。夏の強い朝日の差す中、灯真は昨日のリベンジを兼ねて焼いていたパンケーキを皿に盛り付けた。カウンターに酒瓶とともに並ぶ蜂蜜に手を伸ばすと、その横にある色褪せた夏子の写真が目に入る。
……唯人さんと夏子さんって、どういう関係なんだろう。
ずっと気になっているものの、口に出せずにいる疑問がまた心のなかで頭をもたげる。多分元カノとかなんだろう。気になるなら一言聞いてみればいい。そうは思うけれども、なんとなく言い出せない。
唯人にとってあの夜のことはただの気まぐれで、灯真をここに置いてくれているのは単なる同情で——だから、本当に大切な人は、他にいる。
わざわざそんな現実を確かめなくてもいいだろう。心の片隅に疑問を押し込んで、唯人の前に皿を置く。
「オーナー、これでどうでしょう?」
スマホをいじっていた唯人が目を上げ、ざくりとパンケーキにナイフを突き刺した。湯気とともに、ふわりと甘い空気が広がる。たっぷりと蜂蜜を染み込ませた一切れを口に運んだ唯人は、「うんOK」と頷いた。
「こっちでやるときは上手くできるのに、なんで店だと失敗するのかね。緊張?」
「さあ……」
そんなの、灯真だって知りたい。
唯人の向かいに腰を下ろす。開け放った窓の向こうには甘夏畑と海が広がり、これからの暑さを予想させる潮風にさざめいている。
綺麗だな、とは感じるものの、その海はもう灯真を呼んでいるようには思えなかった。
「灯真、今日用事あるか?」
「……え? 別に……ないですけど」
唐突に投げかけられた質問に、パンケーキを喉に詰まらせそうになりながら灯真は返事をした。
店休日は自由時間だが、灯真には友人もやりたいこともない。こうしてメニューやレジ打ちの練習をして、後は自室として割り当てられた部屋に引きこもり、唯人と初めて会った日の夜を反芻するくらいだ。
「じゃあちょっと付き合え。紹介したいやつがいる」
「あ……え、はい」
灯真のことなんか誰かに紹介したら、信頼関係が壊れたりしないのだろうか。疑問に思うものの、昨日一瞬だけ見た唯人の突き刺すような視線を思い出し、結局その不安はコーヒーと一緒に飲みこんでしまう。
洗い物が終わったところを呼びに来た唯人と共に家を出て、駐車場に向かう。甘夏の木の隣に止まる白いセダンは、灯真がここに来た翌日に一度だけおかしな挙動を見せたものの、それからは特に問題なく動いている。
「あ、オーナー、僕が運転しましょうか?」
「……えっ?」
車のキーを出した唯人に手を出すと、唯人は少したじろいだようだった。灯真に渡すまいとするかのように鍵を握りこむ。
「う、運転できるのか、灯真……?」
「大丈夫ですよ、これでも不動産営業やってたんで、割と運転は……免許だってちゃんとゴールドですし」
「え、あ、そうなのか……い、いや、今日は……大丈夫。うん。遠慮しとくわ」
目を泳がせてそそくさと運転席に乗り込む唯人に続いて、灯真も助手席に乗り込む。
普段の仕事ぶりを見ていたら、運転は任せたくないと思うのも当然だろう。
……少しは役に立てるかと思ったんだけど。
軽い落胆を抱えた灯真を乗せ、くねくねとした山道を車が走り始める。
「っていうか灯真、不動産営業? って、あの……不動産屋行くと出てきて、物件とか案内してくれる人だよな?」
「あ、はい。それですそれです」
「……なんていうか……飲食も向いてねえと思ったけど、それ以上に不向きな仕事のような気がするんだけど。なんでやってたの?」
急なカーブを曲がりながら唯人が向けてきた視線には、遠慮と好奇心が戦っているようだった。
「そうですね……」
今の仕事も向いてないと思われていたんだ。灯真はうまく笑えたか自身がなかった。
「……自分に、一番向いてないと思った仕事だったから……だから、そういう場所で頑張ったら、変われるかなって思ったんですよね」
