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28 幸せ咲くのは、きっと※
「いくぞ」
「う、あっ……!」
唯人の先端が、灯真を押し上げる。ベッドの上を滑りそうになる肩を掴まれ、無理やりねじ込むように唯人が中に入ってきた。
「あ、いっ、ああーっ!」
さっきまでと比べ物にならない大きさに貫かれ、灯真は本能からの声を迸らせた。
熱い。きつい。苦しい。壊れそう。
唯人に壊されたい。二度と消えない傷を刻みつけて、彼のものにしてほしい。
無理、と泣きそうになった瞬間、唯人の腰が灯真にぶつかり、挿入が止まった。
「っ……灯真、やっと、ああ……中、凄いな」
満足そうな吐息を漏らした唯人は、嵌り込んだ感触を確認するように腰を軽く振った。まだ慣れていない内壁が引きつれるように擦れ、灯真はか細い悲鳴を上げた。
「待っ、て」
さらに大きく腰を動かそうとした唯人が、はっとしたように動きを止める。
「痛かったか?」
灯真の頭を撫でてくる表情と、自分の中で少しだけ小さくなる唯人を感じて、灯真の中で罪悪感が膨れ上がった。
「ご、ごめんなさい……大丈夫、だから……」
呟いた灯真の目から涙が溢れた。唯人に気持ちよくなってほしいのに、何で水を差すようなことを言ってしまったんだろう。
「俺こそごめんな、嬉しくてつい……灯真への配慮、忘れかけてた」
「そんな、こと」
唯人の左手が、慈しむように灯真の下腹部を撫でる。
「……ここに、俺を受け入れてるんだもんな。最初は痛いし、苦しいのも当たり前だよ」
「当たり前……?」
「人と繋がるって、そういうことだろ」
優しい手つきで、灯真の額に張り付いた髪をかき上げられる。
「安心しろ、灯真が後ろでも気持ちよくなれるよう、何度でも抱いてやるから」
「っ……!」
あんまりな台詞に、どう返したらいいのか分からない。繋がった唯人を見上げていると、灯真の股間に唯人の指先が降りてきた。
「だから、今日はこっちで良くしてやる」
「あっ!」
ずっとその存在を主張していた先端に触れられ、灯真の腰が跳ねた。内壁が唯人と擦れあってまた悲鳴を上げるが、そこには自分でも分かるほど甘い響きがこもっていた。
「……きつかったら、また言えよ」
灯真の熱を握りこみながら、唯人がまた軽く腰を動かした。前からのしびれるような刺激と、中からの熱くて、苦しくて、とにかくすごいとしか言えないような圧迫感が同時に灯真を襲う。
「やぁん、ちょ、待ってって、ば」
シーツを握りこみ、灯真は首を振った。だが鼻にかかったような声は「気持ちいい」と訴えているのと同義だった。唯人にも分かっているらしく、今度は手を緩めてはくれない。
それどころか、腰の動きをさらに大きくして来ているようだ。
「唯人、さっ、りょっ、両方は」
「気持ちいいだろ。俺もすげー気持ちいい」
「やっ、そういうことじゃっ」
唯人が動くたびに、灯真の中で二人の境目が熱く溶けていく気がした。前を握った手が動くと、灯真の背中を電流のようなものが走り、欲を吐き出したい気持ちが強まる。
「あ、あ、だめぇ、唯人さん、僕、ああっ」
前と後ろ、両方を同時に責められ、灯真の頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。目の前の景色すら、もう意識の中に入ってこない。
灯真のお腹の中で突かれ、渦巻く熱がどんどん大きくなり、弾けそうに暴れまわる。背中を震わせる刺激が強くなり、灯真の脳天に達そうとしていた。
「ん、あ、いく、いっちゃうの」
「ああ、俺もだっ……」
灯真の奥深くに楔を打ち込むように、唯人が思いきり腰を打ち付けた。それが合図だったかのように、灯真の背中を熱い衝動が貫いていった。