人の心を掴む話ができて、自信を持った行動ができて、商品をばんばん売れて、書類仕事もミスなくこなせて——苦手でも、数さえこなせばできるようになるかと考えたのだ。
そうしたら、自分でも誰かに必要としてもらえると思ったから。
結果は、惨憺たるものだったけれど。
上手い人の真似をしていくら練習しても灯真では物件が売れず、上司にどやされてもそれで成約数が増えるわけもなく。ローンの査定書類も毎回突き返されていて、多分銀行にも悪い意味で顔を覚えられていたと思う。歩合給の割合が多かったから、給料面という意味でもきつかった。
でも、次こそは上手くいくかも。何かが噛み合わなかっただけかも。頑張りが足りなかったかも。
……そのうち誰かが、「頑張ったね」って認めてくれるかも。
諦めきれなくて何社も点々とした。
「まあ結局、全然ダメだったんですけどね」
だから、崖にいたのである。
「あー……なるほど」
唯人の曖昧な相槌が聞こえ、車内に沈黙が下りた。窓の外を小さな地蔵と、その横にぼうっと立つ人影が通り過ぎていく。
ああいうのなら、見るからに幽霊って分かりやすくていいのにな。
森と甘夏畑が交互に並び、木の葉の間から時折海が見える車窓を眺めていると、「それって」と隣から声が聞こえた。運転する唯人に意識を戻すと、少し言葉を選ぶような間の後に、またポツリと口を開く。
「……仕事、辛くなかったのか?」
「え?……仕事って、辛いものでしょう?」
「あー……うん、そうか……」
何かを納得したような、諦めたような声色の唯人の横顔は、何を考えているのか灯真には読み取れなかった。
まるで、「私服で来て」と言われて行ったら自分以外の皆はスーツを着ていた時のような。そんな居心地の悪さに襲われ、灯真は指先を組んだ。
また急なカーブを曲がる車を、張り出していた木の枝ががさがさと撫でていった。
「んー……こんな、感じ……?」
「さんふるうつ」上階の住居にあるキッチン。夏の強い朝日の差す中、灯真は昨日のリベンジを兼ねて焼いていたパンケーキを皿に盛り付けた。カウンターに酒瓶とともに並ぶ蜂蜜に手を伸ばすと、その横にある色褪せた夏子の写真が目に入る。
……唯人さんと夏子さんって、どういう関係なんだろう。
ずっと気になっているものの、口に出せずにいる疑問がまた心のなかで頭をもたげる。多分元カノとかなんだろう。気になるなら一言聞いてみればいい。そうは思うけれども、なんとなく言い出せない。
唯人にとってあの夜のことはただの気まぐれで、灯真をここに置いてくれているのは単なる同情で——だから、本当に大切な人は、他にいる。
わざわざそんな現実を確かめなくてもいいだろう。心の片隅に疑問を押し込んで、唯人の前に皿を置く。
「オーナー、これでどうでしょう?」
スマホをいじっていた唯人が目を上げ、ざくりとパンケーキにナイフを突き刺した。湯気とともに、ふわりと甘い空気が広がる。たっぷりと蜂蜜を染み込ませた一切れを口に運んだ唯人は、「うんOK」と頷いた。
「こっちでやるときは上手くできるのに、なんで店だと失敗するのかね。緊張?」
「さあ……」
そんなの、灯真だって知りたい。
唯人の向かいに腰を下ろす。開け放った窓の向こうには甘夏畑と海が広がり、これからの暑さを予想させる潮風にさざめいている。
綺麗だな、とは感じるものの、その海はもう灯真を呼んでいるようには思えなかった。
「灯真、今日用事あるか?」
「……え? 別に……ないですけど」
唐突に投げかけられた質問に、パンケーキを喉に詰まらせそうになりながら灯真は返事をした。
店休日は自由時間だが、灯真には友人もやりたいこともない。こうしてメニューやレジ打ちの練習をして、後は自室として割り当てられた部屋に引きこもり、唯人と初めて会った日の夜を反芻するくらいだ。
「じゃあちょっと付き合え。紹介したいやつがいる」