「あっ、ああっ……!」
声を上げながら、唯人の手と自分の腹の上に、灯真は思いきり欲望を吐き出した。無意識に締め付けてしまった中で、唯人が大きく膨らみ、脈動するのを感じる。
「っ、はー……」
急激に襲ってくる心地よい倦怠感に包まれながら、灯真は荒い息を繰り返した。
すべてが満ち足りていて、ただ幸せだった。
うとうとと眠りに落ちる直前のような状態で、後処理をしてくれる唯人を受け入れる。申し訳ないと思う気持すら、眠気の波に飲み込まれていってしまう。
暑、と唯人の呟きが聞こえた。からりと音を立て、ベッド横の窓が開けられる。
涼しい晩冬の風と共に、いつか嗅いだ甘い匂いが部屋の中に入ってきた。
「お、うわ」
驚いた声に薄目を開けると、「見てみろよ」と唯人が窓の外を指差していた。振り向くと、窓の外に伸びている甘夏の木が、一面に白い花をつけていた。
「わあ……」
確かめていたわけではないが、帰って来た時には蕾すらなかったような気がする。いや、そもそもこの木に花はつかないんだっけか。記憶をたどっていると、横に座った唯人が面白そうに自分を見ていることに灯真は気が付いた。
「……そんなに気持ちよかったのか」
「え? いや、僕は関係っ……」
否定しようとして、そうも言いきれないか、と思ってしまう。意図してコップを鳴らしたりしているわけではないし、もしかしたら花くらい咲かせられるのかもしれない。
だが、そうだとしたら、灯真は今「好きな人と初めて関係を持ちました! 幸せです!」と窓から叫んでいるのと変わらない。
「……関係、ありませんね」
きっと夏子の仕業だ。そうに違いない。
布団を被って丸くなると、その端を唯人がめくってきた。寝たふりをした灯真の頬に、温かいものが触れる。
落ちていくように、灯真の意識はそこで途切れた。
「う、あっ……!」
唯人の先端が、灯真を押し上げる。ベッドの上を滑りそうになる肩を掴まれ、無理やりねじ込むように唯人が中に入ってきた。
「あ、いっ、ああーっ!」
さっきまでと比べ物にならない大きさに貫かれ、灯真は本能からの声を迸らせた。
熱い。きつい。苦しい。壊れそう。
唯人に壊されたい。二度と消えない傷を刻みつけて、彼のものにしてほしい。
無理、と泣きそうになった瞬間、唯人の腰が灯真にぶつかり、挿入が止まった。
「っ……灯真、やっと、ああ……中、凄いな」
満足そうな吐息を漏らした唯人は、嵌り込んだ感触を確認するように腰を軽く振った。まだ慣れていない内壁が引きつれるように擦れ、灯真はか細い悲鳴を上げた。
「待っ、て」
さらに大きく腰を動かそうとした唯人が、はっとしたように動きを止める。
「痛かったか?」
灯真の頭を撫でてくる表情と、自分の中で少しだけ小さくなる唯人を感じて、灯真の中で罪悪感が膨れ上がった。
「ご、ごめんなさい……大丈夫、だから……」
呟いた灯真の目から涙が溢れた。唯人に気持ちよくなってほしいのに、何で水を差すようなことを言ってしまったんだろう。
「俺こそごめんな、嬉しくてつい……灯真への配慮、忘れかけてた」
「そんな、こと」
唯人の左手が、慈しむように灯真の下腹部を撫でる。
「……ここに、俺を受け入れてるんだもんな。最初は痛いし、苦しいのも当たり前だよ」
「当たり前……?」
「人と繋がるって、そういうことだろ」
優しい手つきで、灯真の額に張り付いた髪をかき上げられる。
「安心しろ、灯真が後ろでも気持ちよくなれるよう、何度でも抱いてやるから」
「っ……!」
あんまりな台詞に、どう返したらいいのか分からない。繋がった唯人を見上げていると、灯真の股間に唯人の指先が降りてきた。