「あ……え、はい」
灯真のことなんか誰かに紹介したら、信頼関係が壊れたりしないのだろうか。疑問に思うものの、昨日一瞬だけ見た唯人の突き刺すような視線を思い出し、結局その不安はコーヒーと一緒に飲みこんでしまう。
洗い物が終わったところを呼びに来た唯人と共に家を出て、駐車場に向かう。甘夏の木の隣に止まる白いセダンは、灯真がここに来た翌日に一度だけおかしな挙動を見せたものの、それからは特に問題なく動いている。
「あ、オーナー、僕が運転しましょうか?」
「……えっ?」
車のキーを出した唯人に手を出すと、唯人は少したじろいだようだった。灯真に渡すまいとするかのように鍵を握りこむ。
「う、運転できるのか、灯真……?」
「大丈夫ですよ、これでも不動産営業やってたんで、割と運転は……免許だってちゃんとゴールドですし」
「え、あ、そうなのか……い、いや、今日は……大丈夫。うん。遠慮しとくわ」
目を泳がせてそそくさと運転席に乗り込む唯人に続いて、灯真も助手席に乗り込む。
普段の仕事ぶりを見ていたら、運転は任せたくないと思うのも当然だろう。
……少しは役に立てるかと思ったんだけど。
軽い落胆を抱えた灯真を乗せ、くねくねとした山道を車が走り始める。
「っていうか灯真、不動産営業? って、あの……不動産屋行くと出てきて、物件とか案内してくれる人だよな?」
「あ、はい。それですそれです」
「……なんていうか……飲食も向いてねえと思ったけど、それ以上に不向きな仕事のような気がするんだけど。なんでやってたの?」
急なカーブを曲がりながら唯人が向けてきた視線には、遠慮と好奇心が戦っているようだった。
「そうですね……」
今の仕事も向いてないと思われていたんだ。灯真はうまく笑えたか自身がなかった。
「……自分に、一番向いてないと思った仕事だったから……だから、そういう場所で頑張ったら、変われるかなって思ったんですよね」
人の心を掴む話ができて、自信を持った行動ができて、商品をばんばん売れて、書類仕事もミスなくこなせて——苦手でも、数さえこなせばできるようになるかと考えたのだ。
そうしたら、自分でも誰かに必要としてもらえると思ったから。
結果は、惨憺たるものだったけれど。
上手い人の真似をしていくら練習しても灯真では物件が売れず、上司にどやされてもそれで成約数が増えるわけもなく。ローンの査定書類も毎回突き返されていて、多分銀行にも悪い意味で顔を覚えられていたと思う。歩合給の割合が多かったから、給料面という意味でもきつかった。
でも、次こそは上手くいくかも。何かが噛み合わなかっただけかも。頑張りが足りなかったかも。
……そのうち誰かが、「頑張ったね」って認めてくれるかも。
諦めきれなくて何社も点々とした。
「まあ結局、全然ダメだったんですけどね」
だから、崖にいたのである。
「あー……なるほど」
唯人の曖昧な相槌が聞こえ、車内に沈黙が下りた。窓の外を小さな地蔵と、その横にぼうっと立つ人影が通り過ぎていく。
ああいうのなら、見るからに幽霊って分かりやすくていいのにな。
森と甘夏畑が交互に並び、木の葉の間から時折海が見える車窓を眺めていると、「それって」と隣から声が聞こえた。運転する唯人に意識を戻すと、少し言葉を選ぶような間の後に、またポツリと口を開く。
「……仕事、辛くなかったのか?」
「え?……仕事って、辛いものでしょう?」
「あー……うん、そうか……」
何かを納得したような、諦めたような声色の唯人の横顔は、何を考えているのか灯真には読み取れなかった。
まるで、「私服で来て」と言われて行ったら自分以外の皆はスーツを着ていた時のような。そんな居心地の悪さに襲われ、灯真は指先を組んだ。
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