「だから、今日はこっちで良くしてやる」
「あっ!」
ずっとその存在を主張していた先端に触れられ、灯真の腰が跳ねた。内壁が唯人と擦れあってまた悲鳴を上げるが、そこには自分でも分かるほど甘い響きがこもっていた。
「……きつかったら、また言えよ」
灯真の熱を握りこみながら、唯人がまた軽く腰を動かした。前からのしびれるような刺激と、中からの熱くて、苦しくて、とにかくすごいとしか言えないような圧迫感が同時に灯真を襲う。
「やぁん、ちょ、待ってって、ば」
シーツを握りこみ、灯真は首を振った。だが鼻にかかったような声は「気持ちいい」と訴えているのと同義だった。唯人にも分かっているらしく、今度は手を緩めてはくれない。
それどころか、腰の動きをさらに大きくして来ているようだ。
「唯人、さっ、りょっ、両方は」
「気持ちいいだろ。俺もすげー気持ちいい」
「やっ、そういうことじゃっ」
唯人が動くたびに、灯真の中で二人の境目が熱く溶けていく気がした。前を握った手が動くと、灯真の背中を電流のようなものが走り、欲を吐き出したい気持ちが強まる。
「あ、あ、だめぇ、唯人さん、僕、ああっ」
前と後ろ、両方を同時に責められ、灯真の頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。目の前の景色すら、もう意識の中に入ってこない。
灯真のお腹の中で突かれ、渦巻く熱がどんどん大きくなり、弾けそうに暴れまわる。背中を震わせる刺激が強くなり、灯真の脳天に達そうとしていた。
「ん、あ、いく、いっちゃうの」
「ああ、俺もだっ……」
灯真の奥深くに楔を打ち込むように、唯人が思いきり腰を打ち付けた。それが合図だったかのように、灯真の背中を熱い衝動が貫いていった。
「あっ、ああっ……!」
声を上げながら、唯人の手と自分の腹の上に、灯真は思いきり欲望を吐き出した。無意識に締め付けてしまった中で、唯人が大きく膨らみ、脈動するのを感じる。
「っ、はー……」
急激に襲ってくる心地よい倦怠感に包まれながら、灯真は荒い息を繰り返した。
すべてが満ち足りていて、ただ幸せだった。
うとうとと眠りに落ちる直前のような状態で、後処理をしてくれる唯人を受け入れる。申し訳ないと思う気持すら、眠気の波に飲み込まれていってしまう。
暑、と唯人の呟きが聞こえた。からりと音を立て、ベッド横の窓が開けられる。
涼しい晩冬の風と共に、いつか嗅いだ甘い匂いが部屋の中に入ってきた。
「お、うわ」
驚いた声に薄目を開けると、「見てみろよ」と唯人が窓の外を指差していた。振り向くと、窓の外に伸びている甘夏の木が、一面に白い花をつけていた。
「わあ……」
確かめていたわけではないが、帰って来た時には蕾すらなかったような気がする。いや、そもそもこの木に花はつかないんだっけか。記憶をたどっていると、横に座った唯人が面白そうに自分を見ていることに灯真は気が付いた。
「……そんなに気持ちよかったのか」
「え? いや、僕は関係っ……」
否定しようとして、そうも言いきれないか、と思ってしまう。意図してコップを鳴らしたりしているわけではないし、もしかしたら花くらい咲かせられるのかもしれない。
だが、そうだとしたら、灯真は今「好きな人と初めて関係を持ちました! 幸せです!」と窓から叫んでいるのと変わらない。
「……関係、ありませんね」
きっと夏子の仕業だ。そうに違いない。
布団を被って丸くなると、その端を唯人がめくってきた。寝たふりをした灯真の頬に、温かいものが触れる。
落ちていくように、灯真の意識はそこで途切れた。
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